スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)

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7.5.3 RDエリアの自動増分

RDエリアの容量不足が近付いたときに,そのRDエリアのHiRDBファイルにセグメントを追加してRDエリアの容量を自動的に拡張します。これをRDエリアの自動増分といいます。RDエリアの自動増分には次の二つの方式があります。

  1. HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式
  2. HiRDBファイルシステム領域内でHiRDBファイルを増分する方式

RDエリアの自動増分を次の図に示します。

図7-18 RDエリアの自動増分

[図データ]

〔説明〕
方式1では,セグメントの追加で,HiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルシステム領域を必要な分だけ自動的に拡張します。この方式では,一つのHiRDBファイルシステム領域には,HiRDBファイルを一つだけ作成できます。RDエリアに対しては,一つだけ作成できるHiRDBファイルを,RDエリアを構成する最終HiRDBファイルとして割り当てます。
方式2では,HiRDBファイルシステム領域サイズ内でHiRDBファイルを拡張又は追加し,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。

RDエリアの自動増分の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 自動増分を適用できるRDエリア
(2) 自動増分の契機
(3) RDエリアの自動増分方式の選択基準
(4) 自動増分の設定方法

(1) 自動増分を適用できるRDエリア

RDエリアの自動増分を適用できるRDエリアを次に示します。

(2) 自動増分の契機

HiRDBは,次に示すRDエリアの自動増分契機になると,RDエリアを自動増分します。

自動増分契機は,pd_rdarea_extension_timingオペランドで指定できます。詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」を参照してください。

(3) RDエリアの自動増分方式の選択基準

RDエリアの自動増分を適用する場合,基本的には方式1をお勧めします。方式1では,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張するため,領域の見積もりやデータベースの拡張が容易になります。

ただし,方式1には次の制限事項があるため,適用できないシステムの場合は,方式2を選択してください。

(4) 自動増分の設定方法

自動増分の設定手順を次に示します。

(a) 方式1の場合

この方式の場合,RDエリアの自動増分でHiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。

〈手順〉
  1. 必要があれば,HiRDBシステム定義を変更します。
    pd_large_file_useオペランドにYを指定,又は指定を省略する必要があります。
    pd_rdarea_extension_timingオペランドで自動増分契機を指定します。HiRDBシステム定義の変更方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  2. pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成するときに,-aオプションを指定します。
  3. RDエリアを作成するときにユティリティの制御文で増分セグメント数を指定します。
注※
データベース初期設定ユティリティ,データベース構成変更ユティリティ,又はレジストリ機能初期設定ユティリティのCREATE RDAREA,EXPAND RDAREA,INITIALIZE RDAREA,ALTER RDAREA文で指定できます。
(b) 方式2の場合

この方式の場合,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。自動増分で,HiRDBファイルシステム領域に空きがないと,自動増分できません。この場合,RDエリアを拡張するか,RDエリア内の表及びインデクスを再編成してください。また,エクステント数が上限値である24を超えた場合,HiRDBファイルシステム領域のエクステントを統合して一つにするか,又はRDエリアを拡張してください。エクステント,及びHiRDBファイルシステム領域を統合する手順については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

〈手順〉
  1. 必要があれば,HiRDBシステム定義を変更して,pd_rdarea_extension_timingオペランドで自動増分契機を指定します。HiRDBシステム定義の変更方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  2. pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成するときに,最大増分回数(-eオプション)を指定します。
  3. RDエリアを作成するときにユティリティの制御文で増分セグメント数を指定します。
注※
データベース初期設定ユティリティ,データベース構成変更ユティリティ,又はレジストリ機能初期設定ユティリティのCREATE RDAREA,EXPAND RDAREA,INITIALIZE RDAREA,ALTER RDAREA文で指定できます。