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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)


21.4.4 ポート数不足を回避する方法

次に示すような運用をする場合,大量のTCPポートがTIME_WAIT状態となり,システム全体のTCPポートが不足し,トランザクションがエラーとなったり,HiRDBが異常終了したりすることがあります。

このような運用をする場合,次に示す設定を行い,TCPポートが不足しないようにしてください。

なお,ここで説明するオペレーティングシステムパラメタや設定方法は,使用しているOSのバージョン,及びカーネルのバージョンごとに異なります。使用しているOSのマニュアルを参照し,ここで説明している指定値の目安で示した値を該当するオペレーティングシステムパラメタに設定してください。

〈この項の構成〉

(1) TCPポートの枯渇を回避する設定

pd_registered_portオペランドでHiRDBが通信処理で使用するポート番号の範囲を拡大(HiRDB予約ポート機能)するとTCPポートの枯渇を回避できます。HiRDB予約ポート機能については,「HiRDB予約ポート機能」を参照してください。

(2) TCPポートをTIME_WAIT状態に保つ時間を短くする設定(AIX又はHP-UX限定)

TCPポートをTIME_WAIT状態に保つ時間を短くするには,次に示すオペレーティングシステムパラメタを指定してください。

●AIXの場合
  • オペレーティングシステムパラメタ:tcp_timewait

  • 指定値の目安:1

  • パラメタ設定コマンドの例:noコマンド

●HP-UXの場合
  • オペレーティングシステムパラメタ:tcp_time_wait_interval

  • 指定値の目安:15000

  • パラメタ設定コマンドの例:nddコマンド

(3) TCPポートのOS自動割り当てポートの範囲を拡大する設定

TCPポートのOS自動割り当てポートの範囲を拡大するには,次に示すオペレーティングシステムパラメタを指定してください。

●Linuxの場合
  • オペレーティングシステムパラメタ:ip_local_port_range

  • 指定値の目安:サーバマシン内で使用する予約ポートと重複しない範囲で,OS自動割り当てポートの範囲を拡大してください。

  • オプション設定ファイルの例:/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range

●AIXの場合
  • オペレーティングシステムパラメタ:tcp_ephemeral_high及びtcp_ephemeral_low

  • 指定値の目安:サーバマシン内で使用する予約ポートと重複しない範囲で,OS自動割り当てポートの範囲を拡大してください。

  • パラメタ設定コマンドの例:noコマンド

●HP-UXの場合
  • オペレーティングシステムパラメタ:tcp_largest_anon_port及びtcp_smallest_anon_port

  • 指定値の目安:サーバマシン内で使用する予約ポートと重複しない範囲で,OS自動割り当てポートの範囲を拡大してください。

  • パラメタ設定コマンドの例:nddコマンド