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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


26.2.8 CLUSTERPROに関する準備

クラスタソフトウェアにCLUSTERPROを使用している場合にこの項をお読みください。

CLUSTERPROの環境設定方法の詳細については,CLUSTERPROのマニュアルを参照してください。

注意事項
  • HiRDBがCLUSTERPROでの動作を保証するクラスタ構成は,1:1接続構成(1:1系切り替え構成,及び相互系切り替え構成),及び1:N接続構成(マルチスタンバイ構成)となります。

    また,ディスク構成は次のどちらかを選択してください。

    ・共有ディスク構成

    ・ミラーディスク構成

  • グループリソース,モニタリソースの作成はHiRDBが停止した状態で行ってください。各種リソースの作成に失敗した場合は,CLUSTERPROのマニュアルを参照し各種リソースを再作成してください。

〈この項の構成〉

(1) グループリソースの作成

CLUSTERPROが系切り替えを行う単位をフェイルオーバグループといいます。フェイルオーバグループとはクラスタシステム内の独立した業務を実行するために必要な資源(グループリソース)の集まりのことです。

HiRDBでCLUSTERPROを用いて系切り替えを実行する場合,CLUSTERPROのフェイルオーバグループにグループリソースを作成してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合はユニットごとに作成したフェイルオーバグループ配下にグループリソースを作成してください。

HiRDBの設定に必要なグループリソースを次に示します。

グループリソース名

概要

作成要否

EXECリソース

HiRDBの起動,停止を行うスクリプトを実行するために作成します。

ディスクリソース

共有ディスク構成を構築する場合に作成します。

ボリュームマネージャリソースを使用する場合は作成不要です。

ミラーディスクリソース

ミラーディスク構成を構築する場合に作成します。

ボリュームマネージャリソース

LVM構成を構築する場合に使用できます。

フローティングIPリソース

オンプレミス環境でフローティングIPアドレスを使用する場合に作成します。

AWS仮想IPリソース

Amazon Web Services環境で,仮想IPアドレスを使用する場合に作成します。

AWSセカンダリIPアドレスリソース

Amazon Web Services環境で,AWSセカンダリIPアドレスを使用する場合に作成します。

AWS Elastic IPリソース

Amazon Web Services環境で,ElasticIPアドレスを使用する場合に作成します。

AWS DNSリソース

Amazon Route 53に登録したFQDNを使用する場合に作成します。

Azureプローブポートリソース

Azureロードバランサーを用いて,仮想IPアドレスを使用する場合に作成します。

Azure DNSリソース

Azure DNSに登録したFQDNを使用する場合に作成します。

(凡例)

◎:必ず作成してください。

○:構築環境に合わせて必ず作成してください。

△:必要に応じて作成してください。

(2) モニタリソースの作成

グループリソースのうち,指定されたリソースの監視を行うリソースです。

モニタリソースは,監視対象の異常を検出した場合に,グループリソースの再起動やフェイルオーバなどを行います。そのため,HiRDBの稼働監視を行う場合にモニタリソースを作成することで,HiRDB異常終了時に再起動やフェイルオーバを行うことができます。

HiRDBの稼働監視を行う場合に作成するモニタリソースを次に示します。

モニタリソース名

概要

作成要否

カスタムモニタ

HiRDBユニットの稼働監視を行う場合に作成します。

(凡例)

△:必要に応じて作成してください。

そのほかのモニタリソースについては,「グループリソースの作成」で示したグループリソースを作成した後,CLUSTERPRO側が対応するモニタリソースを自動,又は手動で作成が必要なリソースがあります。

なお,HiRDBでの設定は必要ありません。

(3) IPアドレスに関連するリソースの作成

オンプレミス環境上でHiRDBのIPアドレス,又はクライアント接続用のIPアドレスを引き継ぐ場合,CLUSTERPROのグループリソースのうち,フローティングIPリソースを作成してください。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒14 フローティングIPリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「フローティングIPリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

IPアドレス

使用するフローティングIPアドレスを指定します。

Amazon Web Servicesや,Microsoft Azure環境でHiRDBのIPアドレス,又はクライアント接続用のIPアドレスを引き継ぐ場合の詳細は,「パブリッククラウド環境でCLUSTERPROを使用する場合の準備」を参照してください。

(4) ディスクに関連するリソースの作成

HiRDBファイルシステムを配置するディスクをCLUSTERPROに設定します。

HiRDBファイルシステムは次の領域に配置できます。

ディスク形態

前提機能

HiRDBファイルシステム領域の作成ファイル

共有ディスク

通常ファイル

キャラクタ型スペシャルファイル,又はブロック型スペシャルファイル

ミラーディスク

通常ファイル

キャラクタ型スペシャルファイル

共有ディスク,ミラーディスク

LVM

キャラクタ型スペシャルファイル,又はブロック型スペシャルファイル

注※

ミラーディスクの場合,ブロック型スペシャルファイルには作成できません。

(a) HiRDBファイルシステム領域を共有ディスク上の通常ファイルに作成する場合

CLUSTERPROのグループリソースのうち,ディスクリソースを作成してください。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒15 ディスクリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ディスクリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

ディスクタイプ

「disk」を選択します。

デバイス名

HiRDBファイルシステム領域を配置するディスクのパスを指定します。

マウントポイント

ディスクデバイスをマウントするディレクトリパスを指定します。

(b) HiRDBファイルシステム領域を共有ディスク上のキャラクタ型スペシャルファイル,又はブロック型スペシャルファイルに作成する場合

CLUSTERPROのグループリソースのうち,ディスクリソースを作成してください。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒16 ディスクリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ディスクリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

ディスクタイプ

「raw」を選択します。

デバイス名

HiRDBファイルシステム領域を配置するディスクのパスを指定します。

RAWデバイス名

ディスクデバイスをバインドするディレクトリを指定します。

調整

アンバインドを実行する

チェックを入れます。

ブロック型スペシャルファイルに作成する場合,ディスクデバイスに対して,HiRDB管理者のアクセス権限を与えてください。

また,キャラクタ型スペシャルファイルに作成する場合,ディスクリソースに指定したRAWデバイスのオーナーを変更するシェルスクリプトを作成した上で,ディスクリソースに設定してください。

ディスクリソースの追加設定内容,及びシェルスクリプトの例を次に示します。

●ディスクリソースの追加設定内容

タブ

項目

入力・選択値

拡張

活性前後,非活性前後にスクリプトを実行する

設定

実行タイミング

「リソース活性後にスクリプトを実行する」にチェックを入れます。

設定

「ユーザアプリケーション」を選択します。

ファイル

作成するシェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

●シェルスクリプトの指定例(raw_chown.sh)

シェルスクリプトの実行権限は,スーパユーザに与えてください。

なお,このシェルスクリプトは現用系,予備系サーバの両方に格納する必要があります。

#!/bin/sh
 
chown hirdb:hirdbgrp /dev/raw/raw1

(c) HiRDBファイルシステム領域をミラーディスク上の通常ファイルに作成する場合

CLUSTERPROグループリソースのうち,ミラーディスクリソースを作成してください。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒17 ミラーディスクリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ミラーディスクリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

マウントポイント

ミラーディスクをマウントするディレクトリパスを指定します。

ファイルシステム

「none」を除くどれかの項目を選択します。

調整

ミラー

初期ミラー構築を行う

チェックを入れます。

初期mkfsを行う

チェックを入れます。

データを同期する

チェックを入れます。

モード

HiRDB/シングルサーバ及び1ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期,又は非同期を選択します。

複数ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期を選択します。

注※

非同期を選択する場合は,一つのミラーディスクリソース上にミラーリング対象のHiRDBユニット内のHiRDBファイルをすべて配置してください。なお,非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

(d) HiRDBファイルシステム領域をミラーディスク上のキャラクタ型スペシャルファイルに作成する場合

CLUSTERPROグループリソースの内,ミラーディスクリソースを作成してください。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒18 ミラーディスクリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ミラーディスクリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

ファイルシステム

「none」を選択します。

調整

ミラー

初期ミラー構築を行う

チェックを入れます。

データを同期する

チェックを入れます。

モード

同期を選択します。

作成したミラーディスクリソースに対して,rawコマンドでバインド/アンバインドを実行するEXECリソースを作成する必要があります。詳細は「ミラーディスクリソースにキャラクタ型スペシャルファイルを作成する場合」を参照してください。

(e) HiRDBファイルシステム領域をLVM上のLVに作成する場合

CLUSTERPROのグループリソースのうち,ボリュームマネージャリソースを使用できます。HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒19 ボリュームマネージャリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ボリュームマネージャリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

詳細

ボリュームマネージャ

「lvm」を選択します。

ターゲット名

LVを作成するVGを指定します。

指定したVG上のLV(スナップショットを含む)にHiRDBファイルシステム領域を作成する場合,VG上のすべてのLVのオーナーを変更するシェルスクリプトを作成した上で,ボリュームマネージャリソースに設定してください。

ボリュームマネージャリソースの追加設定内容,及びシェルスクリプトの例を次に示します。

●ボリュームマネージャリソースの追加設定内容

タブ

項目

入力・選択値

拡張

活性前後,非活性前後にスクリプトを実行する

設定

実行タイミング

「リソース活性後にスクリプトを実行する」にチェックを入れます。

設定

「ユーザアプリケーション」を選択します。

ファイル

作成するシェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

●シェルスクリプトの指定例(lv_chown.sh)

シェルスクリプトの実行権限は,スーパユーザに与えてください。

なお,このシェルスクリプトは現用系,予備系サーバの両方に格納する必要があります。

#!/bin/sh
 
chown hirdb:hirdbgrp /dev/vg1/*

(5) スクリプト実行に関連するリソースの作成

HiRDBユニットの開始,停止,稼働監視を行うシェルスクリプトを準備します。CLUSTERPROのグループリソースのうち,EXECリソース,及びカスタムモニタリソースにシェルスクリプトを登録することで,HiRDBユニットの起動,停止,又は稼働監視を行うことができます。

(a) HiRDBのシェルスクリプト

次のシェルスクリプトを作成します。「HiRDB/シングルサーバの場合」,又は「HiRDB/パラレルサーバの場合」の例を参照してください。

  • HiRDB開始シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト,及びHiRDB(ユニット)を開始するシェルスクリプト

  • HiRDB停止シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト,及びHiRDB(ユニット)を停止するシェルスクリプト

  • HiRDBユニットの稼働監視を行うシェルスクリプト

シェルスクリプトの実行権限は,HiRDB管理者に与えてください。なお,これらのスクリプトは現用系,予備系サーバの両方に格納する必要があります。

次にそれぞれのスクリプトの例を示します。この例ではHiRDB管理者のユーザIDをhirdbとして作成しています。

HiRDB/シングルサーバの場合

●HiRDB開始シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト(hirdb_pdstart.sh)

#!/bin/sh
su - hirdb -c /HiRDB_S/conf/pdstart.sh...................................1,2
〔説明〕
  1. 起動コマンドに,実行者を変更するため「su」コマンドを記載します。

  2. 起動コマンドの引数に,ユニットを開始するシェルスクリプト(pdstart.sh)のパスを記載します。

●ユニットを開始するシェルスクリプト(pdstart.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_S
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
$PDDIR/bin/pdstart

●HiRDB停止シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト(hirdb_pdstop.sh)

#!/bin/sh
su - hirdb -c /HiRDB_S/conf/pdstop.sh ...................................1,2
〔説明〕
  1. 停止コマンドに,実行者を変更するため「su」コマンドを記載します。

  2. 停止コマンドの引数に,ユニットを停止するシェルスクリプト(pdstop.sh)のパスを記載します。

●ユニットを停止するシェルスクリプト(pdstop.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_S
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
 
$PDDIR/bin/pdstop -f -q...................................1
〔説明〕
  1. 系が短時間で切り替わるように,終了コマンドには強制終了(pdstop -f -q)を用いてください。

●HiRDBユニットの稼働監視を行うシェルスクリプト(pdls.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_S
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
 
$PDDIR/bin/pdls -d ust
HiRDB/パラレルサーバの場合
注意事項

HiRDB/パラレルサーバでEXECリソースを開始してHiRDBユニットを起動する場合,HiRDBユニットが起動完了する前にEXECリソースが開始状態となります。HiRDBユニットのグループリソースが系切り替えする場合も同様です。HiRDBユニットの起動が完了したかどうか,又は系切り替えが完了したかどうかはsyslogfileのKFPS05110-Iメッセージを確認してください。KFPS05110-Iメッセージが出力されていれば,ユニットの起動,又は系切り替えは完了しています。

また,syslogfileにエラーメッセージが出力され,ユニットの起動が失敗している場合は,起動失敗の要因を取り除いた後,HiRDBシステム又はHiRDBユニットが開始中の場合はHiRDBを強制終了(pdstop -f,又はpdstop -zコマンドで終了)してください。その後,CLUSTERPROのコマンド操作,又はCluster WebUIによるGUI操作で,EXECリソースを停止して再度起動してください。

●HiRDB開始シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト(hirdb_pdstart.sh)

#!/bin/sh
su - hirdb -c /HiRDB_P/conf/pdstart.sh...................................1,2
〔説明〕
  1. 起動コマンドに,実行者を変更するため「su」コマンドを記載します。

  2. 起動コマンドの引数に,ユニットを開始するシェルスクリプト(pdstart.sh)のパスを記載します。

●ユニットを開始するシェルスクリプト(pdstart.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_P
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
$PDDIR/bin/pdstart -q

●HiRDB停止シェルスクリプトを実行するシェルスクリプト(hirdb_pdstop.sh)

#!/bin/sh
su - hirdb -c /HiRDB_P/conf/pdstop.sh ...................................1,2
〔説明〕
  1. 停止コマンドに,実行者を変更するため「su」コマンドを記載します。

  2. 停止コマンドの引数に,ユニットを停止するシェルスクリプト(pdstop.sh)のパスを記載します。

●ユニットを停止するシェルスクリプト(pdstop.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_P
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
 
$PDDIR/bin/pdstop -z -q...................................1
〔説明〕
  1. 系が短時間で切り替わるように,終了コマンドには強制終了(pdstop -z -q)を用いてください。

●HiRDBユニットの稼働監視を行うシェルスクリプト(pdls.sh)

#!/bin/sh
PDDIR=/HiRDB_P
PDCONFPATH=${PDDIR}/conf
LD_LIBRARY_PATH=${PDDIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin
export PDDIR PDCONFPATH PATH LD_LIBRARY_PATH
 
$PDDIR/bin/pdls -d ust

(b) EXECリソースの作成

CLUSTERPROのグループリソースのうち,EXECリソースを作成してください。

HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒20 EXECリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「EXECリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」にチェックを入れます。

復旧動作

活性リトライしきい値

0を指定します。

フェイルオーバしきい値

0を指定します。

詳細

ユーザアプリケーションを選択します。

[編集]を選択すると,アプリケーションパスの入力画面が表示されるので,HiRDBの開始/終了シェルスクリプトを実行するシェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

調整

パラメータ

開始スクリプト

同期を選択します。

タイムアウト

pd_system_complete_wait_timeオペランド以上の値を指定してください。

待機系サーバで実行する

チェックを入れません。

終了スクリプト

同期を選択します。

タイムアウト

変更不要です。

待機系サーバで実行する

チェックを入れません。

注意事項

HiRDBの開始処理でpd_system_complete_wait_timeオペランド値の時間が経過してもHiRDBが起動しない場合,syslogfileにKFPS05078-Iメッセ—ジを出力してEXECリソースがエラー終了します。HiRDBとしては開始処理を続行するため,HiRDBシステム又はHiRDBユニットを強制終了(pdstop -fコマンド,又はpdstop -zコマンドで終了)してください。その後,EXECリソースも停止してください。EXECリソース再起動時に同様の理由でエラーにならないよう,次の値を変更してEXECリソースを開始してください。

  • pd_system_complete_wait_timeオペランド値

  • EXECリソース開始スクリプトのタイムアウト値

(c) カスタムモニタリソースの作成

EXECリソースを作成した後,HiRDBユニットの稼働を監視する場合は,CLUSTERPROのモニタリソースのうち,カスタムモニタリソースを作成してください。カスタムモニタリソース作成時にHiRDBユニットの稼働を監視するシェルスクリプトを登録することで,HiRDBユニットが異常終了した場合,HiRDBユニットの異常を検知して,グループの再起動,又はフェイルオーバを実施できます。

なお,カスタムモニタリソースを作成して,グループの再起動,又はフェイルオーバを実施する場合は,pd_mode_confにMANUAL2を指定してください。

カスタムモニタリソースについて,HiRDBに関係する設定項目を次の表に示します。

表26‒21 カスタムモニタリソースに指定する項目の値

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「カスタムモニタ」を選択します。

監視(共通)

タイムアウト発生時にリトライしない

チェックを入れません。

リトライ回数

1以上の任意の値を指定します。

監視タイミング

活性時を選択します。

対象リソース

[参照]ボタンを選択して,HiRDB(ユニット)を起動するEXECリソースを選択します。

監視(固有)

ユーザアプリケーションを選択します。

ファイル

HiRDBの稼働監視シェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

監視タイプ

同期を選択します。

正常な戻り値

「0,4」を指定します。

警告戻り値

「0,4」を指定します。

クラスタ停止時に活性時監視を待ち合わせる

チェックを入れます。

回復動作

回復対象

[参照] ボタンを選択して,HiRDB(ユニット)の起動,停止を行うフェイルオーバグループを指定します。

(d) ミラーディスクリソースにキャラクタ型スペシャルファイルを作成する場合

CLUSTEERPROのグループリソースのうち,EXECリソースを作成して,rawコマンドを実行するシェルスクリプトを登録することで,ミラーディスクリソース起動後にキャラクタ型スペシャルファイルとして使用することができます。

HiRDBに関係する設定項目,及びシェルスクリプトの実行例を次に示します。

次のシェルスクリプトを作成します。

  • rawコマンドを実行してバインドを行うシェルスクリプト

  • rawコマンドを実行してアンバインドを行うシェルスクリプト

シェルスクリプトの実行権限は,スーパユーザに与えてください。なお,これらのスクリプトは現用系,予備系サーバの両方に格納する必要があります。

次にそれぞれのスクリプトの例を示します。

●rawコマンドを実行してバインドを行うシェルスクリプト(raw_bind.sh)
#!/bin/sh
clplogcmd -m "RAW1 BIND START"...................................1
 
#ミラーディスクリソースのミラーパーティションデバイス名を指定
raw /dev/raw/raw1 /dev/NMP1 ...................................2
 
# デバイスが使用可能になるまで待つ
COUNT=0
while [ ${COUNT} -lt 10 ]
do
  #デバイスへのアクセスを試行し、アクセスできればバインド完了
  dd of=/dev/null if=/dev/raw/raw1 bs=1 count=0 > /dev/null 2>&1
  if [ "$?" = 0 ]
  then
    break
  fi
  #1秒sleepリトライする
  sleep 1
  COUNT=`expr ${COUNT} + 1`
done
sleep 1
clplogcmd -m "RAW1 BIND END"...................................1
 
if [ ${COUNT} -lt 10 ]
then
  chown hadeg:togodb /dev/raw/raw1
  exit 0
else
  exit 8
fi
〔説明〕
  1. CLUSTERPROのコマンドを実行して,syslogfileにログ情報を出力します。

  2. rawコマンドの引数に,ミラーディスクリソース作成時に指定するミラーパーティションデバイス名を指定します。

●rawコマンドを実行してアンバインドを行うシェルスクリプト(raw_unbind.sh)
#!/bin/sh
clplogcmd -m "RAW1 UNBIND START"...................................1
 
COUNT=0
while [ \( ${COUNT} -lt 10 \) -a \( -e /dev/raw/raw1 \) ]
do
  #rawデバイス使用中のプロセスを強制終了する
  fuser -k /dev/raw/raw1 > /dev/null 2>&1
  # コマンドの処理が完了するのを1秒待つ
  sleep 1
  # デバイスのアンバインド
  raw /dev/raw/raw1 0 0
  COUNT=`expr ${COUNT} + 1`
done 
 
clplogcmd -m "RAW1 UNBIND END"...................................1
 
if [ ${COUNT} -lt 10 ]
then
  exit 0
else
  exit 8
fi
〔説明〕
  1. CLUSTERPROのコマンドを実行して,syslogfileにログ情報を出力します。

(6) HiRDBクライアントに関連する設定項目

フローティングIPリソースを作成した場合,HiRDBサーバへの接続方式ごとに指定するHiRDBクライアントの環境変数を次の表に示します。

表26‒22 HiRDB接続に関連する環境変数の値(HiRDBの接続方式が通常接続の場合)

環境変数

指定値

PDHOST

HiRDB/シングルサーバの場合

フローティングIPリソースに指定したIPアドレス,又は対応するホスト名を指定してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

フローティングIPリソースに指定したシステムマネジャユニットのIPアドレス,又は対応するホスト名を指定してください。

PDNAMEPORT

HiRDB/シングルサーバの場合

pd_name_portオペランドの指定値,又はシングルサーバのpdunitオペランドの-pオプションの指定値を指定してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

pd_name_portオペランドの指定値,又はシステムマネジャユニットのpdunitオペランドの-pオプションの指定値を指定してください。

表26‒23 HiRDB接続に関連する環境変数の値(HiRDBの接続方式がFESホストダイレクト接続の場合)

環境変数

指定値

PDHOST

フローティングIPリソースに指定したシステムマネジャユニットのIPアドレス,または対応するホスト名を指定してください。なお,PDFESHOSTを指定している場合は,PDFESHOSTと同じ値を指定してください。

PDFESHOST

フローティングIPアドレスリソースに指定したフロントエンドサーバのIPアドレス,又は対応するホスト名を指定してください。

PDNAMEPORT

pd_name_portオペランドの指定値,又はPDFESHOST(指定がない場合はPDHOST)で接続先としたユニットのpdunitオペランドの-pオプションの指定値を指定してください。

PDSERVICEGRP

フロントエンドサーバのサーバ名を指定してください。

表26‒24 HiRDB接続に関連する環境変数の値(HiRDBの接続方式が高速接続の場合)

環境変数

指定値

PDHOST

HiRDB/シングルサーバの場合

フローティングIPリソースに指定したIPアドレス,又は対応するホスト名を指定してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

フローティングIPリソースに指定したシステムマネジャユニットのIPアドレス,または対応するホスト名を指定してください。なお,PDFESHOSTを指定している場合は,PDFESHOSTと同じ値を指定してください。

PDFESHOST

フローティングIPアドレスリソースに指定したフロントエンドサーバのIPアドレス,又は対応するホスト名を指定してください。

PDNAMEPORT

HiRDB/シングルサーバの場合

pd_name_portオペランドの指定値,又はシングルサーバのpdunitオペランドの-pオプションの指定値を指定してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

pd_name_portオペランドの指定値,又はPDFESHOST(指定がない場合はPDHOST)で接続先としたユニットのpdunitオペランドの-pオプションの指定値を指定してください。

PDSERVICEPORT

次のどれかを指定してください。

  • pd_service_portオペランドの指定値

  • pd_scd_portオペランドの指定値

  • pdunitオペランドの-sオプションの指定値

PDSERVICEGRP

HiRDB/シングルサーバの場合

シングルサーバのサーバ名を指定してください。

HiRDB/パラレルサーバの場合

フロントエンドサーバのサーバ名を指定してください。

PDSRVTYPE

「PC」を指定してください。