hdstrcedit稼働トレースファイルの編集

機能

抽出側Datareplicator/反映側Datareplicatorの稼働中に出力されたトレースファイルを編集して,別ファイル(又は標準出力)に出力します。オプションの指定に従って,稼働トレースファイルの内容すべてを解析して出力します。

指定したオプションのエラーが複数あるときは,チェックできるだけのエラーメッセージがすべて出力されます。また,オプションの解析結果は,hdstrceditコマンドのローカルメモリに保持されます。

形式

     hdstrcedit -f稼働トレースファイル名〔,稼働トレースファイル名〕
         〔 -l{ glbl|perf1|perf2 }〕
         〔 -pプロセスID〔 -pプロセスID 〕…〕|〔 -t 開始日時〔,終了日時〕〕
         〔 -o出力先ファイル名〕〔 -O shortfmt 〕

オプション

規則

注意

出力形式

稼働トレースファイルで取得したレコードが正常のときは,編集されて出力されます。トレースファイルの編集結果の例を次に示します。

[図データ]

(凡例)
99…9:数字の文字列
zz…z:文字列
xx…x:16進文字列
出力項目の説明
-O shortfmtオプションを指定したときは,3.~8.は出力されません。
  1. ヘッダ情報(稼働トレースであることを示す文字列とコマンド実行日付)
  2. レコード通番,トレースレベル(Lvl),プロセスID(Pid),識別名(Cpn),トレース取得日時
    トレースレベル(Lvl)に表示される値(zz)の意味
     ST:スタートアップ情報
     GL:グローバル情報
     LE:ローカルイベント情報
     P1:パフォーマンス(1)情報
     P2:パフォーマンス(2)情報
    プロセスID(Pid)に続いて表示されるプロセスコード(,zzzz)の一覧については,「表7-17 プロセスコードの一覧」を参照してください。
    識別名(Cpn)に表示される値(zzzzzz)と表示内容の関係については,「表7-18 プロセスコードと識別名の関係」を参照してください。
     
    日時は,年(4けた)-月(2けた)-日(2けた) 時(2けた,24時間):分(2けた):秒(2けた).マイクロ秒(6けた)の形式で出力されます(以降も同様)。
  3. 送信できなかった件数,付加文字列情報
    Add-stringsは,稼働トレースの出力内容を簡易的に示す情報です。稼働トレースの目的,状態,出力元情報(内部情報)が24バイト以内の文字列として表示されます。
  4. 開始時刻・終了時刻
    この情報は,性能についての情報のときだけ出力されます。
  5. 送信先識別子(Sndid),データ連動識別子(Ujid),データシーケンスID(Seqn)
    送信先識別子は,反映側システムのときは「--------」になります。この情報は,性能についての情報のときだけ出力されます。
  6. リターン情報
    この情報は,関数のリターン情報 又はSQL実行についての内容が出力されます。関数のリターン情報の場合にはリターン値が,SQL実行の場合にはSQLCODE及びSQLWARN6,SQLWARN7が出力されます。
  7. 詳細情報があって,バイナリデータ形式のときは,この形式で出力されます。
  8. 詳細情報があって,文字列形式のときは,この形式で出力されます。
    Additional-dataは,稼働トレースの出力内容を詳細に示す情報です。これらは内部情報で,障害が起こったときの資料として参照します。

 

表7-17 プロセスコードの一覧

プロセスコードプロセス名
TRCR トレース情報収集プロセス
MSTR抽出マスタプロセス,又は反映マスタプロセス
NMST抽出ノードマスタプロセス
SNDR送信プロセス
SNDM
SNDC
CAPT抽出プロセス
RCVT受信プロセス(TCP/IP通信)
RCVO受信プロセス(OSI通信)
DEFS反映定義サーバプロセス
RFCT反映プロセス
SQLE反映SQLプロセス
UOCG反映UOCプロセス
注※
起動直後の1回だけ出力されます。

表7-18 プロセスコードと識別名の関係

プロセス
コード
Cpnに表示される値トレース
レベル
意 味同時に出力される付加情報
TRCRQRCVSTGL稼働トレース取得の開始メッセージキューのID
MSTRR_INITGLINITENV(初期化)要求発行トレース取得要求種別,要求対象
R_STRTGLSTART要求発行トレース取得要求種別,要求対象
R_STOPGLSTOP要求発行トレース取得要求種別,要求対象
R_STTEGLSTATE要求発行トレース取得要求種別,要求対象
R_WTCHGLWATCH(監視)要求発行トレース取得要求種別,要求対象
NMSTR_INITGLINITENV(初期化)要求受付トレース取得
R_STRTGLSTART要求受付トレース取得要求種別,要求対象
R_STOPGLSTOP要求受付トレース取得要求種別,要求対象
R_STTEGLSTATE要求受付トレース取得要求種別,要求対象
R_WTCHGLWATCH(監視)要求受付トレース取得要求種別,要求対象
SNDRSNDSTRST送信プロセスの開始「hdesender start」を表示
SNDPPTP1ポートチェック送信性能の取得「Send performance: port check send」を表示
SNDPDFP1抽出定義送信性能の取得「Send performance: extract definition send」を表示
SNDPTWP2トランザクション管理性能の取得「Send performance: transaction watch」を表示
SNDPEXP1更新情報送信性能(送信間隔中の全送信)の取得「Send performance: send interval」を表示
SNDENDST送信プロセスの終了「hdesender stop」を表示
SNCPSDP1更新情報送信性能(1回分のデータ送信だけ)の取得送信分割種別,送信トランザクション数,更新情報数,バイト数を表示
SNCPAUP2ADTコンストラクタ情報生成UOCの性能取得「ADT UOC call」を表示
SNCPLBP2キューファイル格納形式の組み立て性能の取得「EB Log」を表示
SNCPLCP2キューファイル格納形式の組み立て性能の取得「EC Log」を表示
SNCPUCP2送信判定UOCの性能取得UOCからの戻り値を表示
SNCPCVP2送信データ編集の処理性能取得(繰返し列)「hde_edt_extcnv2() call」を表示
SNCPCVP2送信データ編集の処理性能取得「hde_edt_extcnv() call」を表示
SNDLYTP1送信滞留時間の取得滞留時間
SNDMSNMSTRST抽出ノードマスタプロセスの開始「hdesenmst start」を表示
SNMENDST抽出ノードマスタプロセスの終了「hdesenmst end」を表示
SNDCSNPSTRST送信プロセスの開始「hdesndprc start」を表示
SNPPEXP1更新情報送信性能(送信間隔中の全送信)の取得「Send performance: send interval」を表示
SNPENDST送信プロセスの終了「hdesndprc end」を表示
SNPPPTP1ポートチェック送信性能の取得「Send performance: port check send」を表示
SNPPDFP1抽出定義送信性能の取得「Send performance: extract definition send」を表示
SNDLYTP1送信滞留時間の取得滞留時間
CAPTREDINISTプロセス起動直後のREAD開始ポイントの取得READポイント情報(バイナリ形式)
SYNCQU
SYNCRD
LCREAD,WRITEポイント同期処理トレースシステムログREADポイント,キューファイルWRITEポイント
CMDTRCLCコマンド受付トレースコマンド要求内容
CPDLYTP1抽出滞留時間の取得滞留時間
RCVTRCVDP1P1データの受信データ受信状態
TCPSOPERsocketオープンエラー関数リターン値,errno
TCPSOPGLsocketオープン終了関数リターン値
TCPSBNERbindエラー関数リターン値,errno
TCPSBNGLbind終了関数リターン値
TCPSLIGLlisten結果関数リターン値
TCPSCPGLaccept待ち
TCPSCPGLacceptリターン関数リターン値,errno
TCPFRKGLforkエラー関数リターン値,errno
RCVOOSITOPGLt_open結果関数リターン値,errno
OSITBNGLt_bind終了関数リターン値,errno
OSITALGLt_alloc終了関数リターン値,errno
OSITLIGLt_listen待ち
OSITLIGLt_listen結果関数リターン値,errno
OSITOPGLt_open結果関数リターン値,errno
OSITBNGLt_bind結果関数リターン値,errno
OSITACGLt_accept結果関数リターン値,errno
OSIFRKGLfork結果関数リターン値,errno
DEFSDFINITSTプロセス起動データ連動識別子
DFEXITSTプロセス停止
DEFMKPLE子プロセス起動(INIT)イベントコード,プロセスID
DEFMKPLC子プロセス起動(NORMAL)イベントコード,プロセスID
DEFMKPLC子プロセス起動(RERUN)イベントコード,プロセスID
DEFCOMLCコマンド入力検知コマンド名
DEFMKPLC子プロセス起動(イベント)イベントコード,プロセスID
DEFMKPLC子プロセス起動(hdsstop)イベントコード,プロセスID
RFCTRFINITST反映プロセス開始Datareplicator識別子,データ連動識別子
EVSTOPGL前回イベント停止による停止イベントID
IMSTOPGL開始処理中Immediate停止
RFSTRTGL反映処理開始開始モード,キューファイルオフセット
RFSIGSLEシグナルの受信受信シグナル
RFQGETP1キューファイルの終端を検知キューファイルオフセット
RFQGETP1キューファイルデータを入力キューファイルオフセット,更新情報(先頭128バイト)
RFTRNCP1更新情報中のトランザクションエントリ表示トランザクションカウンタ,トランザクション内更新情報数
EVENTCLEイベントの検知イベントID,プロセス状態コード1,2
RFTERMST反映プロセスの停止終了モード,キューファイルオフセット
RFPIPRP2SQL実行結果の受信送信先エントリ,readサイズ又はリターンコード
RFPIPWP2SQL実行指示の反映SQLプロセス又はUOCプロセスへの送信送信先エントリ,writeサイズ,SQL組み立て情報(先頭128バイト)
RFRCVRP1リラン実行時のトランザクション回復実行結果(2相コミットだけ)リターンコード
RFCOMTP1COMMIT結果COMMIT発生要因,リターンコード
RFENDCP1END/DISCONNECT結果種別,リターンコード
RFEXITST反映プロセスの停止種別,リターンコード
RFDLYTP1反映滞留時間の取得滞留時間
SQLESQINITSTプロセスの起動開始モード(dsid,グループ名,分割番号)
SQEXITSTプロセスの停止終了モード(NORMAL,FORCE,ERROR)
SQEREQGL停止要求の受付
XARERNLCリカバリ実行(2相コミット方式)リカバリ種別
TRETRYLCトランザクションリトライ
CNCT_SP2connect実行前
CNCT_EP2connect実行後SQLCODE
PINS_SP2prepare(insert)実行前SQL文(最大127バイト)
PINS_EP2prepare(insert)実行後SQLCODE
PUPD_SP2prepare(update)実行前SQL文(最大127バイト)
PUPD_EP2prepare(update)実行後SQLCODE
PDEL_SP2prepare(delete)実行前SQL文(最大127バイト)
PDEL_EP2prepare(delete)実行後SQLCODE
EINS_SP2execute(insert)実行前表名
EINS_EP2execute(insert)実行後SQLCODE
EUPD_SP2execute(update)実行前表名
EUPD_EP2execute(update)実行後SQLCODE
EDEL_SP2execute(delete)実行前表名
EDEL_EP2execute(delete)実行後SQLCODE
EXEI_SP2execute immediate実行前SQL文(最大127バイト)
EXEI_EP2execute immediate実行後SQLCODE
CMIT_SP2commit実行前
CMIT_EP2commit実行後SQLCODE
RLBK_SP2rollback実行前
RLBK_EP2rollback実行後SQLCODE
XAOP_SP2xa_open()実行前
XAOP_EP2xa_open()実行後xa_open()戻り値
XAPR_SP2xa_prepare()実行前 
XAPR_EP2xa_prepare()実行後xa_prepare()戻り値
XACM_SP2xa_commit()実行前 
XACM_EP2xa_commit()実行後xa_commit()戻り値
XARL_SP2xa_rollback()実行前
XARL_EP2xa_rollback()実行後xa_rollback()戻り値
DISC_SP2disconnect実行前
DISC_EP2disconnect実行後SQLCODE
SQPIPRP2更新情報読み込み要求種別,readサイズ
PWRT_AP2PRE-C結果送信実行結果,writeサイズ
SQPIPWP2COMMIT結果送信実行結果,writeサイズ
CUOC_SP2列UOC実行前列UOC関数種別
CUOC_EP2列UOC実行後列UOC関数種別,列UOC関数実行結果
CUOC_SP2列UOC実行前列UOC関数種別
CUOC_EP2列UOC実行後列UOC関数種別,列UOC関数実行結果
SQPIPWP2更新(同期点まで)実行結果の送信実行結果,writeサイズ
UOCGUCINITSTプロセスの開始開始モード
UCEXITSTプロセスの停止終了モード(NORMAL,FORCE,ERROR)
UBE1_SGLhds_ubegin()呼び出し
UEDT_SGLhds_uedit()呼び出し
UEND_SGLhds_uend()呼び出し
UCPIPRP2SQL実行指示読み込み
UBE1_EP2hds_ubegin()戻り
UEDT_EP2hds_uedit()戻り
UEND_EP2hds_uend()戻り
UCPIPWP2更新(同期点まで)実行結果送信
UCEREQGL停止要求受付

出力例

反映側Datareplicatorで稼働トレースを取得した例を次に示します。ここで示す稼働トレースは,次に示す条件で取得したとします。

(凡例)
No.00000002,00000007,00000014,00000018など
:反映処理で各プロセスが起動されたことを示します。
No.00000003,00000004,00000025,00000026
:受信処理を実行したことを示します。Perf-infoで受信動作に入った時刻とデータの受信が完了した時刻を表示します。
No.00000016,00000019
:反映キューファイルからデータを読み込んだ時刻と,トランザクションを完結(COMMIT)した時刻を示します。識別名(Cpn)で反映キューファイルの読み込みを示す「RFQGET」とコミットを示す「RFCOMT」の間のレコードが,反映処理のトランザクションの範囲です。この時刻の差分が,反映側システムでのトランザクション処理時間です。
No.00000031 以降
:反映側システムの各プロセスの終了処理を示します。個々のプロセスIDがそれぞれの終了処理の時刻を示します。

稼働トレース取得レベルに「p2」を指定して,hdstrceditコマンド実行時に-l perf2を指定すると,上記の情報に加えてSQL単位の発行・完了時刻が出力されます。