26.2.7 PowerHAに関する準備
クラスタソフトウェアにPowerHAを使用している場合にこの項をお読みください。
なお,PowerHAの環境設定方法の詳細については,PowerHAのマニュアルを参照してください。
(1) リソース・グループ
PowerHAが系切り替えを行う単位をリソース・グループといいます。リソース・グループとは,ユーザが定義するリソースの集合のことです。PowerHAを使用する場合,リソース・グループとして登録するリソースを次に示します。
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ボリューム・グループ
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アプリケーション・コントローラー
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サービスIPラベル/アドレス
リソース・グループ及び各リソースを,PowerHAの[リソース・グループのリソースおよび属性をすべて変更/表示]画面で登録します。
(3) アプリケーション・コントローラーの登録
PowerHAのアプリケーション・コントローラーとしてHiRDBを登録します。アプリケーション・コントローラーに登録するのは,HiRDBを開始するシェルスクリプト及び終了するシェルスクリプトです。また,アプリケーション・コントローラーを監視するアプリケーション・モニターを作成します。
アプリケーション・コントローラーに登録するシェルスクリプトは,事前に作成し,現用系と予備系の両方のサーバマシンに格納しておきます。[始動スクリプト]の項目にはHiRDBを開始するシェルスクリプトを,[停止スクリプト]の項目にはHiRDBを終了するシェルスクリプトを登録します。
アプリケーション・コントローラーに登録するシェルスクリプト及びアプリケーション・モニターの設定例を示します。
(a) HiRDBを開始するシェルスクリプトの例
HiRDBを開始するシェルスクリプトの例を次に示します。この例では,HiRDB管理者のユーザIDをhirdbとして作成しています。
なお,シェルスクリプトの実行権限はルートユーザに与えてください。
- ●HiRDB/シングルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c /* HiRDB管理者権限に変更 */ PDDIR=/HiRDB_S PDCONFPATH=/HiRDB_S/conf LIBPATH=/HiRDB_S/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdstart
- ●HiRDB/パラレルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c /* HiRDB管理者権限に変更 */ PDDIR=/HiRDB_P PDCONFPATH=/HiRDB_P/conf LIBPATH=/HiRDB_P/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdstart -q
(b) HiRDBを終了するシェルスクリプトの例
HiRDBを終了するシェルスクリプトには,HiRDBを強制終了するオプション(HiRDB/シングルサーバの場合pdstop -f -q,HiRDB/パラレルサーバの場合pdstop -z -q)を指定してください。指定しない場合,HiRDBを終了するときに,仕掛かり中のトランザクションの完了やコネクションの切断を待ち合わせます。そのため,系切り替えに時間が掛かることがあります。
HiRDBを終了するシェルスクリプトの例を次に示します。この例では,HiRDB管理者のユーザIDをhirdbとして作成しています。
なお,シェルスクリプトの実行権限はルートユーザに与えてください。
- ●HiRDB/シングルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c /* hirdb管理者権限に変更 */ PDDIR=/HiRDB_S PDCONFPATH=/HiRDB_S/conf LIBPATH=/HiRDB_S/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdstop -f -q
- ●HiRDB/パラレルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c /* hirdb管理者権限に変更 */ PDDIR=/HiRDB_P PDCONFPATH=/HiRDB_P/conf LIBPATH=/HiRDB_P/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdstop -z -q
(c) アプリケーション・モニターの設定例
PowerHAのモニター・モードは「長期モード」を選択し,安定化間隔はHiRDBの起動時間より大きい値を指定してください。モニター・メソッドのシェルスクリプトの例を次に示します。
- ●HiRDB/シングルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c # HiRDB管理者権限に変更 PDDIR=/home/hirdb/hirdb_s PDCONFPATH=/home/hirdb/hirdb_s/conf LIBPATH=/home/hirdb/hirdb_s/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdls -d ust
- ●HiRDB/パラレルサーバの場合
#!/bin/sh -x su - hirdb -c # HiRDB管理者権限に変更 PDDIR=/home/hirdb/hirdb_p PDCONFPATH=/home/hirdb/hirdb_p/conf LIBPATH=/home/hirdb/hirdb_p/lib PATH=${PATH}:${PDDIR}/bin export PDDIR PDCONFPATH PATH LIBPATH $PDDIR/bin/pdls -d ust