Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム定義(UNIX(R)用)


9.2.7 HiRDBの処理方式に関するオペランド

◆ pd_dbsync_point = sync|commit

データベースの更新内容をファイルに反映するタイミングを指定します。

sync:

シンクポイント時点でデータベースの更新内容をファイルに反映します。シンクポイント間で同一ページを更新するようなトランザクションが多く起動される場合に性能が向上します。COMMIT文が発行されてもファイルに更新情報を反映しないため,入出力の負荷が軽減されます。ただし,commitを指定したときに比べて全面回復処理が遅くなります。

commit:

COMMIT文発行時点でデータベースの更新内容をファイルに反映します。トランザクションの完了時点でデータベースの内容が保証されるため,シンクポイント時点からデータベースを回復する必要がなく,全面回復処理に要する時間が短縮できます。ただし,シンクポイント間で同一ページを更新するようなトランザクションが多く起動される場合は,syncを指定したときに比べて性能が低下します。

《注意事項》

次の場合はこのオペランドにsyncを指定するか,このオペランドを省略してください。

  • ハイブリッド方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用している場合

  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを使用している場合

《備考》

LOB用RDエリアはこのオペランドの影響を受けません。ディレクトリ部はCOMMIT文発行時点で反映されます。データ部はLOB用グローバルバッファを割り当てているかどうかによって処理が異なります。LOB用グローバルバッファを割り当てていない場合は更新要求時にすぐに反映されます。LOB用グローバルバッファを割り当てている場合はCOMMIT文発行時点で反映されます。ただし,グローバルバッファが満杯になったときはその時点で反映されます。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドはpd_system_dbsync_pointオペランドと関連があります。

《各見積もり式への影響》

pd_dbsync_pointオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」:

  • 「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「メモリ所要量の計算式」

  • 「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「メモリ所要量の計算式」

  • 「シングルサーバが使用する共用メモリの計算式」

  • 「ディクショナリサーバが使用する共用メモリの計算式」

  • 「バックエンドサーバが使用する共用メモリの計算式」

◆ pd_system_dbsync_point = sync|commit

次に示すRDエリアの更新内容をファイルに反映するタイミングを指定します。

  • マスタディレクトリ用RDエリア

  • データディレクトリ用RDエリア

  • データディクショナリ用RDエリア

  • データディクショナリLOB用RDエリア

  • レジストリ用RDエリア

  • レジストリLOB用RDエリア

sync:

シンクポイント時点で前記のRDエリアの更新内容をファイルに反映します。COMMIT文が発行されてもファイルに更新情報を反映しないため,定義系SQLの処理性能がcommitを指定したときに比べて若干向上します。ただし,全面回復処理がcommitを指定したときに比べて遅くなります。

commit:

COMMIT文発行時点で前記のRDエリアの更新内容をファイルに反映します。トランザクションの完了時点で前記のRDエリアの更新内容が保証されるため,前記のRDエリアをシンクポイント時点から回復する必要がなく,全面回復処理に要する時間が短縮できます。ただし,syncを指定したときに比べて,定義系SQLの処理性能が若干低下します。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドはpd_dbsync_pointオペランドと関連があります。pd_dbsync_pointオペランドとの関連を次に示します。

pd_dbsync_pointオペランドの値

pd_system_dbsync_pointオペランドの値

sync

commit(省略値)

sync(省略値)

全RDエリアの更新内容をシンクポイント時点で反映します。

前記のRDエリアの更新内容はCOMMIT文発行時点で反映します。そのほかのRDエリアの更新内容はシンクポイント時点で反映します。

commit

全RDエリアの更新内容をCOMMIT文発行時点で反映します。

《各見積もり式への影響》

pd_system_dbsync_pointオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」:

  • 「シングルサーバが使用する共用メモリの計算式」

  • 「ディクショナリサーバが使用する共用メモリの計算式」

◆ pd_process_terminator = resident|fixed|nonresident

HiRDBのプロセスが異常終了した場合,HiRDBは後処理を実行するプロセス(これを後処理プロセスといいます)を起動して後処理をします。このオペランドでは,後処理プロセスをHiRDBの開始時に起動しておくかどうかを指定します。

resident:

HiRDBの開始時に後処理プロセスを一つ起動します。HiRDB/パラレルサーバの場合は,一つのユニットに一つの後処理プロセスを起動します。

複数のプロセスが同時に異常終了した場合,HiRDBが規定した数まで後処理プロセスを起動して後処理を並列実行します。メモリ不足などで後処理プロセスを新たに起動できない場合は,既に起動している後処理プロセスで後処理を順次実行します。

なお,メモリ不足などによって,HiRDBが規定した数まで後処理プロセスを起動できない場合,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)が異常終了することがあります。

fixed:

HiRDBの開始時に,pd_process_terminator_maxオペランドで指定した数の後処理プロセスを起動します。HiRDB/パラレルサーバの場合は,ユニットごとにpd_process_terminator_maxオペランドで指定した数の後処理プロセスを起動します。メモリ不足などで後処理プロセスを起動できない場合はHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)を開始しません。

pd_process_terminator_maxオペランドの値を超えるプロセスが同時に異常終了した場合,後処理プロセスを追加起動しません。この場合,既に起動している後処理プロセスで後処理を順次実行します。

nonresident:

HiRDBの開始時に後処理プロセスを起動しません。プロセスが異常終了するたびに後処理プロセスを起動します。

複数のプロセスが同時に異常終了した場合,複数の後処理プロセスを同時に起動して後処理を並列実行します。メモリ不足などで後処理プロセスを起動できない場合,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)が異常終了することがあります。

《指定値の目安》
  • 信頼性を向上する場合はresident又はfixedを指定します。後処理についての性能面はresidentよりfixedの方が優れていますが,fixedの方がより多くのメモリを必要とします。

  • nonresidentを指定すると,オンデマンドに後処理プロセスが起動されます。このため,メモリ不足が発生すると,後処理プロセスが起動できなくなります。また,プロセスの異常終了が重なった場合,複数の後処理プロセスが起動されるため,性能面でも好ましくありません。

  • 後処理プロセスを起動できない場合に,HiRDBが異常終了することを防止したいときは,fixedの指定を推奨します。

《注意事項》

指定値をfixedに変更する場合は注意が必要です。HiRDBの開始時に後処理プロセスを起動するため,より多くのメモリが必要になります。メモリ不足などで後処理プロセスを起動できない場合はHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)を開始しません。

◆ pd_process_terminator_max = 後処理プロセスの最大常駐数

〜<符号なし整数>((1〜100))《Max(3,↑(pd_max_usersの値+pd_max_reflect_process_countの値)÷100↑)》

pd_process_terminatorオペランドを省略するか,又はfixedを指定した場合にこのオペランドを指定します。このオペランドには,HiRDBの開始時に起動する後処理プロセスの数を指定します。メモリ不足などで,ここで指定した数の後処理プロセスを起動できない場合は,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニット)を開始しません。

《指定値の目安》
  • 必要になる後処理プロセス数は,pd_max_usersの値+pd_max_reflect_process_countの値に比例します。値が小さいと回復処理が遅延するおそれがあり,値が大きいと余分にメモリを消費します。

◆ pd_thdlock_wakeup_lock = Y|N

このオペランドは,AIX版及びHP-UX版限定のオペランドです。

スレッド間ロックの解放通知方式を指定します。このオペランドにYを指定することで,解放通知が確実に送信されることを保証します。

Y:

スレッド間ロックの解放を通知するときに,これとは別の一時的なロックを新たに取得します。

N:

スレッド間ロックの解放を通知するときに,これとは別の一時的なロックを新たに取得しません。

《指定値の目安》

UAPの多重実行時に,SQL実行時間の平均値が数十ミリ秒であるが,最大値が1秒以上になる場合にはYを指定してください。

《注意事項》
  • Nを指定した場合,又はこのオペランドを省略した場合は,UAPの多重実行時に,SQL実行時間が1秒程度遅延することがあります。

  • Yを指定した場合は,UAPの多重実行時に,SQL実行時間が数ミリ秒程度遅延することがあります。

◆ pd_pageaccess_mode = SNAPSHOT|NORMAL

データベース検索時のページアクセス方式を指定します。

SNAPSHOT:

ページアクセス方式をスナップショット方式にします。グローバルバッファへの初回アクセス時,探索条件に一致する行をプロセス固有メモリにコピーします。2回目の検索要求時にはプロセス固有メモリを参照して検索結果を返します。スナップショット方式については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

NORMAL:

ページアクセス方式を通常方式にします。検索要求ごとにグローバルバッファをアクセスします。

《指定値の目安》

グループ分け高速化機能など,性能向上を目的とした機能を使用できない場合に,スナップショット方式の適用を検討してください。通常の検索SQLでは,指定された探索条件に一致する行の数とほぼ同じ回数分だけグローバルバッファへのアクセスを行っています。このため,検索SQLの実行が重なるとグローバルバッファへのアクセスが集中して,期待した性能が得られないことがあります。このような場合にスナップショット方式を適用すると,検索SQLのグローバルバッファへのアクセス回数を削減できるため,検索性能が向上することがあります。ただし,スナップショット方式を適用した場合,HiRDBが使用するプロセス固有メモリが増加します。スナップショット方式を適用した場合のプロセス固有メモリの計算式については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

《各見積もり式への影響》

pd_pageaccess_modeオペランドの指定値を変更すると,次の見積もり式に影響があります。

マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」:

  • 「HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「スナップショット方式指定時に必要なメモリ所要量の求め方」

  • 「HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」の「スナップショット方式指定時に必要なメモリ所要量の求め方」

◆ pd_cmdhold_precheck = Y|N

RDエリアの閉塞状態のチェックをRDエリアの排他処理の前に行うかどうかを指定します。

Y:

RDエリアの閉塞状態のチェックをRDエリアの排他処理の前に行います。

N:

RDエリアの閉塞状態のチェックをRDエリアの排他処理の前に行いません。排他取得後に行います。

チェック対象になる閉塞の種類を次に示します。

  • コマンド閉塞

  • 参照可能閉塞

  • 参照可能バックアップ閉塞

《指定値の目安》

通常はこのオペランドを省略するか,又はYを指定してください。Yを指定したときと,Nを指定したときの違いを次に示します。

項目

Yを指定した場合

Nの場合

HiRDBの処理

UAP又はコマンドの実行時,RDエリアの排他を取得する前に,アクセスする可能性があるすべてのRDエリアの閉塞状態をチェックします。例えば,RDエリア1〜4に横分割されている表にアクセスする場合,RDエリア1〜4の閉塞状態をチェックします。ただし,キーレンジ分割,又はFIXハッシュ分割で条件を指定して,UAP側でアクセスする可能性があるRDエリアを絞り込んでいる場合,アクセスする可能性がないRDエリアが閉塞していてもエラーにはなりません。

UAP又はコマンドの実行時,RDエリアの排他を取得した後に,アクセスする可能性があるすべてのRDエリアの閉塞状態をチェックします。例えば,RDエリア1〜4に横分割されている表にアクセスするとします。インデクスを使用してアクセスするRDエリアを絞り込んだ結果,アクセス対象RDエリアがRDエリア1の場合,RDエリア1に対してだけ閉塞状態をチェックします。これはHiRDB Version 5.0以前の処理方式です。

閉塞中のRDエリアにUAPがアクセスした場合

RDエリアの排他を取得する前に閉塞チェックをするため,RDエリアが閉塞していることを,Nを指定したときよりも早く検知できます。

RDエリアの排他を取得した後に閉塞チェックをするため,閉塞中のRDエリアにUAPがアクセスした場合,RDエリアの排他によるタイムアウトエラー(KFPA11770-E)が発生することがあります。

また,アクセス対象RDエリアがデータロード又は再編成で閉塞中の場合,データロード又は再編成処理の終了後にUAPが閉塞エラー(KFPA11920-E)になることがあります。

非横分割インデクスを使用してアクセスするRDエリアを絞り込む場合

表が横分割されていてインデクスが横分割されていない場合に注意が必要です。非横分割インデクスを使用してアクセス対象RDエリアを絞り込む場合,アクセス対象外のRDエリアが閉塞していても,閉塞エラー(KFPA11920-E)になります。HiRDBの処理で説明した例の場合,RDエリア1〜4のどれかが閉塞していると,UAPが閉塞エラー(KFPA11920-E)になります。

非横分割インデクスを使用してアクセス対象RDエリアを絞り込む場合,アクセス対象外のRDエリアが閉塞していても,UAP又はコマンドを実行できます。HiRDBの処理で説明した例の場合,RDエリア2〜4が閉塞していても,UAPを実行できます。

注※ RDエリアが閉塞状態では実行できないUAP及びコマンドが対象になります。

◆ pd_db_io_error_action = dbhold|unitdown

RDエリア(マスタディレクトリ用RDエリアを除く)の入出力エラーが発生したときのHiRDBの処理を指定します。なお,マスタディレクトリ用RDエリアに入出力エラーが発生した場合,このオペランドの指定に関係なく常にHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。RDエリアの入出力エラーが発生したときの対処方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

ここでいう入出力エラーとは,HiRDBがファイルを操作したときにHiRDBが判別できない理由でファイル操作に失敗したエラーを意味し,HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラーコードに-1544が出力されるエラーのことです。

dbhold:

RDエリアの入出力エラーが発生した場合,そのRDエリアを障害閉塞します。

unitdown:

RDエリアの入出力エラーが発生した場合,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を異常終了します。ただし,異常終了後に再度入出力エラーが発生した場合,そのRDエリアを障害閉塞します。再び,unitdownの指定を有効にするには,次に示すどちらかの方法を実行してください。

  • HiRDBを正常開始する

  • システム構成変更コマンド(pdchgconfコマンド)を実行する

《指定値の目安》

マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「RDエリアの入出力エラーが発生したときの対処方法」を参照して,このオペランドの指定値を決めてください。

《注意事項》
  • unitdownを指定したときに入出力エラーが発生するとHiRDBが異常終了するため,次の場合に,処理対象のRDエリアが障害閉塞することがあります。

    ・更新前ログ取得モード又はログレスモードでUAPやユティリティを実行している場合

    ・CREATE TABLEのRECOVERYオペランドでNOを指定してログレスモードにしたユーザLOB用RDエリアに対して,UAP又はユティリティを実行している場合

    物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用する場合は,できるだけこれらの運用は避けてください。もし,これらの運用が必要な場合は,RDエリアが閉塞しても最新の状態に回復できるよう,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得してください。バックアップの取得については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

  • 開始処理中又は終了処理中の入出力エラーについては,unitdownを指定してもHiRDBを異常終了しません。

  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーション機能を適用している場合,ログ適用サイトのHiRDBの開始中は,unitdownを指定しても無効になります。

  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)での回復処理中は,unitdownを指定していてもHiRDBを異常終了しません。この場合は,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を再度実行して回復してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_mode_confオペランド

  • pd_db_access_error_actionオペランド

  • pd_db_hold_actionオペランド

なお,pd_db_io_error_actionオペランド,pd_db_access_error_actionオペランド,及びpd_db_hold_actionオペランドのうち,複数のオペランドでunitdownを指定した場合は,次の順序でオペランドの指定値が有効になります。

  1. pd_db_io_error_actionオペランド

  2. pd_db_access_error_actionオペランド

  3. pd_db_hold_actionオペランド

そのため,RDエリアの入出力エラー,ファイルアクセスエラー,及び物理エラーのうち複数のエラーが同時に起こった場合,どのエラー要因によってユニットダウンしたのかは,この優先順位を参考に判断してください。また,出力されたメッセージを参照してください。

◆ pd_connect_errmsg_hide = Y|N

CONNECT失敗時に出力されるメッセージで,エラーの要因を隠すかどうかを指定します。

Y:CONNECT失敗時にエラーの要因を隠します。

N:CONNECT失敗時にエラーの要因を隠しません。

このオペランドの指定値によってCONNECT失敗時に出力されるメッセージが変わることがあります。詳細を次に示します。

エラー要因

出力されるメッセージ

Yを指定した場合

N(省略値)を指定した場合

認可識別子の不正(指定されたユーザは存在しない)

KFPA19632-E

KFPA11561-E

パスワードの不正(指定されたパスワードが一致しない)

KFPA19632-E

KFPA11560-E

◆ pd_cancel_down_msgchange = Y|N

サーバプロセスの強制終了が発生した場合に,出力されるエラーメッセージを変更するかどうかを指定します。

Y:

エラーメッセージを警告メッセージに変更します。エラーメッセージを変更する機能をトランザクションキャンセル時のプロセスダウンメッセージ変更機能といいます。

N:

エラーメッセージを変更しません。

このオペランドの指定値と出力されるエラーメッセージの関係を次に示します。

条件

出力されるメッセージ

Y(省略値)を指定した場合

Nを指定した場合

次に示す原因によってサーバプロセスの強制終了が発生した場合

  • ユーザ操作による意図的な強制終了

  • タイムアウトによる強制終了

  • クライアント側の障害による強制終了

  • KFPS01852-W

  • KFPO00115-W

  • KFPS01820-E

  • KFPO00105-E

上記以外の原因によってサーバプロセスの強制終了が発生した場合

  • KFPS01820-E

  • KFPO00105-E

サーバプロセスの強制終了の原因をHiRDBが判断できない場合

注※

メッセージの変更が発生する原因はほかにもあります。詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「トランザクションキャンセル時のプロセスダウンメッセージ変更機能」を参照してください。

《利点》

このオペランドにYを指定すると,サーバプロセスの強制終了が発生した原因で出力されるメッセージを切り分けられます。

《備考》

KFPS01820-E及びKFPO00105-Eメッセージが出力された場合,その原因がHiRDBの不正検知によるものか,又はトランザクションキャンセルなどのユーザ操作による意図的なものかをメッセージIDから判断できません。判断するには,各メッセージに出力されるプロセスIDを比較する必要があります。

JP1を使用してメッセージを監視している場合,複数のメッセージ情報を比較できないため,KFPS01820-E及びKFPO00105-Eメッセージが出力されたときに対処が難しくなることがあります。このオペランドにYを指定すると,出力されるメッセージがエラー原因によって切り分けられるため,対処が特定しやすくなります。したがって,JP1を使用してメッセージを監視している場合,このオペランドにYを指定することをお勧めします。

 pd_server_process_adjust_limit = 1回の要求で起動,停止するサーバプロセス数の上限値

〜<符号なし整数>((1〜3000))

サーバプロセスの起動,停止処理で,1回の要求で起動,停止するサーバプロセス数の上限を指定します。

このオペランドを指定すると,サーバプロセスの起動,停止処理を1回の要求でまとめて実行しないで,複数回の契機に分割して起動,停止処理を行います。

なお,オペランドを指定しない場合は,サーバプロセスの起動,停止処理を1回の要求でまとめて実行します。

このオペランドが有効になる契機を次に示します。

  • HiRDBシステムを開始する場合

  • HiRDBユニットを開始する場合

  • HiRDBサーバを開始する場合

  • 系切り替え構成で待機系を起動する場合

  • pdpfreshコマンドを実行する場合

  • pdchprcコマンドを実行し,常駐プロセス数を減らす場合

《利点》

常駐するユーザサーバプロセス数が多いシステムの場合,サーバプロセスの起動,又は停止時にCPUの負荷を軽減できます。

《指定値の目安》

サーバプロセスの起動,又は停止時にCPU利用率が高騰する場合,このオペランドを指定してください。

なお,pd_server_process_adjust_limitオペランドを指定すると,サーバプロセスの起動,停止処理に要する時間が次のとおりとなります。

運用

時間

HiRDBシステム開始

↓サーバの常駐プロセス数/pd_server_process_adjust_limitオペランド指定値↓×pd_server_process_adjust_intvlオペランド指定値(ミリ秒)

HiRDBユニット開始

HiRDBサーバ開始

待機系起動

pdpfreshコマンド実行

↓リフレッシュ対象のサーバプロセス数/pd_server_process_adjust_limitオペランド指定値↓×2×pd_server_process_adjust_intvlオペランド指定値

(ミリ秒)

pdchprcコマンド実行

(サーバプロセス数減少)

↓(現在の常駐プロセス数−pdchprcコマンドに指定した値)/pd_server_process_adjust_limitオペランド指定値↓×10秒

《注意事項》
  • HiRDB/パラレルサーバでユニット内に複数のサーバを配置している場合は,オペランドに指定した値がそれぞれのサーバに対して有効となります。

  • 起動しているサーバプロセスの数よりも大きい値を指定した場合,サーバプロセスの起動,停止要求は1回になります。

  • pdpfreshコマンドを複数同時に実行しないでください。

    同時に実行した場合,サーバプロセスのリフレッシュに失敗し,サーバプロセスの起動ができなくなることがあります。

    この場合は,pdchprcコマンドの-pオプションにpdpfreshコマンド実行前の常駐プロセス数を指定して,pdchprcコマンドを実行してください。

  • pdpfreshコマンドと-pオプションを指定したpdchprcコマンドを同時に実行しないでください。

    同時に実行した場合,サーバプロセスのリフレッシュに失敗することがあります。

    この場合は再度pdpfreshコマンドを実行して,リフレッシュを完了してください。

    リフレッシュが完了した時点では,同時実行したpdchprcコマンドによる常駐プロセス数の変更内容が反映されていないことがあるため,pdchprcコマンドを再度実行して常駐プロセス数を変更してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_server_process_adjust_intvlオペランド

◆ pd_server_process_adjust_intvl = サーバプロセスの分割起動,停止要求間隔

〜<符号なし整数>((1〜3600000))<<50>>(単位:ミリ秒)

サーバプロセスを複数回に分けて起動,又は停止する間隔を指定します。

このオペランドは,pd_server_process_adjust_limitオペランドを指定している場合に有効となります。

《指定値の目安》

pd_server_process_adjust_limitオペランドを指定してもCPU利用率が長時間高騰する現象が発生する場合,このオペランドを指定して間隔を長くしてください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_server_process_adjust_limitオペランド

◆ pd_cmd_rmode = rsh|ssh

このオペランドはUNIX版限定のオペランドです。

HiRDBがコマンドをリモート実行する場合や,ファイル転送を行う場合に使用するOSのコマンドを選択します。

rsh:

rsh,rcpコマンドを用いてリモート実行やファイル転送を行います。

ssh:

ssh,scpコマンドを用いてリモート実行やファイル転送を行います。

《前提条件》

このオペランドにsshを指定するには,リモート実行やファイル転送の対象となるすべてのサーバマシンでSSHプロトコルを利用可能にする必要があります。対象となるサーバマシンについては,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」の「リモートシェル実行環境の設定」を参照してください。

《指定値の目安》

HiRDBを構築する環境に合わせて,適切な値を指定してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_cmd_rconfigオペランド

  • pd_cmd_rlogオペランド

◆ pd_cmd_rconfig = SSHクライアント設定ファイル

〜<パス名>((255文字以内))

このオペランドはシステム定義pd_cmd_rmodeにsshを指定した場合に有効なオペランドです。

HiRDBがリモート実行やファイル転送でssh,scpコマンドを使用する場合に,コマンドに指定するSSHクライアント設定ファイルを絶対パス名で指定します。指定したファイルは,ssh,scpコマンドの-Fオプションに指定されます。

HiRDBがssh,scpコマンドを実行する場合に,ユーザ設定ファイル(~/.ssh/config)やシステム全体の設定ファイル(/etc/ssh/ssh_config)とは異なる設定を適用したいときに指定してください。設定ファイルについては,OSのマニュアルを参照してください。

《前提条件》

pd_cmd_rcmdオペランドにsshを指定している必要があります。

◆ pd_cmd_rlog = Y|N

リモート操作ログを取得するかどうかを指定します。

Y:

リモート操作ログを取得します。リモート操作ログを取得することで,リモートシェル実行環境に関するトラブルシュート情報を取得できます。

N:

リモート操作ログを取得しません。

《適用基準》

リモートシェル実行環境に関するトラブルシュート情報を取得するために,このオペランドにYを指定することを検討してください。

《注意事項》

リモート操作ログは$PDDIR/spool/cmdlog下に取得されます。