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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム定義(Windows(R)用)


9.2.33 PRFトレース情報に関するオペランド

◆ pd_prf_trace = Y|N

PRFトレース情報を取得するかどうかを指定します。PRFトレース機能については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「PRFトレース機能」を参照してください。

Y:

PRFトレース情報を取得します。

N:

PRFトレース情報を取得しません。PRFトレース情報を取得しない場合,pdprfdプロセスを開始しません。

《指定値の目安》

通常,このオペランドを指定する必要はありません。障害発生時の原因調査が困難になるため,Nは指定しないでください。

《注意事項》

このオペランドにNを指定した場合,HiRDB稼働中にPRFトレース情報を取得するように変更することはできません。PRFトレースを取得するには,HiRDBをいったん終了させて,PRFトレースの取得を有効にしてから,再度HiRDBを開始する必要があります。

◆ pd_prf_level = 00000007|0000001f|0000007f|000001ff|00000000

PRFトレース情報の取得レベルを16進数で指定します。PRFトレース取得レベルによって取得できる情報については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド」の「PRFトレース情報の詳細と取得ポイント」を参照してください。

pd_prf_levelオペランドの指定値に対する取得レベルと取得内容を次に示します。

表9‒9 pd_prf_levelオペランドの指定値に対する取得レベルと取得内容

pd_prf_levelオペランドの指定値

取得レベル

位置づけ

取得内容

00000007

(最小レベル)

00000004

取得内容を最小限に絞ったレベル

主にCONNECT時,ユティリティ実行時,特定のイベントのトレースを取得します。

0000001f

(標準レベル)

00000004,

00000010

HiRDBとの境界(入口と出口)を識別できるレベル

最小レベルの取得内容に加えて,主にHiRDBとの通信の前後でトレースを取得します。

0000007f

(詳細レベル)

00000004,

00000010,

00000040

SQL処理のトレースに必要なレベル

標準レベルの取得内容に加えて,HiRDBの内部処理の流れが確認できるトレースを取得します。

000001ff

(保守レベル)

00000004,

00000010,

00000040,

00000100

障害発生時などの保守情報を取得するためのレベル

詳細レベルの取得内容に加えて,内部排他などの繰り返し処理も含めたトレースを取得します。

00000000

(抑止レベル)

取得しない

トレースの取得を抑止するレベル

取得しません。

《指定値の目安》
  • 性能に関する障害調査をする際に,速やかに原因を切り分けられるようにするため,0000001f(標準レベル)の指定を推奨します。また,環境構築時などオンライン性能の低下が許容できる場合は,0000007f(詳細レベル)の指定を検討してください。

  • 000001ff(保守レベル)は,通常は指定する必要はありません。サポートサービスから依頼があった場合に指定してください。

  • 障害発生時の原因調査が困難になるため,00000000(抑止レベル)は指定しないでください。

《注意事項》
  • PRFトレースの取得箇所を増やし,より詳細なPRFトレースが取得できるレベルに変更した場合,オンライン性能が低下する場合があります。

  • 性能検証や障害調査が困難になるため,00000007,0000001f,0000007f,000001ff,00000000以外の値を指定しないように注意してください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_prf_file_count

  • pd_prf_file_size

《備考》

pdprflevelコマンドを使用することで,HiRDB稼働中でも取得レベルを変更できます。

◆ pd_prf_file_count = PRFトレース情報ファイルの世代数

〜<符号なし整数>((3〜256))《15》

PRFトレース情報ファイルの世代数を指定します。

《指定値の目安》
  • 通常,このオペランドを指定する必要はありません。

  • PRFトレース情報ファイルの情報を長時間保持したい場合に,このオペランドの指定を検討してください。次に示すPRFトレース情報ファイルの総容量から,PRFトレース情報ファイルの世代数及びファイルサイズを見積もってください。

    PRFトレースファイルの総容量=pd_prf_file_countオペランドの指定値×pd_prf_file_sizeオペランドの指定値

    (例)

    PRFトレース情報を1時間保存するための,PRFトレース情報ファイルの総容量の設定例を次に示します。

    pd_prf_levelオペランドの指定値

    PRFトレース情報ファイルの総容量

    1秒当たりのSQL実行数が200件程度

    1秒当たりのSQL実行数が500件程度

    00000007

    750MB(省略値

    750MB(省略値

    0000001f

    750MB(省略値

    2GB

    0000007f

    2GB

    5GB

    注※ pd_prf_file_countオペランドの省略値×pd_prf_file_sizeオペランドの省略値です。

  • 1ユニット当たりに必要なPRFトレース情報ファイルの総容量を概算で見積もるには,次の考え方を目安に計算してください。

    PRFトレース情報ファイルの総容量=MAX(768000,a×b×c×d)(単位:キロバイト)

    a:1ユニットのFES及びBESのサーバ数

     HiRDB/シングルサーバの場合,及びMGR,DSだけの場合は1。

    b:サーバごとの1秒当たりSQL実行数

     SQLに関する統計情報の「SQL実行回数」の合計値「TOTAL」を,編集時間「EDIT TIME」(秒)で割ることで,編集時間における平均値を計算できます。

    c:1SQL当たりの平均PRFトレースの取得量(単位:キロバイト)

     pd_prf_levelオペランドの指定値に応じて,次の値を仮定してください。

     ・00000007:0.5キロバイト

     ・0000001f:0.5キロバイト

     ・0000007f:1キロバイト

     ただし,上記の値は,SQLの種類,データ量,システムの構成,機能の適用有無,チューニングの状態などの条件によって変動します。

    d:PRFトレース情報を保持する時間(単位:秒)

  • トランザクションの種類やHiRDBの構成などによって,1ファイル当たりのPRFトレース情報を保持できる時間が大きく変わることがあります。正確に判定するには,想定されるトランザクション及びユティリティを実行したときに,1ファイル当たりにPRFトレースが保持されている時間を測定してください。時間はファイルのタイムスタンプ又はpdprfedコマンドでの編集結果から判断できます。測定した時間を基に,必要な世代数を計算してください。

《注意事項》
  • このオペランドの指定値は,HiRDB運用ディレクトリ下のディスク所要量に影響します。PRFトレース情報ファイルのために,次のディスク容量が必要になります。

    pd_prf_file_countオペランドの指定値×pd_prf_file_sizeオペランドの指定値

  • このオペランドは,pdinfogetコマンドなどで取得する,障害情報ファイルの容量に影響があります。

  • このオペランドの指定値を小さい値に変更した場合,減らした分のPRFトレース情報ファイルは使用されなくなりますが,自動的に削除されません。不要なPRFトレース情報ファイルを削除する必要がある場合は,HiRDBを終了状態にして削除を行ってください。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドはpd_prf_file_sizeオペランドと関連があります。

◆ pd_prf_file_size = PRFトレース情報ファイルサイズ

〜<符号なし整数>((1024〜1048576))《51200》(単位:キロバイト)

一つのPRFトレース情報ファイルのサイズを指定します。

《指定値の目安》

通常,このオペランドを指定する必要はありません。PRFトレース情報ファイルに情報を長時間保持したい場合に,このオペランドの指定を検討してください。

《注意事項》
  • このオペランドの指定値は,HiRDB運用ディレクトリ下のディスク所要量に影響します。PRFトレース情報ファイルのために,次のディスク容量が必要になります。

    pd_prf_file_countオペランドの指定値×pd_prf_file_sizeオペランドの指定値

  • このオペランドは,pdinfogetコマンドなどで取得する,障害情報ファイルの容量に影響があります。

  • このオペランドの指定値を大きくすると,PRFトレースの編集出力をするpdprfedコマンドの処理時間が長くなります。

  • このオペランドの指定値が大き過ぎると,性能問題の調査などでサポートサービスに資料を送付する場合に,ファイルの圧縮を行っても送付が困難になるおそれがあります。資料の送付を考慮したファイルサイズを指定してください。

  • PRFトレース情報は,10秒ごとにPRFトレース情報ファイルへ出力されますが,1回当たりの出力件数が多い場合,PRFトレース情報ファイルが最大10メガバイト小さくなることがあります。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドはpd_prf_file_countオペランドと関連があります。

◆ pd_prf_output_directory = PRFトレース情報ファイルを出力するディレクトリ

〜<200文字以下の絶対パス名>

PRFトレース情報ファイルを出力するディレクトリを指定します。このオペランドに指定するディレクトリは,ユニットごとに異なるディレクトリ名にしてください。指定したディレクトリには,PRFトレース情報ファイル(pdprf_世代番号),及びPRFトレース制御ファイル(.pdprf.conf)を出力します。PRFトレース情報ファイルはpdprf_001から出力されます。

《前提条件》

このオペランドに指定するディレクトリについては次に示す前提条件を満たしてください。

  • PRFトレース出力専用のディレクトリとし,ほかのファイルやディレクトリを配置しないでください。

  • ネットワークドライブを指定しないでください。

  • 系切り替え構成の場合,現用系及び待機系がそれぞれ起動開始するときにアクセスできるディスク装置内のディレクトリを指定してください。

《注意事項》
  • 次の空きディスク容量があるディレクトリを指定してください。

    pd_prf_file_countオペランドの指定値×pd_prf_file_sizeオペランドの指定値+1KB

  • HiRDBを起動する前にあらかじめディレクトリを作成してください。なお,指定したパスの最下位のディレクトリだけがない場合は,HiRDB開始時に指定したディレクトリを作成し処理を続行します。

  • このオペランドに指定するディレクトリの管理について,次に示す項目に注意してください。

    (a)障害発生時には,pdinfogetコマンドで障害情報を取得してください。個別に障害情報を取得する場合は,このオペランドに指定したディレクトリ下を取得してください。

    (b)このオペランドの指定を変更したときやHiRDBのアンインストールをしたときに,以前のPRFトレース情報ファイルが不要な場合は,ユーザがOSのコマンドで削除してください。

    (c)(b)で削除するとき以外では,このオペランドに指定したディレクトリに出力される,PRFトレース制御ファイルを削除しないでください。

《オペランドの省略値》

このオペランドを省略すると,出力先ディレクトリに%PDDIR%\spool\pdprfを仮定します。

《ほかのオペランドとの関連》

このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。

  • pd_prf_file_size

  • pd_prf_file_count