4.1 RPC関連エラーの詳細コード
RPC関連エラーは,次のような場合に出力されます。
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HiRDBサーバとHiRDBクライアント間の通信時
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HiRDBサーバ間の通信時
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プロセス起動時の通信資源初期化時
RPC関連エラー出力時は,表「RPC関連エラーの詳細コードの一覧」の詳細コードを確認すると同時に,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」のよくある要因の内容を確認してください。また,通信エラーが原因となるエラーメッセージが出力された場合,そのメッセージにRPC関連エラー詳細コードが出力されないことがあります。この場合も,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」のよくある要因の内容を確認してください。
なお,RPC関連エラー詳細コードが出力されても,内部的にリトライすることで解決する場合があります。次のような場合に調査及び対策をしてください。
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UAP,ユティリティ,及びコマンドがエラーになって異常終了,又は無応答になる
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ユニットやサーバが異常終了,又は無応答になる
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一時的ではなく,常にエラーメッセージが出力される
RPC関連エラー時のよくある要因と対策を次の表に示します。
RPC関連エラーの詳細コードの一覧を次の表に示します。
詳細コード |
名称 |
意味 |
対策 |
---|---|---|---|
-301 |
PDRPCER_INVALID_ARGS |
引数が不正です。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,該当する障害がないか確認してください。 該当しない場合は,全サーバマシンのイベントログ(UNIX版の場合はsyslogfile)や,OSのログファイル(ハードログなど)を参照し,エラーの直前にエラーメッセージが出力されていないか確認してください。エラーメッセージが出力されている場合は,そのメッセージに従って対策してください。エラーメッセージが出力されていない場合及び対処できない場合は,全サーバマシンのイベントログ(UNIX版の場合はsyslogfile)及び%PDDIR%\spool下のファイルを保存し,保守員に連絡してください。 |
-302 |
PDRPCER_PROTO |
プロトコルエラーが発生しました(関数の使用順序が誤っています)。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-303 |
PDRPCER_FATAL |
次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)システム定義が不正です。 (3)システムファイルで障害が発生しました。 (4)通信資源が不足しました。
(5)UNIX版の場合,/dev/HiRDB/pthがあるボリューム(ディスク)が不正です(inode不足,権限不正,又はディレクトリが存在しないなど)。 (6)起動プロセス数がpd_max_server_processオペランド指定値を超えました。 (7)ホスト名,又はポート番号に誤りがあります。 (8)ホスト名の解決ができません。 上記以外の場合,致命的又は予期しないエラーが発生しました。 |
要因が(1),(4),(5),(7),(8)のときは,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 要因が(2)の場合,pdconfchkコマンドを実行し,誤りのあるオペランドを修正してください。 要因が(6)の場合,起動プロセス数(pd_max_users,pd_process_countなど)を小さくするか,最大起動プロセス数(pd_max_server_process)を大きくしてください。 その他の場合,詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-304 |
PDRPCER_NO_BUFS |
次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)システムでオープンできるファイル数を超えました。 (3)プロセスでオープンできるファイル数を超えました。 (4)サーバが終了処理中です。 (5)サービスが登録されていません。 (6)ポート不足(Windows版の場合だけ) |
要因が(1),(2),(3),(6)の場合,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 要因が(4)の場合,サーバを再起動し,再度実行してください。 要因が(5)の場合,クライアント環境定義のPDSERVICEGRPの値が誤っている(シングルサーバ,又はフロントエンドサーバ以外のサーバ名を指定している)可能性があります。 その他の場合,詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-306 |
PDRPCER_NET_DOWN |
通信処理,又は通信資源の確保処理でエラーが発生しました。次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)通信資源が不足しました。
(3)UNIX版の場合,/dev/HiRDB/pthがあるボリューム(ディスク)が不正です(inode不足,権限不正,又はディレクトリが存在しないなど)。 (4)ホスト名又はポート番号が不正です。 (5)ホスト名の解決ができません。 (6)ネットワーク障害が発生しました。 (7)通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-307 |
PDRPCER_TIMED_OUT |
タイムアウトが発生しました。 UAP,コマンド,及びユティリティがエラーになったり,システムサーバでエラーになってオンライン続行できなくなったりした場合,次の要因が考えられます。 (1)ネットワーク障害が発生しました。 (2)通信先のユニット,又はサーバが異常終了しました。 (3)通信先のサーバマシンの負荷(CPU及びI/O)が高いため,プロセスの割り当て処理に時間が掛かりました。 (4)システム定義pd_watch_timeオペランドの指定値を超えました。 |
UAP,コマンド,及びユティリティがエラーでない場合,又はオンライン続行できる場合は無視してください。 UAP,コマンド,及びユティリティがエラーになったり,システムサーバでエラーになってオンライン続行できなくなったりした場合は次の対策を実行してください。
なお,要因が(4)の場合は,次のすべての対策をしてください。
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-308 |
PDRPCER_MESSAGE_TOO_BIG |
入力パラメタ長が限界値を超えています。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-309 |
PDRPCER_REPLY_TOO_BIG |
応答長がコール元が用意した領域長を超えています。 |
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-310 |
PDRPCER_NO_SUCH_SERVICE_GROUP |
通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-311 |
PDRPCER_NO_SUCH_SERVICE |
サービスが登録されていません。 |
クライアント環境定義のPDSERVICEGRPにシングルサーバ,又はフロントエンドサーバ以外のサーバを指定している可能性があります。 該当しない場合は詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-312 |
PDRPCER_SERVICE_CLOSED |
通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-313 |
PDRPCER_SERVICE_TERMINATING |
サービスは終了処理中です。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-314 |
PDRPCER_SERVICE_NOT_UP |
通信処理,又は通信資源の確保処理でエラーが発生しました。次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)通信資源が不足しました。
(3)UNIX版の場合,/dev/HiRDB/pthがあるボリューム(ディスク)が不正です(inode不足,権限不正,又はディレクトリが存在しないなど)。 (4)ホスト名又はポート番号が不正です。 (5)ホスト名の解決ができません。 (6)ネットワーク障害が発生しました。 (7)通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-315 |
PDRPCER_OLTF_NOT_UP |
通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
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-316 |
PDRPCER_SYSERR_AT_SERVER |
システムエラーが発生しました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-317 |
PDRPCER_NO_BUFS_AT_SERVER |
次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)システムでオープンできるファイル数を超えました。 (3)プロセスでオープンできるファイル数を超えました。 (4)サーバが終了処理中です。 (5)サービスが登録されていません。 |
要因が(1),(2),(3)の場合,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 要因が(4)の場合,サーバを再起動し,再度実行してください。 要因が(5)の場合,クライアント環境定義のPDSERVICEGRPの値が誤っている(シングルサーバ,又はフロントエンドサーバ以外のサーバ名を指定している)可能性があります。 その他の場合,詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-318 |
PDRPCER_SYSERR |
システムエラーが発生しました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-319 |
PDRPCER_INVALID_REPLY |
サービス関数実行後の応答長が不正です。 |
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-320 |
PDRPCER_OLTF_INITIALIZING |
通信先のユニット,又はサーバが稼働していません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-321 |
PDRPCER_ALL_RECEIVIED |
電文はすべて受信されています。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-323 |
PDRPCER_NO_BUFS_RB |
次の要因が考えられます。 (1)メモリが不足しています。 (2)システムでオープンできるファイル数を超えました。 (3)プロセスでオープンできるファイル数を超えました。 (4)サーバが終了処理中です。 (5)サービスが登録されていません。 |
要因が(1),(2),(3)の場合,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 要因が(4)の場合,サーバを再起動し,再度実行してください。 要因が(5)の場合,クライアント環境定義のPDSERVICEGRPの値が誤っている(シングルサーバ,又はフロントエンドサーバ以外のサーバ名を指定している)可能性があります。 その他の場合,詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-324 |
PDRPCER_SYSERR_RB |
システムエラーが発生しました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-325 |
PDRPCER_SYSERR_AT_SERVER_RB |
||
-326 |
PDRPCER_REPLY_TOO_BIG_RB |
応答長がコール元が用意した領域長を超えています。 |
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-330 |
PDRPCER_NO_POOL_AT_SERVER |
プロセス割り当て時に,要求電文を格納するための共用メモリ中のバッファが不足しました。次の要因が考えられます。 (1)pdchprcコマンドを使用して,最大起動プロセス数を0にしたサーバに対してサービスを要求しました。 (2)pdpfreshコマンドを使用して,リフレッシュ中であるサーバにサービスを要求しました。 (3)同時に実行したUAPの数が多過ぎます。 (4)同時に実行したユティリティの数が多過ぎます。 |
要因が(1)の場合,pdchprcコマンドで最大起動プロセス数を増やしてください。 要因が(2)の場合,pdpfreshコマンド終了後,再度実行してください。 要因が(3)の場合,同時に実行するUAPの数を見直してください。 要因が(4)の場合,同時に実行するユティリティの数を見直してください。ユティリティの最大同時実行数については,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。 |
-335 |
PDRPCER_ROLLBACK_INTR |
内部ロールバック要求を受け付けました。 ユティリティ実行中にpdstopコマンドを実行した場合,又はトランザクションやユティリティの関連プロセスがダウンした場合に出力されます。 |
内部ロールバック要因となったメッセージが直前に出力されている場合は,そのメッセージに従って対処してください。出力されていない場合は,保守員に連絡してください。 |
-344 |
PDRPCER_NO_DEVPTH |
/dev/HiRDB/pthディレクトリが不正です。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-350 |
PDRPCER_UNLOAD_FRAGMENT |
フラグメントは破棄されました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-351 |
PDRPCER_NO_SUCH_TYPES |
型変換で指定された表現形式はサポートされていません。 |
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-352 |
PDRPCER_NO_SUCH_ADDR |
指定されたIPアドレスは定義されていません。又は,IPアドレスが変換できません。 |
表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-353 |
PDRPCER_NO_SUCH_NODENAME |
指定されたホスト名は定義されていません。又は,ホスト名が変換できません。 |
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-354 |
PDRPCER_TOO_MANY_HANDLERS |
一つのプロセスで登録できるハンドラの数を超えました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-355 |
PDRPCER_NOT_FOUND |
指定したスレッドはありません。又は,指定したスレッドは制御用スレッドです。 |
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-356 |
PDRPCER_SERVER_BUSY |
次の要因が考えられます。 (1)サーバの負荷が高く,サービスを実行できません。 (2)メモリ不足が発生しました。 |
要因が(1)の場合,時間をおいて再度実行してください。時間をおいても解消しない場合は,詳細コード-301の対策を参照してください。 要因が(2)の場合,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-357 |
PDRPCER_SERVICE_INITIALIZING |
RPC環境が開始されていません。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-359 |
PDRPCER_ALREADY_REPLIED |
既に応答しています。 |
UAP,コマンド,又はユティリティがエラーになっていない場合は無視してください。 UAP,コマンド,又はユティリティがエラーになっている場合は詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-360 |
PDRPCER_NOT_UPP_STARTED |
pdi_upp_startオペランドが発行されていません。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-361 |
PDRPCER_NO_SERVICE_CLAUSE |
ユーザサービス定義にサービス句が定義されていません。 |
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-362 |
PDRPCER_WRONG_NUMBER |
namへのサービス情報の登録・削除・検索でnam用以外のデータを指定しています。 |
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-363 |
PDRPCER_UPP_FAILED |
システム定義の取得に失敗しました。次の要因が考えられます。 (1)システム定義の内容に誤りがあります。 (2)システム定義取得時にメモリ不足が発生しました。 |
要因が(1)の場合,システム定義を修正してください。 要因が(2)の場合,表「RPC関連エラー時のよくある要因と対策」を参照し,対策してください。 |
-364 |
PDRPCER_ERROR_REPLIED |
サーバでエラーが発生しました。 |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |
-365 |
PDRPCER_TRACE_FILE_EMPTY |
トレースファイルにデータがありません。 |
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-371 |
PDRPCER_PROFILE |
pd_registered_portオペランドの値が不正です。 |
直前に出力される,KFPS00346-E,KFPS00348-Eメッセージに従って対処してください。 |
-372 |
PDRPCER_RETRY_CONNECT |
次のどれかの状態です。
UAPが接続エラーとなった場合,次の要因が考えられます。 (1)使用しているクライアントライブラリのバージョンが07-01より古いバージョンです。 (2)pdchgcnfコマンド又はpdprgrenewコマンドが失敗し,HiRDBが開始していません。 (3)pdtrnqingコマンドによるトランザクションキューイング開始後,解除していません。 |
UAPが接続エラーでない場合はこのメッセージを無視してください。
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-373 |
PDRPCER_RETRY_TRANSACTION |
||
-374 |
PDRPCER_RETRY_STOPPING |
||
-375 |
PDRPCER_RETRY_STARTING |
||
-376 |
PDRPCER_TRNPAUSE |
新規トランザクションのスケジューリング抑止状態です。 |
pdls -d svrコマンドで,新規トランザクションのスケジューリング抑止状態のサーバを特定し,原因を取り除いてください。新規トランザクションのスケジューリング抑止状態のサーバがない場合は,UAP又はユティリティを再実行してください。 |
-382 |
PDRPCER_CONN_SEPARATE_TIMEOUT |
運用コマンド又はユティリティ実行時に,ユーザサーバプロセス,ユティリティサーバプロセスの割り当てがpd_cmd_process_conwaittimeオペランドに指定した時間内に完了しませんでした。 |
KFPS00358-Eメッセージに従って対処してください。 |
その他 |
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− |
詳細コード-301の対策を参照してください。 |