Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


26.8.6 1:1スタンバイレス型系切り替え機能使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作

次の表に示す操作内容を実施したあと,実行系サーバを配置しているユニットの再起動を実施したかどうか※1で,代替部を再度開始する必要があります。代替部を再度開始しないと,系切り替えが発生したときに代替部が異常終了します。

表26‒67 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作

分類

条件

代替BESユニット(代替部)を再度開始する必要の有無

操作内容

実行系サーバを配置しているユニットの再起動の有無※1

SQLの実行

定義系SQLの実行

なし

あり

HiRDBシステム構築後最初の抽象データ型の

定義(CREATE TYPE文の実行)

なし

あり

運用コマンド

又は

ユティリティの

実行

構成変更ユティリティ(pdmod)の実行

HiRDBファイルシステム領域

の世代登録

なし

あり

HiRDBファイルシステム領域

の世代削除

なし

あり

監査人の登録

なし

あり

RDエリアの属性変更

なし

あり

監査証跡表の作成

なし

あり

上記以外の操作

なし

※2

あり

※2

pddbchgコマンドの実行

なし

あり

オンライン再編成の実行

(pdorbegin,pdorendコマンドの実行)

なし

あり

HiRDBシステム構築後最初のpdplgrgst

コマンドの実行(CREATE TYPE文の実行)

なし

あり

システム

共通定義の変更

次のどれかの定義の変更

  • グローバルバッファの定義(pdbuffer)

  • RDエリアの最大数(pd_max_rdarea_no)

  • RDエリアを構成するHiRDBファイルの

    最大数(pd_max_file_no)

  • インナレプリカグループの最大数

    (pd_inner_replica_control)

  • 表予約数の最低保証値

    (pd_assurance_table_no)

  • インデクス予約数の最低保証値

    (pd_assurance_index_no)

なし

あり

(凡例)

○:代替部を再度開始する必要があります。

−:代替部を再度開始する必要はありません。

注※1

クラスタソフトウェアにHAモニタを使用している場合は該当しません。HAモニタの場合は,pdstopコマンドで実行系サーバを配置しているユニットを停止すると,代替BESユニット又は代替部も連動して停止するため,”なし”を参照してください。

注※2

DSを配置しているユニットに高速系切り替え機能を適用している場合,その待機系ユニットの再起動も実施する必要があります。実施していない場合,そのユニットで系切り替えが発生すると異常終了します。

代替部が異常終了した場合は,pdstart -q -cコマンドで代替部を開始してください。

なお,代替中に前記の操作をした場合は,正規BESユニットを一度終了してから再度開始してください。正規BESユニットを再度開始しないと,系切り替え(系の切り戻し)が発生したときに正規BESユニットが異常終了します。正規BESユニットが異常終了した場合は,正規BESユニットをpdstart -qコマンド又はpdstart -uコマンドで開始してください。

(2) RDエリアのオープン契機について

1:1スタンバイレス型系切り替え機能では系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,正規BES下のRDエリアのオープン契機は次のようになります。

RDエリアのオープン契機については,「RDエリアのオープン契機を変更する方法(RDエリアの属性変更)」を参照してください。

(3) 運用コマンド実行時の制限

(4) HiRDBシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更時の注意事項

HiRDBのシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更をする場合,クラスタソフトウェアのコマンドでHiRDBを終了しないでください。pdstopコマンドでHiRDBだけを正常終了して,HiRDBシステム定義の変更又はHiRDBの構成変更をしてください。その後,pdstartコマンドでHiRDBだけを正常開始してください。

(5) 共有ディスク上に作成したHiRDBファイルにアクセスできないときの対処方法

クラスタソフトウェアの制御によってHiRDB停止中は,両方の系から共有ディスク上に作成したHiRDBファイルを操作できなくなることがあります。この場合,OSのコマンドでディスクを活性化する必要があります。

(6) Hitachi HA Toolkit Extension使用時の注意事項

Hitachi HA Toolkit Extensionでは待機系ユニットは実行系ユニットの開始を待ち合わせません。このため,待機系ユニットが開始していない実行系ユニットにコマンドを発行した場合,エラーとなって待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。したがって,待機系ユニットは実行系ユニットの開始完了を待ってから開始してください。実行系ユニットの開始完了を待たないで,待機系ユニットを開始すると待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。

(7) UAPに関する注意事項

(8) pdsetupコマンド実行時の注意事項

HiRDBの強制終了中,及び異常終了中にpdsetup -dコマンドを実行するときは注意が必要です。このコマンドの応答にYを指定しないでください。Yを応答すると,その後HiRDBを開始できなくなることがあります。

(9) HAモニタ使用時の注意事項

HAモニタ使用時の注意事項を次に示します。

注※1

1:1スタンバイレス型系切り替え機能を適用したユニットの場合は,サーバをユニットと読み替えてください。

注※2

HAモニタのmonshowコマンドを実行したとき,*SBY*と表示される状態のことです。

注※3

予備系(HAモニタのservers定義のinitオペランドにstandbyを指定した系)のサーバをmonactコマンドで実行系として起動した場合,実行系の起動が完了するまで,次に示すメッセージが現用系で繰り返し出力されることがあります。実行系の起動が完了するとこれらのメッセージは出力されなくなります。

  • KFPS05608-I

  • KAMN305-E

  • KAMN222-I

KAMN305-E及びKAMN222-IはHAモニタが出力するメッセージです。

(10) 現用系と待機系のOSの時刻が大きくずれているときの注意事項

現用系マシンと待機系マシンのOSの時刻が大きくずれている(待機系マシンの時刻の遅れが系切り替えに掛かる時間よりも大きい)場合,HiRDBは,時刻を遅らせた場合に行う対処を誤ったときと同じ影響を受けます。

OSの時刻を変更する方法については,「OSの時刻を変更する方法」を参照してください。