スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)
システムログファイルのスワップ時に,スワップ先にできる状態のシステムログファイルがないとHiRDBは異常終了します。これを予防するため,HiRDBにはシステムログファイルの空き容量を監視する機能(システムログファイルの空き容量監視機能)があります。この機能は,システムログファイルの空き率が警告値未満になったときに作動します。次に示す二つのレベルのどちらかを選択できます。
レベル2を選択した場合,システムログファイルの空き容量が不足したときにサーバ内の全トランザクションが強制終了されます。このため,システムログファイルの設計をより正確に行う必要があります。
システムログファイルの設計方針について説明します。
一つのシステムログファイルの容量(バイト)≧↑(a+368)÷c↑×c×b×d |
システムログファイルの総容量(バイト)≧3×a×(b+1) |
システムログファイルの総容量が同じ場合,システムログファイルの世代数によって,1世代当たりの容量が変化します。システムログファイルの世代数と運用への影響を次の表に示します。システムログファイルの総容量は同じとします。
表8-2 システムログファイルの世代数と運用への影響
比較項目 | システムログファイルの構成 | |
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世代数を少なくした場合 | 世代数を多くした場合 | |
システムログファイル1世代当たりの容量 | 大きくなります。 | 小さくなります。 |
スワップ間隔 | システムログファイル1世代当たりの容量が大きくなるため,スワップ間隔は長くなります。 | システムログファイル1世代当たりの容量が小さくなるため,スワップ間隔は短くなります。 |
アンロード回数 | スワップ間隔が長くなるため,アンロード回数は少なくなります。 | スワップ間隔が短くなるため,アンロード回数は多くなります。 |
ディスク障害などでシステムログファイルの数世代が使用できなくなった場合のシステムログ容量への影響 |
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通常の運用では,システムログファイルの世代数を少なくした場合の方がスワップ間隔及びアンロード回数の点で利点があります。ただし,障害発生時には,世代数を多くした場合の方が障害の影響が小さくなります。
システムログファイルを二重化すると,HiRDBは両方の系に同じシステムログを取得します。取得したシステムログを読み込むとき,片方のファイルに異常が発生しても,もう一方のファイルからシステムログを読み込めるため,システムの信頼性を向上できます。なお,二重化する場合,ディスクをミラー化して二重化するより,HiRDB管理下で二重化することをお勧めします。システムログファイルを二重化する場合は,それぞれの系のファイルを別々のハードディスクに作成してください。
システムログファイルを二重化する場合は,サーバ定義で次に示すオペランドを指定してください。
システムログファイルの片系運転は,システムログファイルを二重化する場合に適用されます。
システムログファイルに障害が発生して,両系とも使用できるシステムログファイルがない場合でも,HiRDBのユニットを異常終了しないで正常な系だけで処理を続行できます。これをシステムログファイルの片系運転といいます。システムログファイルの片系運転をする場合は,サーバ定義でpd_log_singleoperation = Yを指定してください。
システムログファイルの片系運転に対し,両方のシステムログファイルで処理を続行すること(通常の処理形態)をシステムログファイルの両系運転といいます。
HiRDBを再開始するときに,上書きできる状態のシステムログファイルがない場合,予約のファイルがあればHiRDBが予約のファイルをオープンして上書きできる状態にし,処理を続行します。これをシステムログファイルの自動オープンといいます。
システムログファイルの自動オープンをする場合は,サーバ定義でpd_log_rerun_reserved_file_open = Yを指定してください。
システムログファイルのレコード長をpdloginitコマンドの-lオプションで指定します。レコード長は1024,2048,4096のどれかを選択できます。
新規にHiRDBを構築する場合は,レコード長を1024にすることをお勧めします。この場合,サーバ定義のpd_log_rec_lengオペランドで1024を指定してください。
レコード長が1024以外の場合,1024に変更することをお勧めします。
システムログファイルのレコード長の変更方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
作成したシステムログファイルをどのファイルグループに対応させるかをサーバ定義のpdlogadfg及びpdlogadpfオペランドで定義します。
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