フロントエンドサーバがあるユニットで障害が発生して異常終了すると,そのフロントエンドサーバから実行していたトランザクションは未決着状態になることがあります。未決着状態のトランザクションは,データベースの排他を確保しているため,一部のデータベースに対する参照又は更新が制限されます。通常,未決着状態のトランザクションの決着処理をするためには,フロントエンドサーバの障害を取り除いて再開始する必要がありますが,異常終了したフロントエンドサーバが回復不要FESであれば,HiRDBが自動的に未決着状態になっていたトランザクションを決着します。これによって,ほかのフロントエンドサーバやバックエンドサーバを使用して,データベースの更新を再開できます。回復不要FESがあるユニットを回復不要FESユニットといいます。回復不要FESを使用する場合としない場合の運用を次の図に示します。
図9-3 回復不要FESを使用する場合としない場合の運用
![[図データ]](FIGURE/ZU090021.GIF)
なお,回復不要FESを使用するためには,HiRDB Non Recover FESが必要です。
- メリット
- 障害が発生したフロントエンドサーバを再開始しないで,残りのフロントエンドサーバでオンライン運用を続行できます。
- 適用基準
- 24時間連続稼働が必要なシステムの場合に適用をお勧めします。
- ほかのフロントエンドサーバとの関係
- 回復不要FESは,単独で構成されるユニットに配置してください。
- 回復不要FESでは,X/Open XAインタフェースを使用して接続するUAPは実行できません。クライアント環境定義のPDFESHOST及びPDSERVICEGRPを指定して,回復不要FES以外のフロントエンドサーバに接続してください。
- 回復不要FES,及び回復不要FESユニットが停止していても,pdrplstartコマンド,及びpdrplstopコマンドは実行できます。
- 回復不要FESを使用したシステムの構成例を次の図に示します。
図9-4 回復不要FESを使用したシステムの構成例
![[図データ]](FIGURE/ZU090030.GIF)
- 回復不要FESでは,反映側Datareplicatorの同期点処理方式に二相コミット方式を利用(反映システム定義commitment_methodオペランドにfxa_sqleを指定)した反映処理を実行できません。反映側Datareplicatorの同期点処理方式に二相コミット方式を利用する場合,反映側HiRDBに回復不要FES以外のフロントエンドサーバを一つ以上配置し,反映側Datareplicatorにクライアント環境変数PDFESHOST及びPDSERVICEGRPを設定して,回復不要FES以外のフロントエンドサーバに接続してください。
- ほかの機能との関連
- 回復不要FESユニットでは,系切り替え機能を適用できません。系切り替え機能を適用するシステムの場合,回復不要FESユニットのユニット制御情報定義のpd_ha_unitオペランドに必ずnouseを指定してください。
- <この項の構成>
- (1) 設定方法
- (2) 注意事項
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