Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


26.2.6 HAモニタ(Amazon EC2環境)に関する準備

Amazon EC2環境で,クラスタソフトウェアにHAモニタを使用している場合にこの項をお読みください。Amazon EC2環境上にクラスタ構成を適用する場合,次の製品を用意する必要があります。

また,各Amazon EC2インスタンスごとに次のストレージを配置する必要があります。

Amazon EC2環境上にクラスタ構成を適用する場合の概要を次の図に示します。

図26‒37 クラスタ構成概要図

[図データ]

〔説明〕

業務処理中の実行系に障害が発生すると,待機系に障害の発生が通知されて系が切り替わり,待機系が実行系になって業務処理を続行します。

実行系のAmazon EBSに対して更新すると,DRBDは更新内容を待機系に送信し,待機系のAmazon EBSにレプリケーションします。そのため,実行系の障害によって系が切り替わった場合,障害発生直前の状態から業務を続行できます。障害が発生して系が切り替わった場合は,レプリケーションするノード間で同期が取れているかどうかを確認して待機系を起動してください。もし,同期が取れていない場合は再同期処理を実施し,同期がとれたことを確認した上で待機系を起動してください。同期状況の確認,及び同期処理の手順については,DRBDのマニュアルを参照してください。

注※

同期がとれていない状態で,すでに待機系を起動している場合は待機系をいったん停止した上で,再同期処理を実施してください。その後,同期がとれたことを確認した上で待機系を起動してください。

DRBD,HAモニタを設定するにあたり,HiRDBに関連するオペランドの指定値について説明します。

なお,詳細については,次のマニュアル,又は該当する箇所を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) DRBDに関する設定項目

(a) disk-barrier,disk-flushes,disk-drainオプション

DRBDのデフォルト値を推奨します。

なお,すべてのオプションを無効にすると,書き込み順序が保証されないため,すべてのオプションを無効にしないでください。

(b) on-io-errorオプション

detachを指定します。

(c) on-no-data-accessibleオプション

io-errorを指定します。

(d) protocolオプション

B,又はCを指定します。

(e) allow-two-primariesオプション

このオプションは指定しないでください。

(f) deviceオプション

DRBDでレプリケーションするブロックデバイス(/dev/drbd1など)を指定します。

(g) diskオプション

Amazon-EBSのブロックデバイス(/dev/xvdf1など)を指定します。複数のEBSボリュームを使用する場合は,UUIDなどOS再起動後に同じパス名となる値を指定してください。

(h) host-nameオプション

レプリケーション対象のホスト名(HiRDB-host1など)を指定します。

(i) addressオプション

レプリケーション対象のIPアドレス,及び任意のポート番号を指定します。

(j) DRBD設定ファイルの指定例

DRBD設定ファイルの指定例を次に示します。

●/etc/drbd.d/global_common.conf

global {
  usage-count no;
}
common {
  disk {
    on-io-error detach;
  }
  options {
    on-no-data-accessible io-error;
  }
net {
    protocol C;
  }
}

●/etc/drbd.d/drbd01.res(リソース名::drbd01,2ノード構成の場合)

resource drbd01 {
  volume 0 {
    device    /dev/drbd1;
    disk      /dev/xvdf1;
    meta-disk internal;
  }
  on HiRDB-host1 {
    address   10.1.1.31:7789;
  }
  on HiRDB-host2 {
    address   10.1.2.32:7789;
  }
}

●/etc/drbd.d/drbd01.res(リソース名::drbd01,3ノード構成の場合)

resource drbd01 {
  volume 0 {
    device    /dev/drbd1;
    disk      /dev/xvdf1;
    meta-disk internal;
  }
  on HiRDB-host1 {
    address   10.1.1.31:7789;
    node-id   0;
  }
  on HiRDB-host2 {
    address   10.1.2.32:7790;
    node-id   1;
  }
  on HiRDB-host3 {
    address   10.1.2.33:7791;
    node-id   2;
  }
  connection-mesh {
    hosts HiRDB-host1 HiRDB-host2 HiRDB-host3
  }
}

DRBDコマンドでDRBDリソースを有効化したあと,deviceオプションに指定したデバイス(/dev/drbd1など)にHiRDBファイルシステム領域を作成してください。

すべてのHiRDBファイルシステム領域を作成したあと,DRBDの初期同期を実施し,レプリケーションするノード間でデータを一致させてください。

(2) HAモニタに関する設定項目(sysdef定義ファイル)

(a) public_cloudオペランド

useを指定してください。

(3) HAモニタに関する設定項目(servers定義ファイル)

(a) rep_deviceオペランド

(1)でHiRDBファイルシステム領域を作成したレプリケーションディスクを指定しているDRBDリソース名(drbd01など)を指定してください。

(b) diskオペランド

HAモニタによるディスクのアクセス制御を行う場合に指定してください。

HAモニタによるディスクのアクセス制御を行わない(diskオペランドを指定しない)場合は,「共有ディスクのアクセス制御」を参照して必要なオペランドを設定してください。