2.1.1 サーバマシン環境の確認
HiRDBをWindowsにインストールする前に,使用するサーバマシンの環境を確認してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 適用機種の確認
-
HiRDBはWindowsのPC/AT互換機版しか対応していません。PC/AT互換機版のWindowsであることを確認してください。
-
HiRDB/パラレルサーバの場合,すべてのサーバマシンで同じバージョンのWindowsを使用してください。
-
HiRDB/パラレルサーバをインストールする形態は単一ドメインの形態をお勧めします。
(2) システム環境変数TZの確認
サーバマシンのシステム環境変数TZにJST-9が設定されているかどうかを確認してください。システム環境変数TZの確認手順を次に示します。
-
[コントロールパネル]の[システム]をダブルクリックしてください。
-
[システムのプロパティ]の[環境]タブを選択してください。
-
システム環境変数の変数「TZ」がJST-9になっているかどうかを確認してください。
-
TZがない場合はTZを追加してください。TZの値がJST-9でない場合は,JST-9に変更してください。
- 注意事項
-
システム環境変数TZの値と,HiRDBシステム定義の設定内容(システム共通定義のTZオペランドの設定値)が同じである必要があります。TZにJST-9以外の値を設定する場合は,システム共通定義のTZオペランドの指定値を変更する必要があります。
(3) ディスク容量の確認
インストーラでもディスク容量をチェックしていますが,インストールする前にディスクの空き容量が十分かどうか確認してください。必要な空き容量の目安を次に示します。
- (インストール時に必要な容量)+(HiRDB動作時に自動的に確保する容量)
-
- インストール時に必要な容量:
-
-
HiRDB/シングルサーバの場合:93.4MB
-
HiRDB/パラレルサーバの場合:95.9MB
なお,バージョンによってこの数値は変動する場合があります。リリースノートのメモリ所要量とディスク占有量を参照してください。
-
- HiRDB動作時に自動的に確保する容量:1MB+共用メモリサイズ
-
共用メモリサイズの見積もりについては,「HiRDBのメモリ所要量」を参照してください。
(4) 仮想メモリの確認
サーバマシンの仮想メモリの容量(実メモリ容量+ページングファイルの容量の合計値)の設定を確認してください。
HiRDBの動作に必要な仮想メモリ容量は,HiRDBの共用メモリの割り当て先によって変わります。各共用メモリの割り当て先と,必要仮想メモリ容量について次に示します。
共用メモリの割り当て先※1 |
概要 |
必要仮想メモリ容量※2 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|---|---|
ページングファイル (page) (推奨) |
共用メモリをOSのページングファイルで管理します。 |
プロセス固有メモリサイズ+共用メモリサイズ |
システム安定性が高くなります。 |
OSのページングファイルを多量に使用するため,事前に仮想メモリ容量を見積もり,OSの設定を変更しておく必要があります。 |
通常ファイル(regular) (非推奨) |
共用メモリをHiRDB運用ディレクトリ下の通常ファイルで管理します。 |
プロセス固有メモリサイズ |
OSのページングファイルを圧迫しません。 |
システム安定性が低くなります。
|
- 注※1
-
共用メモリの割り当て先をpdntenv -shmfileコマンドによって変更する際の,コマンドに指定するオプション値です。pdntenv -shmfileコマンドの詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
- 注※2
-
メモリ容量の見積もり式については「HiRDBのメモリ所要量」を参照してください。
メモリ所要量の具体例として,簡易セットアップツールの標準セットアップを使用してHiRDBの環境設定をした場合の簡易的な見積もり式をリリースノートに記載しています。リリースノートのメモリ所要量とディスク占有量を参照してください。
- 注※3
-
regularでは共用メモリを通常ファイル上に割り当てるため,共用メモリに対する更新がNTFSキャッシュ上にキャッシュされます。このNTFSキャッシュは,通常,OSによってディスクへ遅延書き込みされますが,ユーザによるディスク操作などを契機として更新ページが一斉にディスクに書き込まれることがあります。これをNTFSキャッシュフラッシュと呼びます。
NTFSキャッシュフラッシュが発生すると,スローダウンによる系切り替えやユニットダウンなど,HiRDBに様々な障害が発生するおそれがあるため,pageの使用を推奨しています。
NTFSキャッシュフラッシュの詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「NTFSキャッシュのフラッシュが発生した場合の対処」を参照してください。
サーバマシンの仮想メモリ容量は,[コントロールパネル]の[システム]をダブルクリックして表示される[システムのプロパティ]で確認できます。ページングファイルの容量は[システムのプロパティ]の[パフォーマンス]タブで確認及び変更できます。ページングファイルは,同じドライブに連続した領域を作成するように,初期サイズと最大サイズを同じ値(固定値)にしてください。ページングファイルを連続で使用できない場合,HiRDBがメモリ不足で異常終了します。
また,実際に指定する値には,Windowsやほかのプログラムが使用する容量を加えてください。仮想メモリを変更した場合には,必ずWindowsを再起動してください。
(5) システムキャッシュの確認
Windowsで使用するファイルのシステムキャッシュは,設定方法によっては使用できるメモリを圧迫することがあります。システムキャッシュの設定を変更する手順を次に示します。
-
[コントロールパネル]の[ネットワーク]をダブルクリックします。
-
[ネットワーク]の[サービス]タブを選択します。
-
[サーバー]を選択して,[プロパティ]をクリックします。
-
[サーバー]のダイアログボックスの値が「ファイル共有のスループットを最大にする」に設定されていたら,[ネットワークアプリケーションのスループットを最大にする]を選択して[OK]ボタンをクリックします。
-
Windowsを再起動します。
(6) ファイルシステムの確認
-
HiRDBが使用するファイルシステムにNTFSとFATを使用できます。ただし,FATについてはパス名の英字の全角大文字と小文字を区別しません。このため,同一名称がある場合は同一ファイルと認識するため,動作を保証できません。NTFS及びFATについては,Windowsのドキュメントを参照してください。
-
HiRDBをNTFSにインストールする場合,HiRDB運用ディレクトリ下のファイル(環境変数PDDIRで指定したディレクトリ)を圧縮しないでください。このディレクトリを圧縮した場合,HiRDBは正常に動作しません。
(7) リソース数に関連する環境変数の見積もり
一つのサーバマシン内で使用するリソース数を見積もってください。見積もり方法については,「リソース数に関連する環境変数の見積もり」を参照してください。