HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 8
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9.5.2 システムログファイルによるデータ連動回復の前提条件
(1) サポートするバージョンと製品の組み合わせ
システムログファイルによるデータ連動回復を使えるバージョンと製品の組み合わせを次の表に示します。
表9-7 システムログファイルによるデータ連動回復を使えるバージョンと製品の組み合わせ
| 反映側システム |
抽出側システム |
| Datareplicator |
08-03
以前 |
08-04
以降 |
| Datareplicator |
08-03以前 |
× |
× |
| 08-04以降 |
× |
○ |
| XDM/DS |
× |
× |
- (凡例)
- ○:システムログファイルによるデータ連動回復を使えます。
- ×:システムログファイルによるデータ連動回復を使えません。
システムログファイルによるデータ連動回復を使用するための前提条件を次に示します。
- 抽出側DBMSがHiRDBであること。
- HiRDBのシステムログファイルが上書きされていないこと。
- 抽出システム定義のrecover_info_sendオペランドにtrueを指定していること。
- 回復情報ファイルが残っていること。
(3) システムログファイルによるデータ連動回復を使う前の準備
システムログファイルによるデータ連動回復を使う前には,次の準備をする必要があります。
(a) 回復情報ファイルの作成
抽出システム定義のrecover_info_sendオペランドにtrueを指定すると,反映側Datareplicatorの$HDSPATH下に,回復情報ファイルが作成されます。このファイルには回復情報が格納されます。回復情報は,回復時にシステムログファイルの入力開始位置を決定するために必要な情報です。回復情報ファイルの内容を次に示します。
表9-8 回復情報ファイルの内容
| 項目 |
内容 |
備考 |
| ファイル名 |
rcvrfile_xx_yy |
xx:反映側Detareplicator識別子(hdsid)
yy:データ連動識別子(dsidxxx)
どちらも2けたの16進数値文字列で指定します。英字は小文字で指定してください。 |
| 作成場所 |
反映側Datareplicatorの$HDSPATH下 |
− |
| 作成単位 |
反映側Datareplicatorのデータ連動識別子(dsidxxx)単位に1個 |
− |
| ファイル種別 |
通常ファイル又はキャラクタ型スペシャルファイル |
反映側Detareplicatorが系切り替え環境の場合,キャラクタ型スペシャルファイルを使用してください。 |
| ファイルサイズ |
(1+n)KB |
反映処理の方式によって,次のように値が異なります。
- トランザクション単位反映方式の場合
n:1
- 表単位反映方式の場合
n:反映グループ数
反映グループ単位に回復情報を格納します。
|
| 作成タイミング |
ポートチェック情報受信時 |
− |
| 更新タイミング |
反映同期点取得時(反映ステータスファイル更新時) |
更新情報は蓄積されないで,上書きされます。 |
- (凡例)
- −:特に備考はありません。
- 回復情報の送信
- 回復情報は抽出時のトランザクション単位に反映側Datareplicatorに送信されるため,通常の運用時に,送信データ量,及び反映側Datareplicatorの反映情報キューファイルの使用量が増加します。回復情報を送信する場合に増加するリソースの計算式を次に示します。リソース設計時には,この増加量を考慮してください。
- 送信データの容量
| (↑TRUN_NUM/SND_INT↑)×144(単位:バイト) |
- 反映情報キューファイルの容量
| (↑TRUN_NUM/SND_INT↑)×144(単位:バイト) |
- 抽出情報キューファイルの容量
- TRN_NUM:抽出対象表を更新したトランザクションの数
- SND_INT:recover_info_send_intervalオペランドに指定した値(省略時は1)
- 回復情報送信間隔
- 通常の運用時での送信データ量の増加を抑えるため,回復情報を送信する間隔を抽出システム定義のrecover_info_send_intervalオペランドで指定します。
- このオペランドには,1〜32767の範囲で,1回の送信間隔(送信環境定義のsendintvl指定時間)中に,回復情報が一度は付加されるような値(1送信間隔中に発生する平均トランザクション数)を指定することをお勧めします。
- recover_info_send_intervalオペランドに1以外を指定した場合について説明します。
- 通常の運用時,送信プロセスの起動後,最初に送信するトランザクションの送信データに回復情報を付加し,以降は指定した値のトランザクション数ごとに回復情報を送信します。しかし,回復実行時,回復不要な更新情報も入力及び抽出することになります。
- recover_info_send_intervalに5を指定した場合の,回復情報の送信例を次の図に示します。
図9-4 回復情報の送信例
![[図データ]](FIGURE/RZ09S024.GIF)
- [説明]
- 障害で消失し,回復が必要な更新情報は「更新11」から「更新15」ですが,recover_info_send_intervalオペランドを指定しているので,「更新6」から入力及び抽出していきます。不要な更新情報は,入力及び抽出はされますが,送信はされません。
- 注意
- 回復不要な更新情報が上書きされている場合,回復を実行できません。
- なお,このオペランドの指定値に関係なく,イベント送信時は回復情報を送信します。recover_info_send_intervalに5を指定した場合の,イベント送信時の回復情報の送信例を,次の図に示します。
図9-5 イベント送信時の回復情報の送信例
![[図データ]](FIGURE/RZ09S025.GIF)
(b) システムログファイルの容量の確認
抽出システム定義のrecover_info_send_intervalオペランドに1以外の値を指定した場合,障害発生から回復完了までに生じるシステムログによって,回復に必要な範囲のシステムログが上書きされないように,システムログファイルの容量を十分確保してください。
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