スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)
シンクポイントダンプファイルの設計方針について説明します。
ハードディスク障害に備えて,シンクポイントダンプファイルをそれぞれ別々のハードディスクに作成してください。そのような構成を取れない場合は,隣り合わせの世代を別々のハードディスクに作成する構成にしてください。例を次の図に示します。
図8-2 隣り合わせの世代を別々のハードディスクに作成する構成例
シンクポイントダンプファイルを二重化すると,HiRDBはA系及びB系の両方に同じシンクポイントダンプを取得します。取得したシンクポイントダンプを読み込むとき,片方のファイルに異常が発生しても,もう一方のファイルからシンクポイントダンプを読み込めるため,システムの信頼性を向上できます。また,二重化している場合,有効保証世代数を1世代にすると,信頼性を損ねることなく上書きできない状態のシンクポイントダンプファイル数を削減できます。
シンクポイントダンプファイルを二重化する場合は,サーバ定義で次に示すオペランドを指定してください。
一つのシンクポイントダンプファイルには,HiRDBが1回に取得するシンクポイントダンプが格納されます。HiRDBは,シンクポイントダンプファイルを世代という概念で管理しています。HiRDB管理者は,何世代前までのシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルを上書きできない状態にするかを指定できます。これをシンクポイントダンプファイルの有効保証世代数といいます。シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数を次の図に示します。
図8-3 シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数
シンクポイントダンプファイルの運用に必要なファイル数は,有効保証世代数+1となります。シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数は,サーバ定義のpd_spd_assurance_countオペランドで指定してください。
なお,シンクポイントダンプファイルを二重化している場合,必要な有効保証世代数は1世代をお勧めします。二重化していない場合,2世代をお勧めします。
シンクポイントダンプファイルに障害が発生して,運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)を下回った場合でも,最低二つのファイルで処理を続行できます。これをシンクポイントダンプファイルの縮退運転といいます。
シンクポイントダンプファイルの縮退運転をする場合は,サーバ定義のpd_spd_reduced_modeオペランドを指定してください。
シンクポイントダンプファイルに障害が発生して,運用に必要なファイル数(有効保証世代数+1)を下回った場合,予約のファイルがあればHiRDBが予約のファイルをオープンして上書きできる状態にし,処理を続行します。これをシンクポイントダンプファイルの自動オープンといいます。
シンクポイントダンプの自動オープンをする場合は,サーバ定義でpd_spd_reserved_file_auto_open = Yを指定してください。
作成したシンクポイントダンプファイルをどのファイルグループに対応させるかをpdlogadfg及びpdlogadpfオペランドで定義します。
なお,pdlogadfgオペランドだけを指定しておくと,HiRDB稼働中にシンクポイントダンプファイルを追加できます。
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