反映処理で使うファイルとプロセスについて説明します。
JP1/Cm2を使った運用管理で使うファイルとプロセスについては,「3.4.5 運用管理で使うファイルとプロセス」を参照してください。
反映処理で使うファイルを次に示します。
抽出側システムから送信される抽出定義と更新情報を格納するためのファイルです。
受信した更新情報は順次,反映情報キューファイルに格納されます。一つの反映情報キューファイルが満杯になると,格納対象が次のファイルに切り替えられます。これをスワップといいます。反映側Datareplicatorでは,このスワップによって大量の更新情報を格納でき,大量の更新情報を一括して反映することもできます。
すべての反映情報キューファイルが満杯になると,先頭のファイルにスワップされます。スワップ先のファイルの更新情報の反映処理が終了(COMMIT)していない場合はスワップできません。この場合,抽出側システムとの間の通信が切断され,次の送信間隔まで更新情報の格納が停止します。次の送信間隔時にスワップ先のファイルの更新情報が,すべて反映処理に読み込まれていれば,更新情報の格納が再開始されます。
送信間隔については,「4.6.4 送信方法の設計」を参照してください。XDM/DSで指定する送信間隔については,マニュアル「VOS3 XDMデータ連動機能 XDM/DS 解説・定義」を参照してください。
反映情報キューファイルへのデータの格納方法を次の図に示します。
図3-21 反映情報キューファイルへのデータの格納方法
障害発生時に回復に必要な受信/反映の状態や,抽出側システムの抽出定義の状態などが格納されるファイルです。
初期開始時の実行結果が格納されるファイルです。
受信処理や反映処理がエラーになったときに,エラーの詳細情報が出力されるファイルです。エラー情報ファイルに出力される情報と同様の情報を,syslogファイルにも出力できます。syslogファイルにも出力するかどうかは,反映システム定義のsyslogoutオペランドで指定します。
Datareplicatorの稼働状況を取得するファイルです。Datareplicatorの動作と性能についての情報を取得しています。反映時の稼働トレースファイルには,反映トレースファイルがあります。
稼働トレースファイルを取得するときは,反映システム定義のint_trc_lvlオペランドとint_trc_fileszオペランドを指定してください。
取得した稼働トレースファイルは,hdstrceditコマンドで編集して参照できます。hdstrceditコマンドの使い方については,「7. コマンドの文法」のhdstrceditコマンドの文法を参照してください。
反映処理で発行したSQL文がエラーになったときに,そのSQL文が出力されるファイルです。未反映情報ファイルを確認し,反映処理終了後にエラーになったSQL文を再実行して,障害を回復できます。
未反映情報ファイルは,抽出側システムごとに2個作成されます。一つの未反映情報ファイルが満杯になると,出力対象をもう一方のファイルに切り替えます。これをスワップといいます。スワップした場合,スワップ先のファイルの状態に関係なく,ファイルの先頭からSQL文が出力されます。
抽出側システムとの接続方法又は反映側HiRDBへのアクセス方法など,反映側Datareplicator全体の稼働環境の情報を定義するファイルです。
反映情報キューファイル名又は反映ステータスファイル名など,反映処理の稼働環境の情報を定義するファイルです。
抽出対象表,列と反映対象表,列との対応や反映グループなど,反映処理の詳細な情報を定義するファイルです。
Datareplicatorのコマンドを実行した日付と時間の履歴を格納するファイルです。
SAMファイルを使ってデータ連動する抽出側DBがPDMII E2の場合に,反映処理の情報を定義するファイルです。SAMファイル中の抽出対象表,列情報の指定と列の再定義情報を指定します。
SAMファイルを使ってデータ連動する場合の,ファイル転送プログラムで転送されたPDMII E2又はRDB1 E2の更新情報抽出SAMファイルです。
PDMII E2で作成する情報抽出SAMファイルは,PDMII E2の稼働統計解析ユティリティ(PDMJANL)で作成します。このユティリティの実行時には,制御文EXTRACTステートメントでEXRANGE = SWAPを指定するか又はEXRANGEを省略してください。この指定以外でユティリティを実行した場合は,SAMファイル中に終了情報が出力されないことがあり,正しくデータ連動できません。
RDB1 E2で作成する情報抽出SAMファイルは,RDB1 E2の更新情報抽出機能で作成します。
SAMファイルに使うデータセットは,可変長ブロック形式にしてください。固定長ブロック形式のデータセットは,データ連動には使えません。
PDMII E2の稼働統計解析ユティリティ(PDMJANL)については,マニュアル「VOS3 データベースマネジメントシステム PDMII,PDMII E2 ユティリティ」又は「VOS1 データベースマネジメントシステム PDMII E2 ユティリティ」を参照してください。
SAMファイルを使って抽出側DBとデータ連動する場合に,更新情報定義ファイルの抽出文に指定していない表の更新データ,又は反映できない更新データ情報を出力するファイルです。
反映時に,反映抑止によるエラーのスキップを行う場合に,作成します。反映抑止によるエラーのスキップについては,「3.3.10(1) 反映抑止によるスキップ」を参照してください。
反映処理のプロセス構成を次の図に示します。
図3-22 反映処理のプロセス構成
反映側Datareplicatorのコマンドを処理し,反映マスタプロセスに指示を出すプロセスです。
反映側Datareplicator全体を管理するプロセスです。
抽出側システムからの接続要求を受け付けるプロセスです。
抽出側システムからの更新情報を受信し,反映情報キューファイルに格納するプロセスです。
反映プロセスを管理するプロセスです。
反映SQLプロセスを管理するプロセスです。
更新情報を基にSQL文を生成し,反映側DBにSQL文を発行するプロセスです。
UOCを使って更新情報を加工して反映する場合に,反映側DBにSQL文を発行するプロセスです。
SAMファイルを使ってデータ連動するときに,メインフレーム側DB(PDMII E2,RDB1 E2)から転送されてきたSAMファイルをhdssamqinコマンドで反映情報キューファイルに格納するときに稼働するプロセスです。
稼働トレース情報を取得するためのプロセスです。
反映トランザクション同期機能を使用する際に,グローバルトランザクションを管理するプロセスです。