Microsoft Cluster Server(MSCS)による系切り替え機能を使うときに準備する項目を次に示します。ここで説明している項目は,「6.9.1(1) 系切り替えの種類」で説明した系切り替えすべてで有効です。
MSCSについては,MSCSのマニュアルを参照してください。
MSCSによる系切り替え機能では,次の場合,実行系と待機系共に,同時に抽出対象となるユニットは一つだけです。
現用系及び待機系のサーバマシンのHDEPATH又はHDSPATHに,共用ディスク上のパス名称を指定してください。共用ディスク上のパス名称及びディレクトリ名称に使用できる文字の制限を次に示します。
次に,システム環境変数を指定します。詳細について,次の表に示します。
表6-19 システム環境変数の設定値(MSCSによる系切り替え機能使用時)
区分 | システム環境変数 | 現用系及び待機系での設定値 |
---|---|---|
抽出側Datareplicator | HDEPATH | 抽出システム定義ファイル(hdeenv)の格納先フォルダへのパス |
PDDIR | MGRが存在するユニットのPDDIR | |
PDCONFPATH | MGRが存在するユニットのPDCONFPATH | |
PATH | 抽出側Datareplicatorのコマンドライブラリへのパス※ | |
反映側Datareplicator | HDSPATH | 反映システム定義ファイル(hdsenv)の格納先フォルダへのパス |
PDDIR | 反映側HiRDBのPDDIR | |
PDNAMEPORT | 反映側HiRDBのポート番号 | |
PDHOST | 反映側HiRDBのホスト名 | |
PATH | 反映側Datareplicatorのコマンドライブラリへのパス※ |
なお,抽出側Datareplicatorでhdeprepコマンド又はhdeeventコマンドを実行するには,クライアント環境定義が必要です。クライアント環境定義については,マニュアル「HiRDB Version 9 UAP開発ガイド」を参照してください。
系切り替え機能を使用するときの,Datareplicatorのサービスの設定について次の表に示します。
表6-20 Datareplicatorのサービスの設定
区分 | サービス名称 | スタートアップの種類 | MSCSへの登録 |
---|---|---|---|
抽出側Datareplicator | HiRDB Datareplicator(Source site) | 手動 | 登録する |
HiRDB Datareplicator(Source site NMT) | 自動 | 登録しない | |
反映側Datareplicator | HiRDB Datareplicator(Target Site) | 手動 | 登録する |
系切り替え機能を使うためには,Datareplicatorのファイルを共有ディスク装置に割り当てる必要があります。
Datareplicator運用ディレクトリ(HDEPATH及びHDSPATH環境変数で指定したディレクトリ)を含め,「表6-18 系切り替え機能を使うときのファイルの準備」で示したすべてのファイルを現用系と予備系とで共有する外付けハードディスクに作成し,互いのDatareplicatorから同じパスでファイルを参照できるように設定してください。
MSCSに登録する資源を次の表に示します。登録手順についてはMSCSのマニュアルを参照してください。
表6-21 MSCSに登録する資源
区分 | 定義項目 | リソース | 名称 | 依存関係 |
---|---|---|---|---|
抽出側Datareplicator | 抽出側Datareplicatorで使用する共有ディスク※1 | 共用ディスク | 任意 | なし |
ネットワーク名称※2 | ネットワーク名 | |||
IPアドレス※2 | IPアドレス | |||
抽出側Datareplicatorの起動サービス | 汎用サービス | HiRDB Datareplicator extract | HiRDBの起動サービス | |
反映側Datareplicator | 反映側Datareplicatorで使用する共有ディスク※3 | 共用ディスク | 任意 | なし |
ネットワーク名称※2 | ネットワーク名 | |||
IPアドレス※2 | IPアドレス | |||
反映側Datareplicatorの起動サービス | 汎用サービス | HiRDB Datareplicator reflect |
|
次のネットワーク構成は,IPアドレスを引き継ぐ構成にしてください。