24.11.1 自動データロード実行中に障害が発生した場合
自動データロード実行中に障害が発生した場合のHiRDBの動作と,HiRDB管理者又は監査人の取る対処方法を次の表に示します。
障害内容 |
障害原因 |
HiRDBの動作 |
機能の継続 |
HiRDB管理者又は監査人の対処方法 |
---|---|---|---|---|
監査証跡表が存在しない場合 |
監査証跡表を作成する前に,監査証跡ファイルのスワップが発生しました。 |
KFPL15029-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。 |
× |
【管理者】 pdmodコマンドを実行し,監査証跡表を作成してください。 |
pdloadの最大同時実行数が超過した場合 |
pd_utl_exec_modeに0を指定している場合,自動データロード以外で実行しているpdloadコマンドが32個を超えました。 |
実行中のpdloadコマンドが終了した後に,データロードを開始します。 |
○ |
【管理者】 pdloadコマンドの最大同時実行数を見直し,必要であればpd_utl_exec_modeの値を1に変更してください。 |
pdloadの最大同時接続数が超過した場合 |
pdloadコマンドの最大同時接続数が,pd_max_usersで指定している値を超えました。 |
KFPA11932-Eメッセージを出力します。データロードはいったん中止しますが,時間を置いて再実行します。 |
○ |
【管理者】 pdloadコマンドの最大同時接続数を見直し,必要であればpd_max_usersの値を大きくしてください。 |
排他確保エラーが発生した場合 |
監査証跡表をNOWAIT検索以外の方法で参照しているUAPが存在しています。 |
KFPA11770-Iメッセージを出力し,データロードを中止します。 |
○ |
【監査人】 監査証跡表の参照に時間が必要な場合は,pdaudatld -tコマンドで一時的に自動データロード機能を停止するか,NOWAIT検索による参照を検討してください。 |
RDエリアへアクセスできない場合 |
監査証跡表を格納したRDエリアが閉塞又はクローズしています。 |
KFPL23500-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。 |
× |
【管理者】 監査証跡表が格納されているRDエリアの状態をオープンにしてください。 |
監査証跡ファイルの読み込みエラーが発生した場合 |
監査証跡ファイル(HiRDBファイル)の内容を読み込みできません。 |
KFPS05704-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。 |
× |
【管理者】 メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。 |
監査証跡ファイルの書き込みエラーが発生した場合※3 |
監査証跡ファイルのステータス変更(データロード済み状態への変更)に失敗しました。 |
KFPS05704-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。 |
× |
【監査人】 次の手順で対処してください。 1. イベントログを参照し,自動データロード中に異常終了した監査証跡ファイルを特定します※1。 2. 1.で特定したファイル名を指定し,pdloadコマンドを手動で実行します※2。 3. pdaudatld -bコマンドを実行して,自動データロード機能を再開始します。 |
データロード待ち状態の監査証跡ファイルが存在しない場合 |
監査人が監査証跡表へのデータロードを手動で行いました。 |
KFPL23201-Wメッセージを出力します。 |
○ |
対策は不要です。 |
RDエリアの容量が不足している場合 |
監査証跡表のデータを退避又は削除しなかったため,RDエリアの容量が不足しました。 |
KFPA11756-Eメッセージを出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。 |
× |
【監査人】 監査証跡表に不要なデータがある場合は,削除してください。又は,HiRDB管理者にRDエリアの拡張を依頼してください。 【管理者】 監査人から依頼があった場合,RDエリアを拡張してください。 |
監査証跡表が更新できない場合 |
監査証跡表にデータロードできません。 |
障害の原因をSQLメッセージに出力し,データロードをロールバックして処理を中止します。 |
× |
【管理者】 SQLメッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。 |
通信エラー(サーバ起動)が発生した場合 |
pdloadからのサーバ起動ができません。サーバやユニットがダウンしているおそれがあります。 |
KFPL20000-Eメッセージを出力し,データロードを中止します。 |
× |
【管理者】 メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。 |
通信エラー(データ送受信)が発生した場合 |
監査証跡ファイルのあるユニットから,監査証跡表のあるユニットにデータが送信できません。 |
KFPL20000-Eメッセージを出力してアボートします。これに伴いデータロードをロールバックして,処理を中止します。 |
× |
【管理者】 メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。 |
プロセスがダウンした場合※3 |
自動データロードを行うpdloadがキャンセルされたか,サーバがダウンしました。 |
KFPS01820-Eメッセージを出力してアボートします。 |
× |
【管理者】 自動データロードを行うpdloadのプロセスに対して,pdcancelコマンドを実行しないでください。 上記の要因に当てはまらない場合は,メッセージの内容を参照して,障害を取り除いてください。対処できない場合は,保守員に連絡してください。 |
- (凡例)
-
○:自動データロード機能は停止しません。
×:自動データロード機能は停止します。障害の原因を取り除いた後,pdaudatld -b コマンドで機能を再開始する必要があります。
【管理者】:HiRDB管理者が行う対処方法
【監査人】:監査人が行う対処方法
- 注※1
-
ユニットダウンでイベントログが参照できない場合は,監査証跡表に対してデータベース状態解析ユティリティ(pddbst)をDBA権限所有者に実行してもらい,その実行結果から特定してください。
- 注※2
-
ここで実行するpdloadコマンドは,監査証跡ファイルの状態をデータロード済みに変更する処理を行うだけで,データロードは行いません。
- 注※3
-
監査証跡ファイルの状態を「データロード済み」に変更できなかった場合に発生する障害です。