スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.1.1 サーバマシン環境の確認

HiRDBをWindowsにインストールする前に,使用するサーバマシンの環境を確認してください。

<この項の構成>
(1) 適用機種の確認
(2) システム環境変数TZの確認
(3) ディスク容量の確認
(4) 仮想メモリの確認
(5) システムキャッシュの確認
(6) ファイルシステムの確認
(7) リソース数に関連する環境変数の見積もり

(1) 適用機種の確認

(2) システム環境変数TZの確認

サーバマシンのシステム環境変数TZにJST-9が設定されているかどうかを確認してください。システム環境変数TZの確認手順を次に示します。

  1. [コントロールパネル]の[システム]をダブルクリックしてください。
  2. [システムのプロパティ]の[環境]タブを選択してください。
  3. システム環境変数の変数「TZ」がJST-9になっているかどうかを確認してください。
  4. TZがない場合はTZを追加してください。TZの値がJST-9でない場合は,JST-9に変更してください。

    [図データ]

注意事項
システム環境変数TZの値と,HiRDBシステム定義の設定内容(システム共通定義のTZオペランドの設定値)が同じである必要があります。TZにJST-9以外の値を設定する場合は,システム共通定義のTZオペランドの指定値を変更する必要があります。

(3) ディスク容量の確認

インストーラでもディスク容量をチェックしていますが,インストールする前にディスクの空き容量が十分かどうか確認してください。必要な空き容量の目安を次に示します。

(インストール時に必要な容量)+(HiRDB動作時に自動的に確保する容量)
インストール時に必要な容量:
  • HiRDB/シングルサーバの場合:93.4MB
  • HiRDB/パラレルサーバの場合:95.9MB
    なお,バージョンによってこの数値は変動する場合があります。リリースノートのメモリ所要量とディスク占有量を参照してください。
HiRDB動作時に自動的に確保する容量:1MB+共用メモリサイズ
共用メモリサイズの見積もりについては,「15. HiRDBのメモリ所要量」を参照してください。

インストール時にエラーメッセージが出力されてエラーの理由に'No-space'(書き込むファイルに十分な容量がありません)が出力された場合,次の原因が考えられます。

(4) 仮想メモリの確認

サーバマシンの仮想メモリの容量(実メモリ容量+ページングファイルの容量の合計値)は,[コントロールパネル][システム]をダブルクリックして表示される[システムのプロパティ]で確認できます。ページングファイルの容量は[システムのプロパティ]の[パフォーマンス]タブで確認及び変更できます。ページングファイルは,同じドライブに連続した領域を作成するように,初期サイズと最大サイズを同じ値(固定値)にしてください。ページングファイルを連続で使用できない場合,HiRDBがメモリ不足で異常終了します。

必要な仮想メモリの目安を表2-1及び表2-2に示します。また,実際に指定する値には,Windowsやほかのプログラムが使用する容量を加えてください。仮想メモリを変更した場合には,必ずWindowsを再起動してください。

表2-1 必要な仮想メモリの容量(HiRDB/シングルサーバの場合)

項目 メモリ所要量(単位:MB)
HiRDB/シングルサーバのシステムプロセス 207.1以上
HiRDB/シングルサーバの下で動作する同時実行サーバプロセスのプロセス固有領域 4.5以上/ユーザ

仮想メモリ容量(MB)={207.1+(4.5×n)}+m

n:HiRDB下で動作する同時実行ユーザ数

m:共用メモリをHiRDB運用ディレクトリ下のファイルに割り当てる場合は0,
ページングファイルに割り当てる場合は共用メモリサイズ

表2-2 必要な仮想メモリの容量(HiRDB/パラレルサーバの場合)

項目 メモリ所要量(単位:MB)
HiRDB/パラレルサーバのシステムプロセス 292.5以上
HiRDB/パラレルサーバの下で動作するサーバプロセスのプロセス固有領域 10.8以上/フロントエンドサーバ
14.0以上/ディクショナリサーバ
14.0以上/バックエンドサーバ
HiRDB/パラレルサーバの下で動作するユーザプロセスのプロセス固有領域 5.5以上/フロントエンドサーバ
5.5以上/ディクショナリサーバ
5.5以上/バックエンドサーバ

仮想メモリ容量(MB)=
{292.5+(10.8×x)+(14.0×(y+z))+(5.5×(x+y+z))×n}+m

x:HiRDB下で動作するフロントエンドサーバ数

y:HiRDB下で動作するディクショナリサーバ数

z:HiRDB下で動作するバックエンドサーバ数

n:HiRDB下で動作する同時実行ユーザ数

m:共用メモリをHiRDB運用ディレクトリ下のファイルに割り当てる場合は0,
ページングファイルに割り当てる場合は共用メモリサイズ

仮想メモリの容量に関する注意事項
  • バージョンによって数値が変動する場合があります。リリースノートのメモリ所要量とディスク占有量を参照してください。
  • 共用メモリをHiRDB運用ディレクトリ下のファイルとページングファイルのどちらに割り当てるかは,pdntenvコマンドで指定します。指定方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
  • HiRDB Datareplicatorのメモリ所要量については,マニュアル「HiRDBデータ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 8」を参照してください。
  • HiRDB Dataextractorのメモリ所要量については,マニュアル「データベース抽出・反映サービス機能 HiRDB Dataextractor Version 8」を参照してください。

(5) システムキャッシュの確認

Windowsで使用するファイルのシステムキャッシュは,設定方法によっては使用できるメモリを圧迫することがあります。システムキャッシュの設定を変更する手順を次に示します。

  1. [コントロールパネル]の[ネットワーク]をダブルクリックします。
  2. [ネットワーク]の[サービス]タブを選択します。
  3. [サーバー]を選択して,[プロパティ]をクリックします。
  4. [サーバー]のダイアログボックスの値が「ファイル共有のスループットを最大にする」に設定されていたら,[ネットワークアプリケーションのスループットを最大にする]を選択して[OK]ボタンをクリックします。
  5. Windowsを再起動します。

(6) ファイルシステムの確認

(7) リソース数に関連する環境変数の見積もり

一つのサーバマシン内で使用するリソース数を見積もってください。見積もり方法については,「20.リソース数に関連する環境変数の見積もり」を参照してください。