8.3.2 シンクポイントダンプファイルの設計
シンクポイントダンプファイルの設計方針について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 設計方針
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作成できるシンクポイントダンプファイルは,2〜60グループです。pdlogadfg -d spdオペランドにONLを指定した場合は,2〜30グループです。
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HiRDBはpdlogadfg -d spdオペランドの指定順にシンクポイントダンプファイルを使用します。
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4個以上のシンクポイントダンプファイルを作成することをお勧めします。
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シンクポイントダンプファイルの容量が不足すると,HiRDBを開始できません。このため,シンクポイントダンプファイルのレコード数は,システム共通定義の最大同時接続数(pd_max_usersオペランド)の指定値より大きな値にしてください。詳細なシンクポイントダンプファイルの容量計算式については,「シンクポイントダンプファイルの容量の見積もり」を参照してください。
(2) 信頼性向上のための方針
(a) ファイル構成例
ハードディスク障害に備えて,シンクポイントダンプファイルをそれぞれ別々のハードディスクに作成してください。そのような構成を取れない場合は,隣り合わせの世代を別々のハードディスクに作成する構成にしてください。例を次の図に示します。
(b) シンクポイントダンプファイルの二重化
シンクポイントダンプファイルを二重化すると,HiRDBはA系及びB系の両方に同じシンクポイントダンプを取得します。取得したシンクポイントダンプを読み込むとき,片方のファイルに異常が発生しても,もう一方のファイルからシンクポイントダンプを読み込めるため,システムの信頼性を向上できます。また,二重化している場合,有効保証世代数を1世代にすると,信頼性を損ねることなく上書きできない状態のシンクポイントダンプファイル数を削減できます。
シンクポイントダンプファイルを二重化する場合は,サーバ定義で次に示すオペランドを指定してください。
(c) シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数
一つのシンクポイントダンプファイルには,HiRDBが1回に取得するシンクポイントダンプが格納されます。HiRDBは,シンクポイントダンプファイルを世代という概念で管理しています。HiRDB管理者は,何世代前までのシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルを上書きできない状態にするかを指定できます。これをシンクポイントダンプファイルの有効保証世代数といいます。シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数を次の図に示します。
- 〔説明〕
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有効保証世代を2とすると,2世代前までのシンクポイントダンプファイル及びそのシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルが,上書きできない状態になります。3世代前より前の世代のシンクポイントダンプファイル及びそのシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルは,上書きできる状態になります。
シンクポイントダンプファイルの運用に必要なファイル数は,有効保証世代数+1となります。シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数は,サーバ定義のpd_spd_assurance_countオペランドで指定してください。
なお,シンクポイントダンプファイルを二重化している場合,必要な有効保証世代数は1世代をお勧めします。二重化していない場合,2世代をお勧めします。
(3) シンクポイントダンプファイルの定義
作成したシンクポイントダンプファイルをどのファイルグループに対応させるかをpdlogadfg及びpdlogadpfオペランドで定義します。
なお,pdlogadfgオペランドだけを指定しておくと,HiRDB稼働中にシンクポイントダンプファイルを追加できます。