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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 パフォーマンスガイド


5.3.1 ここは必ず確認しよう

〈この項の構成〉

(1) 初期調査で確認する項目の一覧

SQLオブジェクト用バッファの統計情報を確認して,性能上問題のあるSQL文を特定します。初期調査で確認する項目について,次に示します。

表5‒1 初期調査で確認する情報

項目名

説明

UAP NAME

アプリケーションを特定する情報

(クライアント環境定義PDCLTAPNAMEの指定値)

SQL

SQL文

EXECUTE COUNT

実行回数

EXECUTE TIME AVG

実行時間(平均)[μ秒]

EXECUTE TIME MAX

実行時間(最大)[μ秒]

DB REFERENCE GET COUNT

ページ参照回数

DB READ COUNT

データベースに対する実READ回数

WKFILE READ COUNT

作業表用ファイルのREAD回数

ACCESS TYPE

アクセス表とアクセス方法

(2) 調査の進め方

確認するポイントを次に説明します。対策が必要なSQL文が複数ある場合は,EXECUTE COUNTの大きいものから優先的に対策してください。実行回数の多いSQL文は全体性能への影響が大きいためです。

(a) EXECUTE TIME MAXとDB REFERENCE GET COUNTの値が大きい場合

この場合は,次に示すどれかの問題があると考えられます。

  • アクセスパスに問題がある

    HiRDB SQL Executerを使って,調査するSQLを個別に実行し,問題点を調査してください。調査方法は,「表にデータを格納したら」を参照してください。

  • グローバルバッファのサイズが小さい

    グローバルバッファのサイズはシステム定義のpdbufferオペランドに指定します。オペランドの詳細は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」を参照してください。また,グローバルバッファのチューニング方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「グローバルバッファプールのチューニング」を参照してください。

(b) EXECUTE TIME MAXとWKFILE READ COUNTの値が大きい場合

この場合は,次に示すどれかの問題があると考えられます。

  • アクセスパスに問題がある

    HiRDB SQL Executerを使って,調査するSQLを個別に実行し,問題点を調査してください。調査方法は,「表にデータを格納したら」を参照してください。

  • 作業表用バッファのサイズが小さい

    作業表用バッファのサイズはシステム定義のpd_work_buff_sizeオペランドに指定します。オペランドの詳細は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム定義」を参照してください。

(c) ACCESS TYPEの値に「TABLE SCAN」と表示されている場合

この場合は,アクセスパスに問題があると考えられます。HiRDB SQL Executerを使って,調査するSQLを個別に実行し,問題点を調査してください。調査方法は,「表にデータを格納したら」を参照してください。