8.2.1 RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域の設計
RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域の設計方針について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 信頼性向上のための方針
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更新系処理に対する信頼性は,通常ファイルよりキャラクタ型スペシャルファイルの方が高いです。また,通常ファイルは,OSが異常終了すると使用できなくなる場合があります。したがって,次に示す条件を満たすユーザ用RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域は,キャラクタ型スペシャルファイルに作成することをお勧めします。
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更新処理が主体となる表を格納するユーザ用RDエリア
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重要度の高いデータを格納するユーザ用RDエリア
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必要なHiRDBファイルシステム領域の大きさを見積もって,その大きさ以上のHiRDBファイルシステム領域を作成してください。
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RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域は,次に示すサーバを定義するサーバマシンに作成します。
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ディクショナリサーバ
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バックエンドサーバ
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次に示すRDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域は,ディクショナリサーバを定義するサーバマシンに作成します。
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システム用RDエリア
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データディクショナリLOB用RDエリア
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レジストリ用RDエリア
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レジストリLOB用RDエリア
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次に示すRDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域は,バックエンドサーバを定義するサーバマシンに作成します。
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ユーザ用RDエリア
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ユーザLOB用RDエリア
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系切り替え機能を使用するときは,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域をキャラクタ型スペシャルファイルに作成してください。
(2) 性能向上のための方針
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RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域は,次に示すRDエリア用ごとに作成することをお勧めします。
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システム用RDエリア
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データディクショナリLOB用RDエリア
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ユーザ用RDエリア
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ユーザLOB用RDエリア
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レジストリ用RDエリア
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レジストリLOB用RDエリア
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システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域と,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域は,別々のハードディスクに作成することをお勧めします。これによって,シンクポイントダンプを取得するときに入出力の分散ができ,シンクポイントダンプの取得処理時間を短縮できます。
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プリフェッチ機能を使用しないときは,シーケンシャルリードに関してはキャラクタ型スペシャルファイルよりも通常ファイルの方が速いです。
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ランダムな1ページリードは,通常ファイルよりもキャラクタ型スペシャルファイルの方が速いです。
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ライト処理は通常ファイルよりもキャラクタ型スペシャルファイルの方が速いです。
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通常ファイルは階層構造で構成されるため,ファイルが大きくなると階層が増えます。階層が増えたファイルにアクセスするときは入出力回数が増えるため,アクセス効率が下がります。
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次の表に示すとおりにHiRDBファイルシステム領域を割り当てることをお勧めします。このようにすると,入出力時間を削減できます。
表8‒4 性能を向上するためのHiRDBファイルシステム領域の割り当て方法 HiRDBファイルシステム領域の条件
割り当てるファイル
システム用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域
キャラクタ型スペシャルファイル
データディクショナリLOB用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域
ユーザLOB用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域
更新の多い表又は少量検索が主体となる表を格納するユーザ用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域
データ量が多くて,全件検索又はクラスタキーによる大量キー順検索が主体となる表を格納するユーザ用RDエリアを作成するHiRDBファイルシステム領域(ただし,更新をほとんどしない場合)
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通常ファイル(プリフェッチ機能未使用時)
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キャラクタ型スペシャルファイル(プリフェッチ機能使用時)
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