4.8 抽出側HiRDBの設計
抽出側HiRDBのシステム設計について説明します。
HiRDBのデータベースからデータを抽出する場合,抽出側HiRDBは抽出側Datareplicatorが必要とするデータ連動情報を,データベースの更新ログに付けてシステムログファイルに出力します。抽出側Datareplicatorは,抽出側HiRDBが出力したシステムログファイル中のデータベースの更新ログを基に,データ連動を実行します。抽出側HiRDBでのデータ連動情報のシステムログファイルへの出力機能を,HiRDB Datareplicator連携機能といいます。
抽出側HiRDBでHiRDB Datareplicator連携を開始すると,データ連動情報が付けられたシステムログがシステムログファイルに出力されます。抽出側Datareplicatorを起動して抽出処理を開始すると,抽出側Datareplicatorはシステムログファイルからのシステムログの抽出を開始します。
HiRDBのデータベースからデータを抽出するためには,抽出側HiRDBに次の指定が必要です。
- 抽出側Datareplicatorが使うディレクトリ名の指定
- HiRDB Datareplicator連携の開始指定
- <この節の構成>
- (1) 抽出側Datareplicatorが使うディレクトリ名の指定
- (2) HiRDB Datareplicator連携の開始指定
- (3) HiRDB Datareplicator連携を開始した後の注意事項
(1) 抽出側Datareplicatorが使うディレクトリ名の指定
抽出側HiRDBのユニット制御情報定義で,抽出側Datareplicatorが使うディレクトリ名を指定します。抽出側HiRDBは,このディレクトリ下にあるデータ連動用連絡ファイルを,抽出側Datareplicatorとの抽出状態の連絡に使います。この指定がない場合,HiRDB Datareplicator連携機能は使えません。指定方法を次に示します。
pd_rpl_hdepath=抽出側HiRDB Datareplicator運用ディレクトリ名
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ユニット制御情報定義でのpd_rpl_hdepathの指定方法については,「5.6 抽出側HiRDBの定義」を参照してください。
(2) HiRDB Datareplicator連携の開始指定
抽出側HiRDBでデータ連動情報をシステムログに付けて出力するには,次のどちらかを指定して,HiRDB Datareplicator連携を開始する必要があります。
- 抽出側HiRDBのシステム共通定義でのpd_rpl_init_start=Y指定
抽出側HiRDB開始時からHiRDB Datareplicator連携を開始する場合に指定します。この場合,抽出側HiRDB開始時から,データ連動に必要なデータ連動情報がシステムログファイルに出力されます。
システム共通定義でのpd_rpl_init_startの指定方法については,「5.6 抽出側HiRDBの定義」を参照してください。
- pdrplstartコマンドの実行(システム共通定義でpd_rpl_init_start=Yを指定していない場合又はpdrplstopコマンドでHiRDB Datareplicator連携を中止している場合)
システム共通定義でpd_rpl_init_start=Yを指定していない場合は,HiRDBのpdrplstartコマンドを実行してHiRDB Datareplicator連携を開始します。
pdrplstartコマンドを実行した場合,抽出側HiRDBはpdrplstartコマンド実行後に実行するトランザクションの更新情報からデータ連動情報の出力を開始します。pdrplstartコマンド実行前に,データ連動対象DBを更新するトランザクションを実行している場合,抽出側DBと反映側DBとの整合性は保証されません。このため,pdrplstartコマンドを入力する場合は,データ連動対象DBを更新するトランザクションが実行できない状態で入力してください。
HiRDBのpdrplstopコマンドを実行してHiRDB Datareplicator連携を中止している場合に,データ連動を再開始したいときもpdrplstartコマンドを実行します。pdrplstopコマンドを実行してHiRDB Datareplicator連携を中止した場合は,抽出側DBと反映側DBとの間に不整合が発生していますので,pdrplstartコマンドの実行前に反映側DBの再作成が必要です。
pdrplstartコマンド又はpdrplstopコマンドを実行する場合の運用手順と反映側DBの再作成時の運用手順については,「6.5.6 抽出側HiRDBの運用手順」を参照してください。
pdrplstartコマンドとpdrplstopコマンドの形式については,「7. コマンドの文法」を参照してください。
(3) HiRDB Datareplicator連携を開始した後の注意事項
HiRDB Datareplicator連携を開始した後,長時間にわたり抽出側Datareplicatorの抽出処理を停止しておくと,HiRDBのシステムログファイルが満杯となり,HiRDBが停止することがあります。そのため,HiRDBの稼働中は,抽出側Datareplicatorの抽出処理を停止しない運用をお勧めします。