pdbuflsグローバルバッファ情報の表示

機能

グローバルバッファの状態を表示します。

インメモリRDエリアがある場合は,インメモリデータバッファの状態も表示できます。

実行者

HiRDB管理者が実行できます。

形式

 pdbufls 〔-k 出力種別〕 〔-d〕 〔-x 〔-y〕〕〔-M〕〔-N〕

     〔{-s サーバ名〔,サーバ名〕…

       |-a グローバルバッファ名〔,グローバルバッファ名〕…}〕

オプション

表示する情報の種別を指定します。

def:
グローバルバッファの定義情報を表示します。
sts:
グローバルバッファの統計情報を表示します。表示する統計情報は,前回のpdbuflsコマンド実行時点からの累計です。最初にpdbuflsコマンドを実行する場合,又は-dオプションを指定した場合は,HiRDB開始時点からの累計を表示します。
all:
グローバルバッファの定義情報及び統計情報の両方を表示します。

サーバ内にあるすべてのグローバルバッファの情報を表示したい場合,そのサーバ名を指定します。指定できるサーバ名の数は最大128個です。129個以上指定すると,129個目以降のサーバは無視されます。

表示するグローバルバッファの名称を指定します。グローバルバッファ名を重複指定した場合は,重複排除して処理されます。指定できるグローバルバッファ名の数は最大128個です。129個以上指定すると,129個目以降のグローバルバッファは無視されます。

このオプションにインメモリデータバッファ名を指定すると,インメモリデータバッファの情報が表示されます。

HiRDB開始時点からのグローバルバッファの統計情報を表示したい場合に指定します。なお,-k defを指定した場合にこのオプションを指定しても無視されます。

DAT形式で情報を表示する場合に指定します。-k allの場合,このオプションは指定できません。

-xオプション指定時に,ヘッダを付ける場合に指定します。

インメモリデータバッファの情報を表示する場合に指定します。このオプションの指定例を次に示します。

OTHER用グローバルバッファに割り当てているRDエリアの名称を表示する場合に指定します。-kオプションにstsを指定した場合,または省略した場合は本オプションは無視されます。

<指定例1>
pdbufls -k def -M
この場合,グローバルバッファとインメモリデータバッファの両方の定義情報が表示されます。
<指定例2>
pdbufls -k sts -M -a インメモリデータバッファ名
この場合,-aオプションに指定したインメモリデータバッファの統計情報が表示されます。

インメモリデータバッファの情報もグローバルバッファと同じように表示されます。そのため,このオプションを指定してインメモリデータバッファの情報を表示した場合は,pdbuflsコマンドの説明文中の「グローバルバッファ」を「インメモリデータバッファ」に読み替えてください。

規則

  1. pdbuflsコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。
  2. pdbuflsコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
  3. -sオプション及び-aオプションの両方を省略した場合は,すべてのサーバのグローバルバッファの情報を表示します。
  4. グローバルバッファの統計情報の取得範囲を次の図に示します。

    図2-1 グローバルバッファの統計情報の取得範囲

    [図データ]

[説明]
  1. 表示される情報は,HiRDB開始から1までのAの期間となります。このとき,前回統計情報を取得した時刻は表示されません。
  2. 表示される情報は,-dオプションを指定しているので,HiRDB開始から2までのA+Bの期間となります。このとき,前回統計情報を取得した時刻は表示されません。また,この時点のグローバルバッファの情報は,次回のpdbuflsコマンド実行には反映されません。
  3. buf01で表示される情報は,1から3までのB+Cの期間となります。buf02で表示される情報は,HiRDB開始から3までのDの期間となります。このとき,buf01には1で統計情報を取得した時刻が表示されます。また,buf02には,前回統計情報を取得した時刻は表示されません。

注意事項

  1. pdbuflsコマンドのリターンコードを次に示します。
    0:正常終了
    4:警告終了(一部のサーバの処理がエラー終了)
    8:異常終了
    12:異常終了(エラーメッセージを表示できない事象が発生)
    リターンコードが12の場合は,シングルサーバ又はディクショナリサーバがあるホストのイベントログのエラーメッセージを参照し,エラーの要因を取り除いた後,再度pdbuflsコマンドを実行してください。イベントログにエラーメッセージが出力されていない場合は,保守員に連絡してください。
  2. 参照GET回数と更新GET回数の合計が4ギガバイトを超えるグローバルバッファが検出されると,該当するグローバルバッファの統計情報はリセットされます。リセット契機を次に示します。
    • pdbufls -k sts,又はpdbufls -k allを実行したとき(JP1/PFM-Agent for HiRDBが,内部的にpdbufls -k sts,又はpdbufls -k allを実行したときを含む)
    • pdstbegin -k bufで統計ログを取得中にシンクポイントが発生したとき
    リセット契機と,リセット時に得られる統計情報について,次の図に示します。

    図2-2 グローバルバッファの統計情報のリセット契機と,リセット時に得られる統計情報

    [図データ]

[説明]
  • A時点でリセットされた場合
    A時点で表示される情報のうち,次の項目以外は0となります。
    ・カレントの参照バッファ数
    ・カレントの更新バッファ数
    ・デファードライトトリガ時の出力契機となる更新バッファ数
    B時点で表示される情報は,aの期間となります。
    C時点で表示される情報は,C時点で出力される統計ログのうち,bの期間となります。
  • B時点でリセットされた場合
    B時点で表示される情報のうち,次の項目以外は0となります。
    ・カレントの参照バッファ数
    ・カレントの更新バッファ数
    ・デファードライトトリガ時の出力契機となる更新バッファ数
    C時点で表示される情報は,C時点で出力される統計ログのうち,cの期間となります。
    D時点で表示される情報は,dの期間となります。
  • C時点でリセットされた場合
    C時点で出力される統計ログのうち,次の項目以外は0となります。
    ・バッファ面数
    ・カレントの参照バッファ数
    ・カレントの更新バッファ数
    ・デファードライトトリガ時の出力契機となる更新バッファ数
    ・バッファ管理領域の排他処理での,排他競合待ちとなった回数
    ・バッファの排他処理での,排他競合待ち発生率
    ・スリープ処理実行での,バッファの排他処理のスリープ処理実行回数の平均値
    ・スピン処理実行での,バッファの排他処理発生率
    ・バッファの排他処理中の,スピンルーフの実行回数の平均値
    ・シンクポイント時のバッファプール排他占有時間
    ・シンクポイント時のバッファプール排他占有時間内の処理バッファ数
    D時点で表示される情報は,eの期間となります。

出力形式

[説明]
aa...a
pdbuflsコマンドを実行した時刻
年月日 時:分:秒の形式
bb...b
グローバルバッファ名称(16文字以内)
cc...c
サーバ名(8文字以内)
d
グローバルバッファ種別
R:RDエリア用
I:インデクス用
B:LOB用
O:OTHER用
OTHER用のグローバルバッファとは,システム共通定義のpdbufferオペランドで-oオプションを指定したグローバルバッファのことです。
M:インメモリデータバッファ
ee
バッファ長(10進数2けた,単位はキロバイト)。
ff...f
バッファ面数(32ビットモードの場合10進数6けた以内,64ビットモードの場合10進数10けた以内)。
ggg
デファードライトトリガ時の更新ページ出力比率(10進数3けた,単位は%)。システム共通定義のpdbufferオペランドの-wオプションの指定値。
hh...h
RDエリア名又はインデクス名(43文字以内)。
複数定義している場合は複数出力されます。RDエリア又はインデクスを削除している場合は出力されません。出力形式は次のようになります。
RDエリア名の場合:"RDエリア名"
インデクス名の場合:"認可識別子"."インデクス識別子"
ii...i
-sオプションを指定した場合,「SERVER」と表示されます。-aオプションを指定した場合,「BUFFER POOL」と表示されます。
jj...j
-sオプションを指定した場合,サーバ名(8文字以内)が表示されます。-aオプションを指定した場合,グローバルバッファ名(16文字以内)が表示されます。
kk...k
同時実行最大プリフェッチ数(10進数5けた)。システム共通定義のpdbuffer -mオプションの指定値です。
lll :
一括入力最大ページ数(10進数3けた)。システム共通定義のpdbuffer -pオプションの指定値です。
mm...m
システムが使用する内部情報。「******」固定です。
nn 
システムが使用する内部情報。「**」固定です。
 
[説明]
aa...a
pdbuflsコマンドを実行した時刻
年月日 時:分:秒の形式
bb...b
グローバルバッファ名(16文字以内)
cc...c
サーバ名(8文字以内)
dd...d
個々のグローバルバッファに対する,前回統計情報を取得した時刻
年月日 時:分:秒の形式
前回統計情報が取得されていない場合,又は-dオプションを指定している場合には,「****-**-** **:**:**」が表示されます。
eee
グローバルバッファのヒット率(10進数3けた,単位は%)
fff
参照要求のヒット率(10進数3けた,単位は%)
ggg
更新要求のヒット率(10進数3けた,単位は%)
hh...h
参照GET回数
ii...i
更新GET回数
jj...j
実READ回数
kk...k
実WRITE回数
ll...l
参照バッファフラッシュ回数
mm...m
更新バッファフラッシュ回数
nn...n
カレントの参照バッファ数(32ビットモードの場合10進数6けた以内,64ビットモードの場合10進数10けた以内)
oo...o
カレントの更新バッファ数(32ビットモードの場合10進数6けた以内,64ビットモードの場合10進数10けた以内)
pp...p
デファードライトトリガ時の出力契機となる更新バッファ数(32ビットモードの場合10進数6けた以内,64ビットモードの場合10進数10けた以内)
qq...q
バッファ排他待ち発生回数
rr...r
DBシンクポイント発生回数
ss...s
-sオプションを指定した場合,「SERVER」と表示されます。-aオプションを指定した場合,「BUFFER POOL」と表示されます。
tt...t
-sオプションを指定した場合,サーバ名(8文字以内)が表示されます。-aオプションを指定した場合,グローバルバッファ名(16文字以内)が表示されます。
uu...u
プリフェッチ入力ページ数
vvv :
プリフェッチヒット率(10進数3けた)
ww...w
プリフェッチバッファ不足発生回数
xx...x
プリフェッチREAD要求回数
yy...y
バッファ不足発生回数
zz...z
LOBバッファREAD要求回数
AA...A
LOBバッファWRITE要求回数
BB...B
LOBバッファ一括入力ページ数
CC...C
LOBバッファ一括出力ページ数
DD...D
システムが使用する内部情報
EE...E
システムが使用する内部情報
FF...F
システムが使用する内部情報
注※ 表示形式を次に示します。
数値の範囲表示形式
0~9990~999
1,000~9,9941.00K~9.99K
9,995~99,94910.0K~99.9K
99,950~999,499100K~999K
999,500~9,994,9991.00M~9.99M
9,995,000~99,949,99910.0M~99.9M
99,950,000~999,499,999100M~999M
999,500,000~4,294,967,2951.00G~4.29G
(凡例)
K:キロ
M:メガ
G:ギガ
注※
表示けた数の次の位が,四捨五入されます。
 
[CR]は,改行を表します。
[説明]
aa...aからFF...Fについては,「出力形式」で説明した内容を参照してください。なお,次に説明する項目は,DAT形式表示の場合だけ表示されます。
GG...G
参照GET回数の実データ(10進数10けた以内)
HH...H
更新GET回数の実データ(10進数10けた以内)
II...I
参照要求ヒット回数の実データ(10進数10けた以内)
JJ...J
更新要求ヒット回数の実データ(10進数10けた以内)
KK...K
実READ回数の実データ(10進数10けた以内)
LL...L
実WRITE回数の実データ(10進数10けた以内)
MM...M
参照バッファフラッシュ回数の実データ(10進数10けた以内)
NN...N
更新バッファフラッシュ回数の実データ(10進数10けた以内)
OO...O
バッファ排他待ち発生回数の実データ(10進数10けた以内)
PP...P
DBシンクポイント発生回数の実データ(10進数10けた以内)
QQ...Q
プリフェッチ入力ページ数の実データ(10進数10けた以内)
RR...R
プリフェッチヒット回数の実データ(10進数10けた以内)
SS...S
プリフェッチバッファ不足発生回数の実データ(10進数10けた以内)
TT...T
プリフェッチREAD要求回数の実データ(10進数10けた以内)
UU...U
バッファ不足発生回数の実データ(10進数10けた以内)
VV...V
LOBバッファREAD要求回数の実データ(10進数10けた以内)
WW...W
LOBバッファWRITE要求回数の実データ(10進数10けた以内)
XX...X
LOBバッファ一括入力ページ数の実データ(10進数10けた以内)
YY...Y
LOBバッファ一括出力ページ数の実データ(10進数10けた以内)
[DAT形式での出力規則]
  1. DAT形式で出力する場合の出力規則については,「1.5.3 コマンド実行結果をDAT形式で出力する場合の規則」を参照してください。
  2. 1行に1グローバルバッファの情報を表示します。ただし,同一グローバルバッファに複数RDエリアが割り当てられている場合,グローバルバッファの定義情報は,割り当てられている1RDエリアを1行で表示します。このとき,RDエリア名以外の項目はすべて繰り返して表示します。
  3. グローバルバッファの統計情報の,単位を含めた表示は文字要素として扱います。
  4. pdbuflsコマンドの実行時刻は,タイトル行の一部となります。そのため,タイトル行の出力指定(-yオプション)がある場合にだけ表示します。
  5. 次の項目の情報が取得できない場合は,空要素として表示します。
    ・グローバルバッファの定義情報のバッファ長,及びバッファ面数
    ・グローバルバッファの統計情報の前回情報を取得した時刻
    また,システムが使用する内部情報は,空又は「""」となります。
  6. DAT形式で表示する場合,次のエラーメッセージは出力しません。
    [NOT FOUND ss...s=tt...t]