反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容と設定例について説明します。
反映側Datareplicatorの環境変数は,反映側Datareplicatorのコマンドを実行するユーザの環境に対して設定します。
反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容を次の表に示します。
表2-9 反映側Datareplicatorの環境変数の設定内容
環境変数 | 設定内容 |
---|---|
PATH | 反映側Datareplicatorのコマンドライブラリの名称を指定します。※1 |
LANG | 反映側Datareplicatorのメッセージや定義で使う文字コードを指定します。 反映システム定義のdblocale及びmsglocaleオペランドに指定した内容を基に,該当する文字コードを指定してください。 |
TZ | 反映側Datareplicatorのメッセージ出力時のタイムゾーンを指定します。 |
PDDIR※2 | 反映側HiRDBの運用ディレクトリを指定します。 |
PDNAMEPORT※2 | 反映側HiRDBのポート番号を指定します。 |
PDHOST※2 | 反映側HiRDBのホスト名を指定します。 |
PDLANG※2 | 反映側HiRDBの文字コードがUTF-8の場合,「UTF-8」を指定します。 反映側HiRDBの文字コードがUTF-8以外の場合は,指定する必要はありません。 |
SHLIB_PATH※2※3 | $PDDIR/libを指定します。Linux(IPF)版,及びHP-UX(IPF)版を使用する場合には,$PDDIR/lib:$PDDIR/client/libを指定してください。 |
HDSPATH | 反映側Datareplicatorの運用ディレクトリを指定します。このディレクトリ下に反映側Datareplicatorの定義ファイル,ステータスファイル,エラー情報ファイル,稼働トレースファイルを作成します。
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HDS_MST_STDCLOSE | 反映側Datareplicatorで,標準入力,標準出力,及び標準エラー出力をクローズするかどうかを指定します。
この環境変数を設定しないまま反映情報編集UOCで標準入力,標準出力,又は標準エラー出力を使用した場合,反映が正常に実行されないおそれがあります。反映情報編集UOCで標準入力,標準出力,又は標準エラー出力を使用する場合は,必ずこの環境変数に「FALSE」を設定してください。 |
HDS_RFI_ELANG※4 | hdsrefinfmコマンドを実行する際の抽出側システムの文字コードを指定します。 指定されていない場合は,反映ステータスファイルを基に自動判別します。ただし,反映側の初期化直後に定義情報を表示する場合は,自動判別できません。自動判別できない場合は,ja_JP.SJISを仮定します。 |
HDS_RFI_PLANG※4 | hdsrefinfmコマンドを実行する際の反映側システムの文字コードを指定します。 指定されていない場合は,ja_JP.SJISを仮定します。 |
HDSCLTWAITTIME | HiRDBのクライアント環境定義PDCWAITTIME(クライアントの最大待ち時間)とPDSWAITTIME(サーバの最大待ち時間)※5の設定値を,反映側Datareplicatorで有効にするかどうかを指定します。 この環境変数の指定は任意のため,指定する必要がない場合は省略することをお勧めします。
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EXTSHM (AIX版だけ) | プロセス空間の共有メモリ領域数の制限をなくすことを示す「ON」を設定します。 共有メモリが不足したときに設定します。不足していないときの設定は任意です。 |
PSALLOC (AIX版だけ) | メモリ確保時に必要なページングスペースをすぐに確保することを示す「early」を設定します。AIXは,通常メモリ確保時にはページングスペースを確保しません。 必ず設定してください。 |
LDR_CNTRL (AIX版だけ) | MAXDATA=メモリサイズ プログラムを実行するのに必要なメモリサイズを設定します。メモリサイズは,0x20000000~0x80000000の範囲で2GBまでです。メモリは256MB単位で設定します。ただし,メモリサイズは共有メモリとmmap領域部分と共通なので,バランスを考慮する必要があります。 共有メモリが不足したときに設定します。不足していないときの設定は任意です。メモリが不足したときは,0x20000000を設定して起動します。それでも不足するときは0x10000000ずつ増やして再起動します。 |
NODISCLAIM (AIX版だけ) | free()に対するコールの処理方法として,nodisclaim()の発行を抑止することを示す「true」を設定します。 必ず設定してください。 |
HDS_SHM_MODE (HP-IPF版だけ) | 反映側Datareplicatorで確保する共用メモリのアドレッシングモードを指定します。 この環境変数は,反映側Datareplicatorのコマンドを実行するユーザの環境に対して設定してください。反映情報編集UOCを使用しない場合,又は64ビット版の反映情報編集UOCだけを使用する場合は「64」を指定してください。※7 32ビット版の反映情報編集UOCを使用する場合は,省略又は「64」以外を指定してください。
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環境変数 | 文字コード | |||
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JIS8/シフトJIS | EUC | Unicode(UTF-8) | EBCDIC/KEIS EBCDIK/KEIS | |
HDS_RFI_ELANG | ja_JP.SJIS | ja_JP.UJIS | ja_JP.UTF8 | EBCDIK |
HDS_RFI_PLANG | ja_JP.SJIS | ja_JP.UJIS | ja_JP.UTF8 | - |
反映側Datareplicatorの環境変数の設定例を次に示します。
下記の例は,HP-UX版Datareplicatorの場合で説明します。
$ PATH=$PATH:/opt/hirdbds/bin $ LANG=ja_JP.SJIS※ $ HDSPATH=/opt/hirdbds/define $ HDSCLTWAITTIME=USER $ export PATH LANG HDSPATH HDSCLTWAITTIME |
% set path=($path /opt/hirdbds/bin) % setenv LANG ja_JP.SJIS※ % setenv HDSPATH /opt/hirdbds/define % setenv HDSCLTWAITTIME USER |
この例では,反映側Datareplicator定義を /opt/hirdb/define/ディレクトリに格納していることを想定しています。また,TZ環境変数とHiRDBの環境変数の指定は省略しています。
TZ環境変数の設定方法については,該当するOSのマニュアルを参照してください。
反映側HiRDBの環境変数($PDDIR,$PDCONFPATH,$PDNAMEPORT,$PDHOST,$SHLIB_PATH)の設定例については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド」を参照してください。