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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 メッセージ


5.1 HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラーコード

HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラー要因コードの一覧を次の表に示します。

表5‒1 HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラー要因コード

エラーコード

内容

対策

-1511

パス名の指定が不正です。

  • パス名に使用できない文字を指定しています。

  • パス名の長さが制限(167文字)を超えました。

  • HiRDBファイルシステム領域名の長さが制限(165文字)を超えました。

  • HiRDBファイル名の長さが制限(30文字)を超えました。

制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したパス名を見直してください。

HiRDBが自動的にHiRDBファイルを生成する機能では,HiRDBファイルシステム領域名の長さによってはパス長が制限を超える場合があります。それぞれの制限に従ったHiRDBファイルシステム領域を指定してください。

  • 作業表用ファイル(サーバ定義pdworkオペランド):最大141文字

  • プラグインインデクス遅延一括更新(サーバ定義pd_plugin_ixmk_dirオペランド):最大136文字

問題がない場合は保守員に連絡してください。

-1514

セクタ長の指定が不正です。

  • セクタ長を指定して作成したHiRDBファイルシステム領域には対応していません。

  • RDエリアのページ長がHiRDBファイルシステム領域のセクタ長の整数倍になっていません。

  • セクタ長を指定しないで作成したHiRDBファイルシステム領域を使用してください。

  • RDエリアのページ長を見直してください。

どちらにも該当しない場合は保守員に連絡してください。

-1515

次のすべての条件を満たしているHiRDBファイルシステム領域に対して,pdinit又はpdmodで2ギガバイト以上のHiRDBファイルを作成しようとしました。

  • pdfmkfsコマンドの-nオプションに2047以下を指定

  • pdfmkfsコマンドに-aオプションを指定していない

次のどちらかの方法で対処してください。

  • 2ギガバイト以上のHiRDBファイルを作成する場合:

    pdfmkfsコマンドに次のどちらかを指定して,HiRDBファイルシステム領域を再作成してください。

    (1) -nオプションに2048以上を指定

    (2) -aオプションを指定

  • HiRDBファイルの容量を2ギガバイト未満に変更できる場合:

    pdinit又はpdmodに指定するHiRDBファイルの容量を,2ギガバイト未満にしてください。

-1532

  • 通常ファイル,又はキャラクタ型スペシャルファイル(Windows版の場合はダイレクトディスクアクセス)以外のファイルを指定しました。

  • HiRDBファイルシステム領域がありません。

  • 制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したパス名を間違えていないかどうか見直してください。

  • 通常ファイル,又はキャラクタ型スペシャルファイル(Windows版の場合はダイレクトディスクアクセス)以外はHiRDBファイルシステム領域として使用できません。

  • メッセージに表示されたHiRDBファイルシステム領域が削除されていないか,シンボリックリンクが切れていないか確認してください。

-1534

排他エラーです。

  • メッセージに出力されたHiRDBファイルシステム領域,又はHiRDBファイルに対してpdfls -Lコマンドを実行し,排他制御中のプロセスを調査してください。排他制御中のプロセスを特定できた場合,そのプロセスの終了を待って実行してください。排他制御中のプロセスが特定できなかった場合,時間をおいてから再度実行してください。

  • メッセージに出力されたHiRDBファイルシステム領域をコマンドで使用中の場合,コマンドが終了するまで待って再度実行してください。

  • コマンド実行によってこのエラーになる場合,HiRDBを終了して実行してください(HiRDBの停止中に実行するコマンドに限る)。

  • 上記対策を実行しても問題が解決しない場合は保守員に連絡してください。

-1535

  • HiRDBファイルシステム領域内の空き容量が不足しています。

  • HiRDBファイルシステム領域を作成したディスクの空き容量が不足し,ディスクが満杯になりました。

  • RDエリアの自動増分では,64ギガバイト以上のHiRDBファイルを増分できません。

  • 制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したHiRDBファイルシステム領域の空き容量をpdfstatfsコマンドで確認してください。作成しようとしたファイルサイズ分の空き容量がない場合は別のHiRDBファイルシステム領域を指定してください。

  • 通常ファイルのHiRDBファイルシステム領域を運用中にディスクが満杯になった場合はほかのファイルを削除するか,ディスクを拡張して空き容量を増やしてください。

  • UNIX版の場合,キャラクタ型スペシャルファイルのHiRDBファイルシステム領域を使用しているときはディスクが満杯になることはありません。ただし,シンボリックリンクを使用して運用している場合は誤って通常ファイルにリンクしていないかどうかを確認してください。

  • UNIX版で通常ファイルを使用する場合,HiRDB管理者及びルートユーザでのシステム資源の制限値を,-nオプション指定値より大きな値,又は無制限に設定してください。また,AIXの場合,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」の「AIXのオペレーティングシステムパラメタの見積もり」の「/etc/security/limitsファイルの指定値の注意事項」に従って対策してください。

  • ラージファイルが使用できるように,ディスクを設定してください。ディスクの設定については,各OSやディスクのマニュアルを参照してください。

  • RDエリアの自動増分で,HiRDBファイルの大きさが64ギガバイトを超える増分エラーになった場合,データベースの状態表示コマンド(pddbls),又はデータベース状態解析ユティリティ(pddbst)で,対象となるRDエリアの使用状況を調べます。RDエリアの使用状況に応じて,RDエリア単位,又は表単位の再編成をするか,データベース構成変更ユティリティ(pdmod)のRDエリアの拡張(expand rdarea)でHiRDBファイルを追加してください。

-1536

HiRDBファイルシステム領域に作成できるファイル数を超えました。

  • 最大ファイル数(pdfmkfs -lコマンドで指定)を大きくし,HiRDBファイルシステム領域を再作成してください。

  • 制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに,作成できるファイル数に余裕がある別のHiRDBファイルシステム領域を指定してください。

-1538

HiRDBファイルシステム領域ではありません。

  • HiRDBファイルシステム領域として初期設定されたファイルを制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定しているかどうか見直してください。

  • HiRDBファイルシステム領域が壊れている可能性があります。表示されたパスに対してpdflsコマンドを実行し,HiRDBファイルシステム領域が壊れていないか調査してください。

-1539

HiRDBファイルがありません。

  • 制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したパス名に正しいHiRDBファイルを指定しているか見直してください。HiRDBファイル名はpdflsコマンドで確認できます。

  • HiRDBの運用中にRDエリアを構成するHiRDBファイルからエラーが発生した場合,原因としてRDエリアの構成変更前のバックアップを使用して回復した場合や,pdfrmコマンドで強制的にHiRDBファイルを削除した場合が考えられます。正しい回復手順でRDエリアを回復するか,又は再初期化を実行してください。

どちらにも該当しない場合は保守員に連絡してください。

-1540

アクセス権がありません。

  • 制御文,コマンドライン,定義ファイルに指定したHiRDBファイルシステム領域のアクセス権を見直して,アクセス権のあるユーザで再度実行するか,OSのchmodコマンドでアクセス権を変更した後,再度実行してください。

Windows版の場合,次の項目を実施してください。

  • ダイレクトディスクアクセスを使用している領域で発生したときは,フォーマットされたディスクを指定していないか見直してください。

  • WindowsのCOPYコマンドでコピー中でないか見直してください。コピー中の場合,コピーが完了するまで待ってください。

-1541

HiRDBファイルが既に定義されています。

制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したHiRDBファイルが既に存在します。重複しないようにHiRDBファイルを指定してください。

重複するHiRDBファイルがない場合は保守員に連絡してください。

-1543

バージョンが一致しません。

  • 動作中のHiRDBのバージョンが,HiRDBファイルシステム領域を作成したバージョンより古いです。新しいバージョンのHiRDBで作成した領域は,古いバージョンのHiRDBで使用できません。

  • 複数バージョンのHiRDBをインストールしている場合,実行する絶対パス名を見直してください。

-1544

入出力エラーです。

イベントログ(UNIX版の場合はsyslogfile)のKFPO00107-Eメッセージのerrnoに対応した処置をしてください。

KFPO00107-Eが出力されていない場合は保守員に連絡してください。

-1548

ロックセグメントが不足しています。

イベントログ(UNIX版の場合はsyslogfile)のKFPO00107-Eメッセージのerrnoに対応した処置をしてください。errnoが46(ENOLCK)の場合はOSのロックセグメントが不足しています。

マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」のOSのオペレーティングシステムパラメタの見積もりを参照し,上限を上げてください。HP-UXの場合は,nflockを見直してください。

その他のOSの場合は,ロックを使用している他プロセスの終了を待って,再度実行してください。

上記対策を実行しても問題が解決しない場合は保守員に連絡してください。

-1549

システムのオープン数の上限を超えました。又は,プロセスのオープン数の上限を超えました。

イベントログ(UNIX版の場合はsyslogfile)のKFPO00107-Eメッセージのerrnoに対応した処置をしてください。

UNIX版の場合は,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」のOSのオペレーティングシステムパラメタの見積もりを参照し,不足している場合は上限を上げてください。

次の値を見直してください。

  • HP-UXの場合

    nfile,maxfiles_lim

  • Solarisの場合

    rlim_fd_max

  • AIXの場合

    nofiles_hard

  • Linuxの場合

    NR_FILE,NR_OPEN

-1550

メモリが不足しています。

メモリの見積もりを見直し,問題があればメモリを増やす,常駐プロセス数を減らすなどの対処をしてください。

対策をしても問題が解決しない場合は保守員に連絡してください。

-1555

ロックセグメント不足,ファイルオープン数の上限オーバ,メモリ不足のどれかが発生しました。

-1548,-1549,-1550のエラーコードに記述された対策を実行してください。

対策をしても問題が解決しない場合は保守員に連絡してください。

-1556

  • 断片化した複数の空き領域をファイルに割り当てようとしましたが,HiRDBファイルシステム領域の最大増分回数(pdfmkfs -e)の指定がないか,指定数が不足して割り当てることができません。

  • 新たな空き領域をファイルに割り当てようとしましたが,次の要因によって割り当てることができません。

    (1) HiRDBファイルシステム領域の最大増分回数(pdfmkfs -e)の指定がないか,自動拡張(pdfmkfs -a)の指定がありません。

    (2) HiRDBファイルシステム領域の最大増分回数(pdfmkfs -e)を指定している場合,指定数が不足しています。

  • HiRDBファイルの割り当てエクステント数が上限値24を超えるため,割り当てることができません。

<RDエリア用のHiRDBファイルの場合>

エラーが発生したHiRDBファイルシステム領域に対して,pdfstatfsコマンドに-Aオプションを指定して実行し,HiRDBファイルシステム領域の状態を確認した後,次のどれかを実行ください。

(1)HiRDBファイルシステム領域内のエクステント及び断片化した空き領域を統合してください。手順を次に示します。

  1. HiRDBの正常終了

  2. pdfbkupコマンドで領域のバックアップを取得

  3. pdfmkfsコマンドで領域を初期設定

    なお,pdfstatfsコマンドの実行結果から,増分回数合計値(current expand count)と増分回数上限値(available expand count)の差を確認してください。差が23以内の場合は最大増分回数が不足した可能性があるので,領域の初期化時に最大増分回数(-eオプション)を増やしてください。

  4. pdfrstrコマンドで領域の回復

  5. HiRDBの正常開始

注※ 1.,5.は,次の手順でも可能です。

1. 領域に割り当てたRDエリアをコマンド閉塞状態かつクローズ状態にした後,対応サーバプロセスをリフレッシュする(pdpfresh)

5. 領域に割り当てたRDエリアを閉塞解除状態かつオープン状態にする

(2)RDエリアの作成時の場合,別のHiRDBファイルシステム領域にRDエリアを構成するファイルを割り当ててください。RDエリアの拡張時の場合,別のHiRDBファイルシステム領域のHiRDBファイルを指定し,RDエリアを拡張してください。

(3) pdfchfsコマンドで最大増分回数を小さくしている場合,pdfchfsコマンドの-eオプションで指定値を大きくしてから実行してください。pdfstatfsコマンド実行結果の,現在の最大増分回数(available expand count)が,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定値(limit expand count)より小さい場合,最大増分回数が小さくされています。また,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定値が上限であるため,この上限を超える値の設定が必要なときは(1)か(2)の対策を行ってください。

pdfchfsコマンドの実行手順を次に示します。

  1. 領域に割り当てたRDエリアをコマンド閉塞・クローズ後,対応するサーバプロセスをリフレッシュ(pdpfresh)

  2. pdfchfsコマンドで最大増分回数を増加

  3. 領域に割り当てたRDエリアの閉塞解除・オープン

<作業表用のHiRDBファイルの場合>

作業表用HiRDBファイルシステム領域に対して,pdfstatfs - Aコマンドを実行し,HiRDBファイルシステム領域の状態を確認した後,次のどちらかの対処をしてください。

(1)pdfstatfsコマンド実行結果のユーザ最大使用増分回数(peak expand count)と増分回数上限値(available expand count)の差を確認してください。差が23以内の場合は最大増分回数が不足しているおそれがあるため,最大増分回数(-eオプション)の指定値を増やして,pdfmkfsコマンドによる初期設定を再度実行してください。

(2)pdchfsコマンドで最大増分回数を小さくしている場合,pdfchfsコマンドの-eオプションの指定値を大きくしてから実行してください。pdfchfsコマンドを実行するには,作業表を使用するユティリティの運用をいったん停止してください。pdfstatfsコマンド実行結果の現在の最大増分回数(available expand count)が,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定値(limit expand count)より小さい場合,最大増分回数が小さくされています。また,pdfmkfs -eオプション指定値が上限であるため,この上限を超える値の設定が必要な場合は(1)の対策を行ってください。

<ユティリティ用のHiRDBファイルの場合>

次のどれかを実行してください。

(1)最大増分回数(-eオプション)の指定値を増やして,pdfmkfsコマンドによる初期設定を再度実行してください。

(2)初期割り当てサイズ及び増分サイズを指定できるユティリティの場合,初期割り当てサイズ及び増分サイズを大きくしてください。

(3) pdfchfsコマンドで最大増分回数を小さくしている場合,pdfchfsコマンドを-eオプションの指定値を大きくしてから実行してください。pdfchfsコマンドを実行するには,対象HiRDBファイルシステム領域を使用するユティリティの運用をいったん停止してください。

pdfstatfsコマンド実行結果の現在の最大増分回数(available expand count)が,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定値(limit expand count)より小さい場合,最大増分回数が小さくされています。また,pdfmkfs -eオプション指定値が上限のため,この上限を超える値の設定が必要な場合は(1)の対策をしてください。

-1562

HiRDBファイルシステム領域と,作成しようとしたHiRDBファイルの使用目的が一致しません。

  • 制御文,コマンドライン,及びシステム定義ファイルに指定したHiRDBファイルシステム領域の使用目的が正しいかどうかを確認してください。HiRDBファイルシステム領域の使用目的はpdfstatfsコマンドで確認できます。

  • Linux版の場合,キャラクタ型スペシャルファイル上には作成できないHiRDBファイルがあります。この場合は,通常ファイル上のHiRDBファイルシステム領域を使用してください。

  • 使用目的がSDB以外のHiRDBファイルシステム領域に共用RDエリアを作成しようとしました。共用RDエリアを使用する場合は,使用目的にSDBを指定して初期設定したHiRDBファイルシステム領域に作成してください。

-1565

pd_large_file_useオペランドにNを指定しているにもかかわらず,ラージファイル(Windows版の場合は2ギガバイト以上のファイル)を使用しています。

システム共通定義のpd_large_file_useオペランドを削除してください。

又は,2ギガバイト未満のHiRDBファイルシステム領域を再作成してください。ただし,pdfmkfs -aコマンドを指定して領域を再作成しないでください。

その他

保守員に連絡してください。

(凡例)−:該当しません。