付録B.3 環境の設定方法

<この項の構成>
(1) HiRDB Dataextractorのインストール
(2) HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

(1) HiRDB Dataextractorのインストール

HiRDB Dataextractorをインストールする方法について説明します。

(a) インストール前の準備

HiRDB Dataextractorをインストールする前に,次に示す作業が必要になります。

(i)稼働環境の確認

次に示す内容を確認してください。

(ii)ユーザ権限の確認

インストールを実行するユーザにAdministratorの権限があることを確認してください。

(b) HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

HiRDB Dataextractorをインストールするホストを,次の表に示します。

表B-1 HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

種別抽出側反映側ファイル作成側
インストールするホスト※1HiRDB/シングルサーバの場合
  • シングルサーバのあるホスト
HiRDB/シングルサーバの場合
  • シングルサーバのあるホスト
ファイルを作成するホスト
HiRDB/パラレルサーバの場合
次のどれかのサーバのあるホスト
  • システムマネジャ
  • フロントエンドサーバ
  • バックエンドサーバ
  • ディクショナリサーバ
HiRDB/パラレルサーバの場合
次のサーバのあるホスト※2
  • システムマネジャのあるホスト
  • データの転送先のサーバのあるホスト※3
ORACLEの場合
  • ORACLEのあるホスト
SQL Serverの場合
  • SQL Serverのあるホスト
注※1
OSIプロトコルの場合には,インストールするホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。
注※2
データの転送先のサーバのあるホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。システムマネジャのあるホストとXDM/XT間のOSIプロトコルでの接続は任意です。
注※3
データをフロントエンドサーバに転送する場合は,フロントエンドサーバのどれかのあるホスト(データを転送するホスト)になります。
RDエリア単位の格納の場合で,バックエンドサーバにデータを直接転送するときは,転送先のバックエンドサーバのあるホストになります。
(c) インストールの実行

2.1 ソフトウェア構成」を参照して,HiRDB Dataextractorを使うために必要な製品をインストールしてください。

HiRDBとHiRDB Dataextractorのどちらを先にインストールしてもかまいませんが,HiRDB Dataextractorの環境変数を設定するときは,同じサーバマシンにHiRDBがインストールされていることが前提です。

HiRDB Dataextractorのインストールが完了したあとには,いったんWindowsを再起動する必要があります。

(i)インストールの実行手順

インストール用の統合CD-ROMからインストールする手順を次に示します。インストールを実行する前に,HiRDB DataextractorとすべてのWindowsアプリケーションを終了させてください。

  1. HiRDBの統合CD-ROMを挿入して,hcd_inst.exeを実行します。
    日立総合インストーラが起動します。
  2. 画面の指示に従って[次へ>]ボタンをクリックします。
  3. 名前と会社名を入力して,[次へ>]ボタンをクリックします。
    表示されている名前と会社名をそのまま使う場合は,入力は不要です。
  4. インストール先ディレクトリを指定し,[次へ>]ボタンをクリックします。
    標準のインストール先は,次に示すディレクトリです。
    Windowsのインストール先ドライブ:¥win32app¥Hitachi¥hirdbxt
    上記のディレクトリ以外にインストールする場合は,[参照...]ボタンをクリックして,インストール先のディレクトリ1を指定します。指定したディレクトリがない場合,作成するかどうかを確認するメッセージが表示されます。
  5. 登録するプログラムフォルダ名またはグループ名として[HiRDB Dataextractor]が表示されるので,[次へ>]ボタンをクリックします。
    表示されている名前以外のグループを登録する場合は,名前を指定します。また,既存のグループに登録する場合は,既存のグループの中から選択します。
  6. 環境変数の設定を選択し[次へ>]ボタンをクリックします。
    [環境変数を設定しない]を選択すると,環境変数PATHにHiRDB Dataextractorのコマンドライブラリの名称が追加されません。
    [環境変数を設定する]を選択すると,環境変数PATHにHiRDB Dataextractorのコマンドライブラリの名称が追加されます。
  7. ファイルのコピーを開始する前に現在の設定が表示されるので,[次へ>]ボタンをクリックします。
    HiRDB Dataextractorのインストールが開始されます。
  8. HiRDB Dataextractorのインストールが完了したら,いったんWindowsを再起動します。
注※1
指定できるドライブは,ローカルドライブだけです。ネットワークドライブは指定しないでください。
注※2
すでに運用管理をインストールしている状態でインストールすると,ファイルのコピーでエラーになることがあります。エラーになったときは,SNMPサービスをいったん停止してから再インストールしてください。
(d) インストール時に登録される内容

インストール時に登録される内容を次に示します。

(i)サービス

インストール時に登録されるサービスの種類,および[コントロールパネル]の[サービス]アイコンを開いたときに表示される名称とスタートアップの設定を次の表に示します。

表B-2 インストール時に登録されるサービス

種類表示される名称スタートアップの種類ログオン
反映サービスHiRDB Dataextractor手動システムアカウント
注※
インストール後にコントロールパネルの[サービス]アイコンを開いて変更できます。システムアカウント以外にAdministrators権限を持つユーザのアカウントに変更できます。
(ii)アイコン

[HiRDB Dataextractor]フォルダまたはグループに,はじめにお読みいただくファイル(HiRDB Dataextractorのインストールディレクトリ下の¥Readme.txt)のアイコンが登録されます。

アンインストールには,[コントロールパネル]の[アプリケーションの追加と削除]アイコンを使うため,アンインストールプログラムのアイコンは登録されません。

(iii)システムの環境変数

環境変数PATHにHiRDB Dataextractorのコマンドライブラリの名称が追加されます。コマンドライブラリの名称を次に示します。

     HiRDB Dataextractorのインストールディレクトリ¥bin
(e) HiRDB Dataextractorのアンインストール

HiRDB Dataextractorをアンインストールする手順を次に示します。

アンインストールを実行する前に,[HiRDB Dataextractor]のサービスはすべて終了させてください。

  1. [コントロールパネル]にある[アプリケーションの追加と削除]アイコンを開きます。
  2. [インストールと削除]タブを選択します。
  3. インストールされているアプリケーションの一覧から[HiRDB Dataextractor]を選択して,[追加と削除...]ボタンをクリックします。
  4. 画面の指示に従って,[はい]ボタンをクリックします。

アンインストールが終了したら,[OK]ボタンをクリックします。

(2) HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

インストール時にHiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイルを,次の表に示します。

表B-3 HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

ディレクトリおよびファイル名内容種別
抽出反映
インストールディレクトリHiRDB Dataextractorの各種ディレクトリおよびファイルを格納するディレクトリ
インストールディレクトリ¥binHiRDB Dataextractorの実行ファイルを格納するディレクトリ(このディレクトリ下にHiRDB Dataextractorのロードモジュールおよびコマンドを格納する)
インストールディレクトリ¥bin¥pxtmsvc.exeHiRDB Dataextractorの実行ファイル
インストールディレクトリ¥bin¥pxtload.exe
インストールディレクトリ¥bin¥xtrep.exeHiRDB Dataextractorのxtrepコマンドのファイル
インストールディレクトリ¥bin¥xtmsgtext.dllHiRDB Dataextractorのメッセージ出力用テキストファイル
インストールディレクトリ¥conf¥hirdbxtc.ini1HiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイル2
インストールディレクトリ¥conf¥hirdbxt.ini1HiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイル3
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥euc2jis.map文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからSJISへの変換)
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥eucg2j.map
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥euc2ucs2.map文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからUCS-2への変換)
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥eucg2u.map
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥jis2euc.map文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからEUCへの変換)
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥jis2ucs2.map文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからUCS-2への変換)
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥ucs22euc.map文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からEUCへの変換)
インストールディレクトリ¥lib¥maptable¥ucs22jis.map文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からSJISへの変換)
インストールディレクトリ¥lib¥pxtora01.dllORACLE抽出DLL
インストールディレクトリ¥lib¥pxtsql01.dllSQL Server抽出DLL
インストールディレクトリ¥lib¥usermap※4ユーザの文字コード変換用マッピングテーブルを格納するディレクトリ
インストールディレクトリ¥spool¥※5HiRDB Dataextractorが稼働中に出力するファイルを格納するディレクトリ
(凡例)
○:作成します。
△:作成しますが使用しません。
-:作成しません。
抽出:抽出側
反映:反映側
インストールディレクトリ:HiRDB Dataextractorをインストールしたディレクトリ
注※1
インストール時に環境変数情報設定ファイル(hirdbxtc.iniとhirdbxt.ini)を作成しますが,前バージョンなどインストール済みで,アンインストールをしないで同一ディレクトリにインストールした場合は,環境変数情報設定ファイルの名称をhirdbxtcXX.iniとhirdbxtXX.ini(XXは00~99)で作成します。ただし,HiRDB Dataextractorはhirdbxtc.iniまたはhirdbxt.iniを使用します。
注※2
抽出したデータをHiRDBへ反映する場合にだけ使用します。
注※3
XDM/XTを使用して,HiRDBから抽出したデータをXDM/RDへ反映する場合および順編成データセットを作成する場合にだけ使用します。
注※4
xtccnvedtコマンドでマッピングテーブルを最初に更新するときに作成します。
注※5
インストールディレクトリ¥spool¥下には,HiRDB Dataextractorが稼働中に動的に作成するファイルがあります。それらのファイルはHiRDB Dataextractorの稼働中に削除しないでください。また,インストールディレクトリ¥spool¥を削除しないでください。HiRDB Dataextractorの稼働中にインストールディレクトリ¥spool¥下に作成されるファイルは,適用OSがUNIXの場合と同じです。
(a) HiRDB Dataextractorを使用するために必要な環境変数

HiRDB Dataextractorの環境変数は,HiRDB Dataextractorがインストール時に作成する次のファイルに設定します。ファイル中には,あらかじめ環境変数が記述されていますので,ユーザの環境に応じた環境変数に変更してください。また,HiRDBのクライアント環境変数を指定するHiRDB.iniと同時に指定することができ,次のファイルの指定値が優先されます。

(i)データ抽出側(HiRDB間の抽出・反映の場合)の環境変数
hirdbxtc.iniファイルの指定方法を次に示します。
形式
[図データ]
[個別環境名]
~<スペースを含まない英数字>((1~64けた))
注意事項
  • 指定できる個別環境名のセクション数には制限はないが,ファイル容量が大きくなると実行時にメモリを圧迫し,動作できない場合があります。
  • 各セクションには1個以上の環境変数の設定が必要です。
  • 同一セクションを複数指定した場合,先頭のセクションが有効になります。
  • [ ]はセクション名を示す記号ですので,必ず指定してください。
(ii)データ抽出側(XDM/XTと連携する場合),データ反映側の環境変数
hirdbxt.iniファイルの指定方法を次に示します。
形式
[図データ]
[サービス名]
~<スペースを含まない英数字>((1~64けた))
注意事項
  • サービス名のセクション数は,最大16個です。
  • 各セクションには1個以上の環境変数の設定が必要です。
  • サービス名が重複,またはサービス数の上限を超えて指定した場合,エラーになります。
  • [ ]はセクション名を示す記号ですので,必ず指定してください。
(b) 設定する環境変数

HiRDB Dataextractorを使用するために必要な環境変数を,次の表に示します。HiRDB Dataextractorセクションに指定した環境変数名は,ほかのセクションで指定する環境変数の初期値になります。

また,HiRDBの環境変数は,HiRDBのバージョンによってHiRDB Dataextractorの環境変数情報設定ファイルに設定することもできます。

表B-4 HiRDB Dataextractorを使用するために必要な環境変数

環境変数の設定抽出側反映側
HiRDBXDM/XT
設定先ファイルhirdbxtc.inihirdbxt.inihirdbxt.ini
設定可能なHiRDB Dataextractorの環境変数※1[XTHOST]
[XTPORTNO]
[XTLOGNAME]
[XTTMPDIR]
[XTLOGNAME]
[XTOPNWTIME]
[XTTMPDIR]
[XTLOGNAME]
[XTOPNWTIME]
設定可能なHiRDBの環境変数※1[PDUSER]※2
[PDDIR]※2
[PDCONFPATH]※2
[PDUXPLDIR]※2
[その他の環境変数]
PDUSER※2
[PDDIR]※2
[PDCONFPATH]※2
[PDUXPLDIR]※2
[その他の環境変数]
PDUSER※2
[PDDIR]※2
[PDCONFPATH]※2
[PDUXPLDIR]※2
その他の環境変数は無効
(凡例)
HiRDB:抽出したデータをHiRDBへ反映する場合
XDM/XT:XDM/XTを使用して,HiRDBから抽出したデータをXDM/RD へ反映する場合および順編成データセットを作成する場合
注※1
各セクションに指定できます。
注※2
抽出または反映対象とするHiRDBが識別子付きセットアップを使用している場合,この環境変数の設定が必要です。
(c) 環境変数の指定方法
形式

環境変数名=[環境変数設定値]

注意事項
環境変数設定値を省略した場合,環境変数を設定しない場合と同じです。
記述規則
  • 1行で一つの環境変数の設定を記述します。
  • 注釈は行の先頭の"#"以降その行の終わりまでです(環境変数の設定行に注釈は記述できません)。
(d) HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイル

HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイルで,適用OSがUNIXの場合とは異なるファイルについて,次の表に示します。

表B-5 HiRDB Dataextractorを使用するために設定するファイルで,適用OSがUNIXの場合とは異なるファイル

ファイル名内容種別
抽出側反映側
HiRDBXDM/XT
インストールディレクトリ¥conf¥hirdbxtc.iniHiRDB間でのデータの抽出・反映時で抽出時に使用する環境変数を指定します。
インストールディレクトリ¥conf¥hirdbxt.iniHiRDBへの反映時,ならびにXDM/XTへの抽出および反映時に使用する環境変数を指定します。
hostsファイル※1反映先のホスト名を指定します。
servicesファイル※2HiRDB Dataextractor用のサービス名称とポート番号を指定します。
(凡例)
○:必要です。
-:不要です。
インストールディレクトリ:HiRDB Dataextractorをインストールしたディレクトリ
HiRDB:抽出したデータをHiRDBへ反映する場合
XDM/XT:XDM/XTを使用して,HiRDBから抽出したデータをXDM/RD へ反映する場合および順編成データセットを作成する場合
注※1
Windowsシステムディレクトリ¥system32¥drivers¥etc¥hosts
注※2
Windowsシステムディレクトリ¥system32¥drivers¥etc¥services