はじめに

このマニュアルは,HiRDB Dataextractorを利用した,HiRDB間および異なるデータベースシステム間でのデータベース抽出・反映サービス機能の概要,HiRDB Dataextractorを使用する場合の環境設定などについて説明したものです。

対象読者

このマニュアルは,HiRDB Dataextractorを利用してデータ連携をするシステム管理者およびシステム設計者を対象としています。なお,このマニュアルを読み進めていく上では,次の知識があることを前提としています。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 HiRDB Dataextractorの概要
HiRDB Dataextractorの目的,機能,およびデータ連携の概要について説明しています。
第2章 HiRDB Dataextractorの環境設定
HiRDB Dataextractorのソフトウェア構成,環境の設定方法,および実行前の準備について説明しています。
第3章 データの抽出,反映,ファイルの作成
データの抽出,データの反映,およびファイルの作成について説明しています。
第4章 HiRDBからのデータ抽出,HiRDBへのデータ反映
HiRDBのデータベースからの,データの抽出,HiRDBの表への反映,およびファイル作成時の指定方法について説明しています。
第5章 ORACLEからのデータ抽出,HiRDBへのデータ反映
ORACLEのデータベースからの,データの抽出,HiRDBの表への反映,およびファイル作成時の指定方法について説明しています。
第6章 SQL Serverからのデータ抽出,HiRDBへのデータ反映
SQL Serverのデータベースからの,データの抽出,HiRDBの表への反映,およびファイル作成時の指定方法について説明しています。
第7章 運用
HiRDB Dataextractorの開始方法と終了方法について説明しています。
第8章 障害時の運用
障害発生時の対処方法について説明しています。
第9章 メッセージ
HiRDB Dataextractorのメッセージについて説明しています。
付録A メモリ所要量とファイル所要量
HiRDB Dataextractorが使用するメモリ所要量,およびファイル所要量について説明しています。
付録B Windowsの機能差異
適用OSがWindowsの場合の機能差異について説明しています。
付録C Solarisの機能差異
適用OSがSolarisの場合の機能差異について説明しています。
付録D Linuxの機能差異
適用OSがLinuxの場合の機能差異について説明しています。
付録E AIXの機能差異
適用OSがAIXの場合の機能差異について説明しています。

関連マニュアル

このマニュアルの関連マニュアルを次に示します。必要に応じてお読みください。

HiRDB(Windows用マニュアル)
HiRDB(UNIX用マニュアル)
HiRDB(Windows,UNIX共通マニュアル)

なお,本文中で使用しているHiRDB Version 8のマニュアル名は,(UNIX(R)用)または(Windows(R)用)を省略して表記しています。使用しているプラットフォームに応じてUNIX用またはWindows用のマニュアルを参照してください。

VOS3

利用者ごとの関連マニュアル

HiRDBのマニュアルをご利用になる場合,利用者ごとに次のようにお読みください。

また,より理解を深めるために,左側のマニュアルから順にお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読むことができます。利用目的別に,次の手順でお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

このマニュアルでの表記

このマニュアルでは製品名称および名称について次のように表記しています。ただし,それぞれのプログラムについての表記が必要な場合はそのまま表記しています。

製品名表 記
HiRDB/Single Server Version 8HiRDB/シングルサーバHiRDBまたはHiRDBサーバ
HiRDB/Single Server Version 8(64)
HiRDB/Parallel Server Version 8HiRDB/パラレルサーバ
HiRDB/Parallel Server Version 8(64)
HiRDB/Developer's Kit Version 8HiRDB/Developer's KitHiRDBクライアント
HiRDB/Developer's Kit Version 8(64)
HiRDB/Run Time Version 8HiRDB/Run Time
HiRDB/Run Time Version 8(64)
HiRDB Datareplicator Version 8,
HiRDB Datareplicator Version 8(64)
HiRDB Datareplicator
HiRDB Dataextractor Version 8,
HiRDB Dataextractor Version 8(64)
HiRDB Dataextractor
HiRDB Text Search Plug-in Version 8HiRDB Text Search Plug-in
HiRDB XML Extension Version 8HiRDB XML Extension
XDM/RD E2XDM/RD
XDM/RD
Oracle 8ORACLE
Oracle 8i
Oracle 9i
Oracle 10g
Oracle Database 11g
AIX 5LAIX
AIX V6.1
HP-UX 11i V2(PA-RISC)HP-UX
HP-UX 11i V2(IPF)HP-UXまたはHP-UX (IPF)
HP-UX 11i V3(IPF)
Red Hat LinuxLinux
Red Hat Enterprise Linux
Red Hat Enterprise Linux AS 3(IPF)Linux (IPF)Linux
Red Hat Enterprise Linux AS 4(IPF)
Red Hat Enterprise Linux AS 3(AMD64 & Intel EM64T)Linux (EM64T)
Red Hat Enterprise Linux AS 4(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux ES 3(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux ES 4(AMD64 & Intel EM64T)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 Advanced Platform (x86)Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 Advanced Platform (x86)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 (x86)Red Hat Enterprise Linux 5 (x86)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 (x86)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 Advanced Platform (AMD/Intel 64)Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 Advanced Platform (AMD/Intel 64)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 (AMD/Intel 64)Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 (AMD/Intel 64)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 Advanced Platform (Intel Itanium)Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (Intel Itanium)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 Advanced Platform (Intel Itanium)
Red Hat Enterprise Linux 5.1 (Intel Itanium)Red Hat Enterprise Linux 5 (Intel Itanium)
Red Hat Enterprise Linux 5.3 (Intel Itanium)
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Professional Operating SystemWindows 2000
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server Operating System
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Advanced Server Operating System
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Datacenter Server Operating System
Microsoft(R) Windows(R) XP Professional Operating SystemWindows XP ProfessionalWindows XP
Microsoft(R) Windows(R) XP Professional x64 EditionWindows XP x64 Edition
Microsoft(R) Windows Vista(R) BusinessWindows Vista BusinessWindows Vista
Microsoft(R) Windows Vista(R) EnterpriseWindows Vista Enterprise
Microsoft(R) Windows Vista(R) UltimateWindows Vista Ultimate
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard EditionWindows Server 2003
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard x64 EditionWindows Server 2003 x64 EditionsWindows Server 2003
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise x64 Edition
64ビットバージョンMicrosoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition(IPF)Windows Server 2003(IPF)
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard EditionWindows Server 2003 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard x64 EditionWindows Server 2003 R2
またはWindows Server 2003 R2 x64 Editions
Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise x64 Edition
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 StandardWindows Server 2008 StandardWindows Server 2008
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 EnterpriseWindows Server 2008 Enterprise
Microsoft(R) SQL ServerSQL Server

 LONG,LONG RAW,BLOB,CLOB,NCLOB,およびBFILE

このマニュアルで使用する略語

このマニュアルで使用する英略語の一覧を次に示します。

英略語英字の表記
ADMAdaptable Data Manager
ADTAbstract Data Type
BESBack End Server
BLOBBinary Large Object
CLOBCharacter Large Object
CSMA/CDCarrier Sense Multiple Access with Collision Detection
CSVComma Separated Values
DBDatabase
DTDDocument Type Definition
EOFEnd Of File
EUCExtended UNIX Code
FESFront End Server
FQDNFully Qualified Domain Name
FTPFile Transfer Protocol
IDIdentification number
IEEEInstitute of Electrical and Electronics Engineers
IPInternet Protocol
IPFItanium(R) Processor Family
JISJapanese Industrial Standard
LANLocal Area Network
LOBLarge Object
MGRSystem Manager
ODBCOpen Database Connectivity
OSOperating System
OSIOpen Systems Interconnection
PCPersonal Computer
PRProtected Retrieve
RDRelational Database
SDSSingle Database Server
SGMLStandard Generalized Markup Language
SJISShift JIS
SQLStructured Query Language
SRShared Retrieve
TCP/IPTransmission Control Protocol / Internet Protocol
TLITransport Layer Interface
UAPUser Application Program
VOS3Virtual-storage Operating System 3
WSWorkstation
XDMExtensible Data Manager
XDM/DSExtensible Data Manager / Data Spreader
XDM/RDExtensible Data Manager / Relational Database
XDM/SDExtensible Data Manager / Structured Database
XDM/XTExtensible Data Manager / Data Extract
XNFExtended HNA based communication Networking Facility

ログの表記

●Windows版の場合
Windowsのイベントビューアで表示されるアプリケーションログをイベントログと表記します。イベントログは,次の方法で参照できます。
〈手順〉
1.[スタート]-[プログラム]-[管理ツール(共通)]-[イベントビューア]を選択します。
2.[ログ]-[アプリケーション]を選択します。
3.アプリケーションログが表示されます。「ソース」の列が「HiRDB Dataextractor」になっているのがHiRDB Dataextractorが出力したメッセージです。
●UNIX版の場合
OSのログをsyslogfileと表記します。syslogfileは,/etc/syslog.confでログ出力先に指定しているファイルです。一般的には,次のファイルがsyslogfileとなります。
OSファイル
HP-UX/var/adm/syslog/syslog.log
Solaris/var/adm/messagesまたは/var/log/syslog
AIX/var/adm/ras/syslog
Linux/var/log/messages

Windowsの操作説明で使う表記

Windowsの操作説明で使う記号を次に示します。

記 号意 味
[ ]ボタンやテキストボックスなど,画面に表示されている要素を示します。
[ ]-[ ]画面に表示されるメニューやアイコンなどを選択する操作を示します。

Windowsの用語「ディレクトリ」と「フォルダ」は,「ディレクトリ」に統一して表記しています。また,パス名の区切りは,「/」で表記している個所があります。

図中で使用する記号

このマニュアルの図中で使用する記号を次のように定義します。

[図データ]

このマニュアルで使用する記号

形式および説明で使用する記号を次に示します。ここで説明する文法記述記号は,説明のための記号なので実際には記述しないでください。

文法記述記号意味
{  }この記号で囲まれている複数の項目の中から一つを選択することを示します。
(例)
NAME ={A|B|C
これは,設定値として,A,B,およびCから選択できることを示します。
〔  〕この記号で囲まれた項目は省略できることを示します。
(例)
xtrep〔-d〕
これは,xtrepコマンドで,-dオプションを省略できることを示します。
|(ストローク)記号{  }で囲まれた複数の項目を一つずつの項目に区切ることを示します。
(例)
PDPRMTRC={YES|NO
これは,PDPRMTRCオペランドの設定値としてYESとNOの項目に区切ることを示します。
 (下線)指定値を省略したときにシステムが設定する標準値を示します。
(例)
PDPRMTRC={YES|NO
これは,PDPRMTRCオペランドを省略したときにPDPRMTRC=NOと仮定されることを示します。
この記号のあとにユーザ指定値の属性を示します。
《  》ユーザが指定しなかった場合に仮定される値を示します。
<  >ユーザ指定値の構文要素を示します。
((  ))ユーザ指定値の指定範囲を示します。

このマニュアルで使用する構文要素記号

このマニュアルで使用する構文要素記号を次に示します。
構文要素記号意味
<英字>アルファベット(A~Z,a~z),_(下線),-(ハイフン)
<英字記号>アルファベット(A~Z,a~z),#,@,¥
<英数字><英字>,数字(0~9)
<英数字記号><英字記号>,数字(0~9)
<16進数字>数字(0~9),A~F,a~f
<符号なし整数>数字(0~9)
<識別子>先頭がアルファベット(A~Z,a~z)の英数字列
<記号名称>先頭が<英字記号>の<英数字記号>
<文字列>任意の文字の配列
<パス名>/または¥と記号名称の並び
<ファイル名>アルファベット(A~Z,a~z),数字(0~9),.(ピリオド),_(下線),-(ハイフン),および@で構成される文字列(最大30文字)
すべて半角文字を使用してください。また,英字の大文字と小文字は区別されます。さらに,パス名は使用しているOSに依存します。

このマニュアルで使用する計算式の記号

このマニュアルで使用する計算式の記号の意味を次に示します。

記号意味
↑ ↑計算結果の値を小数点以下で切り上げることを意味します。
(例)↑34÷3↑の計算結果は,12となります。
↓ ↓計算結果の値を小数点以下で切り捨てることを意味します。
(例)↓34÷3↓の計算結果は,11となります。
(nnnn)1616進数字を意味します。
(例)(12AB)16は,16進数字の12ABを意味します。

HiRDBのデータベース言語の出典

このマニュアルで記述するリレーショナルデータベースの言語仕様は,次に示す規格を基に日立製作所独自の解釈と仕様を追加したものです。原開発者に謝意を表するとともに,仕様の出典を示します。

HiRDBのリレーショナルデータベース

(1) JIS:X3005-1997 データベース言語SQL

(2) IS:ISO9075-1992 Information processing systems-Database Language SQL

(3) ANS:X3.135-1986 information systems-database language-SQL

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

個所(かしょ)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。

Version 7とVersion 8の製品体系の違い

HiRDB Version 8では,HiRDB Version 7までオプション製品(HiRDB Object OptionおよびHiRDB High Availability)で提供していた機能をHiRDBの標準機能としました。それに伴い,オプション製品が廃止になりました。

また,Version 8以降,HiRDB External Data AccessおよびHiRDB External Data Access AdapterはHiRDBシリーズではなく,Cosminexus Version 7シリーズとなりました。

HiRDB Version 7とVersion 8の製品体系の違いを次に示します。

[図データ]