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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)


8.9.3 unload文(アンロードデータファイルの情報の記述)

アンロードデータファイルの情報を指定します。

<適用基準>

-k rorg,-k unld,及び-k reldの場合は,必ず指定してください。

<規則>

unload文は,次の数だけ指定できます。

【HiRDB/シングルサーバの場合】

再編成の単位(表,又はRDエリア)に関係なく,unload文は一つだけ指定してください。

【HiRDB/パラレルサーバの場合】

横分割表を表単位に再編成する場合,unload文は表を格納したRDエリアがあるサーバ数分指定してください。

横分割表をRDエリア単位に再編成する場合,又は分割していない表の再編成の場合には,unload文は一つだけ指定してください。また,-gオプションを指定して一つのアンロードデータファイルにアンロードする場合にも,unload文は一つだけ指定してください。

〈この項の構成〉

(1) 形式

 unload {〔サーバ名:〕
 
        アンロードデータファイル名〔,アンロードデータファイル名〕…
 
     |(uoc)}
 
     〔HiRDBファイル情報〕
 
     〔uoc情報〕

(2) 説明

(a) サーバ名

   〜<識別子>((1〜8))

アンロードデータファイルを作成するサーバの名称を指定します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】

HiRDB/シングルサーバの場合は指定しないでください。

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
  • -gオプション指定なし

    横分割表の表単位の再編成の場合,再編成する表を格納したRDエリアがあるサーバごとにサーバ名を指定してください。

    横分割表のRDエリア単位の再編成,分割していない表の再編成,又はディクショナリ表の再編成の場合,サーバ名を指定する必要はありません。このとき,アンロードデータファイルは表を格納したRDエリアがあるサーバから出力されます。

  • -gオプション指定あり

    -gオプションを指定して,一つのアンロードデータファイルにアンロードする場合には,アンロードデータファイルを作成するサーバ名を指定してください。

(b) アンロードデータファイル名

   〜<パス名>

アンロードデータファイルの名称を絶対パス名で指定します。

-fオプションでアンロードデータファイル種別にHiRDBファイルを指定した場合は,次のように指定してください。

<アンロードデータファイルがHiRDBファイルの場合の規則>
  • アンロードデータファイル名は,167文字以内で指定してください。

  • HiRDBファイルを使用するには,あらかじめpdfmkfsコマンドで,HiRDBファイルシステム領域を作成しておく必要があります。この場合,-kオプションの使用目的にはUTLを指定してください。

  • pdfmkfsコマンドで,-k UTL以外を指定して作成したHiRDBファイルシステム領域上に作成したHiRDBファイルを指定した場合は,エラーとなります。

  • 指定したアンロードデータファイル名がHiRDBファイルシステム領域上にない場合,HiRDBが新規にアンロードデータファイルを作成します。既存のアンロードデータファイル名を指定した場合は,上書きされます。

また,アンロードデータファイルに対してテープ装置アクセス機能を使用できます。テープ装置アクセス機能については,「テープ装置アクセス機能」を参照してください。

<アンロードデータファイルに関する注意事項>

  1. -W bin -wオプションを指定して出力した表移行用アンロードファイルは,一つだけ指定できます。

  2. 表のデータが一つのアンロードデータファイルに入りきらない場合は,複数のファイルを指定できます。

(c) (uoc)

UOCを利用した再編成をする場合,UOC側でUOCデータファイルを作成する場合(pdrorg側ではアンロードデータファイルを出力しない場合)に指定します。

(uoc)は,-k unldの場合にだけ指定できます。

(d) HiRDBファイル情報

〔init={初期割り当て領域サイズ

    |(初期割り当て領域サイズ〔,初期割り当て領域サイズ〕…)}〕

〔,incr={増分割り当て領域サイズ

     |(増分割り当て領域サイズ〔,増分割り当て領域サイズ〕…)}

アンロードデータファイルがHiRDBファイルの場合に指定します。HiRDBファイル情報は,必ず1行で指定してください。

initの指定を省略した場合,incrの前のコンマ(,)は指定しないでください。

init={初期割り当て領域サイズ|(初期割り当て領域サイズ〔,初期割り当て領域サイズ〕…)}

   〜<符号なし整数>((1〜1048574))《100》

HiRDBファイルへの書き込み時に割り当てる容量をメガバイト単位で指定します。

<見積もり式>

初期割り当て領域サイズの計算方法については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」のデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)実行時のファイルの容量を参照してアンロードデータファイルのバイト数を求め,次の式で計算してください。

初期割り当て領域サイズ
=↑(アンロードデータファイルのバイト数+1024)÷(1024×1024)↑
 (単位:メガバイト)
<規則>
  1. 初期割り当てサイズは,pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域作成時,-nオプションで指定した値より小さくなければなりません(システムが管理用に使用する領域が必要なため)。

  2. pdfmkfsコマンドに-eオプションを指定しなかったり,-eオプションに0を指定したりすると,増分割り当てができないので,必ず指定してください。

  3. どの程度の大きさの初期割り当てサイズが使用できるかは,pdfstatfsコマンドで確認してください。

  4. 割り当て領域サイズの指定は,unload文で指定したファイル名の数分指定します。両者に不一致があった場合,次のように解釈します。

    関係

    動作

    ファイル数<指定

    ファイル数分,指定を有効にして後は無視します。

    ファイル数=指定

    ファイルごとに指定を有効にします。

    ファイル数>指定

    指定の最後の領域サイズを足りない指定分繰り返します。

incr={増分割り当て領域サイズ|(増分割り当て領域サイズ〔,増分割り当て領域サイズ〕…)}

   〜<符号なし整数>((1〜1048574))《10》

HiRDBファイル書き込み時に,初期割り当て領域サイズで容量が不足した場合,拡張する割り当て領域の大きさを指定します。

次の場合にはHiRDBファイルの拡張ができません。

  • 該当するHiRDBファイルシステム領域の増分回数指定を超えて拡張しようとしたとき

  • 該当するHiRDBファイルが,個々のHiRDBファイルの増分回数の上限(23回固定)を超えて拡張しようとしたとき

したがって,実際の容量が見積もり容量を超える場合は,上記2項目の制限に掛からないように,増分割り当てサイズを指定する必要があります。増分割り当てサイズの制限を次の図に示します。図中のnの値は,上記2項目の制限を超えないようにしてください。

図8‒21 増分割り当てサイズの制限(unload文)

[図データ]

HiRDBファイルシステム領域の増分回数は,新規にHiRDBファイルシステムを作成する場合,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定で設定します。また,既存のHiRDBファイルシステム領域の状態を見る場合,pdfstatfsコマンドの出力結果の「available expand count」の値によって参照できます。

(e) UOC情報

〔uoc_lib=ライブラリ名称〔param='ユーザパラメタ'〕

UOC情報は,UOCを利用して再編成をする場合に指定してください。unlduoc文を指定する場合には,必ずUOC情報も指定してください(指定しないとエラーとなります)。

uoc_lib=ライブラリ名称

   〜<パス名>

UOCを格納しているダイナミックリンクライブラリの名称を,絶対パス名で指定します。

param='ユーザパラメタ'

   〜<文字列>((1〜1023))

UOCにパラメタを渡したい場合に,その内容をユーザパラメタに指定します(ユーザはUOCに対して,コマンドラインなどで直接パラメタを渡せないため)。

ここに指定した内容は,UOCインタフェース領域を介して,指定した内容のままUOCに渡されます。なお,ユーザパラメタに指定する文字列には,空白及びタブは指定できません。