1.1 バッチ処理の高速化が必要とされる理由
企業や組織が保有するデータは増加の一途をたどっています。データ量の増加に伴い,バッチ処理に掛かる時間は長くなる一方です。さらに,業務のサービス時間は延長傾向にあるため,バッチ処理を実行できる時間が短くなってきています。また,これまでメインフレームでやっていたような大量のバッチ処理を,オープンシステムでも実施するという需要が高まっています。このような理由から,オープンシステムでのバッチ処理の高速化が企業や組織の課題となっています。
HiRDBでは,大量のデータを扱うバッチ処理を高速化するために,RDエリア内の全データをメモリ上に一括して読み込み,バッチ処理の実行中はメモリ上のデータだけを更新し,ディスク上のデータは更新しません。バッチ処理が完了したあとにメモリ上の更新データを一括してディスクに書き込みます。バッチ処理中はディスク入出力が発生しないため,その分バッチ処理に掛かる時間を短縮できます。
このバッチ高速化を実現するための処理方式をインメモリデータ処理といいます。
例えば,次のようなケースに当てはまる場合は,インメモリデータ処理を適用してバッチ処理の高速化を検討してください。
- ケース1
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バッチ処理を実行できる時間の範囲が午前0時から午前6時までの6時間と決まっていて,バッチ処理が完了するまで4時間掛かります。バッチ処理の途中でエラーが発生した場合,決められた時間内にバッチ処理を完了できないおそれがあります。
- ケース2
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データ量の増加によって,3か月後のバッチ処理時間が12時間以上になると予想され,翌日のオンライン業務に影響が出ると考えられます。
- ケース3
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将来,メインフレームからデータを移行する予定があります。しかし,データの移行に掛かる時間を試算した結果,移行予定期間内にデータの移行が終わりそうにありません。