アンロードログファイルによる回復手順の概要を次の図に示します。
図9-8 アンロードログファイルによる回復手順の概要
「図9-8 アンロードログファイルによる回復手順の概要」中の「全BESの全反映先について,抽出トランザクション情報(回復開始位置)を取得」と「データ連動回復機能を使った回復処理」の手順について説明します。
抽出トランザクション情報とは,抽出側HiRDBで発生したトランザクションを一意に識別するための情報です。反映処理が反映をすべて完了した時点で出力する抽出トランザクション情報は,抽出側で実行されたそのトランザクションまで反映が完了したことを示します。
アンロードログファイルによるデータ連動回復では,アンロードログファイル中のどのトランザクションから回復を開始するのかを指定する必要があります。そのとき,反映処理完了時点の抽出トランザクション情報を指定することで,このトランザクションよりも後に完了したトランザクション(反映側に対して未反映のトランザクション)を対象に回復します。
反映側がDatareplicatorのときの,抽出トランザクション情報の取得方法を次に示します。
hdsrefinfm -f 反映ステータスファイル名 -l 9 -p 解析結果出力ファイル名 |
反映状態 | 回復開始位置の取得方法 |
---|---|
「Read Information」がすべて同じ位置の場合 | 「<Reflect Entry Information[STAT]> HeadInformation:GroupNo=001」の「Additional Transaction Info」の情報が回復開始位置となります。 |
「Read Information」が異なる位置である場合 | 「Read Information」が一番遅れている反映グループ※の,「Additional Transaction Info」の情報が回復開始位置となります。 |
反映側がXDM/DSのときの,抽出トランザクション情報の取得方法を次に示します。
反映XDM/DSの状態 | 取得方法 | 出力先 | 抽出トランザクション情報 |
---|---|---|---|
正常停止又は計画停止 | 反映XDM/DSの終了時に出力されるコンソールメッセージJWD396Iの詳細情報を参照して取得 | コンソール | JWD396Iで出力される「EXTTRN INF:kk...k」で示すkk...k部分(16進形式24けた) |
XDM/DS支援ユティリティによる処理状態出力実行結果から取得 | ABCPRINT | 出力結果中の「LAST-EXT-TRN-INF=」以降に示される内容(16進形式24けた) |
「図9-8 アンロードログファイルによる回復手順の概要」に示す回復手順の「データ連動回復機能を使った回復処理」について説明します。
データ連動回復機能をセットアップします。セットアップを実行すると,Datareplicatorの通常の抽出機能がデータ連動回復機能に置き換えられます。このため,次の点に注意してください。
データ連動回復で処理できるのは,更新情報の抽出までです。データ連動回復機能の実行後には,反映側Datareplicatorに再送信して反映までを実行する必要があります。
セットアップでは,次の2段階の処理を実行して,データ連動の回復に必要な更新情報を抽出情報キューファイルに抽出します。
複数のバックエンドサーバから抽出している場合は,バックエンドサーバごとに回復処理を繰り返し実行する必要があります。