スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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8.1.1 システム設計

<この項の構成>
(1) HiRDB/シングルサーバが使用するメモリ

(1) HiRDB/シングルサーバが使用するメモリ

HiRDB/シングルサーバが使用するメモリについて説明します。

HiRDB/シングルサーバは次に示すメモリを使用します。

(a) メモリ所要量

HiRDB/シングルサーバが必要とするメモリ所要量を見積もってください。HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量については,「15.1 HiRDB/シングルサーバのメモリ所要量の見積もり」を参照してください。

(b) 共用メモリの割り当て先

HiRDBでは,共用メモリを次の場所に割り当てできます。

(c) 共用メモリのページ固定

HiRDBでは,次に示す共用メモリを実メモリ上に固定できます。

共用メモリを実メモリ上に固定すると,ページの入出力が少なくなるため,性能が安定します。

前提条件
共用メモリのページ固定をするための前提条件を次に示します。
Windowsのバージョン
Windowsでは,Windows Server 2003 Service Pack 1以降でサポートされているLarge Pageの機能を使用してページ固定をします。そのため,Large PageがサポートされているバージョンのWindowsであることが前提となります。Windowsがページ固定に対応しているかどうかは,pdntenv -osコマンドコマンドで確認してください。
ページロックの権限
共用メモリのページ固定をする場合,メモリ内のページをロックできる権限が必要です。サービス実行時に使用するログオンのアカウントによって,この権限の有無が異なります。権限の設定方法を次に示します。
サービス実行時に使用するログオンのアカウント 権限の設定方法
HiRDB管理者 HiRDB管理者を,OSの[ローカル セキュリティ設定]−[ローカル ポリシー]−[ユーザー権利の割り当て]で,「メモリ内のページのロック」に設定してください。
ローカルシステムアカウント ローカルシステムアカウントにはメモリ内のページをロックできる権限があります。そのため,権限の設定は必要ありません。

動作環境の設定
共用メモリのページ固定をするには,共用メモリの割り当て先の指定が必要です。pdntenvコマンドの-shmfileオプションでpageを指定し,共用メモリの割り当て先をページングファイル(仮想メモリ)に設定してください。

ページ固定の方法
共用メモリのページ固定の方法について,共用メモリの種別ごとに説明します。
  • ユニットコントローラ用共用メモリ
    システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_shmpool_attributeオペランドにfixedを指定します。
  • グローバルバッファ用共用メモリ
    システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_dbbuff_attributeオペランドにfixedを指定します。
  • 動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリ
    システム共通定義,又はユニット制御情報定義のpd_dbbuff_attributeオペランドにfixedを指定します。これによって,pdbufmodコマンドを実行して動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリも実メモリ上に固定されます。
  • インメモリデータバッファ用共用メモリ
    pdmemdbコマンドの-pオプションにfixedを指定します。
    注意
    実メモリ上に連続した領域が確保できなかった場合,共用メモリのページ固定ができません。ページ固定に失敗した場合のHiRDBの動作を次に示します。

    ユニットコントローラ用,又はグローバルバッファ用共用メモリの場合
    ページ固定をしないで共用メモリを確保し処理を続行します。

    動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリ,又はインメモリデータバッファ用共用メモリの場合
    HiRDB,又はコマンドが異常終了します。