スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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8.4.1 UAP実行時の注意事項

UAPを実行する場合の注意事項を次に示します。

<この項の構成>
(1) 文字コード種別についての注意事項
(2) SHLIB_PATHについての注意事項
(3) HiRDBに回復不要FESがある場合の注意事項
(4) Windows Server 2003以降での注意事項

(1) 文字コード種別についての注意事項

UAPを実行する場合,HiRDBサーバの文字コード種別(UNIX版の場合はpdsetupコマンド,Windows版の場合はpdntenvコマンドで指定した文字コード種別)に合わせて,環境変数LANG,又はクライアント環境定義PDLANGを設定してください。HiRDBサーバとHiRDBクライアントで文字コード種別が異なると,UAP実行時にエラーとなります。プラットフォームごとのLANG及びPDLANGの設定値を次の表に示します。

表8-24 プラットフォームごとのLANG及びPDLANGの設定値

文字コード種別※1 HP-UX Solaris AIX Linux
lang-c LANG C C C C
PDLANG
sjis LANG ja_JP.SJIS ja_JP.PCK Ja_JP 任意※2
PDLANG SJIS
ujis LANG ja_JP.eucJP ja ja_JP ja_JP.eucJP※3
PDLANG
chinese LANG chinese-s 任意※2 任意※2 任意※2
PDLANG CHINESE CHINESE CHINESE CHINESE
utf-8 LANG 任意※2 任意※2 任意※2 任意※2
PDLANG UTF-8 UTF-8 UTF-8 UTF-8
chinese-gb18030 LANG 任意※2 任意※2 任意※2 任意※2
PDLANG CHINESE-GB18030 CHINESE-GB18030 CHINESE-GB18030 CHINESE-GB18030

(凡例)
−:設定値がないことを示します。

注※1
pdsetup又はpdntenvで指定したHiRDBサーバの文字コード種別を表します。

注※2
使用するプラットフォームで対応する文字コードがサポートされている場合は,その文字コードをLANG環境変数に指定してください。プラットフォームが文字コードをサポートしていない場合は,Cを指定してください。

注※3
ja_JP.eucJPのほかに,ja_JPを同じものとして扱います。

(2) SHLIB_PATHについての注意事項

UAP実行時には,SHLIB_PATHに$PDDIR/client/libを追加してください。なお,SHLIB_PATHは,それぞれのプラットフォームの環境変数に読み替えてください。

(3) HiRDBに回復不要FESがある場合の注意事項

HiRDBに回復不要FESがある場合,X/Open XAインタフェースを使用するUAPから回復不要FESに接続したときは,そのUAPからはSQLが実行できません。この場合,クライアント環境定義PDFESHOST及びPDSERVICEGRPを指定して,回復不要FESでないフロントエンドサーバに接続してください。

(4) Windows Server 2003以降での注意事項

Windows Server 2003,Windows Vista,Windows Server 2008では,ソケットセキュリティの仕様が変更されたことに伴って,HiRDBクライアントが取得した通信用ソケットに対して他プログラムが既に使用している受信ポートが割り当てられることがあります。同一の受信ポートが割り当てられると,接続時にHiRDBサーバからの電文が他プログラムに送信され,HiRDBクライアントは電文を受信することができなくなり,KFPA11732-Eエラー(受信タイムアウト)となります。このようなことを防ぐため,Windows Server 2003以降の環境でUAPを実行する場合は,受信ポートが重複しないように対策する必要があります。

受信ポートが重複する場合の条件とWindows Server 2003以降での対策方法を表8-25,及び表8-26に示します。

表8-25 受信ポートが重複する場合の条件と対策方法(1/2)

後発のクライアント 先発のクライアント
バージョン08-03より前のライブラリ バージョン08-03以降のライブラリ
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO
PDCLTRCVPORT指定あり PDCLTRCVPORT指定なし PDCLTRCVPORT指定あり PDCLTRCVPORT指定なし PDCLTRCVPORT指定あり PDCLTRCVPORT指定なし
バージョン08-03より前のライブラリ PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1
バージョン08-03以降のライブラリ PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1
Type4 JDBCドライバ PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×1 ×1

表8-26 受信ポートが重複する場合の条件と対策方法(2/2)

後発のクライアント 先発のクライアント,HiRDBサーバ,又はその他のプログラム
Type4 JDBCドライバ HiRDBサーバ又はその他プログラム
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO
PDCLTRCVPORT指定あり PDCLTRCVPORT指定なし PDCLTRCVPORT指定あり PDCLTRCVPORT指定なし
バージョン08-03より前のライブラリ PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×2
バージョン08-03以降のライブラリ PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×2
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×1 ×2
Type4 JDBCドライバ PDCLTBINDLOOPBACKADDR=YES PDCLTRCVPORT指定あり
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×2
PDCLTBINDLOOPBACKADDR=NO PDCLTRCVPORT指定あり ×2
PDCLTRCVPORT指定なし ×1 ×1 ×2

(凡例)
−:
受信ポートは重複しないため,対策の必要はありません。
×1:
受信ポートが重複します。先発のクライアント,及び後発のクライアントのクライアント環境変数PDCLTRCVPORTでポート番号の範囲を指定し,それぞれのプログラムが使用するポート番号が重複しないようにしてください。
×2:
受信ポートが重複します。後発のクライアントのクライアント環境変数PDCLTRCVPORTで,HiRDBサーバ又はその他のプログラムが使用しないポート番号を指定し,それぞれのプログラムが使用するポート番号が重複しないようにしてください。