4.3.2 raw I/O機能を使用したHiRDBファイルシステム領域の作成
パーティション又は論理ドライブをファイルと同様にアクセスするWindowsのダイレクトディスクアクセス(raw I/O)を使用するHiRDBファイルシステム領域を作成できます。この機能をraw I/O機能といいます。raw I/O機能を使用すると,HiRDBはWindowsのファイルキャッシュの動作による影響を受けなくなります。そのため,グローバルバッファ制御などによって安定した性能を維持できるようになります。
(1) raw I/O機能の適用範囲
raw I/O機能を適用できるHiRDBファイルシステム領域のサポート範囲を次に示します。
使用目的※1 |
サポートの有無 |
---|---|
DB |
○ |
SDB |
○ |
SYS |
○ |
WORK |
○ |
SVR |
○ |
UTL※2 |
○ |
- (凡例)
-
○:raw I/O機能を適用できます。
- 注※1
-
pdfmkfsコマンドの-kオプションで指定するHiRDBファイルシステム領域の使用目的です。
- 注※2
-
raw I/O機能を適用できるユティリティ用ファイルを次に示します。
-
バックアップファイル
-
アンロードログファイル
-
アンロードデータファイル
-
差分バックアップ管理ファイル
-
インデクス情報ファイル
-
(2) raw I/O機能を使用するための準備
raw I/O機能を使用する場合,pdfmkfsコマンドを実行する前に,ここで説明する準備が必要です。
(a) ディスクについて
raw I/O機能では,1ドライブを1HiRDBファイルシステム領域に割り当てます。このとき,1ドライブは1ディスクで構成されている必要があります。1ディスクは,OSから一つの記憶域として見えればよいため,ハードウェアRAIDは使用できますが,1ドライブを複数ディスクで構成するソフトウェアRAIDは使用できません。
なお,raw I/O機能を使用できるドライブは,セクタ長512バイトの固定ディスクだけです。
ディスクの種類とパーティションスタイルの組み合わせによるHiRDBのサポート状況を次に示します。
ディスクの種類 |
パーティションスタイル |
サポート状況 |
|
---|---|---|---|
32ビットモードのHiRDB |
64ビットモードのHiRDB |
||
ベーシックディスク |
MBR(マスタブートレコード) |
○ |
○ |
GPT(GUIDパーティションテーブル) |
× |
○ |
|
ダイナミックディスク |
MBR(マスタブートレコード) |
× |
× |
GPT(GUIDパーティションテーブル) |
× |
× |
(b) パーティション及び論理ドライブの作成方法
raw I/O機能を使用するには,未フォーマット状態のパーティション,又は論理ドライブを用意します。このとき,1ドライブは,1プライマリパーティション,又は1論理ドライブで構成されている必要があります。
パーティションはWindowsの[コンピュータの管理]−[ディスクの管理]で作成します。パーティションのサイズには,HiRDBファイルシステム領域のサイズより大きい値を指定してください。ただし,パーティションのサイズを大きくし過ぎると,むだな領域ができますので,注意してください。
また,作成したパーティションには,ドライブ文字を割り当ててください。
パーティション,又は論理ドライブの作成方法,及びドライブ文字の割り当て方法の詳細については,Windowsの[ディスクの管理]のヘルプを参照してください。