3.9.4 空き率が警告値未満になったときのHiRDB管理者の処置
HiRDB管理者は次に示すことをしてください。
- 〈この項の構成〉
(1) 空き率が不足したサーバを特定する
KFPS01160-E又はKFPS01162-Wメッセージを参照して空き率が不足したサーバを特定してください。pdlogclsコマンドのエラーの場合は,pdlogclsコマンドに指定したサーバが対象サーバになります。
- レベル2限定の処置
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このサーバは新規トランザクションのスケジューリング抑止状態になっています。コマンドで新規トランザクションのスケジューリング抑止状態のサーバを確認する場合は,pdls -d svrコマンドを実行してください。スケジューリング抑止状態のサーバは,コマンドの実行結果のSTATUSにTRNPAUSEと表示されます。
(2) システムログファイルの状態を確認する
該当するサーバのシステムログファイルに対してpdloglsコマンドを実行して,システムログファイルの状態を確認してください。
(3) システムログファイルをスワップ先にできる状態にする
スワップ先にできる状態のシステムログファイルを増やすために次に示す処置をしてください。
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予約ファイルがある場合は,そのファイルをスワップ先にできる状態にしてください。
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アンロード待ち状態のファイルがある場合は,そのファイルをアンロード済み状態にしてください。
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抽出未完了状態のファイルがある場合は,そのファイルを抽出完了状態にしてください。
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オンライン再編成上書き禁止状態のファイルがある場合は,そのファイルをオンライン再編成上書き可能状態にしてください。
(4) 強制終了されたトランザクションを確認する(レベル2限定)
強制終了されたトランザクションはKFPS00993-Iメッセージで確認できます。このメッセージ中のREQUESTにlog_remain_checkと表示されたトランザクションが強制終了の対象になっています。KFPS01161-Iメッセージが出力されると,新規トランザクションがスケジューリングされます。このメッセージが出力された後に,強制終了されたトランザクションを再実行してください。
(5) KFPS01163-Wメッセージが出力された場合(レベル2限定)
強制終了対象外のトランザクションがある場合は,KFPS01163-Wメッセージを出力してトランザクションの処理が終了するまで待ち合わせます。このトランザクションをコマンドなどで強制終了するとRDエリアが障害閉塞になる可能性があるため,pdcancelコマンドなどで強制終了しないでください。
なお,このトランザクションを発生させたUAP,運用コマンド,又はユティリティは次に示す手順で特定できます。
- 〈手順〉
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KFPS01160-E又はKFPS01163-Wメッセージを参照して対象サーバ名を特定します。
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pdls -d trn -a -s サーバ名コマンドでトランザクション情報を取得します。-s サーバ名には1で特定したサーバ名を指定します。
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コマンドの実行結果中のPROGRAM又はC-PIDを参照して,このトランザクションを発生させたUAP,運用コマンド,又はユティリティを特定します。
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(6) システムログファイルの容量不足の原因を特定する
システムログファイルの容量不足の原因をシステムログファイルの状態情報ファイルを利用して特定してください。特定方法については,「システムログファイルの状態情報ファイルの出力(空き容量監視機能)」を参照してください。
(7) システムログファイルの設計を見直す
システムログファイルの空き容量監視機能によって何度も警告が発生する場合,システムログファイルの設計(個数,ファイル容量など)に不備があると考えられます。したがって,システムログファイルの設計をし直してください。システムログファイルの設計については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
(8) pdlogswapコマンドを実行しないようにする
空き率が警告値未満になったときにpdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップすると,スワップ先にできる状態のファイルがないため,HiRDBが異常終了する可能性が高くなります。したがって,pdlogswapコマンドを実行しないようにしてください。