9.2.47 通信処理に関するオペランド
- ◆ pd_service_port = スケジューラプロセスのポート番号
-
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
次の場合に,スケジューラプロセスのポート番号を指定します。
-
高速接続機能を使用する場合
高速接続機能については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
-
HiRDBサーバ側にファイアウォールやNATが設置されている場合
この場合のHiRDBの環境設定については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
- 《指定値の目安》
-
-
HiRDB/シングルサーバの場合,又はHiRDBクライアントとHiRDBサーバの間にファイアウォールがある場合は,このオペランドを適用してください。
-
サーバと接続するときの通信回数を削減できるため,広域LANを介して接続するシステムではこのオペランドを適用してください。
-
- 《注意事項》
-
-
相互系切り替え構成などで一つのサーバマシンに複数のユニットがある場合,ユニット制御情報定義では必ずこのオペランドを指定してください。また,各ユニットで異なるポート番号を指定してください。同じポート番号を指定すると,系切り替え時発生時にどちらかのユニットで系切り替えが失敗します。
-
ユニット制御情報定義とシステム共通定義の両方でこのオペランドを指定した場合,ユニット制御情報定義の指定値が有効になります。
-
HiRDBのポート番号(pd_name_portオペランド又はpdunitオペランドの-pオプションに指定したポート番号)と同じポート番号を指定した場合,このオペランドの指定値が無効となり,高速接続機能を使用する場合及びHiRDBサーバ側にファイアウォールやNATが設定されている場合の運用ができなくなります。このとき,KFPS00860-Wメッセージが出力されます。
-
高速接続機能を使用してpd_max_usersオペランドの値以上の接続要求を同時に発行した場合,接続要求をメッセージキューから取り出すフロントエンドサーバやシングルサーバの稼働数が不足します。そのため,接続要求をメッセージキューから取り出せなくなり,メッセージキュー監視機能によってユニットが停止することがあります。pd_max_usersオペランドの値以上の同時接続要求が発生しないようにしてください。メッセージキュー監視機能については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
-
スケジューラプロセスのポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
-
複数のフロントエンドサーバを持つパラレルサーバで適用すると,接続するフロントエンドサーバが固定になり,負荷分散ができなくなります。このため,接続するフロントエンドサーバのバランスを検討してください。
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
-
pd_scd_port
-
pdunit -s
-
-
- ◆ pd_name_fixed_port_lookup = Y|N
-
このオペランドはHiRDB/パラレルサーバ限定のオペランドです。
ユニット間のシステムサーバと通信する場合のアドレス解決方法を指定します。ここでいうアドレス解決とは,システムサーバのIPアドレスとポート番号を取得する処理をいいます。
Y:自ユニットの共用メモリでアドレス解決をします。
N:全ユニットに通信をして(ブロードキャスト)アドレス解決をします。
このオペランドにYを指定する場合,次に示すオペランドを指定して,ユニット間通信をするシステムサーバのポート番号を指定する必要があります。ポート番号を指定しない場合,HiRDBを起動できません。ポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
ポート種別
オペランド
HiRDBのポート
pd_name_portオペランド又はpdunitオペランドの-pオプション
トランザクションサーバプロセスのポート
pd_trn_portオペランド又はpdunitオペランドの-tオプション
スケジューラプロセスのポート
pd_scd_portオペランド又はpdunitオペランドの-sオプション
ユニット監視プロセスのポート※1
pd_alv_portオペランド又はpdunitオペランドの-aオプション
メッセージログサーバプロセスのポート※2
pd_mlg_portオペランド又はpdunitオペランドの-mオプション
注※1 シングルサーバ及びシステムマネジャがないユニットでは,ユニット監視プロセスが起動しないため,ポート番号を指定する必要はありません。
注※2 pd_mlg_msg_log_unitオペランドにlocalを指定した場合,ブロードキャストが発生しないため,ポート番号を指定する必要はありません。また,pd_mlg_msg_log_unitオペランドにmanagerを指定した場合,システムマネジャがないユニットでは,メッセージログサーバプロセスが起動しないため,ポート番号を指定する必要はありません。
- 《利点》
-
このオペランドにYを指定し,ユニット間通信をするシステムサーバのポート番号を指定すると,アドレス解決時にブロードキャストが発生しません。そのため,ユニット数が多い場合に発生する次のような問題を避けられます。
-
通信資源の圧迫(ネットワーク負荷,ポートの消費)
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性能の劣化
-
- 《注意事項》
-
-
このオペランドにNを指定すると,アドレス解決時に全ユニットに対するブロードキャストが発生することがあります。ブロードキャストが発生する場合を次に示します。
・最初のアドレス解決時
・アドレス解決したシステムサーバがダウンした後のアドレス解決時
・アドレス解決したシステムサーバのユニットがダウンした後のアドレス解決時
-
HiRDB/シングルサーバ又は一つのユニットだけで構成されるHiRDB/パラレルサーバでは,ユニット間通信が発生しないため,このオペランドの指定有無に関係なくNを指定したものとして動作します。
-
クライアントの接続形態は高速接続を使用してください。通常接続を使用した場合,クライアント接続時に一時的にブロードキャストが発生します。クライアントの接続形態については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
-
- ◆ pd_scd_port = スケジューラプロセスのポート番号
-
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
次の場合に,スケジューラプロセスのポート番号を指定します。
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pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定した場合
-
高速接続機能を使用する場合
高速接続機能については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
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HiRDBサーバ側にファイアウォールやNATが設置されている場合
この場合のHiRDBの環境設定については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
- 《注意事項》
-
-
ユニットごとに異なるポート番号を指定する場合は,pdunitオペランドの-sオプションを指定してください。
-
HiRDBのポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
-
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定する必要があります。
-
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
・pd_service_port
・pdunit -s
-
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- ◆ pd_trn_port = トランザクションサーバプロセスのポート番号
-
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定した場合に,トランザクションサーバプロセスのポート番号を指定します。
- 《注意事項》
-
トランザクションサーバプロセスのポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
-
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定する必要があります。
-
このオペランドは,pdunitオペランドの-tオプションと関連があります。
-
- ◆ pd_mlg_port = メッセージログサーバプロセスのポート番号
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〜<符号なし整数>((5001〜65535))
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定した場合に,メッセージログサーバプロセスのポート番号を指定します。
- 《注意事項》
-
-
メッセージログサーバプロセスが起動しないユニットではポート番号は使用されませんが,定義したポート番号がほかのポート番号と異なるかどうかはチェックされます。メッセージログサーバプロセスが起動しないユニットは,二つ以上のユニットで構成されるHiRDB/パラレルサーバでpd_mlg_msg_log_unitの指定値がmanagerの場合,システムマネジャがないユニットです。
-
メッセージログサーバプロセスのポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
-
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定する必要があります。
-
このオペランドは,pdunitオペランドの-mオプションと関連があります。
-
- ◆ pd_alv_port = ユニット監視プロセスのポート番号
-
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
このオペランドはHiRDB/パラレルサーバ限定のオペランドです。
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定した場合に,ユニット監視プロセスのポート番号を指定します。
- 《注意事項》
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-
ユニット監視プロセスが起動しないユニットではポート番号は使用されませんが,定義したポート番号がほかのポート番号と異なるかどうかはチェックされます。ユニット監視プロセスは,二つ以上のユニットで構成されるHiRDB/パラレルサーバでシステムマネジャがあるユニットを除いて,すべてのユニットで起動しません。
-
ユニット監視プロセスのポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
-
pd_name_fixed_port_lookupオペランドにYを指定する必要があります。
-
このオペランドは,pdunitオペランドの-aオプションと関連があります。
-
- ◆ pd_change_clt_ipaddr = 0|1
-
HiRDBサーバからHiRDBクライアントへの通信時に使用するネットワークを指定します。通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- 0:
-
HiRDBサーバからHiRDBクライアントへの通信時,クライアント環境定義のPDCLTRCVADDRオペランドに指定したIPアドレスがあるネットワークを使用します。PDCLTRCVADDRオペランドを省略した場合は標準ホストのIPアドレスが仮定されます。
- 1:
-
HiRDBサーバからHiRDBクライアントへの通信時,HiRDBクライアントからHiRDBサーバへの通信に使用したネットワークを使用します。
- 《クライアント環境定義との関連》
-
クライアント環境定義PDCONTYPEにPASSIVEを指定,又は指定を省略しているクライアントからの接続は,このオペランドの指定値に従った動作になります。
クライアント環境定義PDCONTYPEにACTIVEを指定しているクライアントからの接続は,このオペランドの指定値にかかわらず,クライアントがサーバに対して接続した時のネットワークを使用して,通信をします。
- ◆ pd_registered_port = "ポート番号の予約範囲"〔,"ポート番号の予約範囲"〕…
-
〜〈文字列〉
HiRDB予約ポート機能を使用する場合に,HiRDBが通信処理で使用するポート番号の範囲を指定します。
HiRDB予約ポート機能は,サーバ間通信及び対クライアント通信で有効になります。詳細は,pd_registered_port_levelオペランドの説明を参照してください。なお,ポート番号の使用量が少ない場合には,HiRDB予約ポート機能を使用する必要はありません。
- 《オペランドの指定方法》
-
6000〜8999,12500〜29999,30500〜44999の計35,000個の範囲でポート番号を使用する場合の例を次に示します。
set pd_registered_port = "6000:8999","12500:29999","30500:44999"
- 《利点》
-
HiRDBサーバ間の通信処理で使用するポート番号はOSが自動的に割り当てています。通信処理が大量に発生すると,ポート番号の不足によって処理が中断したり,又はほかのプログラムの通信処理に影響を与えたりします。
このオペランドでHiRDB専用のポート番号の範囲を指定すると,これらの現象を防げます。
- 《指定値の目安》
-
-
指定できるポート番号の範囲は5001〜49151です。
-
HiRDBが使用するポート数については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
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%windir%¥system32¥drivers¥etc¥services(DNS環境の場合は定義した場所)には,このオペランドで指定したポート番号は登録しないでください。pd_registered_port_checkオペランドにY,C,又はWを指定すると,%windir%¥system32¥drivers¥etc¥servicesとの重複チェックをします。
-
- 《指定値のチューニング方法》
-
次に示す計算式で求めた値が,必要となるポート番号の総数の目安です。
a+b+100
a:HiRDB予約ポートの使用数(#OF REGISTERED PORTS)
b:HiRDB予約ポートオーバ時のOS自動割り当てポートの使用数(#OF ASSIGNED PORTS)
これらの情報は,統計解析ユティリティのシステムの稼働に関する統計情報で取得できます。
- 《オペランドの規則》
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予約範囲は最大10個指定できます。
-
予約範囲を二つ以上指定した場合,範囲に含まれるポート番号が重複しないようにしてください。
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終了ポート番号は開始ポート番号以上の値でなければいけません。
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- 《注意事項》
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相互系切り替え構成などで一つのサーバマシンに複数のユニットがある場合は,ユニット制御情報定義で必ずこのオペランドを指定してください。また,各ユニットで異なるポート番号を指定してください。同じポート番号を指定すると,系切り替え時発生時にどちらかのユニットで系切り替えが失敗します。
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HiRDB予約ポート機能を使用できないポート番号では,このオペランドで指定したポート番号は使用されません。HiRDB予約ポート機能の対象範囲については,pd_registered_port_levelオペランドを参照してください。
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HiRDB予約ポート機能を使用する場合のポート番号の指定方法,及びほかのポート番号との重複に関する注意事項については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
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ユニット制御情報定義とシステム共通定義の両方でこのオペランドを指定した場合,ユニット制御情報定義の指定値が有効になります。
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- 《各見積もり式への影響》
-
pd_registered_portオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。
マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」:
-
「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」
-
「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式」
-
- ◆ pd_registered_port_check = Y|N|C|W
-
pd_registered_portオペランドで範囲指定したポート番号と%windir%¥system32¥drivers¥etc¥services(DNS環境の場合は定義した場所)に登録されたポート番号との重複チェックをするかどうかを指定します。
- Y:
-
重複チェックをします。重複している場合,KFPS00348-Eメッセージを出力してHiRDBの開始処理を中断します。
- N:
-
重複チェックをしません。
- C:
-
重複チェックをします。重複している場合,重複しているポート番号はHiRDB予約ポート機能の対象外になります。
- W:
-
重複チェックをします。重複している場合,KFPS00354-Wメッセージを出力します。重複しているポート番号はHiRDB予約ポート機能の対象外になります。
- 《前提条件》
-
pd_registered_portオペランドを指定している必要があります。
- 《指定値の目安》
-
-
ポート番号の重複があると,不正電文の受信や送信電文の未達などHiRDBの通信処理に影響を及ぼすことがあります。
-
Y,C,又はWを指定すると,DNS環境のときにプロセスサーバプロセスの起動が遅くなることがあります。
-
- ◆ pd_ipc_send_retrycount = プロセス間通信の送信リトライ処理の連続繰り返し回数
-
〜<符号なし整数>((1〜32767))《200》
プロセス間通信の送信リトライ処理の連続繰り返し回数を指定します。
このオペランドはpd_ipc_send_retrysleeptimeオペランドと関連しています。
(例)
-
pd_ipc_send_retrycount = 500
-
pd_ipc_send_retrysleeptime = 2
上記のようにオペランドを指定すると,送信リトライ処理1回の繰り返し単位が500回連続実行で2秒スリープとなります。
- 《指定値の目安》
-
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
-
このオペランドの指定値を大きくするとCPU占有率が高くなります。
-
-
- ◆ pd_ipc_send_retrysleeptime = プロセス間通信の送信リトライ処理のスリープ時間
-
〜<符号なし整数>((0〜60))《0》(単位:秒)
プロセス間通信の送信リトライ処理のスリープ時間を指定します。
このオペランドはpd_ipc_send_retrycountオペランドと関連しています。
(例)
-
pd_ipc_send_retrycount = 500
-
pd_ipc_send_retrysleeptime = 2
上記のようにオペランドを指定すると,送信リトライ処理1回の繰り返し単位が500回連続実行で2秒スリープとなります。
- 《指定値の目安》
-
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
-
このオペランドの指定値を大きくすると送信完了時間が長くなります。
-
-
- ◆ pd_ipc_send_count = サーバ間の送信処理のリトライ回数
-
〜<符号なし整数>((1〜32767))《60》
サーバ間の送信処理が終了するまでの送信処理のリトライ回数を指定します。なお,1回で最大5秒間のリトライを続けます。省略値では5秒×60回となり300秒間リトライを続けます。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。送信タイムアウトが頻発する場合に,このオペランドの指定値を大きくしてください。
- ◆ pd_ipc_recv_count = サーバ間の受信処理のリトライ回数
-
〜<符号なし整数>((1〜32767))《120》
サーバ間の受信処理が終了するまでの受信処理のリトライ回数を指定します。なお,1回で最大5秒間のリトライを続けます。省略値では5秒×120回となり10分間リトライを続けます。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- ◆ pd_ipc_conn_nblock = Y|N
-
HiRDBのサーバ間通信で,コネクション確立をノンブロックモードで行うかどうか指定します。
Y:コネクション確立をノンブロックモードで行います。
N:コネクション確立をブロックモードで行います。
- 《利点》
-
このオペランドにYを指定した場合,HiRDBのサーバ間通信で,connect()システムコールをノンブロックモードで発行できます。それによって,LAN障害時にconnect()システムコールが数十秒間(OS依存)プロセスをブロックしていたのが,pd_ipc_conn_nblock_timeオペランドで指定した時間まで短くなります。
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
-
pd_ipc_conn_nblock_time
-
pd_ipc_conn_interval
-
pd_ipc_conn_count
-
pd_host_watch_interval
-
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- 《備考》
-
クライアントとサーバ間の通信でのコネクション確立については,クライアント環境定義PDNBLOCKWAITTIME,又はpd_ipc_clt_conn_nblockオペランドで指定してください。
- ◆ pd_ipc_conn_nblock_time = ノンブロックモードでのコネクション確立監視時間
-
〜<符号なし整数>((1〜120))《8》(単位:秒)
HiRDBのサーバ間通信におけるノンブロックモードでのコネクション確立処理のリトライ時間と,コネクションの確立監視時間を指定します。
- 《前提条件》
-
このオペランドは,pd_ipc_conn_nblockオペランドにYを指定した場合に有効になります。
- 《利点》
-
不当な通信エラーが多発している場合に,このオペランドの指定値を大きくすると,通信エラーを減らせることがあります。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
不当な通信エラーが多発している場合は,OSのpingコマンドなどを使用して,HiRDBのサーバ間の到達時間を計ってください。このオペランドの値より時間が掛かる場合は,到達時間より大きい値をこのオペランドに指定してください。
- 《注意事項》
-
-
このオペランドの指定値を大きくすると,通信できなくなった場合のタイムアウト時間が延びます。このため,ほかの処理に影響を与えることがあります。
-
このオペランドには,コネクション確立をブロックモードで行ったときのOS待ち時間よりも大きい値を指定しないでください。指定した場合は,OSの待ち時間で接続タイムアウトになります。
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
-
pd_ipc_conn_nblock
-
pd_ipc_conn_interval
-
pd_ipc_conn_count
-
- 《備考》
-
HiRDBは一定間隔(pd_host_watch_intervalオペランドの値:省略値は10秒)でほかのユニットに対して通信を行い,ほかのユニットの稼働状況を確認しています。
監視対象ユニットが応答を返した直後にLAN障害が発生すると,一定時間(pd_host_watch_intervalオペランドの値)待った後に次の通信処理をします。その後,通信のリトライ処理がpd_ipc_conn_nblock_timeオペランドの値(デフォルト8秒)の間実行されます。そのため,監視対象ユニットの異常終了が検知されるまでの時間は,両オペランドの値を加算した時間になります。
HiRDBが監視対象ユニットの異常終了を検知するまでの時間の関係を次に示します。
- ◆ pd_ipc_conn_interval = コネクション確立処理のリトライ間隔
-
〜<符号なし整数>((0〜50))《1》(単位:秒)
HiRDBのサーバ間通信で,データ送信時に行うコネクション確立処理のリトライ間隔を指定します。次に示す場合にコネクション確立処理をリトライします。
-
接続タイムアウトになった場合
-
Listenキューが不足した場合
- 《指定値の目安》
-
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
-
このオペランドを指定する場合は,次の条件を満たすようにしてください。
このオペランドの指定値<pd_ipc_conn_nblock_timeの値
-
- 《ほかのオペランドとの関連》
-
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
-
pd_ipc_conn_count
-
pd_ipc_conn_nblock
-
pd_ipc_conn_nblock_time
-
- 《備考》
-
ノンブロックモード及びブロックモード通信時のリトライ処理の例を次に示します。
〔説明〕
次に示すように指定すると,ノンブロックモードのコネクション確立処理を,1秒間隔で8秒間リトライします。
・pd_ipc_conn_nblock_time = 8
・pd_ipc_conn_interval = 1
〔説明〕
次に示すように指定すると,ブロックモードでのコネクション確立処理を10秒間隔で5回リトライします。
・pd_ipc_conn_interval = 10
・pd_ipc_conn_count = 5
-
- ◆ pd_ipc_conn_count =コネクション確立処理のリトライ回数
-
〜<符号なし整数>((0〜600))《50》
HiRDBのサーバ間通信で,データ送信時に行うコネクション確立処理のリトライ回数を指定します。次に示す場合に,コネクション確立処理をリトライします。
-
接続タイムアウトになった場合
-
Listenキューが不足した場合
このオペランドはpd_ipc_conn_intervalオペランドと関連しています。
(例)
-
pd_ipc_conn_interval = 10
-
pd_ipc_conn_count = 5
このようにオペランドに指定すると,コネクション確立処理を10秒ごとに最大5回行います。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- 《注意事項》
-
ノンブロックモードのコネクション確立処理が実行される場合,このオペランドの指定は無効になります。
pd_ipc_conn_nblockオペランドにYを指定すると,ノンブロックモードのコネクション確立処理が実行されます。
-
- ◆ pd_ipc_clt_conn_nblock = Y|N
-
HiRDBクライアントとの通信で,コネクション確立をノンブロックモードで行うかどうかを指定します。
Y:コネクション確立をノンブロックモードで行います。pd_ipc_clt_conn_nblock_timeオペランドに指定した値の間隔で監視します。
N:コネクション確立をブロックモードで行います。バージョン09-02までと同様の動作です。
- 《利点》
-
このオペランドにYを指定した場合,HiRDBクライアントとの通信で,connect()システムコールをノンブロックモードで発行できます。それによって,LAN障害時にconnect()システムコールが数十秒間(OS依存)プロセスをブロックしていたのが,pd_ipc_clt_conn_nblock_timeオペランドで指定した時間まで短くなります。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
- 《クライアント環境定義との関連》
-
クライアント環境定義のPDNBLOCKWAITTIMEの指定によって,このオペランドの指定値が無効になることがあります。クライアント環境定義のPDNBLOCKWAITTIMEとの組み合わせで,コネクション確立をどちらのモードで行うかを次の表に示します。
クライアント環境定義PDNBLOCKWAITTIMEの指定値
pd_ipc_clt_conn_nblockオペランドの指定値
Y
N
0
-
サーバがクライアントにコネクション確立する場合
ノンブロックモード。
このとき,pd_ipc_clt_conn_nblock_timeオペランドに指定した監視時間で監視します。
-
クライアントがサーバにコネクション確立する場合
ブロックモード。
ブロックモード。
1以上
ノンブロックモード。
このとき,クライアント環境定義のPDNBLOCKWAITTIMEに指定した監視時間で監視します。
-
- ◆ pd_ipc_clt_conn_nblock_time = ノンブロックモードでのコネクション確立監視時間(HiRDBクライアントとの通信)
-
〜<符号なし整数>((1〜120))《8》(単位:秒)
HiRDBクライアントとの通信におけるノンブロックモードでのコネクションの確立監視時間を指定します。
- 《前提条件》
-
このオペランドはpd_ipc_clt_conn_nblockオペランドにYを指定した場合に有効になります。
- 《指定値の目安》
-
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
不当な通信エラーが多発している場合は,OSのpingコマンドなどを使用して,到達時間を計ってください。このオペランドの値より時間が掛かる場合は,到達時間より大きい値をこのオペランドに指定してください。
- 《注意事項》
-
このオペランドには,コネクション確立をブロックモードで行ったときのOS待ち時間よりも大きい値を指定しないでください。指定した場合は,OSの待ち時間で接続タイムアウトになります。
- ◆ pd_crypto_service_port = スケジューラプロセスの暗号化通信(SSL)接続用のポート番号
-
〜<符号なし整数>((5001〜65535))
スケジューラプロセスがクライアントからの暗号化通信(SSL)の接続要求を受け付けるポート番号を指定します。
暗号化通信プロトコルはTLS1.3を使用します。
- 《利点》
-
クライアントーサーバ間の通信を暗号化できます。
- 《前提条件》
-
以下のオペランドを指定してください。
-
pd_crypto_private_key
-
pd_crypto_certificate_file
-
- 《クライアント環境定義との関連》
-
クライアント−サーバ間の通信を暗号化する場合,クライアント環境定義PDSOCKETCRYPTOの指定が必要です。詳細は,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」を参照してください。
- 《注意事項》
-
-
他オペランドで指定していない値やOSの自動割り当てポートの範囲外の値をこのオペランドに指定してください。HiRDB起動時に前提条件に記載したオペランドの指定がない場合やポートが確保できない場合は,KFPS00862-Eメッセージを出力して,該当ユニットは異常終了します。
-
シングルサーバ及びフロントエンドサーバを配置していないユニットでは,このオペランドの指定は無視します。
-
- ◆ pd_crypto_private_key = 通信暗号化機能に使用する秘密鍵
-
〜<パス名>((255バイト以内))
通信暗号化機能に使用する秘密鍵のファイルパスを指定します。
- 《利点》
-
クライアント−サーバ間の通信を暗号化できます。
- 《前提条件》
-
以下のオペランドを指定してください。
-
pd_crypto_service_port
-
pd_crypto_certificate_file
-
- 《注意事項》
-
-
指定する秘密鍵のファイルはHiRDB管理者ユーザに対して読み込み権限を与えてください。
-
通信暗号化機能を使用する場合,このオペランドを指定してください。
-
ほかの用途で使用しているディレクトリ(pd_tmp_directoryオペランドで指定したワークファイル出力先ディレクトリなど)をこのオペランドに指定しないでください。
-
系切り替え構成の場合,現用系と予備系でこのオペランドに同一のパスを指定してください。
-
- ◆ pd_crypto_certificate_file = 通信暗号化機能に使用するサーバ証明書
-
〜<パス名>((255バイト以内))
通信暗号化機能に使用するサーバ証明書のファイルパスを指定します。
- 《利点》
-
クライアント−サーバ間の通信を暗号化できます。
- 《前提条件》
-
以下のオペランドを指定してください。
-
pd_crypto_service_port
-
pd_crypto_private_key
-
- 《注意事項》
-
-
指定するサーバ証明書はHiRDB管理者ユーザに対して読み込み権限を与えてください。
-
通信暗号化機能を使用する場合,このオペランドを指定してください。
-
前提条件のオペランドを指定しないで,pd_crypto_certificate_fileオペランドだけを指定している場合,HiRDBユニット起動時に通信暗号化機能のチェックは行いません。通信暗号化機能は無効化の状態で起動します。
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ほかの用途で使用しているディレクトリ(pd_tmp_directoryオペランドで指定したワークファイル出力先ディレクトリなど)をこのオペランドに指定しないでください。
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系切り替え構成の場合,現用系と予備系でこのオペランドに同一のパスを指定してください。
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