5.3.3
オペランドの説明
dsid
=
データ連動識別子
~〈16進数字〉((00~FF))《00》
反映側システムに対して,更新情報の抽出元を識別させるためのデータ連動識別子を指定します。
指定するデータ連動識別子は,対応する反映側システム内で一意にしてください。
qufile001=
"
抽出情報キューファイル名
"
~〈1~64バイトの〔パス名/〕ファイル名〉《$HDEPATH/qufile001》
qufile002=
"
抽出情報キューファイル名
"
~〈1~64バイトの〔パス名/〕ファイル名〉《$HDEPATH/qufile002》
:
qufile016=
"
抽出情報キューファイル名
"
~〈1~64バイトの〔パス名/〕ファイル名〉
qufile
xxx
には,抽出情報キューファイル名を絶対パス名又は相対パス名で指定します。相対パス名で指定した場合は,$HDEPATH/相対パス名が絶対パス名に仮定されます。抽出側Datareplicatorでは,指定した名称に「_サーバ名」を付けた名称のファイルを作成します。UNIX版の場合,ファイルの種別がキャラクタ型スペシャルファイルのときには,指定した名称に「_サーバ名」を付けた名称のファイルを作成する必要があります。
絶対パス名で指定する場合には,「_サーバ名」を含んだファイル名の長さが64バイト以下になるようしてください。相対パス名で指定する場合には,仮定される絶対パス名に「_サーバ名」を含んだファイル名の長さが125バイト以下になるようにしてください。
ファイル名は,抽出側システムで一意にしてください。抽出側HiRDBがパラレルサーバの場合には,各バックエンドサーバで一意にしてください。
抽出情報キューファイルはファイル単位のスワップ方式で情報が格納されるため,2個以上必要で,16個まで指定できます。qufile001~qufile016をすべて省略すると,qufile001には$HDEPATH/qufile001が,qufile002には$HDEPATH/qufile002が仮定されます。
qufile001~qufile016に指定する001~016は,001から昇順に連続して指定してください。昇順に連続して指定していない場合には,正しい順序で指定されている抽出情報キューファイルまでを更新情報の格納の対象にします。ここで指定した順番に,抽出情報キューファイルはスワップされます。
queuesize
=
抽出情報キューファイルサイズ
~〈符号なし整数〉((33~1000000000))《65》(単位:KB)
qufile001~qufile016オペランドで定義した抽出情報キューファイルのサイズを指定します。queuesizeオペランドで指定したファイルサイズは,qufile001~qufile016オペランドで指定したすべてのファイルの,一つ当たりのサイズになります。
抽出情報キューファイルの見積もり式については,「
4.6.8 抽出側Datareplicatorのリソースの設計
」を参照してください。
また,抽出情報キューファイルをラージファイルとして運用する場合,2097152(2GB)以上に指定します。ラージファイルとして運用する場合は,OSやDatareplicatorファイルシステム領域を,ラージファイルに対応するように事前に設定しておく必要があります。詳細については,「
6.11 ラージファイルの運用
」を参照してください。
注意
既存の抽出情報キューファイルのサイズを変更した場合,抽出側Datareplicatorを初期化する必要があるため,レプリケーションが完了していることを事前に確認してから,ファイルサイズを変更してください。
logiosize
=
システムログI/Oバッファサイズ
~〈符号なし整数〉((32~510))《510》(単位:KB)
抽出側HiRDBのシステムログファイルから更新情報を読み込むときに使う,システムログI/Oバッファのサイズを指定します。実際のバッファサイズは,このオペランドを使用した次の式で算出されます。
4×↑logiosize÷4↑
システムログI/Oバッファのサイズについては,「
4.6.3 抽出方法の設計
」を参照してください。
quiosize
=
抽出情報キューI/Oバッファサイズ
~〈符号なし整数〉((32~510))《32》(単位:KB)
抽出情報キューファイルに更新情報を格納するとき,又は抽出情報キューファイルから更新情報を読み込むときに使う,抽出情報キューI/Oバッファのサイズを指定します。更新情報キューI/Oバッファのサイズについては,「
4.6.3 抽出方法の設計
」を参照してください。
extsuppress
= true|
false
抽出対象表がないサーバに対して抽出側Datareplicatorを動作させるかどうかを指定します。extsuppressオペランドは,抽出側HiRDBがパラレルサーバの場合にだけ指定してください。抽出対象表がないサーバの負荷を軽減したい場合には,trueを指定します。サーバごとに抽出対象表があるかどうかを意識したくない場合には,falseを指定します。
extsuppressの指定と抽出側HiRDB及び抽出側Datareplicatorでの処理については,「
6.5.4 抽出環境定義のextsuppressの指定と,抽出側HiRDB及び抽出側Datareplicatorでの処理
」を参照してください。
true
trueを指定したサーバに対しては,抽出側Datareplicatorは動作しません。このため,trueを指定したサーバの表が抽出定義で定義されていても,更新情報は抽出されません。
false
falseを指定したサーバに対しては,抽出側Datareplicatorは動作します。このためfalseを指定したサーバの表が抽出定義で定義されている場合だけ,更新情報が抽出されます。falseを指定したサーバの表が抽出定義で定義されていない場合には,更新情報は抽出されません。
falseを指定時に抽出側Datareplicatorを起動しない状態で,抽出側HiRDBだけでHiRDB Datareplicator連携機能を実行し続けると,抽出対象表がないサーバでも,システムログファイルが満杯になる可能性があります。
ext_wait_interval
=
抽出終端検知後の抽出再開始間隔
~〈符号なし整数〉((100~60000))《5000》(単位:ミリ秒)
抽出対象DBMSからの更新情報の終端を検知してから次回の抽出を再開するまでの間隔を指定します。
このオペランドの値を小さくすれば,システムログファイルの終端を検知した後の待ち時間が短くなるので,抽出処理の即時性を向上させることができます。
ただし,値を小さくするとCPUの利用率が高くなるため,逆に性能が悪くなる可能性があります。このため,更新処理の発生頻度やCPUの性能を考慮した上で値を指定する必要があります。
extract_level
=
current_gen
|original_gen|all_gen
抽出対象のHiRDBがインナレプリカ機能を使っているときの抽出レベルを指定します。
current_gen
抽出対象HiRDBがインナレプリカ機能を使っているときに,カレントRDエリアに対する更新だけを抽出対象にします。
original_gen
抽出対象HiRDBがインナレプリカ機能を使っているときに,オリジナルRDエリアに対する更新だけを抽出対象にします。
all_gen
抽出対象HiRDBがインナレプリカ機能を使っているときに,すべてのレプリカRDエリア(オリジナルRDエリアを含む)に対する更新を抽出対象にします。
int_trc_getv
= true|
false
このノード上(共通定義部 commondefのとき)又はバックエンドサーバ上(個別定義部 besdefのとき)の抽出関連プロセスについての稼働トレースを取得するかどうかを指定します。
true
抽出関連プロセスごとの稼働トレースを取得します。
false
抽出関連プロセスごとの稼働トレースを取得しません。
このオペランドは,抽出システム定義のint_trc_lvlオペランドの第2パラメタにncを指定したときだけ有効になります。
qufullwarn
=抽出情報キューファイル満杯警告値
抽出情報キューファイルが満杯になる前に警告メッセージを出力するときに指定します。空いている抽出情報キューファイルの数がここで指定した値以下になったときに,警告メッセージが出力されます。この指定値が抽出情報キューファイル数以上のときは,抽出情報キューファイルがスワップするごとに,警告メッセージが出力されます。
extract_delay_limit_time
=抽出滞留時間しきい値
~〈符号なし整数〉((0~86400))《0》(単位:秒)
更新情報がシステムログファイルに格納された時刻と,抽出情報キューファイルに抽出情報が書き込まれる時刻との差(抽出滞留時間)のしきい値を指定します。抽出滞留時間が,ここで指定したしきい値よりも大きくなった場合,警告メッセージが出力されます。
抽出環境定義のext_wait_intervalオペランドの指定値も,滞留時間に考慮する必要があります。なお,0を指定した場合,抽出プロセスでの滞留監視機能は無効になります。
注意
このオペランドは,レプリケーション対象となる更新量や,送信間隔,反映間隔などを考慮した上で,値を調整してください。初めは,10分(600秒)を目安に設定することをお勧めします。
device01=
Datareplicatorファイルシステム領域名
〔〔,
割り当てファイル種別
〕…〕
~〈1~125バイトの絶対パス名〉
device02=Datareplicatorファイルシステム領域名〔〔,割り当てファイル種別〕…〕
~〈1~125バイトの絶対パス名〉
:
device18=Datareplicatorファイルシステム領域名〔〔,割り当てファイル種別〕…〕
~〈1~125バイトの絶対パス名〉
device
xx
オペランドには,Datareplicatorファイルシステム領域とその領域に指定した割り当てファイル種別を指定します。2けたの数字部分(
xx
)は,必ず通し番号にしてください。割り当てファイル種別とファイルの対応を次に示します。
割り当てファイル種別
各オペランドに指定するファイル名
qufile
xxx
(
xxx
は001~016までの整数)
set qufile
xxx
で指定した抽出情報キューファイル用リンクファイル名。作成するリンクファイルには,サーバ名が付与されます。
hde_file
該当するバックエンドサーバのデータ連動用連絡ファイル用リンクファイル名
sts_file
該当するバックエンドサーバのステータスファイル用リンクファイル名
割り当てファイル種別を省略すると,該当するバックエンドサーバのすべてのファイルを割り当て対象にします。
devicexxオペランドでDatareplicatorファイルシステム領域として割り当てたファイルは,自動的にDatareplicatorファイルシステムにリンクするファイルとして作成されます。割り当てファイル種別に対応するファイルの名称は,既にキャラクタ型スペシャルファイルとして割り当てられていないようにしてください。
devicexxオペランドは個別定義部でだけ指定できます。共通定義部で指定すると抽出定義の解析でエラーになって,以降の処理が中断されます。抽出対象HiRDBがシングルサーバ構成の場合は,個別定義部の開始(besdef)で指定するサーバ名にシングルサーバ名を指定してください。
devicexxオペランドの定義例を次に示します。
注意
device
xx
オペランドを指定してDatareplicatorを運用した後で,device
xx
オペランドを定義から省略するときは,次に示す手順で作業を実施してください。
Datareplicatorを停止します。
device
xx
オペランドを抽出環境定義から削除します。
削除したdevice
xx
オペランドに指定していたDatareplicatorファイルシステム領域を,hdsfmkfsコマンドで初期化します。
Datareplicatorを初期開始します。
上記の手順を踏まないでdevice
xx
オペランドを定義から削除してDatareplicatorを初期開始すると,実行時にファイル不正でエラーになることがあります。