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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


付録A.1 システムログファイルに関する質問

〈この項の構成〉

(1) スワップ先にできる状態のシステムログファイルがない旨の警告メッセージ(KFPS01224-I)が出力されました

質問

HiRDBを正常開始する場合,前回稼働時の現用ファイルを続いて使用しないのですか?

現象1

HiRDBを正常開始又は強制正常開始したときに,スワップ先にできる状態のファイルがない旨の警告メッセージKFPS01224-Iが出力されました。このときのシステムログファイルの状態は次のとおりです。

  • 前回稼働時の現用ファイルに十分な空きがある

  • スワップ先にできる状態のファイルが一つある

現象2

HiRDBを正常開始又は強制正常開始したときに,使用できるシステムログファイルがない旨のメッセージKFPS01256-Eが出力されました。その後,アボートコードPsjnf07でHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了しました。このときのシステムログファイルの状態は次のとおりです。

  • 前回稼働時の現用ファイルに十分な空きがある

  • スワップ先にできる状態のファイルがない

お答えします

HiRDBを正常開始する場合は,前回稼働時の現用ファイルを続いて使用しません。HiRDBを正常開始又は強制正常開始する場合は,システムログファイルをスワップするため,現用ファイルが替わります。一つだけ残っていたスワップ先にできる状態のファイルを現用ファイルに割り当てるため,スワップ先にできる状態のファイルがなくなり,警告メッセージKFPS01256-Eが出力されました。

HiRDBを再開始した場合は前回稼働時の続きという形のため,システムログファイルは前回稼働時の続きから使用します(システムログファイルはスワップしません)。

正常開始の場合にシステムログファイルを前回稼働時の続きから使用すると,一つのシステムログファイルに前回稼働時の分と今回稼働時の分のシステムログが格納されるため,アンロードログファイルへのアンロードなどの管理が煩雑になります。したがって,正常開始以降の情報だけでシステムログが完結するように,正常開始ではシステムログファイルをスワップしています。

なお,pd_log_rerun_swap=Yを指定すると,再開始の場合でもシステムログファイルをスワップします。ただし,システムログファイルの容量が不足すると再開始が失敗するため,スワップ先にできる状態のファイルを増やしておいてください。

(2) システムログファイルが不正である旨のメッセージ(KFPS01251-E)が出力されました

質問

HiRDBを強制終了(ソフトウェア障害,及びハードウェア障害などでユニットが異常終了した場合も含む)した後に,HiRDB又はユニットを強制正常開始すると,システムログファイルが不正である旨のメッセージKFPS01251-Eが出力されました。そして,このシステムログファイルがスワップ先として使用されなくなりました。原因と対策を教えてください。

お答えします
原因

HiRDB又はユニットが異常終了したときの現用ファイルは正常にクローズされないため,ファイルとして不完全な状態です。

対策

pdlogunldコマンドで該当するシステムログファイルの内容をアンロードしてください。システムログが不要の場合は,pdlogchgコマンドでシステムログファイルの状態を変更してください。

(3) システムログファイルの追加とHiRDBの再開始を何度か繰り返しました

質問

HiRDBを再開始した直後にスワップ先にできる状態のファイルがないため,HiRDBが異常終了しました。そこで,新規にシステムログファイルを追加してHiRDBを再開始しましたが,再度システムログファイル不足で異常終了しました。システムログファイルの追加とHiRDBの再開始を何度か繰り返しましたが,現象が解消されません。なぜでしょうか?

お答えします

次に示す原因が考えられます。

  1. pd_log_rerun_swap=Yを指定している

    このオペランドを指定すると,再開始のときでも現用ファイルをスワップするため,スワップ先にできる状態のファイルが一つ減ります。このため,システムログファイルを一つ追加してもこの現象を解消できません。システムログファイルを二つ以上追加してHiRDBを再開始してください。

  2. 上書きできる状態のファイルの容量が不足している

    HiRDBは再開始時のロールバック処理でもシステムログを取得しています。このため,再開始を繰り返しただけでもシステムログの出力量が増えて,上書きできない状態のファイルが増えます。再開始時のロールバック処理がすべて完了すると,シンクポイントが取得されるため,このシンクポイント以降にHiRDB又はユニットが異常終了した場合は,上書きできない状態のファイルは増えません。

    したがって,上書きできる状態のファイルを一つずつ追加するのではなく,二つ以上まとめて追加してください。追加するファイルの総容量の目安は,この現象が発生し始めた最初の再開始でのシステムログの入力範囲(KFPS01262-Iメッセージで表示された箇所〜KFPS01263-Iメッセージで表示された箇所)の1.5倍以上です。

備考

pd_log_rerun_reserved_file_open=Yを指定し,予約のファイルを複数用意しておくと,このような現象を防げます。