Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)


1.5.3 HiRDBの稼働中に入れ替え

HiRDBの稼働中に入れ替えるには,次の方法があります。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

HiRDBの稼働中に入れ替えができるのは,次の条件を満たしている場合です。

(2) 入れ替え前にすること

HiRDB/パラレルサーバの場合,修正版HiRDBへの入れ替えをする前にOS環境ファイルを設定してください。

全ユニットのサーバマシンでSERVICESファイル(%windir%\system32\drivers\etc\SERVICES)に連絡用ポートのサービス名(pdrshsrv-RNW)と,リモートコマンドシェルの接続用ポート番号を設定します。設定するポート番号は全ユニットのサーバマシンで同一とします。また,マシン内では同じ番号は使用しないでください。

(3) 入れ替えの手順

修正版HiRDBへの入れ替え手順を次に示します。

  1. 修正版HiRDBのインストール

    修正版HiRDBをインストールする場合の注意事項を次に示します。

    • 修正版HiRDBは,上書きインストールではなく,新規にインストールしてください。

    • [プログラムメンテナンス用セットアップ]でインストールしたHiRDBは入れ替えのためだけに利用できます。

    • HiRDB/パラレルサーバの場合,全ユニットで同一パス名のディレクトリに修正版HiRDBをインストールしてください。

    インストールする修正版HiRDBの媒体によって手順が異なります。媒体ごとに手順を示します。

    インストーラ(HiRDBインストール用CD-ROM)の場合(HiRDB 07-01以前)

    次の手順でインストールしてください。

    1. 修正版HiRDBのインストール用CD-ROM中の01_srv\Setup.exeをダブルクリックし,インストーラを起動します。

    2. インストーラ実行中に表示される[セットアップ方法]画面で[プログラムメンテナンス用セットアップ]を選択して,稼働中のHiRDBとは異なるディレクトリに修正版HiRDBをインストールします。

    インストーラ(統合CD-ROM)の場合(HiRDB 07-02以降)

    1. 修正版HiRDBの統合CD-ROM中のhcd_inst.exeを実行して,日立総合インストーラを起動します。

    2. [日立総合インストーラ]画面で,HiRDB/シングルサーバの場合は[HiRDB/Single Server]を,HiRDB/パラレルサーバの場合は[HiRDB/Parallel Server]を選択して,HiRDBのインストーラを起動します。

    3. HiRDBのインストーラの[プログラムプロダクトの選択]画面で,HiRDB/シングルサーバの場合は[HiRDB/Single Server]を,HiRDB/パラレルサーバの場合は[HiRDB/Parallel Server]を選択して,HiRDB/Single Server又はHiRDB/Parallel Serverのインストーラを起動します。

    4. HiRDB/Single Server又はHiRDB/Parallel Serverのインストーラ実行中に表示される[セットアップ方法]画面で[プログラムメンテナンス用セットアップ]を選択して,稼働中のHiRDBとは異なるディレクトリに修正版HiRDBをインストールします。

    修正パッチ(HiRDB 07-03以降)の場合

    1. 稼働中のHiRDBをインストールした時に使用した統合CD-ROM中のhcd_inst.exeを実行して,日立総合インストーラを起動します。

    2. 「インストーラ(統合CD-ROM)の場合(HiRDB 07-02以降)」の手順2〜4と同じ操作をして,HiRDBをインストールします。

    3. 修正版HiRDBの修正パッチを実行して,2.でインストールしたHiRDBにパッチを適用します。適用手順については,修正パッチに添付しているRELEASE.TXTを参照してください。なお,最新版の修正パッチには過去の修正内容が含まれているため,過去に発行された修正パッチを適用する必要はありません。

  2. 修正版HiRDBサービスの開始(HiRDB/パラレルサーバの場合だけ)

    次の手順で修正版HiRDBのサービスを開始してください。

    1. [コントロールパネル]の[サービス]をダブルクリックしてください。

    2. [サービス]リストボックスから修正版HiRDBのサービス「HiRDB/ParallelServer-RNW」を選択して,[スタートアップ]ボタンをクリックしてください。

    3. [ログオン]がシステムアカウントに設定されているので,アカウントを選択してください。アカウントの右にあるボタンをクリックして,[ユーザーの追加]画面を表示させます。

    4. [名前の一覧]からHiRDB管理者を選択します。[追加]をクリックし,[OK]をクリックしてください。

    5. [パスワード]画面でHiRDB管理者のパスワードを入力してください。同じパスワードを[パスワードの確認入力]画面にも入力して,[OK]をクリックしてください。

    6. [サービス]リストボックスから修正版HiRDBのサービスを選択して,[開始]をクリックしてください。

  3. 入れ替え用ディレクトリに修正版HiRDBをコピー

    [スタート]−[プログラム]−[HiRDBSingleServer-RNW]又は[HiRDBParallelServer-RNW]−[HiRDBコマンドプロンプト]を選択して,修正版HiRDBの作業用コンソールを起動します。この作業用コンソールで,"pdprgcopy 稼働中のHiRDB運用ディレクトリ"コマンドを実行して,修正版HiRDBを稼働中のHiRDB運用ディレクトリ下の入れ替え用ディレクトリ(%PDDIR%\renew)にコピーしてください。HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャがあるユニットで作業用コンソールを起動してpdprgcopyコマンドを実行してください。

  4. 入れ替え対象のHiRDBがオンライン状態であるかどうかの確認

    [スタート]−[プログラム]−[HiRDBSigleServer]又は[HiRDBParallelServer]−[HiRDBコマンドプロンプト](セットアップ識別子を指定してインストールした場合は,[HiRDBSigleServerセットアップ識別子]又は[HiRDBParallelServerセットアップ識別子]になります)をクリックして,稼働中のHiRDBの作業用コンソールを起動し,pdlsコマンドで全ユニットが「ACTIVE」と表示されていることを確認してください。確認が終了したら,HiRDBコマンドプロンプトは終了してください。

  5. ほかのプログラムの終了

    稼働中のHiRDB運用ディレクトリにアクセスしているプログラム(エクスプローラ,コマンドプロンプトなど)や,レジストリにアクセスしているプログラム(regeditなど),HiRDB運用コマンドはすべて終了してください。

  6. 修正版HiRDBへの入れ替え

    修正版HiRDBの作業用コンソール上で"pdprgrenew 稼働中のHiRDB運用ディレクトリ"コマンドを実行して,HiRDBの入れ替えをします。このコマンドを実行すると,稼働中のHiRDBをバックアップ用ディレクトリ(%PDDIR%\renew_bak)に退避した後,稼働中のHiRDBを3.でコピーした入れ替え用ディレクトリの修正版HiRDBと入れ替えます。HiRDB/パラレルサーバの場合はシステムマネジャがあるユニットの作業用コンソール上でpdprgrenewコマンドを実行してください。

  7. 修正版HiRDBサービスの停止(HiRDB/パラレルサーバの場合だけ)

    [コントロールパネル]−[サービス]を選択して,修正版HiRDBのサービス「HiRDB/ParallelServer-RNW」を停止してください。

  8. 修正版HiRDBのアンインストール

    [スタート]−[プログラム]−[HiRDBSingleServer-RNW]又は[HiRDBParallelServer-RNW]−[HiRDBSingleServerのアンインストール]又は[HiRDBParallelServerのアンインストール]を選択して,1.でインストールした修正版HiRDBをアンインストールしてください。なお,アンインストール時に修正版HiRDBの運用ディレクトリ下のファイル及びディレクトリの一部が削除されなかった場合,手動で運用ディレクトリ下のファイル及びディレクトリを削除してください。

  9. OS環境ファイルの設定(HiRDB/パラレルサーバの場合だけ)

    入れ替え前にすること」で設定した連絡用ポートのサービス名とポート番号をSERVICESファイル(%windir%\system32\drivers\etc\SERVICES)から削除してください。

(4) 系切り替え機能使用時の入れ替え手順

系切り替え機能を使用している場合,HiRDBの稼働中に入れ替えができるのは次の場合です。

系切り替え機能使用時の修正版HiRDBへの入れ替え手順を次に示します。

(5) 注意事項

(6) 運用上の注意事項

修正版HiRDBへ入れ替えるときの運用上の注意事項を次に示します。

(7) 関連製品の制限及び注意事項

(8) 障害時の運用

(a) エラー発生時の対処

修正版HiRDBへの入れ替え実行中にエラーが発生した場合,pdprgrenewコマンドは自動的に入れ替え前のHiRDBに戻してHiRDBを動作させようとします。エラー発生後に,コマンドがリターンコード12のKFPS04646-Iメッセージを出力して終了した場合,HiRDBを入れ替え前に戻す作業が失敗しています。そのため,標準エラー出力やイベントログに出力されたエラーメッセージとKFPS04647-Iメッセージを参照して対処してください。

修正版HiRDBへの入れ替え中にエラーが発生した場合の対処方法を次の図に示します。

図1‒5 修正版HiRDBへの入れ替え中にエラーが発生した場合の対処方法

[図データ]

  1. pdprgrenewコマンドがエラーになった要因を取り除いて,pdprgrenewコマンドを再度実行してください。

  2. HiRDBのサーバプロセスがあれば,pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了してからpdprgrenew -bコマンドを実行してください。HiRDBのサーバプロセスがなければ,pdprgrenew -bコマンドを実行してください。pdprgrenew -bコマンドを実行すると,回復処理として,入れ替え前のHiRDBで再開始しようとします。

    また,HiRDBの終了処理失敗に関するエラーメッセージ及びアボートコードが表示されることがあります。メッセージの対処方法に従って,入れ替え前のHiRDBの稼働環境を確認し,対処してください。

  3. HiRDBのサーバプロセスがあれば,pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了してからpdprgrenew -bコマンドを実行してください。HiRDBのサーバプロセスがなければ,pdprgrenew -bコマンドを実行してください。pdprgrenew -bコマンドを実行すると,回復処理として,修正版HiRDBを入れ替え用ディレクトリに戻します。

    また,HiRDBの開始処理失敗に関するエラーメッセージ及びアボートコードが表示されることがあります。入れ替え後の修正版HiRDBが動作するための環境に問題がある可能性があるので,表示されるメッセージに従って対処してください。

(b) 入れ替え失敗時にHiRDBが入れ替え前の状態に戻っているかどうかの確認

修正版HiRDBへの入れ替えに失敗したとき,入れ替え前のHiRDBに戻っているかどうかは,次の項目をチェックして確認できます。次の項目を満たしていれば,入れ替え前のHiRDBに戻っています。

  • pdadmvr -sコマンドで表示されるバージョンが入れ替え前のHiRDBバージョンと一致する

  • HiRDBがオンライン状態(pdlsコマンドの結果,全ユニットが「ACTIVE」と表示)である

  • バックアップ用ディレクトリ(%PDDIR%\renew_bak)がない