スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 UAP開発ガイド

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8.3.3 Windows環境でのコンパイルとリンケージ

プリプロセサで生成したポストソースプログラムは,SQLを埋め込んだUAPの言語に従ったコンパイラで,コンパイル,及びリンクをします。

コンパイル,及びリンケージの方法については,各言語に従ったコンパイラのマニュアルを参照してください。ここでは,コンパイル,及びリンケージをするときのオプションについて,言語別に説明します。また,Windows(x64)版での指定を示します。

<この項の構成>
(1) C言語の場合
(2) COBOL言語の場合
(3) Windows(x64)版での指定

(1) C言語の場合

C言語のポストソースプログラムは,Microsoft Visual C++でコンパイルをします。

Microsoft Visual C++を使用してコンパイル,及びリンケージをするときにオプションを設定する場合,プロジェクトメニューから「設定」を選択します(Microsoft Visual C++のバージョンによっては,設定方法が異なります)。

「設定」で設定する項目を次の表に示します。

表8-17 「設定」で設定する項目

項 目 カテゴリ カテゴリの設定 設 定 値
コンパイラ コード生成 構造体メンバのアライメント 8バイト
使用するランタイムライブラリ マルチスレッド
プリプロセサ インクルードファイルのパス \HiRDB\include
リンカ インプット ライブラリ \HiRDB\lib\cltdll

注 下線で示す部分は,HiRDBのインストールディレクトリを指定してください。

注※ ライブラリがCLTDLL以外の場合,マルチスレッドとなります。


 

Windows(IPF)版の場合,64ビットモードのクライアントライブラリだけ使用できます。64ビットモードでUAPを作成する場合は,次の条件で作成してください。

(2) COBOL言語の場合

COBOL言語のポストソースプログラムは,COBOL85又はCOBOL2002に従ったコンパイラでコンパイルをし,OOCOBOL言語のポストソースプログラムは,OOCOBOLに従ったコンパイラでコンパイルをします。

COBOL85(01-00以降)を使用してコンパイル,及びリンケージをするときにオプションを設定する場合,編集メニューから「プロジェクト編集」を選択します。

Windowsの場合は,オプションメニューから「コンパイラ」,及び「リンカ」メニューを選択します。

COBOL2002の場合は,「プロジェクトの設定」メニューから「リンカ」タブを選択します。

COBOL85の「プロジェクト編集」で設定する項目を表8-18に示します。オプションには,-Kl,-Xb,-Bb,又は-Fbオプションは指定しないでください。また,-Xcオプションと-Hf,-Hv,又は-V3を同時に指定しないでください。COBOL2002の「プロジェクトの設定」で設定する項目を表8-19に示します。

表8-18 COBOL85の「プロジェクト編集」で設定する項目

項   目 設定項目 設 定 値
リンケージオプション設定 インポートライブラリ \HIRDB\lib\cltdll.lib
翻訳オプション /NOI(ファイル識別子の大文字と小文字の区別)

注 下線で示す部分は,HiRDBのインストールディレクトリを指定してください。


表8-19 COBOL2002の「プロジェクトの設定」で設定する項目

項   目 設定項目 設 定 値
リンク ライブラリの指定 \HIRDB\lib\cltdll.lib

注 下線で示す部分は,HiRDBのインストールディレクトリを指定してください。


COBOL85の「翻訳環境」に対して設定するオプションがあります。COBOL85の「翻訳環境」に対して設定する項目を次の表に示します。なお,COBOL2002の場合は,環境変数に設定します。

表8-20 COBOL85の「翻訳環境」に対して設定する項目

項   目 設定項目 設 定 値
環境変数設定 CBLLIB変数 \HIRDB\include

注 下線で示す部分は,HiRDBのインストールディレクトリを指定してください。


注※ COBOL2002の場合,「環境変数」となります。

(3) Windows(x64)版での指定

Windows(x64)版では,32ビットモード用と64ビットモード用のクライアントライブラリをそれぞれ提供しています。32ビットモードでUAPを作成する場合は,32ビットモード用のコンパイルオプション及びライブラリを指定します。64ビットモードでUAPを作成する場合は,64ビットモード用のコンパイルオプション及びライブラリを指定します。

UAPの作成条件を次に示します。

UAPの作成 32ビットモード 64ビットモード
構造体メンバのアライメント 既定値(8バイト) 既定値(8バイト)
使用するランタイムライブラリ マルチスレッドDLL マルチスレッドDLL
インクルードファイルのディレクトリ \HiRDB\INCLUDE \HiRDB\INCLUDE
リンケージライブラリ \HiRDB\LIB\PDCLTM80S.LIB \HiRDB\LIB\PDCLTM64.LIB

注 下線で示す部分は,HiRDBのインストールディレクトリを指定してください。

注※ 複数接続機能を使用するかどうかに関係なく指定します。

なお,次のUAPは64ビットモード用に作成できません。