Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 9 パフォーマンスガイド


4.3.2 SQL実行時間を確認する

〈この項の構成〉

(1) 確認する情報

「SQL実行時間」を確認し,性能要件を満たしているか確認してください。また,エラーや警告が発生している影響によって,実行に時間が掛かることもあります。エラーや警告が発生していないか,SQL実行時間とあわせて確認してください。確認する情報名について,次に示します。

表4‒4 確認する情報名(SQL実行時間の確認)

目的

情報の分類

情報の内容

情報名

HiRDB SQL Tuning Advisorの

画面名および項目名

SQL実行結果を確認する

SQL単位の情報

SQL文を実行した結果

SQLCODE

SQLトレース詳細画面

SQL-CODE

警告情報

SQLWARN

SQLトレース詳細画面

WARN

SQL実行時間を確認する

SQL実行時間

EXEC-TIME

SQLトレース集計情報画面(SQL単位)

合計実行時間

SQLトレース詳細画面

実行時間

(2) 確認する情報の表示例

SQL実行時間を確認する情報をHiRDB SQL Tuning Advisorで表示する例を次に示します。

(a) SQLトレース集計情報画面(SQL単位)

SQLトレース集計情報画面(SQL単位)では,「合計実行時間」を確認してください。「合計実行時間」には,各オペレーションの実行時間の合計が表示されます。時間順に表示を並び替えることもできます。

「合計実行時間」が性能要件を満たしていないSQLは,SQLトレース詳細画面で各オペレーションの実行時間や実行結果を確認してください。SQLトレース詳細画面は,SQLトレース集計情報画面(SQL単位)で確認したいSQL文の行をダブルクリックすると表示できます。表示方法の詳細は,HiRDB SQL Tuning Advisorのヘルプを参照してください。

SQLトレース集計情報画面(SQL単位)の表示例を次に示します。

図4‒7 SQLトレース集計情報画面(SQL単位)「合計実行時間」の表示例

[図データ]

[説明]

この画面では,「合計実行時間」順にソートしています。

(b) SQLトレース詳細画面

SQLトレース詳細画面では,各オペレーションの「実行時間」が確認できます。

SQLトレース詳細画面の表示例を次に示します。

図4‒8 SQLトレース詳細画面「実行時間」の表示例

[図データ]

SQL実行結果は,「SQL-CODE」および「WARN」を確認してください。エラーが発生している場合のSQLトレース詳細画面の表示例を次に示します。

図4‒9 SQLトレース詳細画面「SQL-CODE」および「WARN」の表示例

[図データ]

(3) 調査の進め方

(a) EXEC-TIMEが性能要件を満たしていない場合

EXEC-TIME(SQL実行時間)が性能要件を満たしていない場合は,HiRDBサーバ側でのSQL実行時間を確認してください。確認方法は,「HiRDBサーバ側でのSQL実行時間を確認する」を参照してください。

(b) EXEC-TIMEが性能要件を満たしている場合

EXEC-TIME(SQL実行時間)が性能要件を満たしているにも関わらず,アプリケーションが性能要件を満たしていない場合は,次に示す原因が考えられます。

  1. アプリケーションの処理に時間が掛かっている

  2. SQLトレースの出力処理に時間が掛かっている

次に示す情報を確認して原因を特定してください。

表4‒5  確認する情報名(EXEC-TIMEが性能要件を満たしている場合)

目的

情報の分類

情報の内容

情報名

HiRDB SQL Tuning Advisorの

画面名および項目名

アプリケーションの処理時間を確認する

SQL単位の情報

SQL実行要求受付時刻

START-TIME

SQLトレース詳細画面

UAP時間

SQL実行要求終了時刻

END-TIME

SQLトレースの出力処理に掛かった時間を確認する

SQLトレース出力処理時間

TRACE

OUTPUT

TIME

SQLトレース詳細画面

TRACE OUTPUT TIME

  • アプリケーション側が処理している時間は,次の計算式で求められます。時間が掛かっている場合は,アプリケーション側の処理を調査および対策してください。

    • SQLトレースを直接確認する場合

      ((START-TIME)−(直前のオペレーションのEND-TIME))−(TRACE OUTPUT TIME)

    • HiRDB SQL Tuning Advisorを使って確認する場合

      (UAP時間)−(TRACE OUTPUT TIME)

      各項目の表示形式や時間の単位が異なるため,計算する際は形式および単位を合わせてください。表示形式の詳細は,マニュアル「HiRDB Version 9 UAP開発ガイド」の「SQLトレース機能」を参照してください。

  • TRACE OUTPUT TIME の値が大きく,SQLトレースの出力処理に時間が掛かっている場合は,トレースを出力しない状態で,アプリケーションの性能を再度評価してください。

アプリケーション側で時間が掛かっているSQLトレースを,HiRDB SQL Tuning AdvisorのSQLトレース詳細画面で表示した例を次に示します。

図4‒10 SQLトレース詳細画面「UAP時間」および「TRACE OUTPUT TIME」の表示例

[図データ]