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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


13.2.3 データベースの更新ログ取得方式の選択

データベース再編成ユティリティを実行するときのデータベースの更新ログ取得方式には,次に示す三つのモードがあります。

これらのモードの機能については,「データベースの更新ログ取得方式」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) モードの選択基準

基本的には省略値である更新前ログ取得モードを選択してください。ただし,次に示す条件を満たすような場合はほかのモードの選択を検討してください。

条件

選択するモード

再編成対象の表データが多く,再編成に時間が掛かる

ログレスモード

再編成対象の表データが少ない

ログ取得モード

(2) 運用方法の違い

選択したモードによってデータベースを再編成するときの運用が異なります。運用方法の違いを次の図に示します。

図13‒6 データベースの更新ログ取得方式による運用方法の違い(表の再編成)

[図データ]

注※1

ログレスモードを選択したときに必要な操作です。ログレスモードのpdrorgコマンドが異常終了した場合,このバックアップを使用してRDエリアを回復します。ただし,「再編成の前にバックアップを取得しないでよい場合」で説明している条件を満たすときはバックアップを取得する必要はありません。

注※2

更新前ログ取得モード又はログレスモードを選択したときに必要な操作です。ここでバックアップを取得しないと,pdrstrコマンドでRDエリアを回復する必要が生じた場合,RDエリアを最新の状態に回復できません(pdrorgコマンド実行後の反映処理を回復できません)。RDエリアはpdrorgコマンドの実行前の状態にしか回復できません。

補足事項

更新前ログ取得モード又はログレスモードを選択した場合,図「データベースの更新ログ取得方式による運用方法の違い(表の再編成)」の手順1〜4の間は再編成対象RDエリアを閉塞したままにしてください。手順4でバックアップを取得する前にRDエリアの内容が更新された場合,pdrstrコマンドでRDエリアを回復する必要が生じたときにその更新内容を回復できません。RDエリアはpdrorgコマンドの実行前の状態にしか回復できません。pdrstrコマンドでRDエリアを回復するとき,入力情報のシステムログ中に更新前ログ取得モード又はログレスモードで取得したログが入っているとpdrstrコマンドがエラーになります。

(3) 再編成の前にバックアップを取得しないでよい場合

ログレスモードでpdrorgコマンドを実行する場合は,pdrorgコマンドの実行前にバックアップを取得する必要があります。ただし,次に示す1,2の条件のうちどちらかを満たす場合は,pdrorgコマンドが異常終了したときにRDエリアの状態をpdrorgコマンドの実行前の状態に戻せるため,バックアップの取得を省略できます。ただし,バックアップを取得した方がRDエリアを回復するときの運用が簡単なため,基本的にはバックアップを取得することをお勧めします。

項番

条件

障害発生時のRDエリア回復方法

1

アンロードデータを使用してpdrorgコマンド実行前の状態にRDエリアを回復できる場合

RDエリア内に再編成対象の表,及びその表のインデクスだけを格納している場合

再編成対象のRDエリアをデータベース構成変更ユティリティ(pdmodコマンド)で再初期化した後に,再度リロードすると回復できます。

次に示す条件をすべて満たす場合

  • 再編成対象の表にLOBデータがある

  • RDエリア内に再編成対象のLOB列構成基表だけを格納している

  • -jオプションを指定してアンロードデータを取得している

再編成対象のRDエリアをデータベース構成変更ユティリティ(pdmodコマンド)で再初期化した後に,-jオプションを指定したリロードをすると回復できます。

2

バックアップとシステムログを使用してpdrorgコマンド実行前の状態にRDエリアを回復できる場合

pdcloseコマンドで再編成対象のRDエリアをクローズした後に,pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップして,データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)にここまでのシステムログを入力すれば回復できます。