スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)
RDエリアの容量不足が近付いたときに,そのRDエリアのHiRDBファイルにセグメントを追加してRDエリアの容量を自動的に拡張します。これをRDエリアの自動増分といいます。RDエリアの自動増分には次の二つの方式があります。
- HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式
- HiRDBファイルシステム領域内でHiRDBファイルを増分する方式
RDエリアの自動増分を次の図に示します。
図7-18 RDエリアの自動増分
- 〔説明〕
- 方式1では,セグメントの追加で,HiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルシステム領域を必要な分だけ自動的に拡張します。この方式では,一つのHiRDBファイルシステム領域には,HiRDBファイルを一つだけ作成できます。RDエリアに対しては,一つだけ作成できるHiRDBファイルを,RDエリアを構成する最終HiRDBファイルとして割り当てます。
- 方式2では,HiRDBファイルシステム領域サイズ内でHiRDBファイルを拡張又は追加し,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。
RDエリアの自動増分の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 自動増分を適用できるRDエリア
- (2) 自動増分の契機
- (3) RDエリアの自動増分方式の選択基準
- (4) 自動増分の設定方法
(1) 自動増分を適用できるRDエリア
RDエリアの自動増分を適用できるRDエリアを次に示します。
- データディクショナリ用RDエリア
- ユーザ用RDエリア
- レジストリ用RDエリア
- データディクショナリLOB用RDエリア
- ユーザLOB用RDエリア
- レジストリLOB用RDエリア
(2) 自動増分の契機
HiRDBは,次に示すRDエリアの自動増分契機になると,RDエリアを自動増分します。
- RDエリア内の空きセグメント数が1回の自動増分で増分するセグメント数以下になったとき
例えば,1回の自動増分セグメント数を50セグメントとしている場合,空きセグメント数が50セグメント以下になったときに自動増分します。
- RDエリア内に空きセグメントがなく,新しいセグメントを確保できないとき
自動増分契機は,pd_rdarea_extension_timingオペランドで指定できます。詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」を参照してください。
(3) RDエリアの自動増分方式の選択基準
RDエリアの自動増分を適用する場合,基本的には方式1をお勧めします。方式1では,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張するため,領域の見積もりやデータベースの拡張が容易になります。
ただし,方式1には次の制限事項があるため,適用できないシステムの場合は,方式2を選択してください。
- 一つのRDエリアに一つのHiRDBファイルシステム領域を割り当てるため,RDエリア数と同じ数のHiRDBファイルシステム領域を作成する必要がある。
- ディスクに空きがあれば,HiRDBファイルシステム領域が64ギガバイトまで自動的に拡張するため,ディスク使用量の上限を設定できない。
(4) 自動増分の設定方法
自動増分の設定手順を次に示します。
(a) 方式1の場合
この方式の場合,RDエリアの自動増分でHiRDBファイルシステム領域サイズの上限を超える場合,HiRDBファイルの最大サイズ(64ギガバイト)まで自動的にHiRDBファイルシステム領域を拡張します。
- 〈手順〉
- 必要があれば,HiRDBシステム定義を変更します。
pd_large_file_useオペランドにYを指定,又は指定を省略する必要があります。
pd_rdarea_extension_timingオペランドで自動増分契機を指定します。HiRDBシステム定義の変更方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
- pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成するときに,-aオプションを指定します。
- RDエリアを作成するときにユティリティの制御文※で増分セグメント数を指定します。
- 注※
- データベース初期設定ユティリティ,データベース構成変更ユティリティ,又はレジストリ機能初期設定ユティリティのCREATE RDAREA,EXPAND RDAREA,INITIALIZE RDAREA,ALTER RDAREA文で指定できます。
(b) 方式2の場合
この方式の場合,HiRDBファイルシステム領域の上限まで自動増分します。自動増分で,HiRDBファイルシステム領域に空きがないと,自動増分できません。この場合,RDエリアを拡張するか,RDエリア内の表及びインデクスを再編成してください。また,エクステント数が上限値である24を超えた場合,HiRDBファイルシステム領域のエクステントを統合して一つにするか,又はRDエリアを拡張してください。エクステント,及びHiRDBファイルシステム領域を統合する手順については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
- 〈手順〉
- 必要があれば,HiRDBシステム定義を変更して,pd_rdarea_extension_timingオペランドで自動増分契機を指定します。HiRDBシステム定義の変更方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
- pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域を作成するときに,最大増分回数(-eオプション)を指定します。
- RDエリアを作成するときにユティリティの制御文※で増分セグメント数を指定します。
- 注※
- データベース初期設定ユティリティ,データベース構成変更ユティリティ,又はレジストリ機能初期設定ユティリティのCREATE RDAREA,EXPAND RDAREA,INITIALIZE RDAREA,ALTER RDAREA文で指定できます。
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