反映処理の運用方法について説明します。
反映側Datareplicatorの起動時と同時に,反映処理を開始します。同時開始にすると,更新情報を受信した順に逐次,反映されます。反映側Datareplicatorを同時開始する場合の運用例を図6-17に,同時開始の場合の運用手順と反映側Datareplicatorの動作を表6-9に示します。
図6-17 反映側Datareplicatorの同時開始の運用例
注 図中の1,2は,表6-9の順序に対応しています。
表6-9 運用手順と反映側Datareplicatorの動作(同時開始)
順序 | 運用手順 | 反映側Datareplicatorの動作 |
---|---|---|
1 | hdsstartコマンドを実行(初期起動時は -iオプションを付けます)。 | 反映側Datareplicatorが起動して,抽出側システムから送信される更新情報の受信と反映を開始します。 |
2 | hdsstopコマンドを実行 | 抽出側システムのオンライン業務(1回分の稼働)での更新情報をすべて反映した後,反映側Datareplicatorは終了します。 |
set startmode=trn |
反映側Datareplicatorの起動時からユーザが指定した時間後に反映処理を開始します。反映側Datareplicatorを遅延開始(時間指定開始方式)する場合の運用例を図6-18に,遅延開始(時間指定開始方式)の場合の運用手順と反映側Datareplicatorの動作を表6-10に示します。
図6-18 反映側Datareplicatorの遅延開始(時間指定開始方式)の運用例
注 図中の1~3は,表6-10の順序に対応しています。
表6-10 運用手順と反映側Datareplicatorの動作(遅延開始(時間指定開始方式))
順序 | 運用手順 | 反映側Datareplicatorの動作 |
---|---|---|
1 | hdsstartコマンドを実行 | 反映側Datareplicatorが起動して,抽出側システムから送信される更新情報の受信だけを開始します。 |
2 | - | 反映側Datareplicatorの起動の,1時間30分後に反映処理を自動的に開始します。 |
3 | hdsstopコマンドを実行 | 抽出側システムのオンライン業務(1回分の稼働)での更新情報をすべて反映した後,反映側Datareplicatorは終了します。 |
set startmode=spd |
抽出側システムでコマンドを実行してから,反映処理を開始します。遅延開始(コマンド開始方式)するには次のように操作します。
抽出側システムからのイベントを検知した時点で反映処理を開始します。反映側Datareplicatorを遅延開始(イベント開始方式)する場合の運用例を図6-19に,遅延開始(イベント開始方式)の場合の運用手順と反映側Datareplicatorの動作を表6-11に示します。
図6-19 反映側Datareplicatorの遅延開始(イベント開始方式)反映の運用例
注 図中の1~3は,表6-11の順序に対応しています。
表6-11 運用手順と反映側Datareplicatorの動作(遅延開始(イベント開始方式))
順序 | 運用手順 | 反映側Datareplicatorの動作 |
---|---|---|
1 | hdsstartコマンドを実行 | 反映側Datareplicatorは起動して,抽出側システムから送信される更新情報の受信だけを開始します。 |
2 | - | 反映処理再起動イベントに対応するイベントを検知した後,反映処理を開始します。 |
3 | hdsstopコマンドを実行 | 抽出側システムのバッチ業務(1回分の稼働)での更新情報をすべて反映した後,反映側Datareplicatorは終了します。 |
set startmode=spd |
受信処理を動作させたまま,反映処理だけを停止するには,次のように操作します。
又は反映側システムでhdsrfctl -m immediateコマンドを実行します。
反映定義エラー,SQLエラーなどによって反映処理が停止している場合,又は起動時に受信処理だけを起動している場合には,反映処理方式を指定して反映処理だけを再開始できます。反映処理方式を指定して停止中の反映処理を再開始するには,次のように運用します。
反映環境定義に従ってデータ連動処理をしている途中に,反映処理をいったん停止し,その後,任意のタイミングで反映処理方式(トランザクション単位反映方式又は表単位反映方式)を切り替えて再開始します。
稼働中の反映処理方式を切り替えるには,次のように操作します。
反映処理方式の切り替えの運用例を図6-20に,反映処理方式を切り替える場合の運用手順と反映側Datareplicatorの動作を表6-12に示します。
図6-20 反映処理方式の切り替えの運用例
注 図中の1~4は,表6-12の順序に対応しています。
表6-12 運用手順と反映側Datareplicatorの動作(反映処理方式の切り替え)
順序 | 運用手順 | 反映側Datareplicatorの動作 |
---|---|---|
1 | hdsstartコマンドを実行 | 反映側Datareplicatorは起動して,抽出側システム(オンライン業務)から送信される更新情報の受信と反映を開始します。 |
2 | オンライン業務での更新情報の反映を終了する前に,hdsrfctl -m spdコマンドを実行(反映環境定義では,オンライン業務での更新情報の反映が終了した後に,反映方式を表単位に変更し,反映処理を続行する予定だった) | イベント(イベントコード=2)を検知した後,反映処理だけをいったん終了します。 (hdsrfctlコマンドを実行した場合,反映環境定義のeventtbl=2の指定よりも,コマンドの指定が有効になります) |
3 | バッチ業務の更新情報の受信が終了する前に,hdsrfctl -m trnを実行 | コマンドを実行した時点から,バッチ業務での更新情報の反映処理を再開始します。 |
4 | hdsstopコマンドを実行 | バッチ業務での更新情報の反映処理が終了した後,反映側Datareplicatorは終了します。 |
set eventtbl=2 |
反映側Datareplicatorでは,稼働中に反映処理方式を変更できます。
稼働中の反映処理方式を変更するには,次のように操作します。
反映側Datareplicatorは,一部の反映グループだけを再開始できません。表単位反映方式で反映処理を稼働している場合に,一部の反映グループがSQLエラーなどで停止した場合には,次のように操作します。
抽出側システムではファイル転送プログラムを使って,更新情報を格納したSAMファイルを反映側システムに送信します。送信されたSAMファイルは,抽出側システムのファイル転送プログラムが指定した反映側Datareplicatorのディレクトリに格納されます。
反映側Datareplicatorの操作者は,更新情報をSAMファイルから反映情報キューファイルに格納するために,hdssamqinコマンドを実行します。コマンド実行によって,反映情報キューファイルに更新情報を格納していきます。反映側システムの反映処理が起動状態であれば,更新情報を反映情報キューファイルから読み込んで,反映側DBを更新します。