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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


26.7.13 パブリッククラウド環境に関する運用時の注意事項

Amazon Web Services環境上及びMicrosoft Azure環境上にクラスタ構成を適用する場合の注意事項を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) DRBDのレプリケーションパス障害時の注意事項

DRBDのaddressオプションに指定したレプリケーション対象のIPアドレス(以降,レプリケーションパスといいます)で障害が発生した場合,レプリケーション対象のノード間でデータが不一致となるため,HAモニタが次の表に示す制御を行い,待機系HiRDBを停止することがあります。

表26‒60 レプリケーションパス障害時のHAモニタ制御

レプリケーションパス障害発生時の待機系HiRDBの状態

HAモニタのマルチスタンバイ機能使用有無(multistandbyオペランド指定値)

HAモニタの制御

待機状態

use

KAMN771-E(Cause code:1)メッセージを出力後,待機系HiRDBを異常終了します。

nouse

レプリケーション対象のセカンダリ側のディスクステータスの状態を"Outdated"に変更します。

状態変更に成功した場合:

KAMN772-Wメッセージを出力後,待機系HiRDBの待機状態を維持します。

状態変更に失敗した場合:

KAMN771-E(Cause code:1)メッセージを出力後,待機系HiRDBを異常終了します。

停止状態

use

レプリケーションパスが復旧する前に待機系HiRDBを起動した場合,KAMN771-E(Cause code:1)メッセージを出力後,待機系HiRDBを異常終了します。

nouse

レプリケーションパスが復旧する前に待機系HiRDBを起動した場合,レプリケーション対象のセカンダリ側のディスクステータスの状態を"Outdated"に変更します。

状態変更に成功した場合:

KAMN772-Wメッセージを出力後,待機系HiRDBの起動処理を継続します。

状態変更に失敗した場合:

KAMN771-E(Cause code:1)メッセージを出力後,待機系HiRDBを異常終了します。

KAMN771-E(Cause code:1)メッセージを出力して待機系HiRDBが異常終了した場合,レプリケーションパス回復以降に「HiRDBの運用方法の違いは?」を参照して,待機系HiRDBを再起動してください。

KAMN772-Wメッセージを出力して,かつ待機状態を維持している待機系HiRDBについては,レプリケーションパス回復以降に待機系を再起動するなどの対処は不要です。

HAモニタの詳細な動作については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ パブリッククラウド編」を参照してください。

(2) Microsoft Azure環境に関する注意事項

(a) Azureロードバランサー制御使用時の注意事項

  1. HiRDBを系切り替えした直後,HiRDBへの接続処理がエラーとなります。これは,Azureロードバランサーが正常性プローブ応答の途絶を認識するまでに最小でも10秒程度掛かるためです。この時間はAzureロードバランサーの正常性プローブの設定によって変化します。

    なお,クライアント環境定義PDAUTORECONNECTにYESを指定して自動再接続機能を使用すれば,接続処理がエラーになっても自動的に再接続できます。

  2. Microsoft Azureの制限に伴い,HiRDBの実行系サーバ上に配置したHiRDBクライアントから,内部ロードバランサーを経由して同一サーバ内のHiRDBに接続することはできません。そのため,UAPや次に示すコマンド・ユティリティをHiRDBの実行系サーバ上で実行する場合は,PDHOST環境変数に接続するHiRDBサーバのホスト名又はIPアドレスを指定してください。

    • pdsql

    • マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」の「環境変数に設定したクライアント環境変数の制限事項」の「■指定を有効とするクライアント環境変数(その2)」及び「■指定を有効とするクライアント環境変数(その3)」に示されるユティリティ