6.11.1 データベースの更新ログを取得しないときの運用方法
HiRDBは,UAP(又はユティリティ※)によって更新されたデータベースの履歴情報(システムログ中のデータベースの更新ログ)をシステムログファイルに取得しています。また,データベースの更新ログを取得しないこともできます。データベースの更新ログを取得しないと,その分の処理時間が短縮されます。したがって,UAP(又はユティリティ)の実行時間を短縮できます。
- 注※
-
次に示すユティリティのことです。
-
データベース作成ユティリティ(pdload)
-
データベース再編成ユティリティ(pdrorg)
-
リバランスユティリティ(pdrbal)
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- 〈この項の構成〉
(1) データベースの更新ログ取得方式
UAP(又はユティリティ)を実行するときのデータベースの更新ログ取得方式には,次の表に示す3種類のモードがあります。
データベースの 更新ログ取得方式 |
説明 |
---|---|
ロールバック及びロールフォワードに必要なデータベース更新ログを取得します。通常はログ取得モードで更新ログを取得します。 |
|
ロールバックに必要なデータベース更新ログだけを取得します。 |
|
データベース更新ログを取得しません。 |
(2) データベースの更新ログ取得方式の指定方法
データベースの更新ログ取得方式の指定方法を次の表に示します。
(3) RECOVERYオペランドについての注意
RECOVERYオペランドで指定したデータベースの更新ログ取得方式は,PDDBLOGオペランド又は-lオプションの指定で変更される場合があります。「RECOVERYオペランドとPDDBLOGオペランド又は-lオプションの指定値」と「UAP(又はユティリティ)実行時に仮定される値」との関係を次の表に示します。
PDDBLOGオペランド 又は-lオプションの指定 |
RECOVERYオペランドの指定 |
||
---|---|---|---|
ALL |
PARTIAL |
NO |
|
ALL又はa |
ALL |
PARTIAL |
NO |
p |
PARTIAL |
PARTIAL |
NO |
NO又はn |
NO |
NO |
NO |
- (凡例)
-
ALL及びa:ログ取得モード
PARTIAL及びp:更新前ログ取得モード
NO及びn:ログレスモード
(4) データベースの更新ログ取得方式による運用方法の違い
データベースの更新ログ取得方式が異なると,次に示す運用方法が異なります。
-
UAPが異常終了したときのHiRDBの処理とユーザの処置
-
データベースを回復できる時点
(a) UAPが異常終了したときのHiRDBの処理とユーザの処置
UAPが異常終了したときのHiRDBの処理とユーザの処置を次の表に示します。
データベースの 更新ログ取得方式 |
HiRDBの処理 |
ユーザの処置 |
---|---|---|
ログ取得モード |
更新したRDエリアの状態をUAP実行前の状態又は異常終了直前に取得した同期点までロールバックします。 |
UAP実行前の状態にロールバックされた場合は,UAPを再実行してください。異常終了直前に取得した同期点までロールバックされた場合は,同期点以降の処理を実行してください。 |
更新前ログ取得モード |
||
ログレスモード |
UAP実行前に取得したバックアップを入力情報として,データベース回復ユティリティ(pdrstr)でRDエリアを回復してください。その後,UAPを再実行してください。 |
(b) データベースを回復できる時点
データベース回復ユティリティ(pdrstr)を使用してデータベースを回復できる時点を次の表に示します。
データベースの 更新ログ取得方式 |
データベースを回復できる時点 |
---|---|
ログ取得モード |
バックアップ取得時点又はバックアップ取得時点以降の任意の同期点 |
更新前ログ取得モード |
バックアップ取得時点 |
ログレスモード |