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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


1.8.1 開始処理時間を短縮する方法,及び運用例

実行者 HiRDB管理者

通常,常駐プロセスの起動処理はHiRDBの開始処理中に行われます。このため,常駐プロセス数が多くなると,それに比例してHiRDBの開始処理時間が長くなります。目安として,100MIPS程度のサーバマシンでプロセスを一つ起動するのに約1秒掛かります。

系切り替え機能を使用しているときなど,HiRDBの開始処理時間をなるべく短くしたい場合は,HiRDBの開始処理時間を短縮することを検討してください。

なお,常駐プロセス数はpd_process_countオペランドの第1パラメタの値によって決定されます。

〈この項の構成〉

(1) 開始処理時間を短縮する方法

開始処理時間を短縮するには,pd_process_countオペランドの第2パラメタを指定してください。第2パラメタの指定有無による処理の違いを次に示します。

(a) 第2パラメタを指定しない場合(pd_process_count = 500と指定した場合)

すべての常駐プロセスの起動処理をHiRDBの開始処理中に行います。この場合,常駐プロセスがすべて起動されないと(この場合は500個),HiRDBが開始できません。この場合,100MIPS程度のサーバマシンで,HiRDB開始処理時の常駐プロセスの起動に約500秒掛かります。

(b) 第2パラメタを指定する場合(pd_process_count = 500,50と指定した場合)

一部の常駐プロセスの起動処理をHiRDBの開始処理中に行い,残りの常駐プロセスの起動処理をHiRDBの開始処理終了後に行います。この場合,一部の常駐プロセスが起動されれば(この場合は50個),HiRDBが開始できます。この場合,100MIPS程度のサーバマシンで,HiRDB開始処理時の常駐プロセスの起動に約50秒掛かります。残りの常駐プロセス(この場合は450個の常駐プロセス)は,HiRDBの開始処理終了後に起動されます。

(2) 運用例

運用されているシステムは次のとおりとします。

●システム定義の指定

pd_process_count = 200,50

〔説明〕
  • 第1パラメタには全常駐プロセス数200を指定します。

  • HiRDBの開始直後にOpenTP1のSPP用の常駐プロセスを確保するため,第2パラメタに50を指定します。

  • HiRDB/パラレルサーバの場合は,フロントエンドサーバ定義のpd_process_countオペランドに指定します。

(3) 注意事項

この機能を使用する場合は,クライアント環境定義のPDCWAITTIMEオペランドの値を見直してください。

理由

HiRDBの開始直後に,pd_process_countの第2パラメタの値を超えるUAPが実行されると,残りの常駐プロセスが起動した後にトランザクション処理が実行されます。したがって,クライアント環境定義のPDCWAITTIMEオペランドの値が小さいと,一部のUAPがタイムアウトで処理できない場合があります。PDCWAITTIMEオペランドについては,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。