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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


6.5.3 差分バックアップ機能の運用例

差分バックアップ機能の運用の流れを次に示します。

〈手順〉
  1. 差分バックアップ機能を適用するRDエリアを選びます(差分バックアップグループを決めます)。

  2. バックアップ対象RDエリアのフルバックアップを取得します。

  3. バックアップ対象RDエリアの差分バックアップを取得します。例えば,1日に1回取得してください。

  4. バックアップ対象RDエリアのフルバックアップを定期的に取得します。例えば,1週間に1回取得してください。

次に示す条件下での差分バックアップ機能の運用例を説明します。

〈条件〉
  • ユーザ用RDエリア(rdarea01,rdarea02)に対して差分バックアップ機能を適用します。

  • 1週間に一度(日曜日),フルバックアップを取得します。

  • 毎日(月曜日〜土曜日)の更新情報を差分バックアップとして取得します。

〈この項の構成〉

(1) フルバックアップの取得(日曜日に行うこと)

pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップしてから,pdcopyコマンドでフルバックアップを取得します。

pdlogswap -d sys -w
 
pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -r rdarea01,rdarea02 -g 'backupg1(S)'
-b /pdcopy/backup01 -d a -K /pdcopy/admfile -L 5 -o /pdcopy/rfile
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードに参照可能モードを指定します。

-r:バックアップ取得対象RDエリアを指定します。

ここで指定したRDエリア群が差分バックアップグループになります。バックアップ取得対象RDエリアは途中で変更できません。

-g:差分バックアップグループ名を指定します。

最初のフルバックアップ取得時には,必ず差分バックアップグループ名に(S)を指定してください。次回以降の差分バックアップ取得時に,ここで指定した差分バックアップグループ名を指定します。

(S)を指定する場合は,アポストロフィで囲んで指定してください。'backupg1(S)'という形式で指定します。ただし,制御文ファイル中に-gオプションを指定する場合は,アポストロフィを指定しないでください。

-b:バックアップファイル名(フルバックアップファイル名)を指定します。

-d:バックアップ種別を指定します。

a:フルバックアップを取得します。

b:最新のフルバックアップからの累積差分バックアップを取得します。

c:前回取得した累積差分バックアップ,又は前回取得したフルバックアップのどちらか最新のものから,累積差分バックアップを取得します。

d:差分バックアップを取得します。

累積差分バックアップについては,「累積差分バックアップの作成」を参照してください。

-K:差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名を指定します。

-L:差分バックアップ管理ファイルの容量をメガバイト単位で指定します。

-o:差分バックアップの履歴情報ファイル名を指定します。

差分バックアップの履歴情報ファイルについては,「差分バックアップの履歴情報ファイルの参照」を参照してください。

(2) 差分バックアップ管理ファイルのバックアップの取得(日曜日に行うこと)

作成された差分バックアップ管理ファイルのバックアップをpdfbkupコマンドで取得してください。

pdfbkup /pdcopy/admfile/backupg1 /backup/pdcopy/admfile/backupg1
〔説明〕
/pdcopy/admfile/backupg1:

差分バックアップ管理ファイル名を指定します。差分バックアップ管理ファイル名は差分バックアップグループ名と同じになります。

/backup/pdcopy/admfile/backupg1:

差分バックアップ管理ファイルのバックアップファイル名を指定します。

(3) 差分バックアップの取得(月曜日〜土曜日に行うこと)

pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップしてから,pdcopyコマンドで差分バックアップを取得します。

pdlogswap -d sys -w
 
pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -g backupg1 -b /pdcopy/backup02
-d d -K /pdcopy/admfile -o /pdcopy/rfile
〔説明〕

-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。

-M:バックアップ取得モードに参照可能モードを指定します。

-g:差分バックアップグループ名を指定します。(S)の指定は必要ありません。

-b:バックアップファイル名(差分バックアップファイル名)を指定します。

-d:バックアップ種別を指定します。

a:フルバックアップを取得します。

b:最新のフルバックアップからの累積差分バックアップを取得します。

c:前回取得した累積差分バックアップ,又は前回取得したフルバックアップのどちらか最新のものから,累積差分バックアップを取得します。

d:差分バックアップを取得します。

累積差分バックアップについては,「累積差分バックアップの作成」を参照してください。

-K:差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域名を指定します。

-o:差分バックアップの履歴情報ファイル名を指定します。

差分バックアップの履歴情報ファイルについては,「差分バックアップの履歴情報ファイルの参照」を参照してください。

(4) 差分バックアップ管理ファイルのバックアップの取得(月曜日〜土曜日に行うこと)

作成された差分バックアップ管理ファイルのバックアップをpdfbkupコマンドで取得してください。

pdfbkup -r /pdcopy/admfile/backupg1 /backup/pdcopy/admfile/backupg1
〔説明〕

-r:差分バックアップ管理ファイルのバックアップを上書きする指定をします。

/pdcopy/admfile/backupg1:

差分バックアップ管理ファイル名を指定します。差分バックアップ管理ファイル名は差分バックアップグループ名と同じになります。

/backup/pdcopy/admfile/backupg1:

差分バックアップ管理ファイルのバックアップファイル名を指定します。