23.4 シンクポイントダンプの取得間隔のチューニング
通常,シンクポイントダンプの取得間隔は,次の内容を考慮して設定します。
- 考慮点
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大量のデータを更新する処理の場合は,トランザクションを処理する時間が長く,システムログも多くなります。このため,再開始するときの回復時間が長くなります。
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少量のデータを更新する処理の場合は,トランザクションを処理する時間が短く,システムログも少なくなります。このため,再開始するときの回復時間が短くなります。
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このため,シンクポイントダンプの出力間隔をチューニングするときは,「グローバルバッファプールに関する統計情報」,及び「デファードライト処理に関する統計情報」と合わせて検討してください。
- 取得する情報
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統計解析ユティリティの「システムの稼働に関する統計情報」を取得してください。
- 参照する情報
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シンクポイントダンプ取得間隔時間(SYNC POINT GET INTERVAL)
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シンクポイントダンプ取得時間(SYNC POINT GET TIME)
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- 確認する目的
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シンクポイントダンプ出力間隔の妥当性を判断するためには,再開始するときの時間(システムログを取得するために必要となる時間)と,スループットとの関係から判断してください。
HiRDBでは,グローバルバッファで更新されたページをデファードライト処理でディスクに書き出しているため,通常よりも短い時間で再開始できる場合があります。このため,デファードライト処理に関する統計情報を取得し,デファードライト処理で書き出されたページ数(OUT PAGE:出力ページ数)と同時に判断するとシンクポイント時の性能を向上できます。
- 解析結果を判断する基準
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シンクポイント時にディスクに書き出されたページが多い場合は,デファードライト処理でディスクに書きだしたページ数が少ないと考えられます。
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更新バッファヒット率が低く,シンクポイント時の出力ページ数が多い場合は,pdbufferオペランドの-wオプションの値(デファードライト処理で出力するページの比率)が小さいと考えられます。
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システムログファイルのスワップ時間がシンクポイント出力間隔から推定される時間よりも短い場合は,システムログファイルの容量が,シンクポイントダンプ出力間隔で出力するブロック数よりも小さいと考えられます。ただし,システムログファイルに出力できる残り容量が,シンクポイントダンプ出力間隔で出力するブロック数に満たない場合,該当しません。この場合,システムログファイルが一杯になった時点で,自動的にシンクポイントダンプが取得されます。
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- 対策方法
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再開始処理に掛かる時間をユーザで許容できる範囲にしてください。
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シンクポイントダンプは実行中のトランザクションが完結しないと有効化できないため,特に長いトランザクションを実行するときは,ほかのトランザクションとの同時実行を避けてください。なお,特に長いトランザクションとは,このトランザクション実行中に一つのユーザサーバで出力するログ量がこのユーザサーバのログファイル容量の1/3を超える可能性があるトランザクションのことです。また,ここで述べたユーザサーバとは,HiRDB/シングルサーバの場合はシングルサーバであり,HiRDB/パラレルサーバの場合はフロントエンドサーバ,バックエンドサーバ,又はディクショナリサーバです。
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