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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


15.5.1 RDエリア名を変更する前に

〈この項の構成〉

(1) 名称を変更できるRDエリア

マスタディレクトリ用RDエリア以外のすべてのRDエリアの名称を変更できます。

(2) RDエリア名の変更に伴う作業

RDエリア名を変更すると,定義情報やUAPなどに指定しているRDエリア名もすべて変更する必要があります。そのため,変更するRDエリアの名称を指定している箇所を調査しておいてください。

RDエリア名を変更した場合に必要な作業を次の表に示します。この表の項目以外にもRDエリア名を指定している箇所があれば,変更が必要です。

表15‒1 RDエリア名を変更した場合に必要な作業

項目

必要な作業

必要な作業をしなかった場合の問題

システム共通定義のpdbufferオペランド

HiRDBを正常終了したときに,pdbufferオペランドに指定しているRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更してください。

HiRDBの正常終了後にRDエリア名を変更しないで正常開始すると,-oオプション指定のグローバルバッファがある場合は,そのグローバルバッファが名称変更後のRDエリアに割り当てられます。アクセスはできますが,処理性能が劣化するおそれがあります。-oオプションを指定しているグローバルバッファがない場合は,名称変更後のRDエリアにグローバルバッファが割り当てられないため,変更後のRDエリアにアクセスしようとすると,エラーになります。

UAP環境定義のpdlbufferオペランド

pdlbufferオペランドに指定しているRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更してください。

ほかのUAPによるグローバルバッファの占有やバッファの排他処理による待ち状態が発生し,性能が劣化するおそれがあります。

SQL手続き文

データベース構成変更ユティリティ(pdmod)を実行した場合に警告メッセージ(KFPX24238-W)が出力されたときは,ルーチン又はトリガを再作成してください

ルーチン又はトリガの実行時に,SQLオブジェクトが無効のため,エラーになります。

UAP

変更前のRDエリア名を指定しているUAPを再作成してください。

UAPが正常に動作しないおそれがあります。

コマンド若しくはユティリティのオプション,又はユティリティの制御文

指定しているRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更してください。

コマンド又はユティリティが正常に動作しないおそれがあります。

関連製品

指定しているRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更してください。

(例)

  • HiRDB Datareplicatorの反映定義

  • HiRDB Dataextractorのコマンド引数

  • JP1/Performance Management - Agent Option for HiRDBのRDエリアの稼働情報,データベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報,再編成時期予測機能の情報

  • JP1/HiCommand Protection Manager for HiRDBのRDエリア名とディスクのマッピング

関連製品が正常に動作しないおそれがあります。

運用スクリプト

運用スクリプトを使用している場合,スクリプト中に指定しているRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更してください。

運用スクリプトが正常に動作しないおそれがあります。

注※

ルーチンを再作成する手順を次に示します。

  1. ALTER ROUTINEを実行し,ルーチン又はトリガを再作成します。

    SQL手続き文中に変更前のRDエリア名を指定しているルーチン又はトリガは,ALTER ROUTINE実行時にエラーとなります。

  2. GET DIAGNOSTICSを実行し,ALTER ROUTINEの診断情報でエラーとなったルーチン又はトリガを確認します。

  3. DROP PROCEDURE又はDROP TRIGGERでエラーとなったルーチン又はトリガを削除します。

  4. SQL手続き文中のRDエリア名を,変更後のRDエリア名に変更します。

  5. CREATE PROCEDURE又はCREATE TRIGGERでルーチン又はトリガを再作成します。

(3) 注意事項

  1. 名称を変更するRDエリアは,pdhold -cコマンドで閉塞かつクローズ状態にしておきます。ただし,データディクショナリ用RDエリア及びデータディレクトリ用RDエリアは,閉塞かつオープン状態にしておきます。

  2. 名称を変更したRDエリアを使用するには,pdrels -oコマンドで閉塞状態を解除してオープン状態にする必要があります。

  3. データベース再編成ユティリティ(pdrorg)でLOB列を含む表を再編成する場合,データをアンロードしてからリロードするまでに,LOBデータが格納されているRDエリアの名称を変更しないでください。リロードする前にRDエリア名を変更すると,リロード時にエラーになります。

  4. インデクス情報出力モード(-i nオプション)でデータベース作成ユティリティ(pdload)又はデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)を実行して,後でインデクスを作成する場合,インデクス情報ファイルを出力してからインデクスを作成するまでに,インデクスを格納しているRDエリアの名称を変更しないでください。インデクス作成前にRDエリア名を変更すると,インデクス作成時にエラーとなります。

  5. プラグインインデクスの遅延一括作成をする場合,プラグインインデクスを格納しているRDエリア名を変更しないでください。プラグインインデクスの一括作成前にRDエリア名を変更すると,プラグインインデクスの一括作成ができなくなります。

  6. 更新可能なオンライン再編成を行う場合,準備を開始してから運用を完了するまで,関連するRDエリアの名称を変更しないでください。RDエリア名を変更すると,更新可能なオンライン再編成が正常に動作しないおそれがあります。準備及び運用の詳細については,マニュアル「インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option」を参照してください。