Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


15.9.7 例題6(抽象データ型を格納したRDエリアを移動する場合)

新規サーバマシンに作成したバックエンドサーバに抽象データ型(SGMLTEXT型)を格納したRDエリアを移動します。サーバ内横分割していた表(TABLE1)をサーバ間横分割します。

〈この項の構成〉

(1) ユニット2を追加します

ユニットの追加については,「ユニットの追加」を参照してください。

(2) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-a:全RDエリアのバックアップを取得することを指定します。RDエリアを移動すると,マスタディレクトリ用RDエリア及びデータディクショナリ用RDエリアが更新されるため,全RDエリアのバックアップを取得します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの実行結果リストの出力ファイル名を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。

(3) pdholdコマンドで移動対象RDエリアを閉塞クローズします

pdhold -r RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6 -c

(4) pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します

pdmodコマンドのmove rdarea文を記述した制御文ファイル(/pdmod/move01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

move rdarea RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6                    1
   to bes2;                                            2
〔説明〕
  1. 移動対象のRDエリア名を指定します。

  2. 移動先のサーバ名を指定します。

(5) pdmodコマンドでRDエリアを移動します

pdmod -a /pdmod/move01
〔説明〕

-a:pdmodコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(6) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

pdstop

(7) 移動対象RDエリアのHiRDBファイルを移動します

移動対象RDエリアのHiRDBファイルを,新規追加したサーバマシンに次に示すどちらかの方法で移動します。

(a) HiRDBファイルシステム領域単位で移動する場合

この方法は次に示す前提条件があります。

  • HiRDBファイルシステム領域が通常ファイルである

  • 移動対象のHiRDBファイルだけがHiRDBファイルシステム領域内にある

OSのrcp又はftpコマンドでHiRDBファイルシステム領域を移動します。

rcp /area2 host2:/area2
rcp /area4 host2:/area4
rcp /area6 host2:/area6
〔説明〕

RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6のHiRDBファイルシステム領域を移動します。

(b) HiRDBファイル単位で移動する場合

(a)の方法ができない場合は,次に示す手順でHiRDBファイルを移動します。

●移動元での操作手順
  1. pdfbkupコマンドで移動対象HiRDBファイルのバックアップを取得します。

  2. rcp又はftpコマンドでHiRDBファイルのバックアップを移動します。

  3. pdfrmコマンドで移動対象HiRDBファイルを削除します。

(例)

pdfbkup /area2/rdarea2 /tmp/bk_rdarea2          1
pdfbkup /area4/rdarea4 /tmp/bk_rdarea4          1
pdfbkup /area6/rdarea6 /tmp/bk_rdarea6          1
rcp /tmp/"bk_*" host2:/tmp/                     2
pdfrm /area2/rdarea2                            3
pdfrm /area4/rdarea4                            3
pdfrm /area6/rdarea6                            3
〔説明〕
  1. RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6のHiRDBファイルのバックアップを取得します。

  2. HiRDBファイルのバックアップを移動します。

  3. RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6のHiRDBファイルを削除します。

●移動先での操作手順
  1. pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成します。

  2. pdfrstrコマンドで移動対象HiRDBファイルをリストアします。

(例)

pdfmkfs -n 30 -l 10 -k DB /area2               1
pdfmkfs -n 30 -l 10 -k DB /area4               1
pdfmkfs -n 30 -l 10 -k DB /area6               1
pdfrstr /tmp/bk_rdarea2 /area2                 2
pdfrstr /tmp/bk_rdarea4 /area4                 2
pdfrstr /tmp/bk_rdarea6 /area6                 2
〔説明〕
  1. RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6のHiRDBファイルシステム領域を作成します。移動元と同じパス名にしてください。同じパス名にできない場合は,別のディレクトリに作成してこのパスへのシンボリックリンクをしてください。

  2. RDAREA2,RDAREA4,RDAREA6のHiRDBファイルをリストアします。

(8) pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します

pdstart

(9) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup02 -p /pdcopy/list02
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードを指定します。

-a:全RDエリアのバックアップを取得することを指定します。RDエリアを移動すると,マスタディレクトリ用RDエリア及びデータディクショナリ用RDエリアが更新されるため,全RDエリアのバックアップを取得します。

-b:バックアップファイル名を指定します。

-p:pdcopyコマンドの実行結果リストの出力ファイル名を指定します。

バックアップの取得については,「バックアップの取得方法」を参照してください。