現在,企業や官公庁などの組織では,さまざまな種類のDBMSが使用されています。
初めにデータベースシステムを構築するときは,上位のアプリケーションとの相性などを考慮してDBMSを選択します。しかし,一度データベースシステムを構築すると,新しいデータベースシステムに移行するときDBMSを変更したくてもなかなか変更できません。それは,DBMSはその種類ごとにインタフェースが異なるため,DBMSを変更すると上位アプリケーションの修正やデータの移行などが発生し,大きなコストが必要となるためです。
また,活動拠点や業務の目的ごとに異なる種類のDBMSを使用している場合,データの統合が必要になっても,それぞれのDBMSのインタフェースが異なるため簡単に実現できません。
HiRDB External Data Accessは,このような問題を解決するために開発されたプログラムです。
HiRDB External Data Accessを使用すると,他社製品を含む異機種のDBMSで構築した複数のデータベースの表に対して,HiRDBのインタフェースを介してアクセスできます。また,他種データベースが複数存在する場合でも,それらの情報を一つの表(外部表またはビュー表を使用します)として参照および更新できます。
次の図に,HiRDB External Data Accessを使用した他種データベースへのアクセスの概念図を示します。
図1-1 HiRDB External Data Accessを使用した他種データベースへのアクセス
このHiRDBから他種データベースにアクセスする機能を, HiRDB External Data Access機能といいます。
なお,HiRDB External Data Accessで統合できるDBMSは次のとおりです。
アプリケーション開発時には,HiRDBのインタフェースでSQL問合せができます。このときのSQL問合せは,HiRDBによって,アクセス先のデータベースに合わせて最適な問合せに変換されます。
HiRDB External Data Accessの特長を次に示します。
HiRDB External Data Accessを使用すると,次のような効果を期待できます。
なお,HiRDB External Data Access機能は,HiRDB/パラレルサーバでだけ使用できます。また,HiRDBは32ビット版で,かつPOSIXライブラリ版である必要があります。