スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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16.5.3 HiRDBConnection

<この項の構成>
(1) コンストラクタ
(2) プロパティ
(3) メソッド

(1) コンストラクタ

(a) HiRDBConnection

void HiRDBConnection ()
説明:HiRDBConnectionの新しいインスタンスを初期化します。

void HiRDBConnection (string)
引数
string ConnectionString:接続設定を格納している文字列(ConnectionStringプロパティ)
説明:接続文字列を指定して,HiRDBConnectionクラスの新しいインスタンスを初期化します。

(2) プロパティ

(a) ConnectionString

型:string

既定値:""

説明:データベースを開くために使用する文字列を取得又は設定します。

例外:HiRDBException

このプロパティには一つのstring型引数を指定する必要があります。指定する文字列は接続文字列と呼ばれるもので,これはADOやADO.NETのConnectionで使用する接続文字列と同種のものです。指定できる文字列を次に示します。

文字列 内容

  • datasource
  • dsn
  • env
使用するレジストリの設定。HiRDBクライアント環境変数登録ツールで作成した環境変数グループ名を指定します。

  • uid
  • userid
DB接続で使用する認可識別子。

  • password
  • Pwd
DB接続で使用するパスワード。

  • PD*
クライアント環境定義の設定。

何も指定しなければ,デフォルトの設定(HiRDB.ini)で接続します。クライアント環境変数グループ名がある場合は,それを使用します。認可識別子,パスワード,及びクライアント環境定義を指定した場合は,それを優先して使用します。なお,大文字小文字の区別はありません。区別させたい場合は,その部分を引用符で囲んでください。また,空白やタブは無視されます(引用符で囲まれた部分は除きます)。

接続文字列と無関係な文字列を指定すると,例外が発生します。ただし,「Provider」については,例外は発生しないで無視されます。これはDataProvider層でOleDb Data Providerとの互換性を保つためです。

(b) ConnectionTimeout

型:int

既定値:
対応するADO.NETのバージョンが1.1の場合は15
対応するADO.NETのバージョンが2.0の場合は0

説明:試行を中断してエラーを生成する前に,接続の確立時に待機する時間を取得します(読み取り専用)。
(c) Database

型:string

既定値:""

説明:現在のデータベース,又は接続が開いてから使用するデータベースの名前を取得します(読み取り専用)。
(d) DataSource

型:string

既定値:""

説明:接続しているデータベースサーバの名前を取得します(読み取り専用)。
(e) ServerVersion

型:string

既定値:""

説明:接続中のサーバのバージョンを取得します(読み取り専用)。
String.Compare()を使用して比較できる正規化された形式で返します。バージョンの形式を次に示します。
XX.YY.ZZZZ
XX:メジャーバージョン
YY:マイナーバージョン
ZZZZ:"0000"固定
(f) LifeTime

型:int

既定値:60

説明:実際に切断するまでの時間を取得又は設定します。

例外:HiRDBException
(g) Pooling

型:bool

既定値:true

説明:プーリングを行うかどうかを取得又は設定します。プーリングを行う場合はtrue,それ以外の場合はfalseとなります。

例外:HiRDBException
(h) State

型:System.Data.ConnectionState

既定値:ConnectionState.Closed

説明:現在の接続状態を取得します(読み取り専用)。

(3) メソッド

(a) BeginTransaction

BeginTransaction ()
Return
HiRDBTransaction:新しいトランザクションを表すオブジェクト
説明:データベースでトランザクションを開始します。
例外:HiRDBException

BeginTransaction (System.Data.IsolationLevel)
引数
System.Data.IsolationLevel:IsolationLevel値の一つ
Return
HiRDBTransaction:新しいトランザクションを表すオブジェクト
説明:指定した IsolationLevel値を使用して,データベースでトランザクションを開始します。
例外:HiRDBException
(b) ChangeDatabase

void ChangeDatabase (string)

引数
string databaseName:変更するデータベースの名前

Return:void

説明:開いているHiRDBConnectionオブジェクトの現在のデータベースを変更します。

例外:HiRDBException
(c) Clone

HiRDBConnection Clone()

Return:無条件にnullを返します。

説明:無条件にnullを返します。
(d) Close

void Close ()

Return:void

説明:データベースへの接続を閉じます。
(e) CreateCommand

Hitachi.HiRDB.HiRDBCommand CreateCommand ()

Return
HiRDBCommand:HiRDBCommandオブジェクト

説明:接続に関連付けられたHiRDBCommandオブジェクトを作成し,返します。
(f) EnlistTransaction

void EnlistTransaction (Transaction)

引数
transaction:登録先となる既存のTransactionオブジェクト

Return:void

説明:指定されたトランザクションに登録します。

例外:HiRDBException
(g) GetSchema

DataTable GetSchema ()
Return:DataTableオブジェクト
説明:スキーマ情報を返します。

DataTable GetSchema (string)
引数
collectionName:返すスキーマの名前
Return:DataTableオブジェクト
説明:スキーマ情報を返します。

DataTable GetSchema (string, string[])
引数
collectionName:返すスキーマの名前
restrictionValues:要求したスキーマの制限値
Return:DataTableオブジェクト
説明:スキーマ情報を返します。
(h) Open

void Open ()

Return:void

説明:HiRDBConnectionオブジェクトのConnectionStringプロパティで指定されている設定で,データベース接続を開きます。

例外:HiRDBException