スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド
UAPに障害が発生した場合,HiRDBシステム全体が停止しないように対処する必要があります。
ここでは,UAP障害時の回復方法について説明します。
UAP障害時の回復方法としては,次に示す三つに分けられます。
UAP障害の種別と回復方法を次の表に示します。
表11-5 UAP障害の種別と回復方法
障害種別 | 検 出 方 法 | システム側の処置 | 回 復 方 法 |
---|---|---|---|
UAP異常終了 | UAP処理時間監視機能 | UAPの切り離し | UAPトランザクションのロールバック |
UAP無限ループ | |||
トランザクション未終了 | |||
UAP処理エラー | サーバ※1内の各種エラー検出機能 | UAPへエラー応答 | UAP指示によるトランザクションのロールバック |
UAPによるエラー検出とロールバック要求 | UAPによるエラー検出 | UAPの指示に従う | |
デッドロック | HiRDBのデッドロック検出機能 | UAPへエラー応答(暗黙的ロールバック) | UAPトランザクションの終了 |
メモリ不足 | メモリ確保時のエラー | UAP起動不可 | 共有メモリ,プロセス固有メモリの見直し※2 |
UAPを実行すると,HiRDBのUAP処理時間監視機能によってタイマ監視されます。これは,UAPに異常が発生してHiRDBの処理が長時間止まった状態になることを防止するためです。
タイマ監視は,クライアント環境定義で環境変数PDSWAITTIMEによって監視する時間を指定します。時間を指定しないと,HiRDBの仮定値によって監視します。
クライアント環境定義の詳細については,「6.6 クライアント環境定義(環境変数の設定)」を参照してください。
HiRDB/パラレルサーバの場合,SQLの実行中にフロントエンドサーバ内,又はバックエンドサーバ内で,データベース処理のプロセス異常などのエラーを検出すると,プロセスの切り離しなどが必要なため,UAP側にエラーステータスを返します。エラーステータスに対してUAPがロールバック要求を発行すると,HiRDBとしての回復処理がされます。
UAP内で障害を検出した場合,ロールバック要求を発行することで回復処理がされます。
なお,UAPが正常に処理された場合,UAPからのDISCONNECT指示によってプロセスが切り離されます。
共用メモリ,及びプロセス固有メモリが不足すると,メモリ,又はディスク容量の不足を表すメッセージが出力されます。メッセージが出力された場合,UAPを起動するために必要なメモリを確保した後,UAPを再実行します。
なお,共用メモリ,プロセス固有メモリの見直しについては,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照するか,又はHiRDB管理者に連絡してください。
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