スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)
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フロントエンドサーバ,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバをそれぞれ一つのサーバマシンに配置するのが,HiRDB/パラレルサーバの基本的なサーバ構成です。ただし,各サーバマシンのCPUの処理負荷が高くない場合,一つのサーバマシンに複数のサーバを配置してもかまいません。一つのサーバマシンに複数のサーバを配置すると,必要とする共用メモリが増加します。共用メモリが不足すると,ユニットが開始できなくなるため,メモリ所要量を十分見積もってください。
設置できるサーバ数の範囲を次の表に示します。
表9-1 設置できるサーバ数の範囲
| 項目 |
設置できるサーバ数の範囲 |
| システムマネジャ数 |
1 |
| フロントエンドサーバ数 |
1〜1,024 |
| ディクショナリサーバ数 |
1 |
| バックエンドサーバ数 |
1〜16,382 |
| 1ユニットに作成できるサーバ数 |
1〜34 |
次に示す理由のため,システムマネジャを定義するサーバマシンはHiRDB管理者が運用しやすい場所に設置することをお勧めします。
- HiRDB管理者はコマンドでHiRDBを操作しますが,大部分のコマンドはシステムマネジャを定義するサーバマシンから入力する必要がある
HiRDBは結合処理のような複雑な検索処理をする場合,データベースを持たないバックエンドサーバを優先的に使用して,処理性能を向上します。サーバマシンに余裕があり,複雑な検索処理をする場合にフロータブルサーバの設置を検討してください。フロータブルサーバを設置する場合,作業表用ファイル用のHiRDBファイルシステム領域を作成してください。作業表用ファイル用のHiRDBファイルシステム領域の名称は,バックエンドサーバ定義のpdworkオペランドで指定します。
(5) HiRDB/パラレルサーバが使用するメモリ
HiRDB/パラレルサーバが使用するメモリについて説明します。
HiRDB/パラレルサーバは次に示すメモリを使用します。
(a) メモリ所要量
HiRDB/パラレルサーバが必要とするメモリ所要量をサーバマシンごとに見積もってください。HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量については,「15.2 HiRDB/パラレルサーバのメモリ所要量の見積もり」を参照してください。
(b) 共用メモリの割り当て先
HiRDBでは,共用メモリを次の場所に割り当てできます。
- OSのページングファイル(仮想メモリ)
- 運用ディレクトリ下のファイル(初期設定)
共用メモリの割り当て先は,ページングファイルにすることを推奨します。ページングファイルにする場合,仮想メモリを見積る必要がありますが,運用ディレクトリ下のファイルに割り当てる場合に比べて,NTFSのキャッシュフラッシュによる影響を受けにくくなります。
共用メモリの割り当て先は,pdntenvコマンドの-shmfileオプションで設定できます。pdntenvコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス」を参照してください。
HiRDBでは,次に示す共用メモリを実メモリ上に固定できます。
- ユニットコントローラ用共用メモリ
- グローバルバッファ用共用メモリ
- 動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリ
- インメモリデータバッファ用共用メモリ
共用メモリを実メモリ上に固定すると,ページの入出力が少なくなるため,性能が安定します。
- 前提条件
- 共用メモリのページ固定をするための前提条件を次に示します。
- Windowsのバージョン
- Windowsでは,Windows Server 2003 Service Pack 1以降でサポートされているLarge Pageの機能を使用してページ固定をします。そのため,Large PageがサポートされているバージョンのWindowsであることが前提となります。Windowsがページ固定に対応しているかどうかは,pdntenv -osコマンドコマンドで確認してください。
- ページロックの権限
- 共用メモリのページ固定をする場合,メモリ内のページをロックできる権限が必要です。サービス実行時に使用するログオンのアカウントによって,この権限の有無が異なります。権限の設定方法を次に示します。
| サービス実行時に使用するログオンのアカウント |
権限の設定方法 |
| HiRDB管理者 |
HiRDB管理者を,OSの[ローカル セキュリティ設定]−[ローカル ポリシー]−[ユーザー権利の割り当て]で,「メモリ内のページのロック」に設定してください。 |
| ローカルシステムアカウント |
ローカルシステムアカウントにはメモリ内のページをロックできる権限があります。そのため,権限の設定は必要ありません。 |
- 動作環境の設定
- 共用メモリのページ固定をするには,共用メモリの割り当て先の指定が必要です。pdntenvコマンドの-shmfileオプションでpageを指定し,共用メモリの割り当て先をページングファイル(仮想メモリ)に設定してください。
- ページ固定の方法
- 共用メモリのページ固定の方法について,共用メモリの種別ごとに説明します。
- ユニットコントローラ用共用メモリ
システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_shmpool_attributeオペランドにfixedを指定します。
- グローバルバッファ用共用メモリ
システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_dbbuff_attributeオペランドにfixedを指定します。
- 動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリ
システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_dbbuff_attributeオペランドにfixedを指定します。これによって,pdbufmodコマンドを実行して動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリも実メモリ上に固定されます。
- インメモリデータバッファ用共用メモリ
pdmemdbコマンドの-pオプションにfixedを指定します。
- 注意
- 実メモリ上に連続した領域が確保できなかった場合,共用メモリのページ固定ができません。ページ固定に失敗した場合のHiRDBの動作を次に示します。
- ユニットコントローラ用,又はグローバルバッファ用共用メモリの場合
- ページ固定をしないで共用メモリを確保し処理を続行します。
- 動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリ,又はインメモリデータバッファ用共用メモリの場合
- HiRDB,又はコマンドが異常終了します。
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