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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


14.2.2 オプション

〈この項の構成〉

(1) -k 編集項目〔,編集項目〕…

   〜《sys》

編集する項目を指定します。

sop,dop,pcd,obj,sqh,cnc,及びdioを指定した場合,必ず-oオプションも指定してください(指定しなかった場合はエラーとなります)。

sop,dop,pcd,obj,sqh,cnc,及びdioを指定した場合,DAT形式ファイルには統計情報を出力しますが,統計情報の編集出力はしません。また,allを指定して-oオプションを指定しなかった場合,エラーにはならないで処理は続行します。

sys:

システムの稼働に関する統計情報

svr:

サーバごとのシステムの稼働に関する統計情報

uap:

UAPに関する統計情報

sql:

SQLに関する統計情報

buf:

グローバルバッファプールに関する統計情報

fil:

データベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報

dfw:

デファードライト処理に関する統計情報

idx:

インデクスに関する統計情報

sop:

SQL静的最適化に関する統計情報

dop:

SQL動的最適化に関する統計情報

pcd:

SQLオブジェクト実行に関する統計情報

obj:

SQLオブジェクト転送に関する統計情報

sqh:

SQL文の履歴に関する統計情報

cnc:

CONNECT/DISCONNECTに関する統計情報

dio:

データベースの入出力に関する統計情報

all:

上記のすべての統計情報(ただし,sop,dop,pcd,obj,sqh,cnc,及びdioについては,DAT形式ファイルへの出力だけとなります)

(2) -m 時間間隔

   〜<符号なし整数>((1〜1440))《60》

統計情報を編集するときに,各統計情報の合計値を出す時間間隔を,分単位で指定します。ここで指定した時間間隔で各統計情報の合計値を出力します。

なお,標準出力に統計情報の編集結果を出力する場合に,このオプションの指定値が有効になります。DAT形式ファイルに出力する場合は,このオプションの指定は無視されます。

(3) -t 〔開始時刻〕〔,終了時刻〕

統計情報の出力範囲を,ログレコードの出力時刻の開始時刻と終了時刻で指定します。開始時刻及び終了時刻の指定範囲は,1970年1月1日0時0分0秒から当年当月当日の現在時刻までです。

このオプションを省略した場合,統計入力アンロードファイル,及びシステムログファイル内のすべての統計情報が編集されます。

開始時刻を省略した場合,統計入力アンロードファイル,及びシステムログファイルの先頭から指定した終了時刻までが編集対象となります。終了時刻を省略した場合,指定した開始時刻から統計入力アンロードファイル,及びシステムログファイルの最後までが編集対象となります。

オプションフラグを指定した場合は,開始時刻か終了時刻のどちらかは必ず指定してください。

開始時刻及び終了時刻は,hhmmss〔MMDD〔YYYY〕〕の形式で指定してください。

hh:

時((00〜23))

mm:

分((00〜59))

ss:

秒((00〜59))

MM:

月((01〜12))

省略した場合,当月とみなされます。

DD:

日((01〜31))

省略した場合,当日とみなされます。また,その月にあり得ない日付を指定した場合(30日までの月に31日を指定するなど),その超過分の日数を繰り上げて,次の月の日付が指定されたものと判断します。

例えば,00000006312000と指定した場合,2000年7月1日0時0分0秒と判断します。

YYYY:

年((1970〜9999))

省略した場合,当年とみなされます。

(4) -u UAP名〔,UAP名〕…

   〜<文字列>((1〜30))

UAPに関する統計情報,又はSQLに関する統計情報を編集する場合,編集対象とするUAP名(クライアント環境定義のPDCLTAPNAMEで指定したUAPの識別名称)を指定します。

UAP名は最大16個指定できます。省略した場合,-tオプションで指定した範囲のUAPに関する統計情報又はSQLに関する統計情報が編集されます。

(5) -x ホスト名〔,ホスト名〕…

   〜<識別子>((1〜32))

編集対象のホストの名称を指定します。ホスト名は最大32個指定できます。省略した場合,標準ホスト名を指定して,すべてのホストが編集対象となります。なお,pdunitオペランドの-xオプションで指定したホスト名を変更した場合は,変更前と変更後の両方のホスト名が編集対象になります。統計情報は,変更前のホスト名と変更後のホスト名に分けて出力されます。

(6) -s サーバ名〔,サーバ名〕…

   〜<識別子>((1〜8))

編集対象のサーバの名称を指定します。サーバ名は最大32個指定できます。省略した場合,すべてのサーバが編集対象となります。

(7) -i {統計入力アンロードファイル名|HiRDBファイルシステム領域名|統計入力アンロードファイル格納ディレクトリ名}

統計解析の入力情報となる統計入力アンロードファイルを指定します。

統計入力アンロードファイルは,pdsteditを実行するホストから参照できるファイルでなければなりません。なお,統計入力アンロードファイルとは,アンロード統計ログファイル又はアンロードログファイルのことをいいます。

このオプションを省略した場合,標準入力からの入力とみなされます。

統計入力アンロードファイル名 〜<パス名>

統計入力アンロードファイルの名称を指定します。

HiRDBファイルシステム領域名 〜<パス名>((165文字以内))

統計入力アンロードファイルがHiRDBファイルシステム領域にある場合,そのHiRDBファイルシステム領域の名称を指定します。

指定したHiRDBファイルシステム領域にあるすべての統計入力アンロードファイルが解析対象となります。

統計入力アンロードファイル格納ディレクトリ名 〜<パス名>

統計入力アンロードファイルがあるディレクトリの名称を指定します。

ディレクトリ名を指定した場合,そのディレクトリの子又は孫の位置にあるファイル(HiRDBファイルシステム領域があるときは,その領域にあるファイル)が編集対象となります。

(a) 注意事項

  1. ユティリティ実行中のOSリソース不足を回避する方法

    システム全体で大容量のファイル(システム全体で同時に100ギガバイト以上)を扱う場合,ファイルキャッシュが増大し,Windowsのシステムリソース不足になることがあります。大容量のファイルを扱う場合,pdfmkfsコマンド(-k UTL)で作成したHiRDBファイルシステム領域にシステムログファイルをアンロードすると,ファイルキャッシュを使用しないでアクセスするため,システムリソース不足を回避できます。ただし,ファイルキャッシュを使用しないでアクセスするため,性能は劣化します。

  2. ファイル種別

    -iオプションに指定したファイル又はディレクトリ下のファイルの種別によっては,解析処理が待ち状態になったり,該当するファイルの解析をスキップしたりすることがあります。ファイル種別による解析処理の可否を次に示します。

    -iオプション指定値

    ファイル種別

    解析処理

    ファイル

    RAWファイル

    処理を続行します。

    パイプファイル(FIFO)

    別プロセスがライトモードで該当するファイルをオープンするまで待ち状態となります。

    上記以外

    該当するファイルの解析処理をスキップします。

    ディレクトリ

    ディレクトリ下のファイル

    RAWファイル

    処理を続行します。

    パイプファイル(FIFO)

    ワーニングメッセージが出力されます。

    上記以外

    該当するファイルの解析処理をスキップします。

    注※ 統計ログファイルが一つだけの場合,パイプファイル(FIFO)で指定できます。

(b) アンロードログファイルを入力する場合の注意事項

システムログファイルをpdlogunldコマンドでアンロードする場合は,-nオプションを指定してください(システムログのステータスが変更されないようにするためです)。システムログのステータスを変更してしまうと,次のようにシステムログファイルのアンロードができなくなることがあります。

  • システムログファイルの自動ログアンロード機能を使用している場合,アンロード済みと判断されるため,自動アンロードがされません。

  • システムログのステータスがアンロード済みになると,HiRDBは上書きしてもよいと判断するため,アンロードする前に上書きされてしまう可能性があります。

(8) -o DAT形式ファイル出力先ディレクトリ名

   〜<パス名>((1〜128))

統計入力アンロードファイルから統計情報を収集し,DAT形式ファイルを作成したい場合,そのDAT形式ファイルを作成するディレクトリの名称を指定します。

(9) -w ワーク用一時ファイル作成ディレクトリ名

   〜<パス名>((1〜128))

統計解析ユティリティで使用する,ワーク用一時ファイルを作成するディレクトリの名称を指定します。省略した場合,次の表に示すディレクトリが仮定されます。

表14‒2 pdsteditがワーク用一時ファイルを出力するディレクトリ

-wオプションの指定

システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定

あり

なし

環境変数TMPの指定

あり

なし

あり

-wオプションに指定したディレクトリ

なし

pd_tmp_directoryに指定したディレクトリ

TMPに指定したディレクトリ

%PDDIR%\tmpディレクトリ

注※ コマンド実行環境の環境変数の指定

何らかの要因で表「pdsteditがワーク用一時ファイルを出力するディレクトリ」に示すディレクトリにワーク用一時ファイルが作成できない場合は,エラーとなります。

統計解析ユティリティの実行中にプロセスを強制終了したり,異常終了したりするなど,統計解析ユティリティの実行が途中で中断したとき,ワーク用一時ファイルのディレクトリ下にファイルが残ることがあります。ワーク用一時ファイルが不要な場合は,ユーザがそのファイルを削除する必要があります。ワーク用一時ファイルのディレクトリ下に作成されるファイル名を次に示します。

-kオプションの指定値

作成されるファイルの名称

sys

PID.syi,PID.syo

uap

PID.uai,PID.uao

sql

PID.sqi,PID.sqo

buf

PID.bui,PID.buo

fil

PID.fii,PID.fio

dfw

PID.dfi,PID.dfo

idx

PID.ixi,PID.ixo,PID.isi,PID.iso

sop

PID.soi,PID.soo

dop

PID.doi,PID.doo

pcd

PID.pci,PID.pco

obj

PID.obi,PID.obo

sqh

PID.qhi,PID.qho

cnc

PID.cni,PID.cno

dio

PID.dii,PID.dio

(凡例)

PID:プロセスID

-k allの場合,すべてのファイルが作成されます。

(10) -d 制御文ファイル名

   〜<パス名>

統計解析ユティリティの入力情報のシステムログが格納されたファイルグループ名を記述した制御文ファイルの名称を指定します。

-dオプションが指定されていても,-iオプションが指定されていない場合,標準入力待ち状態になります。

制御文(file_group文)のファイルの形式を次に示します。なお,制御文は,最大34個指定できます。

 file_group サーバ名:ファイルグループ名〔,ファイルグループ名〕…
サーバ名 〜<識別子>((1〜8))

ファイルグループに対応するサーバ名を指定します。-sオプションを指定した場合,-sオプションで指定したサーバ名と異なるサーバ名を指定したときには,解析対象外として無視されます。また,制御文ファイル中のサーバ名が重複している場合は,エラーとなります。

ファイルグループ名 〜<識別子>((1〜8))

統計解析ユティリティを起動するホストから参照できる物理ファイルのファイルグループを指定します。

ファイルグループ名は最大200個指定できます。

別のホストにあるファイルグループを指定した場合には,エラーとなります。ただし,ファイルグループが共用ディスクにあるファイルの場合には,解析対象となります。

<規則>

  1. 制御文1文は1行で記述してください。

  2. 指定値の間にスペース及びタブを指定しないでください。

  3. "/*"から"*/"まではコメントとみなします。

  4. 現用ファイルグループを指定した場合,又は不整合な状態のファイルグループを指定した場合,警告メッセージを出力し,エラー検出直前までの統計情報を編集します(二重化指定の場合には,警告メッセージを二つ出力することがあります)。

    警告エラーの原因としては,次のことが考えられます。

    • ファイルの最後を検出

    • ファイルの内容が不正

  5. 初期化後,未使用のファイルグループを指定した場合,統計情報の編集をしないで,警告メッセージを出力します(二重化指定の場合には,警告メッセージを二つ出力することがあります)。

  6. 指定したファイルがシステムログファイルでない場合,そのファイルグループは解析しないで警告メッセージを出力します。

  7. -iオプションと-dオプションを同時に指定して,-dオプションで指定した制御文ファイル中のファイルグループがアンロード済みのファイルで,そのアンロードログファイルを-iオプションに指定している場合,指定したファイルグループの情報が二重に編集されます。

(11) -b

DAT形式ファイルにタイトルバーを出力する場合に指定します。このオプションを指定する場合,同時に-oオプションも指定する必要があります。-oオプションを指定していない場合,このオプションの指定は無視されます。

(12) -e 拡張フォーマット指定値〔,拡張フォーマット指定値〕

DAT形式ファイル出力時に,出力フォーマットを変更する場合に指定します。このオプションを指定する場合,同時に-oオプションも指定する必要があります。

拡張フォーマット指定値には,「sec」及び「er1」を指定できます。

sec:

secを指定した場合,次の統計情報の統計ログ取得時刻に秒値が出力されます。

  • グローバルバッファプールに関する統計情報

  • データベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報

  • デファードライト処理に関する統計情報

このオプションを指定しない場合,統計ログ取得時刻の出力形式は「MM/DD/hh:mm」となります。このオプションを指定した場合,統計ログ取得時刻の出力形式は「MM/DD/hh:mm:ss」となります。

なお,このオプションは-yオプションを指定した場合は無効となります。

er1:

er1は,オーバフローデータ※1及び編集できないデータ※2を,有効けた数以上出力しない場合に指定します。er1を指定すると,オーバフローデータ及び編集できないデータの格納値が,1個のアスタリスク(*)になります。

注※1

マイクロ秒単位の時間を出力する場合,時間が4,200秒を超えているときのエラーデータを示します。

注※2

pdsteditを実行するHiRDBのバージョンより,入力する統計ログを取得したHiRDBのバージョンが古い場合,出力対象項目の情報が統計ログ内にないことがあります。統計ログ内にない項目の情報を,「編集できないデータ」といいます。

(13) -y

DAT形式ファイル出力時,日付時刻の出力形式を「YYYY/MM/DD hh:mm:ss」とする場合に指定します。このオプションを指定していても,-oオプションが指定されていない場合は無視します。このオプションを指定した場合は,-e secの指定は無効となります。