2.2.1 サーバを構成する表の種類を考慮したデータベース設計

HiRDB External Data Access機能を使用する場合,外部サーバにはBESを介してアクセスします。一つのBESからは複数の外部サーバにアクセスできます。またBESでは,外部サーバにアクセスするだけでなく,通常のようにRDエリアを作成して実表を作成することもできます。

次に外部表と実表の組み合わせによるサーバの構成方法の利点と欠点について説明します。

<この項の構成>
(1) 外部表だけで構成されたサーバ
(2) 外部表と実表で構成されたサーバ

(1) 外部表だけで構成されたサーバ

外部表しか存在しないサーバの構成には,主に次の二つが考えられます。

 

 

外部表だけで構成されたサーバの構成ごとの利点と欠点を次の表に示します。

表2-1 外部表だけで構成されたサーバの構成ごとの利点と欠点

構成利点欠点
一つのBESで一つの外部表にアクセスする構成複数の外部サーバにアクセスするとき,複数のBESで並列処理ができるため,処理速度が速くなる。複数の外部サーバの外部表を結合するとき,異なるBES間で通信が発生して,処理速度が遅くなる。
一つのBESで複数の外部表にアクセスする構成一つのBESに登録された複数の外部サーバの外部表を結合するとき,結合方式によっては処理速度が速くなる。複数の外部サーバにアクセスするとき,特定のBESに負荷が集中する。

(2) 外部表と実表で構成されたサーバ

外部表と実表があるサーバの構成には,主に次の四つが考えられます。

 

 

外部表と実表で構成されたサーバの構成方法ごとの利点と欠点を次の表に示します。

表2-2 外部表と実表で構成されたサーバの構成方法ごとの利点と欠点

構成利点欠点
外部表と実表があるBESによる構成
  • 複数のBESで実表を分割すると,実表に対するアクセスの並列度を高くできます。
  • 複数の外部サーバへの問合せの並列度が高くなります。
  • 理想的な並列化を行った場合に比べて実表へのアクセス時間が長くなることがあります。
  • 実表だけへの問合せと,外部表だけへの問合せが同時に実行される場合,各BESで各問合せの負荷が重なることがあります。
外部表だけのBESと実表だけのBESによる構成
  • 外部表アクセスの影響を受けないため,理想的な並列化を実表に行うことができます。
  • 実表だけへの問合せと外部表だけへの問合せが同時に実行される場合,BES単位でそれらの負荷を切り分けることができます。
  • BESの数が少ないと,実表の分割数が小さく,並列度が低くなります。
外部表だけのBESと外部表および実表があるBESによる構成
  • 複数の外部サーバにアクセスする問合せの並列度が高くなります。
  • 実表に使用できるBESの数が少ないと,実表の分割数が小さく,並列度が低くなります。
  • 理想的な並列化を行った場合に比べて実表へのアクセス時間が長くなることがあります。
  • 実表だけへの問合せと,外部表だけへの問合せが同時に実行される場合,各BESで各問合せの負荷が重なることがあります。
実表だけのBESと外部表および実表があるBESによる構成
  • 複数のBESで実表を分割すると,実表に対するアクセスの並列度を高くできます。
  • 理想的な並列化を行った場合に比べて実表へのアクセス時間が長くなることがあります。
  • 実表だけへの問合せと,外部表だけへの問合せが同時に実行される場合,各BESで各問合せの負荷が重なることがあります。