26.5.5 Hitachi HA Toolkit Extensionに関する準備
Hitachi HA Toolkit Extensionを使用している場合にこの項をお読みください。ここでは,Hitachi HA Toolkit Extensionのsysdef定義ファイル及びservers定義ファイルのオペランドで,HiRDBに関連するオペランドの指定値の目安について説明します。Hitachi HA Toolkit Extensionの環境設定方法の詳細については,マニュアル「Hitachi HA Toolkit」を参照してください。
なお,サーバごとに動作環境を設定します。
- 〈この項の構成〉
(1) sysdef定義ファイル
(a) servmaxオペランド
このオペランドはHitachi HA Toolkit Extensionのバージョンが01-04以降の場合に指定できます。
Hitachi HA Toolkit Extensionの系切り替え対象のサーバで,一つのサーバマシン上で同時に実行又は待機状態として起動できるサーバの最大数を16又は64で指定します。
16:同時に起動できるサーバの最大数を16に設定します。
64:同時に起動できるサーバの最大数を64に設定します。
一つのサーバマシン上で系の切り替え単位であるサーバ数が16を超える場合は64を指定してください。
Hitachi HA Toolkit Extensionの系切り替え対象のサーバ数は,HiRDB以外の系切り替え対象製品を含めた値です。HiRDBでは系切り替え対象のサーバ数を次の計算で求めます。
-
一つのサーバマシン上で動作する影響分散スタンバイレス型系切り替えのホストBES数とゲスト用領域数の合計数
(2) servers定義ファイル
(a) nameオペランド
影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合は,HiRDB識別子とサーバ名を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,サーバ名がBES1の場合は次のように指定します。
DB01/BES1
(b) switchtypeオペランド
このオペランドにはサーバ障害を検出したときの処理を指定します。
- switch:
-
ユニットが異常終了すると系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のservers定義ファイルにはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,ゲストBESが稼働中のユニットで障害が発生した場合,ゲストBESがほかのユニットに切り替わるため,再開始後の負荷を分散できます。
- restart:
-
障害が発生した系でユニットを再開始します。障害が発生した系でHiRDBを再開始できないときに,系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します(KFPS00715-Eメッセージが出力された時点で系を切り替えます)。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のservers定義ファイルにはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定指定すると,ゲストBESの稼働中のユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後にゲストBESが処理を継続するため,再開始後の負荷を分散できません。
- manual:
-
ユニットを再開始できなくても自動的に系を切り替えません。そのため,通常はmanualを指定しないでください。
- ポイント
-
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。
(c) termcommandオペランド
このオペランドにはpdstop -z -qコマンドを指定することをお勧めします。強制終了のオプションを指定するのは確実にユニットを停止することと,計画系切り替え時に待機系が再開始で引き継ぐ必要があるためです。また,実行系ユニットが起動していない状態で計画系切り替えをした場合,termcommandオペランドで指定したpdstopコマンドがエラーとなります。termcommandオペランドを指定しない場合,実行系ユニットをpdstopコマンドで強制終了させた上で系切り替えをする必要があります。実行系ユニットを稼働させたままで計画系切り替えをした場合は,実行系ユニットが二つ存在することになり,障害が発生して両系停止となる可能性があります。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのtermcommandオペランドにはpdstop -z -sコマンドを指定してください。