ノンストップデータベース HiRDB Version 9 解説(Windows(R)用)

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付録A.1 09-04

<この項の構成>
(1) 開発/移行容易性の向上
(2) 運用性の向上
(3) トラブルシュートの強化
(4) セキュリティの強化

(1) 開発/移行容易性の向上

開発/移行容易性向上に関連するサポート項目を次の表に示します。

表A-1 開発/移行容易性向上に関連するサポート項目

機能項目名 特長,メリット 参照箇所
他社DBMSからのUAP移行性向上 下記の構文をHiRDBで解釈,実行できるようにしました。
  • TRUNCATE TABLE
  • 集合演算子MINUS
  • CROSS JOIN
  • RIGHT OUTER JOIN
  • CURRENT_USER
  • スカラ関数NVL
  • スカラ関数TRIM
  • 単純注釈
これによって,他社DBMSからHiRDBに移行する際のUAPの改修を削減でき,移行容易性も向上します。
SQL:
「4.32 PURGE TABLE文(全行削除)」,「2.2.1 問合せ式 形式1(一般問合せ式)」,「2.6 表参照」,「1.5.1 USER値関数」,「2.16.2(38) NVL」,「2.16.1(24) TRIM」,「1.1.4(4) 注釈(コメント)」
表の分割条件の16進文字列定数サポート CREATE TABLEでの表定義時,及びALTER TABLEでの表定義変更(分割条件変更)時に,格納条件及び境界値に16進文字列定数を指定できるようにしました。 コマンド:
「8.データベース再編成ユティリティ(pdrorg)」,「9.ディクショナリ搬出入ユティリティ(pdexp)」
SQLプリプロセサでの-Eオプション指定時のCOPY文有効化 C言語及びCOBOL言語で記述した埋込み型UAPで,SQLプリプロセサの実行時に/E1,/E2,/E3オプションを指定した場合でも,COPY文を使用できるようにしました(プリプロセスオプションに/Ecを追加しました)。これによって,埋込み変数の宣言文やSQL文を,ヘッダファイル又は登録原文の中に記述して,複数のモジュールで共用できるようになります。 UAP:
「表8-2 プリプロセスオプション(UNIX環境のC言語の場合)」,「表8-9 プリプロセスオプション(Windows環境のC言語の場合)」
ALTER TABLEでの主キーの追加・削除 ALTER TABLEで,主キーを追加・削除できるようにしました。 SQL:
「3.6(4)(c)表制約定義追加」,「3.6(4)(g)表制約定義削除」
インデクスの残存エントリに起因した排他待ち発生回数の低減 削除済みの行のインデクスキー値と,同じキー値の行を新たに挿入した場合に発生するおそれのあった,行排他による排他待ち及びデッドロックの発生頻度を低減させるようにしました。
これまで,INSERT文を実行した際,削除された行識別子を再利用して割り当てていましたが,これを再利用しないように処理を改善しています。
UAP:
「3.4.8 残存エントリによる排他待ちの回避(行識別子の再利用抑止)」
COBOL言語UAPでのDECIMAL型の38けた拡張 COBOL言語UAPでDECIMAL型を38けたまで扱えるようにしました。 UAP:
「付録B.1 SQL記述領域の構成と内容」
Type4 JDBCドライバでのトラブルシュート強化 SQL実行時のエラー,及び性能トラブルの原因究明を容易にするため,Type4 JDBCドライバで次のトラブルシュート機能をサポートしました。
  • 拡張SQLエラー情報出力機能
  • SQLトレースへのSQL実行時間の出力
  • HiRDB SQL Turning Advisorで解析するためのアクセスパス情報ファイルの出力
UAP:
「18.13 指定できるクライアント環境定義」
Type4 JDBCドライバでの送信バッファサイズ,受信バッファサイズのリセット Type4 JDBCドライバのコネクションプーリングを使用する場合に,コネクションが保持する送信バッファ,受信バッファのサイズの初期値を,ユーザが設定できるようにしました。また,Connection.close実行時に,送信バッファ,受信バッファのサイズが初期値より大きくなっている場合は,保持しているバッファを破棄して初期値サイズのバッファを確保するようにしました。
これによって,大量データ(長大なBLOB,BINARYデータなど)を扱う場合の送信バッファ,受信バッファの肥大化を防げるため,Javaヒープ領域の圧迫を抑えられます。
UAP:
「18.9.2 バッファに関する接続情報の設定」
Type4 JDBCドライバでのPreparedStatement.getMetaDataメソッドのサポート Type4 JDBCドライバで,PreparedStatement.getMetaDataメソッドをサポートしました。これによって,ResultSetのメタ情報であるResultSetMetaDataを,SQLを実行する前に取得できます。 UAP:
「18.4.4(2)(j) getParameterMetaData()」

(2) 運用性の向上

運用性向上に関連するサポート項目を次の表に示します。

表A-2 運用性向上に関連するサポート項目

機能項目名 特長,メリット 参照箇所
SQLオブジェクト用バッファの統計情報の機能拡張 pdobilsコマンドに,次の機能を追加しました。
  • DAT形式での出力
  • 実行していないSQLオブジェクトの情報の出力抑止
  • ロールバックしたトランザクションで実行したSQLオブジェクトも含めた統計情報の出力
コマンド:
「2.73 pdobils(SQLオブジェクト用バッファの統計情報表示)」
トランザクション回復メッセージキューサイズの指定 トランザクション回復メッセージキューサイズを変更できるようにしました。これによって,トランザクションの多重度が高いシステムで,回復対象のトランザクションが多く発生した場合に,トランザクション回復メッセージキューの容量不足を低減し,トランザクション終了までの時間が長くなることを防げます。 定義:
pd_trn_rcvmsg_store_buflen
運用:
「9.11 トランザクション回復メッセージキューサイズを変更する方法」
データベース複写ユティリティ,データベース回復ユティリティの関連RDエリアのチェック機能 データベース複写ユティリティ,及びデータベース回復ユティリティ実行時に,関連するRDエリアの指定漏れがないかをチェックし,指定漏れがあった場合には警告する機能をサポートしました。 コマンド:
「18.3.2 RDエリア単位にバックアップを取得する場合」,「19.3.2 RDエリア単位の回復をする場合」
空きページ解放ユティリティ実行時の業務性能への影響低減 オンライン処理中に空きページ解放ユティリティを実行する場合,業務アプリケーションの方がグローバルバッファを優先的に使用できるように,グローバルバッファの制御方法を改善しました。 コマンド:
「11.空きページ解放ユティリティ(pdreclaim)」
空き領域の再利用機能の改善 空き領域の再利用機能使用時に,行長が短くなるUPDATE文で発生した無効領域を再利用対象とする機能を追加しました。また,格納効率を向上させる次のオプション機能をサポートしました。
  • 行長が長くなるUPDATE文実行時に,既存ページの再利用可否をより詳細に判断する機能
  • 分岐行が多く存在する表の行データ格納に対して,既存ページの再利用可否をより詳細に判断する機能
SQL:
「3.6(4)(e) 列属性変更定義」
Windowsシャットダウン時のHiRDB強制停止オプションのデフォルト化 Windowsシャットダウン時のHiRDB終了方法のデフォルトを,HiRDBを強制終了させる方法に変更しました。これによって,pdstopコマンドを実行しないで,Windowsをシャットダウンさせた場合でも,安全にHiRDBを終了させることができます。 コマンド:
「2.72 pdntenv(HiRDBの動作環境の設定)」

(3) トラブルシュートの強化

トラブルシュート強化に関連するサポート項目を次の表に示します。

表A-3 トラブルシュート強化に関連するサポート項目

機能項目名 特長,メリット 参照箇所
Type4 JDBCドライバでのSQLException拡張 JDBC4.0規格で,エラーの種類によってSQLExceptionの下位分類として複数の例外クラスが追加されましたが,Type4 JDBCドライバでこれらの例外クラスに対応するようにしました。これによって,Type4 JDBCドライバを使用するUAPでのエラー処理の記述が容易になります。 UAP:
「18.8.3 SQLException拡張機能」
PRFトレースの取得機能 PRFトレースを取得できるようにしました。PRFトレースは,HiRDBの内部で動作する処理に対して,イベントIDや時刻を出力する性能解析トレースです。
HiRDB内部の処理の流れをトレースできるため,サポートサービスでの性能検証及びトラブルシュートの効率向上に役立ちます。
定義:
pd_prf_trace,pd_prf_level,pd_prf_file_size,pd_prf_file_count
運用:
「28 PRFトレース機能」
コマンド:
「2.79 pdprfed(PRFトレース情報の編集出力)」,「2.80 pdprflevel(PRFトレース取得レベルの表示及び変更)」
Windowsダンプ出力 HiRDBのプロセスがアプリケーション例外で異常終了した場合に,Windowsダンプを出力するようにしました。任意の出力先にWindowsダンプを出力できるため,サポートサービスでのトラブルシュートの効率向上に役立ちます。 導入:
「2.2.6 Windowsダンプ出力」

(4) セキュリティの強化

セキュリティ強化に関連するサポート項目を次の表に示します。

表A-4 セキュリティ強化に関連するサポート項目

機能項目名 特長,メリット 参照箇所
監査証跡取得イベントの実行ユーザでの絞り込み 特定のユーザが行ったデータベース操作に対してだけ,監査証跡を取得するようにしました。
これによって,監査定義時に,監査証跡取得対象イベントを実行ユーザで絞り込めます。
運用:
「24.9 監査証跡の絞り込み」