データベース抽出・反映サービス機能 HiRDB Dataextractor Version 8

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2.2.2 HiRDB Dataextractorのインストール

HiRDB Dataextractorをインストールする方法について説明します。

<この項の構成>
(1) インストール前の準備
(2) HiRDB Dataextractorをインストールするホスト
(3) インストールの実行
(4) HiRDB Dataextractorのアンインストール
(5) HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル
(6) ファイル名の決定方法

(1) インストール前の準備

HiRDB Dataextractorをインストールする前に,次に示す作業が必要になります。

(a) 稼働環境の確認

次に示す内容を確認してください。

(b) ユーザ権限の確認

インストールを実行する利用者がスーパユーザであることを確認してください。

(2) HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

HiRDB Dataextractorをインストールするホストを,次の表に示します。

表2-2 HiRDB Dataextractorをインストールするホスト

種別 抽出側 反映側 ファイル作成側
インストールするホスト※1 HiRDB/シングルサーバの場合
  • シングルサーバのあるホスト
HiRDB/シングルサーバの場合
  • シングルサーバのあるホスト
ファイルを作成するホスト
HiRDB/パラレルサーバの場合
次のどれかのサーバのあるホスト
  • システムマネジャ
  • フロントエンドサーバ
  • バックエンドサーバ
  • ディクショナリサーバ
HiRDB/パラレルサーバの場合
次のサーバのあるホスト※2
  • システムマネジャのあるホスト
  • データの転送先のサーバのあるホスト※3
ORACLEの場合
  • ORACLEのあるホスト
SQL Serverの場合
  • SQL Serverのあるホスト

注※1
OSIプロトコルの場合には,インストールするホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。

注※2
データの転送先のサーバのあるホストとXDM/XT間とは,OSIプロトコルで接続されている必要があります。システムマネジャのあるホストとXDM/XT間のOSIプロトコルでの接続は任意です。

注※3
データをフロントエンドサーバに転送する場合は,フロントエンドサーバのどれかのあるホスト(データを転送するホスト)になります。
RDエリア単位の格納の場合で,バックエンドサーバにデータを直接転送するときは,転送先のバックエンドサーバのあるホストになります。

(3) インストールの実行

2.1 ソフトウェア構成」を参照して,HiRDB Dataextractorを使うために必要な製品をインストールしてください。HiRDB Dataextractorのインストールは,日立PPインストーラで行います。

HiRDBとHiRDB Dataextractorのどちらを先にインストールしてもかまいませんが,HiRDB Dataextractorの環境変数を設定するときは,同じサーバマシンにHiRDBがインストールされていることが前提です。

(4) HiRDB Dataextractorのアンインストール

HiRDB Dataextractorのアンインストールは,日立PPインストーラで実施してください。

(5) HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイルを,次の表に示します。

HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイルは,インストールしたホストに作成されます。なお,インストールするホストにHiRDB Dataextractorが作成するファイルと同一のファイルがある場合は,リネームなどでそのファイルを退避させてください。

表2-3 HiRDB Dataextractorが作成するディレクトリおよびファイル

ディレクトリおよび
ファイル名
作成時期 内容 種別
抽出 反映 作成
/opt/HIRDBXT/ インストール時 HiRDB HiRDB Dataextractorの各種ディレクトリおよびファイルを格納するディレクトリ
/opt/HIRDBXT/bin HiRDB Dataextractorの実行ファイルを格納するディレクトリ(このディレクトリ下にHiRDB Dataextractorのロードモジュールおよびコマンドを格納する)
/opt/HIRDBXT/bin/xtrep HiRDB Dataextractorのxtrepコマンドのファイル
/opt/HIRDBXT/bin/xtstart HiRDB Dataextractorのxtstartコマンドのファイル
/opt/HIRDBXT/bin/xtmsgtext HiRDB Dataextractorのメッセージ出力用テキストファイル
/opt/HIRDBXT/obj オブジェクト格納ディレクトリ
/opt/HIRDBXT/obj/pxto8160.o ORACLE抽出用オブジェクト
/opt/HIRDBXT/lib ライブラリ格納ディレクトリ
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/euc2jis.map 文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからSJISへの変換)
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/eucg2jis.map
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/euc2ucs2.map 文字コード変換用マッピングテーブル(EUCからUCS-2への変換)
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/eucg2u.map
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/jis2euc.map 文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからEUCへの変換)
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/jis2ucs2.map 文字コード変換用マッピングテーブル(SJISからUCS-2への変換)
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/ucs22euc.map 文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からEUCへの変換)
/opt/HIRDBXT/lib/maptable/ucs22jis.map 文字コード変換用マッピングテーブル(UCS-2からSJISへの変換)
/opt/HIRDBXT/lib/usermap xtccnvedtコマンドによるマッピングテーブル更新時 ユーザの文字コード変換用マッピングテーブルを格納するディレクトリ
/opt/HIRDBXT/lib/pxtora01.sl
  • Windows版,AIX版の場合:
    インストール時
  • HP-UX版,Linux版,Solaris版の場合:
    ユーザ環境でのmake時
ORACLE抽出用ライブラリ
/opt/HIRDBXT/spool/※1 インストール時 HiRDB Dataextractorが稼働中に出力するファイルを格納するディレクトリ
/opt/HIRDBXT/spool/xter HiRDB Dataextractor
稼働時
TCP/IP使用時のHiRDB Dataextractorのエラーログファイル TCP
※2
TCP
※3
TCP
※3
/opt/HIRDBXT/spool/xtlog... OSI使用時のHiRDB Dataextractorのエラーエラーログファイル OSI
※3
OSI
※3
OSI
※3
/opt/HIRDBXT/spool/pder... HiRDBデータベース作成ユティリティのエラーファイル
※3
/opt/HIRDBXT/spool/.xtpc... HiRDBデータベース作成ユティリティの一時エラーファイル
3
/opt/HIRDBXT/spool/pdin...または/opt/HIRDBXT/spool/.pdin... HiRDBデータベース作成ユティリティの入力データファイル
※3
/opt/HIRDBXT/spool/pdcf... HiRDBデータベース作成ユティリティの制御情報ファイル
※3
/opt/HIRDBXT/spool/pdnf... HiRDBデータベース作成ユティリティのナル値情報ファイル
※3
$XTTMPDIR/... 出力ファイル
設定されるファイル名の詳細については,「(6)(a)出力ファイル」を参照してください。

※4
/opt/HIRDBXT/spool/...
/opt/HIRDBXT/spool/.pden... HiRDBデータベース作成ユティリティへのEOF通知ファイル
3
$XTTMPDIR/... LOB入力ファイル格納用ディレクトリ
設定されるファイル名の詳細については,「(6)(b)LOB入力ファイル格納用ディレクトリ」を参照してください。

※5

※5
/opt/HIRDBXT/spool/...
$XTTMPDIR/.../xtlbf... LOB入力ファイル
設定されるファイル名の詳細については,「(6)(c)LOB入力ファイル」を参照してください。

※5

※5
/opt/HIRDBXT/spool/.../xtlbf...
/opt/HIRDBXT/dump6 HiRDB Dataextractorが使用するモジュールトレースファイルを格納するディレクトリ
/opt/HIRDBXT/dump/xtmt... 障害時に出力されるモジュールトレースファイル
/opt/HIRDBXT/dump/プロセスID 各ロード単位にcoreファイルを格納するディレクトリ
/opt/HIRDBXT/dump/プロセスID/core 障害時に出力されるcoreファイル

(凡例)
○:作成します。
−:作成しません。
△:出力ファイルを作成しないで反映する場合に,一時的に作成されます。処理終了後に削除されます。
□:xtrepコマンドで−oオプションを指定している場合は,処理終了後も削除されません。−oオプションを指定していない場合は,処理終了後に削除されます。ただし,反映処理でエラーとなった場合は,削除されません。
TCP:TCP/IPプロトコル使用時に作成します。
OSI :OSIプロトコル使用時に作成します。
抽出:抽出側
反映:反映側
作成:ファイル作成側

注※1
/opt/HIRDBXT/spool/下には,HiRDB Dataextractorが稼働中に動的に作成するファイルがあります。/opt/HIRDBXT/spool/は削除しないでください。
また,/opt/HIRDBXT/spool/下のファイルは,HiRDB Dataextractorの稼働中には参照および削除しないでください。これらのファイルは,HiRDB Dataextractorの停止中に,定期的に削除してください。

注※2
このファイルは,パラメタ解析中にエラーが発生した場合には作成されません。この場合には,エラーメッセージは標準出力にだけ出力されます。xtrepコマンドの−eオプションでファイル名を指定して,任意のファイルに出力できます。−eオプションの指定を省略した場合は,HiRDB Dataextractorが一意になるようにファイル名を設定します。
環境変数XTTEMPNAMの指定によって,日時またはtempnam関数を使用した名称が設定できます。

注※3
ファイル名は,HiRDB Dataextractorが一意になるように設定します。
環境変数XTTEMPNAMの指定によって,日時またはtempnam関数を使用した名称が設定できます。

注※4
xtrepコマンドで−oオプションまたは−Oオプションを指定している場合に作成されます。

注※5
抽出したデータにLOBデータがある場合に作成されます。xtrepコマンドで−oオプションを指定している場合は,処理終了後も削除されません。−oオプションを指定していない場合は,処理終了後に削除されます。

注※6
/opt/HIRDBXT/dumpの下のファイルは,HiRDB Dataextractorの停止中に,定期的に削除してください。
環境変数XTTRCDIRで,ディレクトリ名を指定できます。

(6) ファイル名の決定方法

HiRDB Dataextractorが作成する次のファイルの,ファイル名の決定方法について説明します。

(a) 出力ファイル

出力ファイルの名称は,次の指定によって決定します。

また,xtrepコマンドの−oオプションまたは−Oオプションの指定,環境変数XTFILESIZEの指定によって,複数のファイルに分割して出力できます。

出力ファイルの名称を,次の表に示します。

なお,出力ファイルのファイルモードは環境変数XTFPERMITで指定できます。

表2-4 出力ファイルの名称

指定内容 出力ファイルの名称
−oまたは−Oオプションの有無 −oまたは−Oオプションの指定値 環境変数
XTFILESIZE
環境変数
XTTMPDIR
ファイル一つ $XTTMPDIR/指定値−通番
× 〜/spool/指定値−通番
× $XTTMPDIR/指定値
× 〜/spool/指定値
ファイル複数 $XTTMPDIR/指定値×ファイル数
× 〜/spool/指定値×ファイル数
ディレクトリ一つ $XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番
× 〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番
× $XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒
× 〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒
ディレクトリ複数 $XTTMPDIR/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番×ディレクトリ数
× 〜/spool/指定値/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番×ディレクトリ数
指定値なし $XTTMPDIR/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番
× 〜/spool/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒−通番
× $XTTMPDIR/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒
× 〜/spool/ファイルプレフィクス※1-年.月.日-時.分.秒
× 指定値なし 〜spool/.pdin-年.月.日-時.分.秒※2

(凡例)
〜:適用OSによって異なります。
  • HP-UX,Solaris,Linux,およびAIXの場合:/opt/HIRDBXT
  • Windowsの場合:インストールディレクトリ
○:指定あり
×:指定なし
―:該当しない
指定値:−oまたは−Oオプションで指定された名称
$XTTMPDIR:環境変数XTTMPDIRでの指定値を示します。

注※1
環境変数XTSQL=0または省略時:抽出表名
環境変数XTSQL=1:xtof-プロセスID

注※2
環境変数XTTEMPNAMに0が指定されている場合は,「-年.月.日-時.分.秒」の部分はtempnam関数で作成された値になります。

 

出力ファイルの作成例1
ファイルだけを作成する場合で,出力ファイルを一意の名称で作成します。
指定値なしで−oオプションを指定することによって,HiRDB Dataextractorが一意な名称を決定します。ファイルの作成先は,環境変数XTTMPDIRで指定したディレクトリ下になります。
環境変数
 
XTFILESIZE:なし
XTTMPDIR:/tmp
 
xtrepコマンド
 
xtrep -R -o TBL_NAME
 
ファイル名
 
/tmp/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
 

出力ファイルの作成例2
HiRDBの表に反映する場合で,同じパーティションにファイルを分割して作成します。
環境変数XTFILESIZEを指定してファイルを分割します。環境変数XTTMPDIRを指定していないため,ファイルの作成先は〜/spool下になります。
環境変数
 
XTFILESIZE:100000
XTTMPDIRなし
 
xtrepコマンド
 
xtrep -o TBL_NAME
 
ファイル名
 
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-1
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-2
                  :
                  :
〜/spool/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00-n
100,000バイト単位でファイル分割しますが,ファイル間でレコードまたがりはしないため,ファイルの最大長は次のようになります。
 
ファイルの最大長=↓100000/L↓×L
 
 L:レコード長
 

出力ファイルの作成例3
ファイルだけを作成する場合で,別のパーティションにDAT形式のファイルを分割して作成します。
−oオプションで複数のパーティションを指定することによって,別のパーティションにファイルを作成します。環境変数XTFILESIZEを指定していないため,パーティションの空き容量をすべて使用して空きがなくなった時点で,別のパーティションにファイルを作成します。
HP-UXの場合
・環境変数
 
XTFILESIZE:なし
XTTMPDIR:/
 
・xtrepコマンド
 
xtrep -R dat -o HD000/, HD001/ TBL_NAME
 
・ファイル名
 
/HD000/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
/HD001/TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
 
/HD000がいっぱいになったら,/HD001に作成します。

 
Windowsの場合
・環境変数
 
XTFILESIZEなし
XTTMPDIR:\
 
・xtrepコマンド
 
xtrep -R dat -o C:\DATA\,D:\DATA\ TBL_NAME
 
・ファイル名
 
C:\DATA\TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
D:\DATA\TBL_NAME-99.06.11-10.00.00
 
C:\DATAがいっぱいになったら,D:\DATAに作成します。
(b) LOB入力ファイル格納用ディレクトリ

抽出したデータ中にBLOB列があった場合,HiRDB DataextractorはLOBデータ単位にLOB入力ファイルを作成します。このLOB入力ファイルを格納するディレクトリがLOB入力ファイル格納用ディレクトリです。

LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称は,次の指定によって決定します。

LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称を,次の表に示します。

なお,環境変数XTLOBKINDの指定によって,LOB入力ファイルを作成しないで,BLOB列のデータをBLOB列以外のデータと同一の出力ファイルに格納することもできます。また,環境変数XTDPERMITの指定によって,LOB入力ファイル格納用ディレクトリに対して,ファイルモードが指定できます。

表2-5 LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称

指定内容 LOB入力ファイル格納用ディレクトリの名称
−bオプション 環境変数XTTMPDIR
$XTTMPDIR/−bオプション指定値
× 〜/spool/−bオプション指定値
× $XTTMPDIR/xtlb-年.月.日-時.分.秒-プロセスID
× 〜/spool/xtlb-年.月.日-時.分.秒-プロセスID

(凡例)
〜:適用OSによって異なります。
  • HP-UX,Solaris,Linux,およびAIXの場合:/opt/HIRDBXT
  • Windowsの場合:インストールディレクトリ
○:指定あり
×:指定なし
$XTTMPDIR:環境変数XTTMPDIRでの指定値を示します。

注※
環境変数XTTEMPNAMに0が指定されている場合は,「-年.月.日-時.分.秒-プロセスID」の部分はtempnam関数で作成された値になります。
(c) LOB入力ファイル

HiRDB Dataextractorは,LOB入力ファイル格納用ディレクトリ下に,LOBデータ単位に一意の名称のLOB入力ファイルを作成します。

LOB入力ファイルの名称設定方法を次に示します。

 
xtlbf−データ件数通番−BLOB列通番
 

(凡例)
データ件数通番 :1からの連番(1〜232
BLOB列通番:1からの連番(1〜232

なお,LOB入力ファイルのファイルモードは環境変数XTFPERMITで指定できます。